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1巻
1-3
しおりを挟む「今も、彼女に贈る腕輪を注文しに行ったらしい。この街には名工がいるんだってさ」
「腕輪……」
彼らの間に衝撃が走った。
「もう贈り物攻勢か!?」とリュファス。
「いや、でも早くないか? 出会ったばかりだろう?」とファラ。
「しかも、件の女性とはちょっと話をしただけだったわよね?」とミリーが言い、レナスは遠い目をしてアハハと乾いた笑いを浮かべて「どうもそれが対の腕輪らしいんだよねー」と言った。
「対の腕輪!?」
全員がハモっていた。そして直後、いっせいにドン引いた。
出会ったばかりの女性に、対の腕輪――すなわち婚約腕輪を用意する男。
……恐い。恐すぎる。
色々なことをすっ飛ばし過ぎだ! とくに相手の気持ちを!
「もうこれで決定ですね……」
疲れた顔をしてルファーガは断言する。どこか怯えているようにも見える。
ルファーガはエルフだ。外見は銀色の髪と同色の瞳を持つ美少年だが、ここにいる誰よりも年上で長生きをしている。
勇者一行の導き手であると同時に、監視役という役目を背負っている彼はいつでも冷静だった。――そのはずだった。
いつも超然とした態度を崩さないルファーガでさえこうなのだ。他の面々は戦慄していた。
でもそれはグリードが恋をしたことにではなく、それによって明らかになったグリードの性質の一端に、だ。
何に対しても心を動かされる様子はなかったグリード。何にも執着しない、特別な思いを抱かない男。
それが誰かに特別な思いを抱いたとたん、思いっきり斜めうしろの方向に暴走し出した。
「なぁ、もし彼女が既婚者だったり恋人いたりしたらどうなるのかな……」
レナスが顔を引きつらせながら言った言葉に、全員が一瞬にして青ざめる。
そのいるかどうかも分からない旦那か恋人が、闇にまぎれて消されるであろうことは確実だったからだ。
腕輪を用意したということは、何が何でも彼女を手に入れるつもりなのだろう。彼女が不憫ではあるが、グリードを止められる者はここにはいない。
なぜならグリードは歴代最強の勇者と言われる存在だからだ。
最強と同時に、最凶の勇者でもあるけれど。
高い魔力を持ち、女神から勇者としての力を授かった人間。さらに人類史上例のない全種族の精霊から【精霊の加護】も受けている。
――その気になれば世界をも滅ぼせる。
とくに【精霊の加護】がヤバイ。
精霊は世界に遍く存在する自然そのものの力の具現だ。
水・土・風・火・光・闇を司る彼らは、まれに気に入った人間に加護を与えるという。
それが【精霊の加護】。精霊が己の力を使って身を護ったり時には力を貸してその人間に精霊の力を使わせたりするスキルだ。
だが当代勇者であるグリードに与えられた【精霊の加護】は通常のものとは違う。
いや、グリードの力が【精霊の加護】を進化させたといってもいいだろう。
彼は精霊の力を、精霊の意思に関係なく引き出して自由に使えるのだ。また精霊の方も忌憚なく彼にその力を委ねている。
精霊は世界を構成する力そのものだ。つまり、その力の使い方によっては世界を滅ぼすことも可能なのである。
そんな彼を止める? 無理無理無理。女神、精霊王クラスでなければ不可能だろう。
彼らにできるのは、被害を最小に抑えるように努力することだけだった。
……なんか、ゴメン。すごくゴメン。
相手の女性(と架空の旦那or恋人)に、彼らは心の中で謝罪した。これからのことを想像すると、そうせずにはいられなかった。
あんな勇者でゴメン、と。
だが、ひとしきり謝った一行は、そこでふっとあることに気付いた。
――誰も彼女の容姿を覚えてなかったことに。
「えっと……茶色の髪だったわよね……?」
ミリーが首を傾げながら言う。
「精霊が言うには瞳も濃い茶色をしている、らしいよ」
とレナスが何かを確認するように視線を空に動かす。
「グリードが抱きとめた時の身長差から言えば、小柄なようですね」
とルファーガ。
「広間にいた時にルイーゼ姫の侍女だと言っていたな」
そのファラの言葉に頷いたのはリュファスだった。
「ああ。姫の第一侍女で、姫が攫われるのを目撃したのも彼女だ。だが……」
言葉を濁すリュファス。彼の「だが……」に続く言葉は口に出さなくても分かった。
よく覚えていない、だ。
そうなのだ。グリードの態度にあまりに驚きすぎていたせいか、誰も彼女の容姿をはっきりと思い出せないのだ。
彼らはバカでも忘れっぽいわけでもない。むしろ記憶力はいい方だ。
なのに、誰ひとり明確にグリードの想い人を思い描くことができないとは……
「と、とにかくすごく普通っぽかった」
とレナスが冷汗をかきながら言った。
思い出そうとしても、茶色の髪に小柄な侍女服をまとった女性の、おぼろげな姿しか思い浮かべられない。
「そうそう。あら、普通の女の子だ、と思ったのよね」とミリー。
「普通で、あまり特徴がなかったような気がする」とリュファス。
「不細工というわけではなく、可もなく不可もない目立たない感じの容姿だったと思います」とルファーガ。
「あれだな、特徴がなさすぎて覚えてないのだと思うよ。太っているとか痩せているとか、口が大きい、小さいとか何かしら特徴があれば、マイナスイメージであっても記憶には残っていると思うが、彼女は……」
ファラが眉を顰めながら続けた。
「そのどれでもなくて、すべてにおいて平均。だから印象に残らなかったのかもしれない」
ある意味、誰の記憶の端にも残っていないというのは逆にすごいことかもしれない。
だが、それはそれで大問題だ。彼らにとっても重要な人物になるであろう彼女の、顔が思い出せないとは。
――グリードの初恋の相手なのに。
……初恋。
その単語を脳裏に思い浮かべた瞬間、全員が地味に精神的なダメージを受けたのは気のせいだろうか。
「グリード」と「初恋」。なんて似つかわしくない言葉だろう。
勇者の幼馴染でもあるレナスは、失礼にもそう思った。
いや、それより今はグリードの想い人の存在をつきとめなければ。
世界の命運をある意味握っているかもしれないのに。それなのに――
「ヤバイよ。僕、次に会った時、わかるかどうか怪しい」
とレナスが頭を抱えて言うと、リュファスも頷いた。
「下手をすれば、すれ違ってもわからないかもしれないな……」
彼女が話した魔王の姿形なんかは覚えているし、その声もちゃんと耳に残っている。だから声を聞けばわかるかもしれない。だが……
「顔が明確に思い浮かばないのは辛いな。別人と間違えそうだ」
参った、という風にファラが肩をすくめた。
そう。あまりの特徴のなさに、そこら辺にいる街娘が彼女だと言われればそうだと思い込んでしまうだろう。
グリードに知られないように接触を図ろうと思っていたのに、これでは叶いそうにないではないか。
――その時だった。
一同のやり取りを眺めていた精霊の一人が、くすくす笑いながらレナスに告げたのは。
「あ、風の精霊が教えてくれた。名前はアーリアだそうだ。独身で恋人もなしだって。……よかった」
一行は安堵の息をついた。これで罪なき人が闇夜で葬り去られることはなくなったのだ。
あとは、彼女に何が何でもグリードと一緒になってもらうだけだ。
人権無視?
いや、それより世界の平和だ。いや、世界の存続だ。
「それにはまず、顔を把握しないと」
リュファスの言葉に全員頷いた。
「いくらなんでもグリード本人は分かるだろうから、次会った時は頭にたたき込もう」
これにも全員が頷いた。
魔族に恐れられている勇者一行とは思えないような会話だが、彼らは本気も本気だった。
ルファーガが眉を顰めて言った。
「それにしても、私たち全員が覚えてないなんて。もしかしたら彼女はその手の特殊スキルを持っているのかもしれませんね」
「【隠密】? いや、もっと別の形で認識できないようにするスキル、か?」
リュファスも難しい顔になる。
彼らはスキルに関して詳しい方だが、それでも全部を知っているわけではない。
中には非常にマイナーだったり、あっても効果の疑わしいスキルがそれこそ山のようにあるからだ。
「とてもスキル持ちには見えなかったが、そうでなければ説明はつかないだろうな。さすがグリードが選んだ人というわけか……」
ファラが納得したように頷く。
「顔で選ばないところがグリードらしいわね」とミリー。
「そうだな。普通に見えて、普通じゃない侍女さんか……」
さっきから可笑しそうに精霊たちがくすくす笑っているのを怪訝に思いながら、レナスも頷いて言った。
――顔を見たけどよく覚えていない。
実はそれはモブの特徴に他ならないのだが、準主役に相当する役割を担う彼らはそれを知らなかった。
先日泊まった宿屋の主人を覚えているか?
食料を買った店の主人の顔を思い出せるか?
食堂で給仕をしてくれた女性の顔は?
答えは――NOだ。
彼らの顔を一度は見たハズなのに、記憶に残っていない。なぜならそれは彼らがモブだからだ。
モブについて深く考えることなどこれまでなかった彼らは、「顔を見たはずなのに思い出せない」なんて人間がいることにさえ、今まで気付いていなかった
* * *
時はふたたび衝撃の勇者求婚後。
城の居間に集まった彼ら一行は、ふわりと部屋の空気が動くのを感じた――精霊だ。
「ああ、どうやら新聞記者たちにあの侍女さんの存在を嗅ぎつけられたようですね」
その「声」は同時にグリードにもレナスにも届いたが、精霊の言葉を口にしたのはエルフのルファーガだった。
精霊王と人間の間に生まれた子供を祖先に持つエルフにも、精霊の声が聞こえるのだ。
神官のレナスも頷いて、他のメンバーに分かりやすく説明した。
「今、風の精霊が教えてくれた。勇者がアーリアに求婚したことを、城の下働きから新聞記者たちが聞き出したらしい。記事になるのも時間の問題だね」
「下働きか……そんな所にまでもう噂が広まってるのか」
眉を顰めたのは魔法使いのリュファスだった。
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ため息混じりに言ったのは女戦士のファラだった。
そんなファラに、女盗賊のミリーが苦笑しながら言った。
「仕方ないわよ。それが連中の仕事だもの。彼らも必死なんでしょう。何しろあたしたちから魔王討伐についての詳細な情報が得られないんだからさ」
「魔王討伐……」
レナスがボソッとつぶやく。
「言えるわけないよね……あんな無茶苦茶なこと」
全員がその意見に頷いて、相変わらず窓辺に佇んでいるグリードに視線をやった。
歴代の勇者が何ヵ月――いや、場合によっては年単位の歳月を費してようやく成し遂げることを、この勇者はショートカットしまくり、わずか半月ほどで済ませてしまったのだ。
すべての手順もセオリーも無視して。
こんなことは絶対に言えない。いや、言ってはならないのだ。
――次の世代の勇者たちのために。
* * *
そもそも歴代の勇者一行が宣託を受けた後、なぜすぐに魔王討伐に向かわなかったのかといえば、もちろん鍛錬して力をつけなければならないということもあるが、魔王の下にすぐには赴けない理由があったからだ。
それが魔王配下の幹部たちの存在と、魔王の居住する城が一定の期間で移動してしまうことだった。
ルイーゼ姫が攫われた時、魔王城はシュワルゼの近くに存在していた。だからこの国はすぐに魔王城へと兵を派遣できたのだ――もっとも、魔族の妨害にあって城にたどり着くこともできなかったようだが。
だが、姫が攫われてしばらくすると城は移動してしまった。
どこに行ったのかも分からない。だからこそシュワルゼは勇者に頼らなければならなかったのだ。
依頼を受けた勇者一行はまず移動しながら、魔王城の位置を含めた情報を集めた。
情報屋や冒険ギルドや精霊の力を借りて。
その結果、レイクサリダという国とミンダルクという国の国境にあるバルルード山脈に移動したことが判明した。
だが場所は分かっても、次なる問題が発生した。
魔王城は幾重にも結界を張っていたのだ。
その結界は魔王配下の七大幹部たちがそれぞれに作り上げたもので、城に侵入するためには幹部を全員倒す必要があった。
倒さなければ魔王城への道が開かれない。
だが、幹部たちの居場所を把握するのは、実は魔王城の位置をつきとめるより難しい。巨大な魔王城と違って幹部たちは単独で、しかも気ままに移動してしまうからだ。
グリード一行が今まで倒した幹部はこの時点で四人。あと三人の幹部の居所を探して倒さなければならなかった。
歴代の「普通の」勇者であれば、地道に魔族の幹部を探して根気良く旅を続けただろう。実際、その方法しか魔王城の結界を無効にする方法はないのだから。
だが――最凶の勇者であるグリードはその手順を無視した。
「待てない、今すぐ魔王城を攻略する」と宣言したのだ。
「ルイーゼ姫が攫われて一ヵ月は経つ。これ以上回り道をしていたら、姫の精神が持たない」
もっともらしいことを述べているが、実際は姫のことなんて、まったく心配していないのは明らかだった。
「壊れた姫を連れ帰っても、彼女は喜びませんから」
――そっちの方が本音だろう、グリード?
「だから一刻も早く助け出さないと」
――お前が単に一刻も早く彼女の所に帰りたいっていうだけだろう? 城には恋のライバルがいるから!
一行はそう思いはしたが、誰一人グリードに意見をする勇気は持たなかった。
誰が赤い布目指して突進する猛獣の前に飛び出したがるだろうか。
「……まぁ、今なら魔王も油断しているでしょうし、魔王を含めた城に存在するすべての魔族の魔力が消失してくれれば、だいぶ世界が安定するでしょうしね」
というエルフのルファーガのため息交じりの意見もあって、全員が諦めの境地で覚悟を決めた。
こうして勇者一行はショートカットしまくって、強行突破という名の魔王討伐に赴くことになったのだった。
――魔王城攻略は無茶ぶりと非常識の連続だった。
レイクサリダ側の国境近くの街には、幸いなことに行ったことがあった。そのため彼らは魔法を使ってそこまでは簡単に移動することができた。
だが街からバルルード山脈にある魔王城までは徒歩で行くことになる。
移動の魔法陣は術者が認知している場所にしか飛べないし、魔王城のお膝元で魔法など使ったら発見されてしまうからだ。
険しい山道が続くが、地の精霊が安全な近道を教えてくれるのでそれほど苦ではない。
――国境近くの街を発って三日目。
彼らは魔王城が見渡せる場所まで来ることができた。
魔王城は山の頂ではなく、人目を避けるように渓谷の深い森の中に存在していた。
とはいえ移城の際に木々が吹き飛ばされたのか、それとも大地の精霊が魔族を嫌ったのか、城とその周囲にだけは緑は存在しておらず、ポッカリと土が露出している状態だった。
その魔王城を取り囲むように深い森が生い茂り、不可思議な霧でその姿を周囲から覆い隠している。
魔王の城自体はそれほど大きくはない。シュワルゼの城と同じくらいだ。
シュワルゼの城は白亜の色だが、魔王城はそれとは対照的に全体的に黒っぽい色をしていた。
灰色の岩に囲まれた正門の扉にも、真っ黒な木が使われている。その様子が人の目におどろおどろしさと威圧感を与えていた。
神官のレナスが城を囲む魔族の結界の外に、神聖魔法で結界を施す。風の精霊が城の周囲に配置したリーリスの花を基点としたものである。
リーリスは女神レフェリアを象徴する薄紅色の花だ。神聖魔法とは相性がいい上に、魔族は神聖魔法をなぜか嫌う。だからこの結界は二重の意味を持っていた。
結界の中で起きたことを魔王配下の幹部たちに気取られないようにすることと、中の魔族たちを閉じ込めることができるのだ。
「僕が結局一番無茶振りされたよね……」
レナスがそうぼやいたのも無理はない。
この勇者は魔王城と、魔族たちが張った城を守る結界ごと、レナスに神聖魔法による結界で覆わせたのだ。
魔王城の結界に穴をあけても幹部が気付いて魔王の下へ駆けつけられないように、そして魔王城にいる魔族を逃がさないように。
元はエルフが考案したとも伝えられている神聖魔法は、攻撃ではなく護りに特化した魔術だ。だが、なぜか魔族は苦手としていた。
神聖魔法には彼らの魔力の核を揺さぶるような韻が含まれているからだ。
魔族は肉体という容器に魔力を詰め込んでいる存在と言っても過言ではないほど濃密な魔力を有する。
なぜ容器が必要かというと、魔力だけでは溶けて消滅してしまうからだ。
だから魔族は自身の核である魔力に、保護するように容器、つまり肉体を魔力で形成させて身にまとっているのだ。
その命そのものと言える魔力の核が揺さぶられるということは、存在が危険にさらされるということ。
それゆえ、魔族は神聖魔法を嫌う。
だからこそ神聖魔法で結界を作り出して城を覆うことは有効だった。
「僕、もう魔力ほとんど空だよ……」
城を取り囲むほどの巨大な結界を張ったレナスの顔は蒼白だった。
これほど大きな結界を張ったのは初めてのことだった。
だがレナスのように高位の神官だからこそ成し遂げられる技で、その彼ですら生成に大部分の魔力を持っていかれた状態だ。
「あとは僕の方でフォローします」
慰めるようにレナスの肩を叩いたのは、エルフのルファーガだった。
彼らを尻目に、そんな無茶振りをした張本人の勇者グリードは、魔力を持っている者にはシャボン玉の表面のような膜に見える、魔族の幹部の張った結界を静かに見つめて言った。
「攻撃するのでリミッターを外します」
言った傍から結界が軋んだ。
「ああ、なるほど。精霊の力を使って、城の結界の内側からも圧力をかけているわけですか」
軋む結界とグリードをじっと見つめていたルファーガは苦笑した。感心しているようでもあり、呆れているようでもあった。
彼がこんな表情をするのは珍しいことだ。
それだけこの結界破りは常識外れのことだったのだろう。
――そう。非常識なのは、最強の勇者であるグリードだった。
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