4番目の許婚候補

富樫 聖夜

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1巻

1-1

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   プロローグ 4番目の許婚候補?


 そもそもの始まりは、私、上条かみじょうまなみが大学四年の二月のとある日。
 いきなり伯父おじさんが家に訪ねてきたことだった。


 彼は、私のお母さんのお兄さん。
 すごく大きな会社の社長さんをしている、とてもエライ人。
 さらにお母さんのお父さん、つまり私のおじいちゃんはもっとエライ人で、その大きな会社の会長をしているし、他の会社とか大学とかの理事にも名を連ねている雲の上の存在とも言うべきお人。
 いまどき信じられないけど、旧家らしいよ。ハハ。
 ちなみに、そんなどえりゃー人が親戚にいるけれど、私自身は思いっきり庶民です。庶民。
 理由は簡単で、お母さんが小市民のお父さんと結婚したから。


まいの代わりに、お嫁にいってもらうことになるかもしれない」

 伯父さんが家に来て開口一番に言ったのは、そんなセリフだった。


「……はぁ?」

 私とお母さんは口をポカンと開けて、同時に聞き返した。
 お父さんは仕事中で留守だったけど、この場にいたら同じ反応をしたに違いない。

「どういうこと?」


 つまり、こんなことだった。
 おじいちゃんには共に学び、共に戦中の苦しい時を生き抜いた親友がいた。
 その親友である佐伯さえき氏と、ずっと以前から子孫同士を結婚させて親族になる約束をしていたらしい。
 当初の予定では私を含む孫世代ではなく、子供世代同士が結婚するハズだったのが、佐伯さん方のお嬢さんが若くして亡くなったり、伯母さんが別の良い家柄のボンボンに見初められてさっさと結婚しちゃったりで、うまくまとまらなかったみたい。
 で、次こそはと白羽の矢が立ったのが、私たち孫世代。
 佐伯さんのところは男の孫が一人なので、その彼のところに三条家の血を引く女性陣の誰かが嫁ぐことになっているのだという。


「お母さん、そんなの聞いてた?」

 私、あまりにビックリして伯父おじさんの話の途中で思わずお母さんにたずねちゃったよ。

「うーん、姉さんや兄さんたちを結婚させたいって話があったのは聞いたことがあるけど、あんたたち孫世代まで、その縁談話が持ち越されていたなんて初耳よ」

 私、というか、うちがそのことをずっと知らなかったのは「今までは知る必要がなかったから」、なのだそうだ。
 何しろ会社経営とか財閥とか旧家とかにはまったく関係のない庶民だからね、うちは。
 あと何より、三条の名を継いだ伯父さんのところに舞ちゃんがいたから。
 舞ちゃんは私の従姉妹いとこで、正真正銘のお嬢様だ。
 綺麗で可愛くて、性格も優しく穏やかで、どこに出してもおかしくないサラブレッド。
 同い年の私としては若干コンプレックスを刺激されるものの、この上品でやさしい従姉妹が私は大好きだ。
 家柄もふさわしく、佐伯さんのお孫さんの相手には、当然、舞ちゃんが選ばれていた。
 彼女が二十五歳になったら結婚して、おじいちゃんの長年の夢を叶えるハズだった。


 ――が。


「ま、舞ちゃんが家出!?」

 びっくり仰天して私は叫んだ。
 まさに青天の霹靂へきれきだ。

「そ、そうなんだ。大学卒業を機に花嫁修業させて、そのうち佐伯さんのところの彰人あきひと君と会わせる予定だったのに」

 伯父さんは二月の寒い時期だというのに、うっすらと額に浮かんだ汗をハンカチで拭きつつ言った。

「好きでもない人と結婚するなんてイヤだと言って、出ていってしまったんだ」
「ど、どこへ?」
「多分、大学の友達のところだと思うが……。今、使用人たちに探させている」
「あの舞ちゃんが……家出……」

 私は唖然あぜんとしつつも、舞ちゃんに同情した。
 いまどき許婚いいなずけと結婚しろだなんて、そりゃ家出もしたくなるわよね。

「で、兄さん、家出した舞ちゃんの代わりに、うちのまなみにその佐伯さんのお孫さんのところへ嫁にいけと……?」

 私が心の中で舞ちゃんをフレーフレーと応援している間に、驚愕きょうがくからいち早く立ち直ったお母さんがすうっと目を細めて冷たい声を出した。
 私はハッとした。
 そういえば、そうだよ。伯父おじさんは私にお嫁にいってもらうことになるかもしれないと言ったんだった。

「いや、もしかしたらの話だよ」

 お母さんの剣呑けんのんな表情を見て、伯父さんは慌てて手を横に振って否定した。

「舞が第一候補なのには変わりない。ただ、もし万が一、舞が佐伯さんの孫と結婚しなかった場合は、真綾まあやか、真央まお、もしくはまなみの三人のうち誰かにおはちが回るわけだ」

 真綾まあやちゃんと真央まおちゃんは、お母さんのお姉さんである伯母さんの子供たちで、同じく三条の血を引く私の従姉妹いとこだ。
 真綾ちゃんは私より二つ年上で、真央ちゃんは一つ年下。
 二人とも美人で才女でやさしくて、私の自慢の従姉妹たちだ。
 伯母さんも大きな会社を経営している、いいところの家にお嫁にいったから、この二人も私とは違って正真正銘のお嬢様。


「……ということは、私は許婚いいなずけ候補の4番手ってことか」

 真央ちゃんは私より年下だけど、家柄的にいって優先順位は上だろう。
 三候補が控えているんだから、間違っても私のところには結婚話は回ってこないに違いない。
 安心した私は、にわかにその佐伯さんの孫とやらに興味が湧いてきた。
 将来、親戚になる(かもしれない)人だものね。

「ねぇ伯父さん。その佐伯さんって何歳? 何の仕事しているの?」
「お、まなみ、彰人君に興味が湧いたか?」

 脈アリと思ったのか、急にニコニコしだす伯父さん。
 そしてカバンの中から書類を出して、私とお母さんの前に置いた。

「特別に見せてあげよう。受け取ったばかりの彰人君の釣書だよ」

 釣書ってアレだよね。縁談の時に取り交わす、身上書みたいなヤツ。

「へー、これが釣書。初めて見るよ、私」

 いそいそと開いてみると、一番最初に目についたのが写真だった。
 お母さんが横からのぞき込み、取り上げてしげしげと見つめる。

「へぇ、格好いいじゃない!」
「そうなの?」

 私はお母さんの手にある写真を、身を乗り出して見てみる。

「本当だ」

 そこに居たのは、ちょっとそこらではお目にかかれないくらいハンサムな人だった。
 見合い写真というより、たまたま撮ったスナップ写真、それも隠し撮りっぽいもので、彼の視線はカメラに向いていない。けれどその写真からは頭が良くて抜け目がなさそうな人柄が伝わってくる。
 ただのお坊ちゃまではなさそうだ。
 ほんの少しだけ、私は自分が4番目の許婚いいなずけ候補であることを残念に思った。
 こんなハンサムな人ならそばで見てみたいかも……
 い、いやいやいや。
 私は心の中で、ぶんぶんと顔を横に振った。
 こんな鋭い目と視線を持った人は私の手に余る。
 そう。彼がただのハンサムなお坊ちゃまではないと私に印象づけている最大の理由はその視線と目にある、と思う。
 カメラの方を見ていないのに、彼の目つきは強烈だった。
 鋭くて、冷酷そうで、何も見逃さないぞという強い意志が感じられる視線。
 なぜだか悪寒おかんがした。
 この写真を撮った時、彼が何を見ていたのかは知らないが、彼にこんな視線を向けられる人にはなりたくない……
 肩甲骨あたりがぞわぞわとするのを感じて、私は慌てて写真から目をらし、経歴のほうを見た。
 ふむふむ。佐伯彰人さんは現在二十六歳らしい。
 学歴もすごい。某有名私立中学、高校を卒業し、某有名大学出ときたもんだ。
 何だか資格欄のところもすごくいっぱい書いてあるし、身長だって一八〇センチを超えてるよ!?
 顔も頭も家柄も良くて背も高いだなんて、こんなパーフェクトな人がいるものなんだ。
 感心する私の頭の片隅には、同じく顔よし、頭よし、家柄よしで背も高い別の男性二名の顔が浮かんでいた。
 わが三条家の血を引く、うるわしき従兄弟いとこども二人……
 前言を撤回しよう。

「パーフェクトな人なんて、この世にいるハズないのよ」

 ボソッとつぶやきつつ、印字された文字を舐めるように見ていた私は、職歴のところで目を留めた。
 最初に見た時は軽くスルーしちゃったけど……


『株式会社SAEKI情報システム 新事業推進統括本部主任』

 ――ええ!?
 この会社って……私が四月から勤めることが決まっている会社じゃないかい?



   第1話 佐伯(仁科)彰人というひと


「大きな会社だし部署はいっぱいあるから、よもや佐伯氏と一緒の職場になるとは思ってなかったなぁ」

 六月。新事業推進統括本部に配属されることになってしまった私の第一声がそれだった。うちの会社の新人研修は、小さなグループに分かれて順ぐりに短期間各部署に派遣される。その研修が終わって、新人はそれぞれ決められた部署に配置されることになったのだ。
 どんな呪いなんだろうか。
 ロマンチストな女の子だったら「これは運命かもっ」と思うところかもしれない。けれど私はそうじゃない。研修中の短い期間とはいえ、佐伯氏を間近で見て、私の心は警戒警報を発令していた。本当に呪いとしか思えない……


 研修期間、統括本部に回されて本人に出会う前に、私は彼の情報をばっちり仕入れていた。
 ――佐伯彰人。
 私が就職したこの会社を含む、いくつもの大きな会社を統括する佐伯グループの御曹司。
 本来なら本社でふんぞり返って仕事をしていてもいいハズの彼は現在、「仁科にしな」という別の姓を名乗って身元を隠し、グループ会社で就業中だった。
 自分の能力を試したいと、コネを使わずに実力でこの会社に就職したらしい。
 このことを聞いた時、私は彼に非常に親近感を持った。
 だって私もそうだったから。
 大学四年生になって就職活動が本格化すると、三条の親戚が、自分のところの会社にコネで就職しろとうるさく言い出した。
 会社説明会に行ったり、何回も面接に行ったりする手間もなく楽に就職できるのは魅力的だったけど、コネなんて冗談じゃないぞ。
 社長一族と親類だって知られたら、まともな人間関係を作れるわけがない。
 同僚はおろか、上司だって私の扱いに困るだろうし、そんな中で仕事するのは針のムシロだ。
 それに三条の会社に入ったりなんかしたら、従兄弟いとことおる兄さんにこき使われるのが目に見えているじゃないか!
 というわけで、必死に横槍よこやりをかわし、死に物狂いで就職活動し、私は三条グループにまったくかかわりのない(ハズだった)この会社に就職を果たした。
 まったく、いい家柄の親戚がいるっていうのも楽じゃない。
 とにかく、そういういきさつもあって、私は佐伯彰人さんに親近感というか同胞意識をもったわけですよ。彼もきっと同じように思ったに違いないって。


 そして、迎えた統括本部での新人研修当日、ドキドキしながら人事部長さんに連れられてくだんの人を紹介されたのだけど。
 一目見て、目が点になった。


 め、メガネ着用ですかっ!?
 しかも、髪型も違う!?


 釣書の写真では下ろしていた前髪も、綺麗にうしろに撫でつけられていて、印象がまったく違ってた。
 まさにエリートコースを歩んでいますよ、って感じのお堅いサラリーマンに変身していたのである。
 こりゃ、ビックリだわ。
 驚く私を尻目に、新人仲間の女の子たちは、彼に熱い視線を送っている。
 メガネに隠されていても、佐伯改め仁科主任の美形はちっとも損なわれていなかったから。
 自分に注がれる視線に気づいているのかいないのか、彼はそんな新人たちの反応に動じることなく、やわらかい笑みを浮かべたまま挨拶をした。

「これから覚えることは沢山ありますが、できる限りこちらもフォローしますので、みんなで頑張っていきましょう」

 顔に負けず劣らず魅惑的な声。低くも高くもない、つややかなテノールはどこかセクシーに聞こえた。
 そう感じるのは私たち新人だけじゃないらしい。同じ部署の先輩女性社員の何人かも、うっとりしたまなざしを注いでいるのが見て取れた。
 声も、容姿も、頭も文句なしのパーフェクトな男性。誰もがお近付きになりたいと思うはずだ。
 ところが。
 そのやわらかい微笑みを見た瞬間、私の頭に警告音が鳴り響いた。
 背中がぞわっとして、なぜかこの場からダッシュして逃げてしまいたい衝動に駆られたのだ。
 理性的な部分では佐伯彰人氏を知的でハンサムで素敵な人だなぁ、と認識しているのに、本能が「こいつには近寄っちゃならねぇ」と警告を発している。


 け、警戒レベルMAX!?
 自分のことながら、にわかに信じられない。どうしちゃったの、私の本能センサーは。
 従兄弟いとこの透兄さんと、同じく従兄弟のりょうにしか発動したことなかったのに?


 この人のどこに警戒する必要があるというのだろう。こんな素敵な人が、私のように平凡な新入社員を相手にするわけないというのに。
 思わずマジマジと凝視してしまったけれど、それは他の女性社員も同じで、とくに変だとは思われなかったようだった。


 その後、統括本部での短い研修期間中、注意深く仁科主任を観察していた私だけど、警戒警報は鳴り止まないまま時間が過ぎてしまった。
 自分でも不思議だ。
 仕事には厳しいけれど、失敗するとどこがダメだったか丁寧に教えてくれるし、きちんと良いところはめてくれる頼りがいのある上司なのに。
 なのに、どういうわけか近寄ると警戒してしまうのだ。
 これは私が変なのだろうか……
 そう不安になりつつも俺様&腹黒な従兄弟いとこのせいで磨かれたこの「危険察知能力」を無視するわけにもいかなくて、仁科主任には近づいちゃならない……と心に刻んだのだった。


 なのにどうして同じ部署になってしまったのだろうか?


   * * *


「仁科主任。頼まれていた資料です」

 あああ、お近づきになりたくなんかない!
 ――と思っていても、仕事なので仕方ないよね。
 私は内心の動揺を隠して仕事モードに徹し、仁科主任の机に近づいて頼まれていた資料を示した。
 仁科主任はちらっと私を見てから、資料に視線を落とす。

「ああ、ありがとう。そこに置いておいて」
「はい」

 私は言われた通りに机の端に資料を置き、そそくさと自分の机に戻ろうとしたのだけれど――

「あ、上条さん」

 なぜか呼び止められてしまった。

「は、はい?」

 ギクンとしながらも振り返った私に、主任は渡したばかりの資料を手にし、メガネの奥でやわらかく微笑みながら言った。

「君の資料は速くて的確だから助かるよ。この調子で頑張ってくれ」
「は、はい」

 おおっと褒められたぞ!

「ありがとうございます」

 にっこり微笑むと、私は上機嫌で自分の机に戻った。
 仕事でお世辞なんて言わない人なので、自分の仕事が認められて純粋にうれしかった。


 主任がいるこの部署に配属になって四ヶ月。仕事にはだいぶ慣れたと思う。
 が、相変わらず警戒警報発令中デス。
 まぁ、大所帯おおじょたいな部署なので、そんなに接近することはないのが幸いだ。
 でも新人だから気を遣ってくれているみたいで、不意に声を掛けられることが時々ある。
 これは私に限ったことではなくて、同じ部署に入ってきた新人仲間も同様なのだけど。
 慣れてきたかどうか聞いてきたり、仕事上のアドバイスをくれたりと、気配りが行き届いている。
 いえいえ、私に気を遣わなくていいのでそばに寄らないで下さい!
 と、たまーに言いたくなります。万が一、私の身元がバレたりなんかして、墓穴掘ることになったらイヤだから言わないけど。


 これまでにも実は、ヒヤッとさせられたことがある。


 それは、配属が決まってほんの間もない頃のこと。
 頼まれていたとある会社のデータを仁科主任のアドレス宛にメールで送ってひと息ついた私は、お茶でも飲もうと思って席を立ち、給湯室に向かった。
 その時、ちょうど会議から帰って来たばかりの主任と廊下でバッタリ出くわしたのだ。

「あ、主任、頼まれていた資料、メールしておきましたので、確認お願いします」

 警戒心を押し隠して、私は報告した。
 主任は私の前で立ち止まってにっこり笑う。

「ああ、ありがとう。席に戻ったらすぐ確認するよ」

 本来ならそこで終わるはずの会話だった。
 だけど、その時は違った――笑顔を消した主任が不意にこんなことを言ったからだ。


「失礼なことを聞くけど、上条さんと俺って、前にどこかで会ったことある?」
「――へ? しゅ、主任とですかっ?」

 声が裏返ってしまった私を誰も責められないと思う。
 いきなりバレちゃった……!?
 心臓がバクバクした。顔から背中からどっと冷や汗みたいなものが出てくるのが分かる。


「ああ、いや、勘違いかもしれないけど、どこかで見たことがあるような気がしたんだよね。最初に研修に来た時にもそう思った」

 じっと私の顔を見つめる仁科主任。
 許婚いいなずけとして佐伯家に紹介したのは舞ちゃんだけだと聞いていたけど、もしかして私たち全員の資料を渡していたりするのだろうか。そこで私の写真を見た……とか?
 じりじりと冷や汗をかきながらも、私は頭の隅でそれを否定した。
 この人は恐ろしく記憶力がいい。最近見た写真だったら「どこかで見た気がした」なんてあいまいな記憶の仕方はしないはずだ。研修の時に私の素性に即気付いているだろう。


「い、いえ、会ったことはないハズですけど……」

 私は答えながら、ぐるぐる考えた。
 どこから素性がばれるか分からないから、下手なことは言えない。だから探りを入れることもできない。
 だってやぶを突いたら蛇が出てきそうなんだもの!


「そうか。記憶力はいい方だと思うんだけど、どうも思い出せない。だからこそ気になるんだが……」

 主任はそう言って眉をひそめながら言葉を切る。
 私はヒヤッとした。「だからこそ気になる」の部分に。
 私の素性を怪しまれて探りを入れられたりなんかしたら、それこそヤバイ。

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