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朝の無常
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衝撃の一夜が明けて、自分のベッドで目を覚ましたあたしは唸っていた。
「うー、うー……痛い」
腰が痛い。
お腹が痛い。
身体のあちこちもギシギシいう。
何より股の間の違和感がすごい。
夢だと(しかも悪夢だと)思いたかったけど、この身体の痛みがそれを現実だと教えている。
昨夜、弟の明良に誕生日プレゼントと称して、押し倒された。
そして――――がっつり食われた。
本当に誕生日プレゼントになっちゃったんですよ、おねーちゃんは!
あたしのファーストキスやセカンドキスは言うに及ばず、あたしの初めても、その次も、そのまた次も!
全部明良が貰っていった……いや、奪われた。
弟だと思っていた男は……はっきり言えばケダモノでした――――。
手つきやあたしに触れる手は優しかったけど、容赦なかった。
ええ、もうしつこく、しかもねちっこく責められましたとも。
10年分溜まってるとか何とか言いながら、ビギナーな私の中をこれでもかというほど突いてくれた。本当に容赦なかった。
そんなケダモノさんが、もちろん一回で離してくれるはずもなく――――。
破瓜の血や、汗や足の間から流れる誰かさんの体液で身を横たえるのに適さなくなったあたしのベッドから、場所を明良のベッドに変えてまで何度も奪われた。
ようやく解放されたときは朦朧としていて、その後の記憶は途切れ途切れだ。
だけど、いつの間にかシーツが取り替えてあった自分のベッドに戻され、
「おやすみ、姉さん。誕生日プレゼント、ありがとう」
と掛けてきた言葉だけなら爽やかな弟然でありながら、濃厚な、爽やかさの欠片もないキスをかまして上機嫌に自分の部屋に帰っていく明良の姿ははっきり思い出せる。
その直後に疲労やら睡魔やらに襲われて気絶するように夢の世界に入ってしまったけれど。
で、今目覚めたわけですが。
時計を見てびっくりだよ。
寝不足&絶賛疲労中であるにも関わらず、寝過ごすことなくいつもの時間に目が覚めるあたしって……。
図太い……のか?
おまけに、おまけに。
昨日まで弟だと思っていた男にほぼ無理矢理バージン奪われてしまったというのに、予想されていた悲壮感が自分の中にない。
普通、悲嘆に暮れるとか、嫌悪感とか覚えるもんじゃね?
だけど今のあたしの心境は『ああ、ヤッちまったよ……』という羞恥心と困惑だけだ。
いや、いや、麻痺してる可能性もあるけど!
でも、もうちょっと処女失った悲嘆とか、信頼を裏切られた悲壮感とかあるだろうに……。
ある意味自分がすごいよ、そして恐いよ。
やっぱりこれは、あれかな。
夕べの……。
その夕べの一幕が脳裏に浮かんであたしは一気に赤面した。
そして明良に怒りを感じない理由を悟った。
確かに始めの方は抵抗していた。
どんなに解されても、濡れても痛くて、悲しくてポロポロ泣いていた。
だけど、それ以降は――――。
ごめん、神様。正直に言います。
――途中から諦めたというか快楽に負けて流されてしまいました!
それを覚えているから、明良に対して怒りを持続できないのだ。
たとえ初めは無理矢理だっとしても、応えてしまったのは事実だから。
「ん? 待てよ……?」
無理矢理だけど、応じてしまったって……。
え、これって和姦……?
それにその快楽中のどさくさまぎれに、自分の女認定されて応じてしまった記憶がうっすらと――――。
「なんてこったい……」
チュンチュンチュンと小鳥がさえずる朝の光の中であたしは、男女間における性衝動の無常さを噛み締めていた。
「うー、うー……痛い」
腰が痛い。
お腹が痛い。
身体のあちこちもギシギシいう。
何より股の間の違和感がすごい。
夢だと(しかも悪夢だと)思いたかったけど、この身体の痛みがそれを現実だと教えている。
昨夜、弟の明良に誕生日プレゼントと称して、押し倒された。
そして――――がっつり食われた。
本当に誕生日プレゼントになっちゃったんですよ、おねーちゃんは!
あたしのファーストキスやセカンドキスは言うに及ばず、あたしの初めても、その次も、そのまた次も!
全部明良が貰っていった……いや、奪われた。
弟だと思っていた男は……はっきり言えばケダモノでした――――。
手つきやあたしに触れる手は優しかったけど、容赦なかった。
ええ、もうしつこく、しかもねちっこく責められましたとも。
10年分溜まってるとか何とか言いながら、ビギナーな私の中をこれでもかというほど突いてくれた。本当に容赦なかった。
そんなケダモノさんが、もちろん一回で離してくれるはずもなく――――。
破瓜の血や、汗や足の間から流れる誰かさんの体液で身を横たえるのに適さなくなったあたしのベッドから、場所を明良のベッドに変えてまで何度も奪われた。
ようやく解放されたときは朦朧としていて、その後の記憶は途切れ途切れだ。
だけど、いつの間にかシーツが取り替えてあった自分のベッドに戻され、
「おやすみ、姉さん。誕生日プレゼント、ありがとう」
と掛けてきた言葉だけなら爽やかな弟然でありながら、濃厚な、爽やかさの欠片もないキスをかまして上機嫌に自分の部屋に帰っていく明良の姿ははっきり思い出せる。
その直後に疲労やら睡魔やらに襲われて気絶するように夢の世界に入ってしまったけれど。
で、今目覚めたわけですが。
時計を見てびっくりだよ。
寝不足&絶賛疲労中であるにも関わらず、寝過ごすことなくいつもの時間に目が覚めるあたしって……。
図太い……のか?
おまけに、おまけに。
昨日まで弟だと思っていた男にほぼ無理矢理バージン奪われてしまったというのに、予想されていた悲壮感が自分の中にない。
普通、悲嘆に暮れるとか、嫌悪感とか覚えるもんじゃね?
だけど今のあたしの心境は『ああ、ヤッちまったよ……』という羞恥心と困惑だけだ。
いや、いや、麻痺してる可能性もあるけど!
でも、もうちょっと処女失った悲嘆とか、信頼を裏切られた悲壮感とかあるだろうに……。
ある意味自分がすごいよ、そして恐いよ。
やっぱりこれは、あれかな。
夕べの……。
その夕べの一幕が脳裏に浮かんであたしは一気に赤面した。
そして明良に怒りを感じない理由を悟った。
確かに始めの方は抵抗していた。
どんなに解されても、濡れても痛くて、悲しくてポロポロ泣いていた。
だけど、それ以降は――――。
ごめん、神様。正直に言います。
――途中から諦めたというか快楽に負けて流されてしまいました!
それを覚えているから、明良に対して怒りを持続できないのだ。
たとえ初めは無理矢理だっとしても、応えてしまったのは事実だから。
「ん? 待てよ……?」
無理矢理だけど、応じてしまったって……。
え、これって和姦……?
それにその快楽中のどさくさまぎれに、自分の女認定されて応じてしまった記憶がうっすらと――――。
「なんてこったい……」
チュンチュンチュンと小鳥がさえずる朝の光の中であたしは、男女間における性衝動の無常さを噛み締めていた。
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