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【番外編】敗者復活戦開始の翌日
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あの騒動の翌朝のこと。
「お嬢様、そろそろ起きてくださいませ」
ナタリーの声で目が覚めたけれど、やけに体が重いし、頭もぼんやりする。日の高さを見ると、昼ぐらいだろうか。体力に自信のある私が、こんなに寝坊するなんて珍しい。
(あれは、夢だったのかな)
長時間寝ていたのなら、変な夢を見てもおかしくない。そもそも、あんなキテレツな話があってたまるかと思うと、一気に気分が晴れた。
「なーんだ、夢だったのね!」
「たのもーう! アリス様にお目通りいただきたく、はるばる北の僻地より馳せ参じました! お取次ぎください!」
突然、雷のような声がして、家が揺れた。慌てて窓辺に寄ると、甲冑に身を包んだ大柄な男性が、屋敷の前に立っている。
「なに、なに、なにーっ!?」
「ああ、またですか。本日、五人目ですね」
「どゆこと?」
そこへ悠然と現れたのは、ラウル様だった。騎士の制服を着用し、凛としたそのお姿は、寝起きの私には眩しかった。
「ようこそ、と言いたいところだが、アリス殿に会わせるわけにはいかない。どうしてもお目にかかりたければ、俺を倒してからいけ」
「ラウル! なぜここにいる!」
(申し訳ないけれど、彼のことは熊男さんと呼ばせてもらおう)
熊男さんは激しく動揺するが、ラウル様は涼しい顔をしていた。
「彼女の護衛をしているからだ」
「なぜだ! お前はアリス様から見限られたのだろう! しつこい男だな! 潔く身を引け!」
「それができないから、ここにいる。選べ。俺と戦うか、このまま帰るかを」
ラウル様が訓練用の剣を見せると、男は不敵に笑う。
「はっ! ここまで来て、はいそうですかと、引き下がるバカがいるか! 剣の腕は俺の方が上だぞ!」
「やれやれ、何年前のことを言っている。怪我をしたくなければ、このまま帰ることだ」
「ちょっと顔が良くて、金があるからって、いい気になるなよ!」
「褒め言葉と受け取ろう」
軽口を言いながらラウル様から訓練用の剣を受け取ると、熊男さんは軽く振って感触を確かめる。
「ふむ、悪くない剣だ! 行くぞ!」
熊男さんはニカッと笑うと、ラウル様に剣を振り下ろして戦いが始まってしまった。
「大変! 止めなきゃ!」
「お嬢様、その前にお召替えを」
「え」
寝起きの私は、ネグリジェのままだった。
「ありがとう、ナタリー!」
慌てて顔を洗い、服を着替えて、髪を整えてもらう。駆け付けたときには、すでに勝負がついていた。
「ラウル様! ご無事ですか!?」
「アリス殿。こちらは問題ない。疲れているのに、起こしてしまってすまない」
「いいえ、もう起きていましたから」
私の乙女心が、見栄を張れという。
ふと、唸り声が聞こえた方向を見ると、即席の救護所が設営されていた。そこでは、五人の男性が手当を受けている。
「この方たちは……?」
「敗者復活戦の参加者たちだ。説得しても聞かないから、返り討ちにした」
「え」
「街に住む者は、時折り君に会う機会もある。そうでなくとも、昨日、参加者の仲間に会ったり、バルコニーでのアリス殿の演説を聞いたりした者は、それで満足したかもしれない。
ただ、彼のように遠方に住む者にとって、君は女神に等しい存在だ。彼らの来襲は、今後もしばらく続くだろう」
(誰が女神ですと?)
婿取り大会では、私の印象操作が巧みに行われたようだ。あれか、実際の姿を教えてしまうと幻滅して、参加者が減るからか。
かと言って、実物とかけ離れたイメージを植え付けるのもどうかと思う。変に期待させてガッカリされたら、参加者も私も可哀想ではないか。
「痛みますか? あなたのお名前は?」
彼らが気の毒すぎて、ついつい熊男さんに声をかけてしまった。二十代半ばだろうか。膝をつき、簡易ベッドに横たわる彼の手を握ると、頬を紅潮させて目を潤ませた。
「……ミシェル、です。こうしてお話しできるなんて夢みたいだ」
「ミシェルさん、私もお会いできて嬉しいです。遠くから来てくれたのですか?」
「ええ、でも、いいのです。アリス様に会えたのだから。このまましんでも悔いはありません」
(それは困る)
私に会ったらしんでもいいなんて、言ってくれるな。私は女神どころか、死神になってしまうではないか。
「悲しいことを言わないでください。あなたには大切な家族と、国の未来を担うという尊い役割があるではありませんか。皆で手を携えて、共に歩んでまいりましょう」
(とにかく、生きて!)
「ア、アリス様……! 好きだあ!」
「きゃあっ!」
感極まったミシェルさんは、私に飛びついてきた。逃げることができず、咄嗟に目を閉じる。
「そこまでだ」
ラウル様が間に入ってくれたから、なんとか助かった。でも、喜んではいられない。なぜなら、彼に抱きしめられているからだ。
たくましい腕に、広い胸。相手が男性だということを嫌でも見せつけられて、顔が真っ赤になる。
「ありがとうございます。もう離していただいて結構です」
「では、お送りしよう」
「え」
ラウル様は、ひょいと私をお姫様抱っこする。その拍子に、気絶している彼が見えた。
「ミシェルさん、大丈夫でしょうか?」
「心配いらない。寝不足なんだろう。寝付きがいいとは、うらやましい」
そんなわけあるかいと思いながらも、白目を剥いて気絶している彼を残して、私は自室へ戻されることになった。
「……腕を」
「腕、ですか?」
「いや、いい。気にしないでくれ」
ラウル様が言いづらそうにしているが、腕に怪我でもされたのだろうか。もしかしたら、私が重くて辛いのかもしれない。
「ごめんなさい! 歩きます!」
ピタリと足が止まる。ラウル様は、悲しそうな顔をして、私を見つめた。
「違うんだ。誤解させてすまない。俺の自信のなさと心の狭さが問題なんだ。アリス殿は悪くない。頼むから、君を抱く理由を取り上げないでくれ」
「え、あの、はい」
「でも、もし叶うなら、いつか君が俺に心を開いてくれる日がきたら……」
そこまで話して、ラウル様は再び歩き始めた。
「きたら、何ですか?」
「……君の腕を、俺の首に回してくれないだろうか」
「え」
やはり、このままではバランスが悪いとか、持ちにくいとかあるのだろうか。
「嫌なのは分かっている。無理強いするつもりはないから、安心してほしい。今は、こうしていられるだけで幸せなんだ」
そう言うと、彼は美しい顔で笑った。
(なぜに、そこまで……)
その行為の意味が、私には分からなかったけれど、ラウル様にとっては信頼の証なのだろう。
この日の来襲は夜まで続き、合計三十名ほどの参加者が、ラウル様の前に倒れたらしい。全員が無傷か軽傷で済んでいるのは、彼が並外れて強いからだ。
私は一人一人と面会し、労いの言葉をかけて、帰りの旅費を手渡した。ほとんどの人が受け取りを拒否したが、「地元の救護院などに寄附してください」と言葉を添えると、ようやく手にしてくれる。
ラウル様の言う通り、しばらくの間はこんな日々が続いた。かなり大変ではあったけれど、参加者の皆さまの気持ちを思うと無碍にはできない。
彼は、そんな私を愛おしそうに見つめて、「やはり、君は優しいな」と微笑む。
(本来のラウル様は、優しくて紳士的なのね)
変えられない過去に囚われるのではなく、彼と新しい関係を構築していくことが、私に課せられた新たな役割なのかもしれない。
「あー、でも、簡単にはいかないよう」
「お嬢様、登校のお時間でございます」
「はあい」
回想を中断して支度をし、エントランスに行くと、笑顔のラウル様がいた。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ。愛しのアリス殿。この命にかえても、君を守り抜くことを誓う」
うやうやしく騎士の礼をとる彼は、絵物語の王子様のようでキラキラしていた。
それは、好きなタイプの、ど真ん中。
思わず、顔から火を吹いた。
ラウル様は、面白そうに笑う。
「ははっ、そろそろ慣れてもいいのに」
「無理です!」
(この人は、分かってやっているのかな!?)
ラウル様との関係は今すぐ変わるものではないけれど、こうした日々の積み重ねが、二人の過去を癒し、現在から未来へ繋がっていくのだろう。
今は想像もできないけれど、彼の首に腕を回して、お姫様抱っこをしてもらう未来もあるかもしれない。
その未来は、全ての人にとって幸せなものでありますように。そう願いながら、学園へ向かうのだった。
「お嬢様、そろそろ起きてくださいませ」
ナタリーの声で目が覚めたけれど、やけに体が重いし、頭もぼんやりする。日の高さを見ると、昼ぐらいだろうか。体力に自信のある私が、こんなに寝坊するなんて珍しい。
(あれは、夢だったのかな)
長時間寝ていたのなら、変な夢を見てもおかしくない。そもそも、あんなキテレツな話があってたまるかと思うと、一気に気分が晴れた。
「なーんだ、夢だったのね!」
「たのもーう! アリス様にお目通りいただきたく、はるばる北の僻地より馳せ参じました! お取次ぎください!」
突然、雷のような声がして、家が揺れた。慌てて窓辺に寄ると、甲冑に身を包んだ大柄な男性が、屋敷の前に立っている。
「なに、なに、なにーっ!?」
「ああ、またですか。本日、五人目ですね」
「どゆこと?」
そこへ悠然と現れたのは、ラウル様だった。騎士の制服を着用し、凛としたそのお姿は、寝起きの私には眩しかった。
「ようこそ、と言いたいところだが、アリス殿に会わせるわけにはいかない。どうしてもお目にかかりたければ、俺を倒してからいけ」
「ラウル! なぜここにいる!」
(申し訳ないけれど、彼のことは熊男さんと呼ばせてもらおう)
熊男さんは激しく動揺するが、ラウル様は涼しい顔をしていた。
「彼女の護衛をしているからだ」
「なぜだ! お前はアリス様から見限られたのだろう! しつこい男だな! 潔く身を引け!」
「それができないから、ここにいる。選べ。俺と戦うか、このまま帰るかを」
ラウル様が訓練用の剣を見せると、男は不敵に笑う。
「はっ! ここまで来て、はいそうですかと、引き下がるバカがいるか! 剣の腕は俺の方が上だぞ!」
「やれやれ、何年前のことを言っている。怪我をしたくなければ、このまま帰ることだ」
「ちょっと顔が良くて、金があるからって、いい気になるなよ!」
「褒め言葉と受け取ろう」
軽口を言いながらラウル様から訓練用の剣を受け取ると、熊男さんは軽く振って感触を確かめる。
「ふむ、悪くない剣だ! 行くぞ!」
熊男さんはニカッと笑うと、ラウル様に剣を振り下ろして戦いが始まってしまった。
「大変! 止めなきゃ!」
「お嬢様、その前にお召替えを」
「え」
寝起きの私は、ネグリジェのままだった。
「ありがとう、ナタリー!」
慌てて顔を洗い、服を着替えて、髪を整えてもらう。駆け付けたときには、すでに勝負がついていた。
「ラウル様! ご無事ですか!?」
「アリス殿。こちらは問題ない。疲れているのに、起こしてしまってすまない」
「いいえ、もう起きていましたから」
私の乙女心が、見栄を張れという。
ふと、唸り声が聞こえた方向を見ると、即席の救護所が設営されていた。そこでは、五人の男性が手当を受けている。
「この方たちは……?」
「敗者復活戦の参加者たちだ。説得しても聞かないから、返り討ちにした」
「え」
「街に住む者は、時折り君に会う機会もある。そうでなくとも、昨日、参加者の仲間に会ったり、バルコニーでのアリス殿の演説を聞いたりした者は、それで満足したかもしれない。
ただ、彼のように遠方に住む者にとって、君は女神に等しい存在だ。彼らの来襲は、今後もしばらく続くだろう」
(誰が女神ですと?)
婿取り大会では、私の印象操作が巧みに行われたようだ。あれか、実際の姿を教えてしまうと幻滅して、参加者が減るからか。
かと言って、実物とかけ離れたイメージを植え付けるのもどうかと思う。変に期待させてガッカリされたら、参加者も私も可哀想ではないか。
「痛みますか? あなたのお名前は?」
彼らが気の毒すぎて、ついつい熊男さんに声をかけてしまった。二十代半ばだろうか。膝をつき、簡易ベッドに横たわる彼の手を握ると、頬を紅潮させて目を潤ませた。
「……ミシェル、です。こうしてお話しできるなんて夢みたいだ」
「ミシェルさん、私もお会いできて嬉しいです。遠くから来てくれたのですか?」
「ええ、でも、いいのです。アリス様に会えたのだから。このまましんでも悔いはありません」
(それは困る)
私に会ったらしんでもいいなんて、言ってくれるな。私は女神どころか、死神になってしまうではないか。
「悲しいことを言わないでください。あなたには大切な家族と、国の未来を担うという尊い役割があるではありませんか。皆で手を携えて、共に歩んでまいりましょう」
(とにかく、生きて!)
「ア、アリス様……! 好きだあ!」
「きゃあっ!」
感極まったミシェルさんは、私に飛びついてきた。逃げることができず、咄嗟に目を閉じる。
「そこまでだ」
ラウル様が間に入ってくれたから、なんとか助かった。でも、喜んではいられない。なぜなら、彼に抱きしめられているからだ。
たくましい腕に、広い胸。相手が男性だということを嫌でも見せつけられて、顔が真っ赤になる。
「ありがとうございます。もう離していただいて結構です」
「では、お送りしよう」
「え」
ラウル様は、ひょいと私をお姫様抱っこする。その拍子に、気絶している彼が見えた。
「ミシェルさん、大丈夫でしょうか?」
「心配いらない。寝不足なんだろう。寝付きがいいとは、うらやましい」
そんなわけあるかいと思いながらも、白目を剥いて気絶している彼を残して、私は自室へ戻されることになった。
「……腕を」
「腕、ですか?」
「いや、いい。気にしないでくれ」
ラウル様が言いづらそうにしているが、腕に怪我でもされたのだろうか。もしかしたら、私が重くて辛いのかもしれない。
「ごめんなさい! 歩きます!」
ピタリと足が止まる。ラウル様は、悲しそうな顔をして、私を見つめた。
「違うんだ。誤解させてすまない。俺の自信のなさと心の狭さが問題なんだ。アリス殿は悪くない。頼むから、君を抱く理由を取り上げないでくれ」
「え、あの、はい」
「でも、もし叶うなら、いつか君が俺に心を開いてくれる日がきたら……」
そこまで話して、ラウル様は再び歩き始めた。
「きたら、何ですか?」
「……君の腕を、俺の首に回してくれないだろうか」
「え」
やはり、このままではバランスが悪いとか、持ちにくいとかあるのだろうか。
「嫌なのは分かっている。無理強いするつもりはないから、安心してほしい。今は、こうしていられるだけで幸せなんだ」
そう言うと、彼は美しい顔で笑った。
(なぜに、そこまで……)
その行為の意味が、私には分からなかったけれど、ラウル様にとっては信頼の証なのだろう。
この日の来襲は夜まで続き、合計三十名ほどの参加者が、ラウル様の前に倒れたらしい。全員が無傷か軽傷で済んでいるのは、彼が並外れて強いからだ。
私は一人一人と面会し、労いの言葉をかけて、帰りの旅費を手渡した。ほとんどの人が受け取りを拒否したが、「地元の救護院などに寄附してください」と言葉を添えると、ようやく手にしてくれる。
ラウル様の言う通り、しばらくの間はこんな日々が続いた。かなり大変ではあったけれど、参加者の皆さまの気持ちを思うと無碍にはできない。
彼は、そんな私を愛おしそうに見つめて、「やはり、君は優しいな」と微笑む。
(本来のラウル様は、優しくて紳士的なのね)
変えられない過去に囚われるのではなく、彼と新しい関係を構築していくことが、私に課せられた新たな役割なのかもしれない。
「あー、でも、簡単にはいかないよう」
「お嬢様、登校のお時間でございます」
「はあい」
回想を中断して支度をし、エントランスに行くと、笑顔のラウル様がいた。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ。愛しのアリス殿。この命にかえても、君を守り抜くことを誓う」
うやうやしく騎士の礼をとる彼は、絵物語の王子様のようでキラキラしていた。
それは、好きなタイプの、ど真ん中。
思わず、顔から火を吹いた。
ラウル様は、面白そうに笑う。
「ははっ、そろそろ慣れてもいいのに」
「無理です!」
(この人は、分かってやっているのかな!?)
ラウル様との関係は今すぐ変わるものではないけれど、こうした日々の積み重ねが、二人の過去を癒し、現在から未来へ繋がっていくのだろう。
今は想像もできないけれど、彼の首に腕を回して、お姫様抱っこをしてもらう未来もあるかもしれない。
その未来は、全ての人にとって幸せなものでありますように。そう願いながら、学園へ向かうのだった。
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面白かった。偶然見つけ、一気読みしました。楽しいお話、ありがとうございました。
せんり様、ご感想ありがとうございます!
レオンへの応援、感謝です。
彼がどう動くか、お楽しみに😆
アリスがかわそうです。
できれば、もっと素敵な人と巡り会ってくっついてほしいです。
ラウル様は自業自得なので、きっぱりと諦めてもらいたい。ラウル様とはくっついてほしくないです。
kimu様、ご感想ありがとうございます!
アリスの心に寄り添っていただき、嬉しいです。
明日の投稿内容をご覧になったら、そのお考えが変わるかも知れません。
うふふ。
お楽しみに😆