勇者様にいきなり求婚されたのですが

富樫 聖夜

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1巻

1-2

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 そんな事を考えていたら、不意に私の手をつかむグリード様の手に力が入りました。

「痛っ」

 と顔をしかめた私に、グリード様が言いました。

「見てはダメです」
「は?」

 失礼なことを考えていたのがバレたのかと思わずグリード様を見上げた私の目に飛び込んできたのは、真剣な眼差しで私を見下ろすグリード様の表情でした。
 相変わらずの美形です。
 ですが、その視線はさっきまでの甘いものとは違っていて、何やら炎が燃え上がっているように感じられて仕方ありません。
 きゅっ。
 また手に力が入ります。
 今度は痛くはありませんでしたが、妙に力の込もったその手に威圧感を感じずにはいられませんでした。

「私を見てください。その瞳に、別の男を映してはいけません」
「――は?」

 一瞬、何を言われたかわかりませんでした。
 けれど、余所見をしていたのが気に入らないのだということはかろうじてわかりました。
 ……リュファス様に見惚れていたわけではないですよ!?

「ル、ルイーゼ姫様とセットででもですか……?」

 恐る恐る言った私に、グリード様はふるふると首を横に振りました。

「セットでもダメです。他の男は見ないで下さい」


 他の男って……。貴方の仲間で幼友達じゃないんですか……?


 ――どうやら勇者様は思いのほか嫉妬深いらしいです。



   4 空気は読めますが、返事は玉虫色です


 グリード様の嫉妬だかなんだかよく分からない妙な威圧のおかげで私はリュファス皇子やルイーゼ姫様を見てはいけないような気になってきました。もちろん、それに対する王様たちの反応も。
 ですが、勇者物語の主役が私の手を握ってまったく違う方を見ている間にも、話は進んでいきます。


まことのリュファス皇子なら、反対する理由はない。いや、もし王族でないとしても、娘が嫁ぎたいと望んだ者のところに送り出してやるのが親というものだ」

 王様の言葉が広間に響き渡りました。その言葉に呼応するように、王妃様の優しい言葉が続きます。

「そうですよ、姫。貴女を救い出してくださった方々ですもの。たとえ、皇子ではなくただの魔法使いであったとしても、わたくしは貴女の恋を応援しますよ。リュファス様、娘をどうかよろしくお願い致します」
「お母様、お父様……」
「国王陛下、王妃陛下。ありがとうございます」

 この様子だと姫様とリュファス様の結婚は許されるようです。
 さすがに賢王、賢妃と呼ばれる国王夫妻。ふところが深いです。
 ……まぁ、本当に一介の魔法使いだったなら、こうして諸手もろてをあげて賛成したかどうかはちょっと怪しい気もしますが。そこはそれ、つまらないケチはつけずに、素直に喜びたいと思います。
 広間のあちこちから「姫様おめでとうございます」「お幸せに」という言葉が二人に掛けられました。
 歓声や拍手まであがっています。すっかり広間中、リュファス皇子とルイーゼ姫様の結婚大歓迎ムードです。
 ほんの少し前の戸惑いや驚愕きょうがくの雰囲気は一体なんだったのかという感じで、今はこの王道恋愛ストーリーがまさに成るべくして成ったような、皆それを待ち望んでいたかのような晴れやかで和やかな空気が流れております。
 みんな切り替えが早いです。さすが城勤めをしているだけありますね!
 かく言う私もグリード様に手を取られていなければ、率先して拍手をしていたと思います。
 だって、私は侍女歴六年ですから。空気を読むのは得意なのです。
 だけど……私の目の前にいらっしゃる方は、空気は読まないみたいです。いえ、あえてのスルーですか?
 食う気嫁!
 あ、間違えました。
 空気読め! 
 だけど、魔力ゼロの私の念は勇者様には届かなかったようです……
 自分の背後で幼馴染でもある仲間、しかも自国の皇子が伴侶を得ようとしているのに、ちらりとも視線を向けません、グリード様。ずっと私の顔をガン見です。穴が開きそうです。
 平凡なモブの顔を見ても何の面白みもないと思うのですが……毛穴の数でも数えているのでしょうか?


 ――と、いささか私が現実逃避しているのは、はっきり言って恐いからです。
 私が視線を姫様(とリュファス様)に向けなくなってから、グリード様の私を見つめる視線に甘さが戻ってきたのですが、さっきの妙にくらい炎を宿した瞳を見てしまった身としては、それすらも「恐えぇぇ!」という感じです。 
 蛇に睨まれたカエルのような心境です。
 なのに、ああ、なんということでしょう。空気を読めてしまう自分のスキルが初めてわずらわしく思えてきました。
 姫様とリュファス様の王道展開を堪能した人々の関心が、ふたたび私と勇者様に集まってきているのが分かってしまうのです!
「そういえばこの二人はどうなった?」みたいな感じで!
 勇者様以外見てなくても、そんなものは空気で感じ取れます。
 王道展開を見てめでたい雰囲気に触れちゃった人々の頭の中で、こっちもしかるべき結果であるべきだ、みたいな期待する空気が!
 きっと皆様の頭の中では「姫を心配する心優しい侍女と、その彼女のために魔王を倒して姫を救い出した勇者の恋物語」みたいな話ができちゃっているのでしょう。
 なんてお花畑な……いえいえ、前向きな解釈でしょう。
 その「心優しい侍女」が自分でなければ、きっと今頃私の頭の中にもお花が咲いていたかもしれませんね。
 なんて変わり身の早い……と心の中でツッコミを入れつつも、周囲の空気に迎合していたことでしょう。
 でもこんな空気は読みたくありませんでした!
 あああ、私がまだ返事をしてないことに気付いて「よもや断るわけないよね? 勇者様の求婚を」「まさかね~」「勇者様を公衆の面前で振るわけないさ」みたいな視線がチクチクと!
 そして、そんな空気を王様までもが読んだのか、

「そういえば、勇者殿の方はどうなったのだ?」

 なんてことを玉座で言ってくれちゃったではありませんか!
 広間にいる人達のほぼ全員の視線が、私と勇者様に向くのが分かりました。
 ピンチです。
 私は勇者様に手を取られたまま、顔と背中に冷汗がダラダラと流れていくのを感じました。
 間違いなく生まれてこのかた一番の危機です。窮地です。
 私の本音としては、この求婚を綺麗さっぱりお断りしたいです。
 だって勇者様ですよ? 女神から宣託を受けて魔王を倒す使命を負った、そしてそれを見事成し遂げた英雄ですよ?
 ただの子爵令嬢で、容姿も能力も平凡そのもの。広間で集っている侍女に交じればすぐ埋もれる、記憶の端にも残らないモブの私と……結婚?
 あああ、無理! どう考えても無理です!
 他の誰が許しても私は許しません。勇者様の隣に自分みたいな女が並ぶことを!
 これは絶対絶対お断りしなければなりません。ぶっちゃけると、不相応な事態は面倒に決まってますからね。
 でも、これ、断れるのでしょうか……?
 私は必死で考えました。
 断ったらどうなるのでしょうか。
 もし嫌だなんて言ったら――私は国中の総スカンを食らうでしょう。これは間違いなしです。
 だって、私が勇者様の妻に納まれば、この国は勇者様と確かなつながりができますから。
 女神の祝福を受け、魔族を倒す力を持った勇者様とのつながりは、他国に対して政治的にも有利に働くでしょう。
 だからこそ、王様や大臣の方々は当初、ルイーゼ姫様を勇者様に嫁がせようと思っていたのです。
 勇者様はその出目に関係なく国益をもたらす存在なのですから、勇者様が貴族でもなんでもない一般庶民の出であっても問題ではないのです。
 まぁ、姫様はエリューシオン公国の王族と結ばれることが決定したので、別の方面から国益が生まれたことになりますがね。
 でも、それは置いておくとしても、勇者様とも依然としてつながりが欲しいところなのは変わっていません。そんな勇者様を振ったなんてことになったら……
 想像するだけでお先真っ暗です。
 かと言って、勇者の妻になる自分を想像しても、お先真っ暗な気分になるのはどうしてでしょうか……というか想像つきません、そんな私。
 困りました。最大級に困りました。断れません。
 でも勇者様の求婚は受けたくありません。

「アーリア」

 私を見つめる瞳の甘さの中に一瞬だけほのおを宿した勇者様が、いきなり私の名前をその唇に乗せました。
 声は大きくはありません。ですが、なぜか広間中にその涼やかな声音が響き渡ったように感じられました。 

「改めて言わせて下さい。貴女を愛しています。どうか私の妻になって下さい」

 ……どうして今になって空気を読むのですか、グリード様……
 注目の的になっている中で再度求婚するとは……
 あれですね、絶対わざとですね! 狙って言ってますよね、私が断れないように!


 前にも増して汗がダラダラ出てまいりました。
 そんな折、いとめられたように勇者様から視線を外すことができないでいる私の視界の端に、勇者様の仲間達が彼の背後から一生懸命……というより必死の形相で私に向かって手を合わせて拝んだり目配せしたり、念を飛ばしているのが見えました。あの冷静そうなリュファス様ですら同じようなことをしています。
 残念ながら魔力ゼロの私には、彼らが伝えようとしていることを明確に知ることはできません。
 ですが、どうしてでしょうか。私にはなぜか「断らないでくれ! この国が滅びてもいいのか!」と懇願こんがんしているように感じられました。
 ……そうです。空気は読めるのです、私。
 何だか分かりませんが、滅亡フラグまで立っている模様です。
 困りました。ますます断れないじゃないですか!
 私はグルグル考えました。
 その時、ふっと、頭の中で我がミルフォード家の家訓を思い出したのです。
 ……もう、これに従うしかありません。
 私はすぅっと息を吸って口を開きました。

「勇者様……」 

 周りの人たちが固唾かたずを呑んで私の返事を待っているのが感じられました。
 ですが、勇者様一行はなぜか女神に祈っているようです。
 グリード様……貴方は一体どういう方なのでしょうか。私の中で疑惑が芽生えました。
 しかし今はそんなことを考えている場合ではありません。
 疑惑は頭の片隅に置いておいて、私は意識を目の前の勇者様に戻して恐る恐る返事を口に乗せました。

「……私は勇者様のことをよく知りません。グリード様も私のことをご存じないと思います。ですから、返事はお互いのことをよく知ってからということでいいでしょうか?」


 これぞ、ザ・先送り!
 我がミルフォード子爵家の家訓の一つ「難しい問題が起きたら先送りにすべし!」です。
 私はややがっかりな空気が蔓延まんえんする広間の中、じっと勇者様の反応をうかがいました。
 勇者様は感情の読み取れない眼差しで私をじっと見下ろしていましたが――やがて何を思ったのか、不意にふわりと笑みを浮かべたのでした。
 とたんに私の背後にいる侍女仲間が「キャー!」と黄色い声を上げました。
 美形の笑顔はもはや兵器ですね。私も一瞬虚をかれたような気がしましたよ。 
 そんな喧騒けんそうの中、勇者様は頭を下げて私の手の甲にキスを落としました。
 ひぃ。
 またもや背後で黄色い声が上がります。
 そうですよね、その優雅な所作はまるでどこかの王子様のようですものね!


「もちろんです。私も貴女のことが知りたいし、私のことを知ってもらいたいです」

 金色に淡く輝く前髪の間からのぞく海色の瞳で、私を射抜きながら――


 そんな素晴らしく紳士的な姿を見ながらもゾワッと背中に悪寒おかんが走ったのは、気のせいだと思いたい私でした。



   5 最強の勇者にして最凶の勇者


 この世界を創造したのは、光の女神レフェリアと闇の神アーティラードの夫婦神でした。
 彼らが新しい世界を創るにあたり最初に生み出したのが、水・土・風・火に光と闇の六種族の精霊王です。
 精霊王たちは光の女神と闇の神と共にその力を使って世界を創り上げていきました。
 つまり、精霊王は神の眷属けんぞくであり、この世界を構成する存在なのです。
 この六種の力は世界の根幹を成す力であり、世界をあまねく流れなければならないのですが、精霊王達六人だけで世界全域に力を循環させるのは難しかったようです。
 彼らは自分たちの力の欠片かけらから、眷属けんぞくを誕生させて世界に配置しました。
 それが精霊です。精霊の力が世界を巡って循環がうまくいくようになると、創世の女神と神は世界に生命を誕生させました。植物、動物など私たちが知っている生き物です。
 女神と神、そして彼らの子供である精霊王たちは相談しあって、最後に自分たちの姿に似た生命を世界に誕生させました。それが私たち人間です。
 しかし、人間を創造した時に力を使い果たした闇の神アーティラードは、永遠の眠りについてしまいます。
 光の女神レフェリアはそれを悲しみました。そのなげきから誕生したのが魔族です。魔族の目が例外なく赤いのは、なげきの涙から誕生したからだと言われています。
 なげきの存在である魔族は世界の嫌われ者になりました。
 そして、世界のすべてに祝福されて誕生した人間を憎み――その時から魔族と人間の対立が始まったのです。


『こどもに聞かせる世界創造神話』


   * * *


「前回ここを発ってから一ヵ月足らずか……」

 ふかふかのソファに座りながら女盗賊のミリーは感慨深げにつぶやいた。
 広間での騒動のあと、別室でシュワルゼ国王たちに歓迎された勇者一行は、しばらくの間ゆっくり休養できる個室と居間を与えられた。現在はそこに六名全員が何とはなしに集っていた。


「まさかこんなに早く魔王を討伐して帰ってこれるとは思わなかったわ」
「そうだね。僕もここを発つ時はそんなこと想像もしてなかったよ。もっとも、あの時はみんな動揺していたから、そこまで頭が回らなかったというのが実情だけど」

 そう答えたのは、ミリーの隣に座っている神官のレナスだ。
 淡い緑色の髪に黒い瞳を持つ、司祭の中でも「白」という高位の地位にある神官で、一行のムードメイカーでもあった。

「いろんな意味で疲れる一ヵ月だったよね」

 その時のことを思い出しているのか、ため息をつきながらレナスは遠い目をした。
 誰もがその感想に共感したらしい。一同の視線は窓側でたたずむ、疲れを生み出した元凶へと向かった。
 だがその元凶である勇者グリードは、そんな視線をまるで意に介さず、ただただ腕を組んだまま窓の外を眺めている。
 その横顔には、何の感情も浮かんでいない。ただ人形のように無機質な横顔がそこにあるだけだ。
 広間で見せた甘い微笑みも、愛しそうな表情も今はなく、それらはまるで夢か幻想だったかのよう。
 だが、この無表情こそグリードのデフォルトなのだ。
 レナスたちに言わせれば、広間でのグリードの方が夢、しかも悪夢のようなものだ。
 そして彼らはこの一ヵ月、ずっと悪夢を見せられていたに等しかった。
 いや――

「今も悪夢が続いている気がする……」

 レナスのつぶやきは全員の心のうちを表していた。
 悪夢の始まりは一ヵ月前、シュワルゼ国のこの城に到着した時、グリードがとある侍女に一目れしたことだった。
 今まで異性への好意どころか他人に興味すら示さなかったグリード。
 戦いのパーティである前に友人でもある六人。普通なら、友の身に起こったことを微笑ましく祝福したことだろう。
 だが、相手はグリードだ。歴代最強の勇者にして、最凶の勇者である彼が――恋。
 恐らく、初恋。
 彼らはそれを天変地異の前触れだと思った。そしてその予感は、ある意味正しかったと言える。
 きっと魔族でさえ気付いていないが、世界の命運がたった一人の女性の手にゆだねられたのだから。


 彼らの脳裏にこの一ヵ月のことがよみがえった。それは戦慄せんりつ悪寒おかんと苦悩に彩られた日々だった。


   * * *


「少し出掛けてきます」

 ルイーゼ姫を救出するべく城を出発し、シュワルゼ国の東にあるミファナと呼ばれる大きな街に来た一行は、高級でもなくみすぼらしいわけでもない中級の宿に部屋をとった。
 そこでこれからの方針を話し合ったり、旅の準備をするのかと思いきや、リーダーであるグリードは宿に着くなり一人宿を出て行ってしまった。
 その無表情で淡々とした口調はいつものことだった。


 残されたメンバーは示し合わせたわけではなかったが、宿の食堂の一角に集った。
 まだ食事時ではないため、客はほとんどいない。話し合う環境としてはまずまずだ。
 だが、誰も重い口を開こうとはしない。
 その上、みな一様に戸惑ったような表情だった。
 実はここまでの道中も彼らは同じ有様だった。いや、正確に言うと、シュワルゼの王城に着いた時からこの状態だ。
 王や重臣たちの前では取り繕っていたが、かなり困惑していた。いや、今にも頭がショートしてしまいそうだったと言っても過言ではない。
 彼らは先ほど自分たちの目で見たものが信じられなかったのだ。
 実を言うと、今でも信じられない。
 グリードが、女性にあんな風に微笑みかけるなんて。あんなやさしい言葉をかけるなんて。しかも抱きしめていた。これに驚かなくて何に驚くというのだ。
 普段とまるで違うグリードの態度。あれはもしかして、もしかしなくても――恋だろうか。
 そう思った彼らの頭は混乱でいっぱいになった。


 恋! ……あのグリードが?
 無表情、無感動。まるで人形めいたあの男が、恋?


 ……彼らの思考はそれ以上考えるのを拒否していた。
 それにまだ本人の口から聞いたわけじゃないのだ。何か理由があるのかもしれないし。
 そう結論づけた彼らだったが、城を出てからここまでの道中、グリードをちらちらとうかがうだけで聞きたいのに聞けないという有様だった。

『グリードが恋なんてありえない!』
『でもそのあり得ないことが、本当に起きているとしたら?』

 全員、内心で思っているのは同じことだった。
 そして一行に奇妙な緊張感を生み出している原因が目の前から消えて、ようやく彼らはそのことについて話をする機会に恵まれたのだった。


「やっぱりあの女性に恋をしたんだろうか……」

 難しい顔をして魔法使いのリュファスが重い口を開く。

「信じられないけど、そうとしか思えないわ! 何あの笑顔! 終末が来たのかと思ったわ!」

 と女盗賊のミリーが言えば、鮮やかな黄金の髪と落ち着いた色合いの灰青の瞳を持つ女戦士のファラがうなずく。

「ああ。芝居や演技とは思えなかったしな。信じられんが……本気で恋をしたのかもしれん」
「……私としては面倒なことに巻き込まれたくないので、気のせいであってほしいのですが」

 重いため息まじりに言ったのはエルフのルファーガだった。

「残念ながら――」

 上空に視線を向けていた神官のレナスが言った。

「グリードが彼女のことを好きなのは確かなようだよ。精霊たちがそう言っている」

 レナスは精霊の加護を受けた勇者の子孫であるため、精霊の声を聞くことができる。
 グリードほどはっきりと姿が見えたり明解な意思疎通ができるわけではないが、彼らの言っていることはわかるし、その気になればこちらから働きかけることもできるのだ。
 そこでグリードの心の動きに敏感な精霊たちなら分かると思い、精霊に問いかけたらしい。


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