尻凛 shiri 〜 がちむちゲイの短編小説集 〜

くまみ

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激闘の褌寒中水泳大会 前編

練習中のアクシデント

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 聡志と長田はプールサイドに着くと、既に現役の部員たちは準備運動を終えて、慣らし泳ぎをしていた。

 この水泳部の伝統で、慣らしは1キロメートル自由形を黙々と泳ぐと言うものだった。

 聡志と長田も二人で準備運動をおこない、他の部員に混じり、慣らし泳ぎを始めた。

 町営プールは広く人はまばらで閑散としていた。

 流石に雪の降る中、わざわざ冬に泳ぎに町営プールまで来る人もいないのだろう。

 「長田、少し太ったなぁ・・・何だか可愛いくなった・・・」聡志はクロールで慣らし泳ぎをしながら思う。

 そう、聡志は根っからの男好きだ。

 ただ、聡志のタイプはがちむち以上の体型で、水泳部員の均整の取れた細身体型には興味がなかった。

 聡志は一年生の時から長田を見ていたが、顔はタイプだと思っていたが体については興味がなく、性的な欲求は一度も感じた事はなかった。

 高校生の成長は早い・・・三年生の長田は昨年の夏の大会を最後に水泳部を引退し、それからは運動はあまりしていなかったのであろう。

 元々は細く筋肉質だった長田の体はがちむちになっていた。

 「あの、チ◯ポ・・・デカイしうわ反りしてた・・・」

 「しかもチ◯ポをいた瞬間はヤバかった・・・」

 そう・・・聡志は長田の裸や勃起したチ◯ポを見て、聡志のチ◯ポもまたフル勃起してしまったのだ。

 それを悟られないように、生徒たちに背を向け、ゆっくりと更衣をしたのだった。

 「あんなのを入れられたら・・・俺、狂っちゃうかも・・・あっ?!俺は何を考えているんだっ!」

 「駄目だっ!ダメ!絶対に駄目っ!あっ・・・痛いっ!」聡志は右足をる・・・

 急いで立ち上がり左足をプール底面に着くと、今度はバランスを崩して左足首を捻ってしまった。

 「うわぁ~!ゲボっ、グボっ・・・うわぁ」聡志は水の中に吸い込まれるように沈んだ。

 聡志は右足を揉みながら水面に何とか浮いた。

 その様子に気付き一番に長田が聡志の元に駆けつける。その後にプールの監視員も飛び込み聡志の元に駆けつけた。

 「先生、大丈夫ですか?!どうしたんですか!!」

 「あぁ、大丈夫だっ・・・すまん、ちょっと上がるのに手を貸してもらえるか?」

 「はい先生!」長田は聡志の腕を取り、その場に駆けつけてくれた監視員も一緒に聡志をプールから上げて、ベンチに座らせた。

 慣らし泳ぎをしていた部員たちも次々と聡志の元に駆けつけた。

 「お怪我はありませんか?」監視員は聡志に声を掛けた。

 「いや、ちょっと足が攣って、それで反対の足を着いたら今度は捻ってしまい・・・痛いっ、いてでてて・・・」聡志は大丈夫なところを見せようと左足首を手で動かすと激痛が走った。

 「ちょっと救急箱を持ってきます・・・」監視員は救護室に行った。

 「捻挫かな・・・」聡志は思った。

 長田は聡志の隣り座り、部員たちも聡志を取り囲んでいた。

 「俺は保健体育の教員で、水泳部の顧問なのに・・・なんて情けないざまだ・・・」

 「先生、大丈夫だよ、気にすんなよ!」落ち込んでいる聡志の様子を察して長田は声を掛けた。

 「ありがとう・・・長田、迷惑かけてすまんな・・・」

 「おい、お前らここは俺が引き受けたから、練習に戻れ!あと、部長を中心にそれぞれの練習メニューをこなす事!」長田は後輩たちに指示を出した。

 「はいっ!」後輩部員たちはプールに戻っていく。

 「先生、迷惑じゃねぇよ!俺、先生にもしもの事があったら生きていけねぇよ・・・」二人切りになった長田は涙ぐむ。

 「おっ、おい長田、大袈裟だなっ!ただの捻挫だろっ!?」

 「あっ、そうっすね!ちょっとドラマっぽく演技してみました!」長田は照れ笑いをした。

 「お前ってやつは・・・」聡志は長田の水で濡れた頭をもしゃもしゃに撫でた。

 聡志は長田が何だか愛おしく感じ始めていた。

 
 
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