17 / 65
17 アーカンホーム
しおりを挟む
「ふわーっ! やっと抜けたー!」
物置に通じる隠し扉を開けて、開放感を得る。
カビ臭い地下通路は、オバケが出そうで怖かった。
頑張った自分を褒めてあげたい。
「太陽の大切さが分かったよー」
ガラス窓から差し込む光に、感動する。
昼だからといって、明るいのが当たり前ではないのだ。暖かさと安心感を与えてくれる、太陽のありがたさが骨身に沁みる。
「……ご機嫌で何よりですわ、アリス」
突き刺さるような声が聞こえて、心臓が跳ねる。
親友の声に似ているが、今頃は学園にいる時間だ。
こんな場所にいるわけがない。
「あれ? 幻聴かな?」
「現実逃避していないで、私と向き合いなさいな」
横を見ると、難しい顔をした心の友がいた。
彼女は、この国の王女。私たちは幼なじみだ。
付き合いは、祖先の代まで遡る。
我々のご先祖様は、国のために戦った英雄だ。
私とレオンの祖先は、戦場で武勇を馳せたが、彼女の祖先は法の整備をしてくれた。
その昔、寝ても覚めても国の未来を語り合った祖先たちの絆は、私たちにも受け継がれている。
「えーと、どうしてここにいるの?」
学園を休んで、地味なワンピースを着ているからには、何かわけがあるのだろう。
「それは、こっちのセリフでしてよ。大捕物の直前に、ひょっこり現れてもらっては困りますわ」
どうやら、私は歓迎されていないらしい。
ローズによると、礼拝堂に併設されたアーカンホーム(養護施設)の調査をしているという。
このホームから引き取られた子どもの多くが行方不明になっていて、国の機関が調べても、消息が掴めないそうだ。
「手紙や贈り物が届きませんの」
「どういうこと?」
「私、国中のホームの子どもたちと、巣立った子どもたちの誕生日には、カードと贈り物をしていますの」
それは、ものすごい人数になるのではないか。
誕生日の管理や、品物選びは他人に任せられるとしても、ローズは毎日、たくさんの誕生日カードを書いているのだろう。
「ところが、このホームに関わった子には、届かないことが多くて、不審に思っておりましたの。調べてみたら、家の住所も養父母の名前もデタラメで、どこの学校にも籍がありませんでしたわ」
もしかしたら、犯罪に巻き込まれたのだろうか。彼らがいなくなっても、探す血縁はいないに等しい。せっかく、幸せになれると希望を抱いてホームを出たのに、そんなのはあんまりだ。
「家もなく、学校にも通っていない子どもたちが、今ごろどんな環境に置かれているか、気になって仕方ありませんわ」
彼女は、彼らが生きていると信じている。何としてでも手がかりをつかんで、助け出すつもりだ。
だからといって、王女自らが調査に乗り出すとは、さすがはローズだ。
「道で行き倒れていた子、天涯孤独の子、家庭で虐待を受けていた子、病気や貧しさから預けられた子、学校に行けずに働いていた子。みんな、自分の力ではどうしようもならない理不尽さの中で、懸命にもがいていましたわ」
ローズは、彼らのことを思い出すように話す。
「この世は、子どもだけで生きていけるほど甘くはありませんもの。衣食住が満たされるのは、私たちが想像するよりも、遥かに重要で尊いことですのよ」
ホームに入ることで、人間らしい暮らしと、安心感を手に入れることができるのか。自分と同じくらいの年の子が、親の庇護を受けられないがために、生死の境を彷徨うなんて、やるせない気持ちになった。
「みんな、仲良くしてる?」
「もちろん、ケンカはありますわ。それでなくとも、反抗期や思春期の集団ですもの。人間関係でこじれることは、私たちと同じで、普通にありましてよ。でも、命をつないでこその諍いですわ」
生まれた家によって格差があるのは理解していたが、命に関わるレベルは見過ごすことはできない。どうにかならないものなのか。
「私たちが彼らに出来ることは、あまりありませんわ。もちろん、成長を見守っていますし、自立に向けたプログラムも組んで、サポートしていますのよ。
でも、結局は、自分で這いあがるしかないのですから。
そのための知識と技術、そして、人間としての誇りと愛を、ここにいるうちに、身に付けて欲しいと願っておりますの」
熱く語る親友が眩しい。
「ローズって、すごいんだね」
「当然ですわ。私が、次の時代を築いて行くのですから。私の無能や不手際で、多くの人を不幸にするわけにはまいりませんもの」
「……殿下、養父母たちが集まってきています」
物置小屋の外から男性の声がした。「分かったわ」とローズは答え、何のためにここにいるのか教えてくれた。
今日は、三人の子どもが引き取られるらしい。
やはり、行き先が不明瞭だったので、これから後をつけて調査するそうだ。うまくいけば、芋づる式に多くの犯罪を引っ張り出せるかもしれない。
待ちに待った、チャンスだ。
「でも、ローズは必要なの? 騎士だけでよくない?」
彼女は、不敵に笑う。
「私は一人っ子でしょう? ここの子たちは、私の兄妹と思っていますの。人任せにできませんわ」
彼女は情に厚い。
「それにしても、昼間から、堂々と連れて行くんだね」
「夜中にこっそり連れて行く方が怪しいですわ。普通の家庭に、引き取られていくはずですのよ」
(それもそうだ)
彼らが悪者だと思い込んでいるから、見え方が違ってしまうのだろう。先入観や思い込みは、事実を見落とす危険があると、心のメモに記す。
ふと、ラウル様の事が頭をよぎる。
彼に対して、先入観がないと言えば嘘になるけれど、誤った認識は、交流を深めていくうちに氷解するものだろう。
今なら、みんなの言葉の意味が分かる。彼の第一印象が悪過ぎたため、「本来の彼にたどり着くには時間がかかる」と、アドバイスをくれたのだ。
確かに、徐々に変化は見られたが、追跡魔であることと、指輪への細工が、全てを台無しにした。
見えない相手に対して怒りに燃えていると、それを調査意欲と取ったローズが、私に尋ねた。
「もしかして、アリスも着いてくる気かしら?」
「も、もちろん! 乗りかかった船だもの」
「……沈没させないことを祈りますわ」
物置に通じる隠し扉を開けて、開放感を得る。
カビ臭い地下通路は、オバケが出そうで怖かった。
頑張った自分を褒めてあげたい。
「太陽の大切さが分かったよー」
ガラス窓から差し込む光に、感動する。
昼だからといって、明るいのが当たり前ではないのだ。暖かさと安心感を与えてくれる、太陽のありがたさが骨身に沁みる。
「……ご機嫌で何よりですわ、アリス」
突き刺さるような声が聞こえて、心臓が跳ねる。
親友の声に似ているが、今頃は学園にいる時間だ。
こんな場所にいるわけがない。
「あれ? 幻聴かな?」
「現実逃避していないで、私と向き合いなさいな」
横を見ると、難しい顔をした心の友がいた。
彼女は、この国の王女。私たちは幼なじみだ。
付き合いは、祖先の代まで遡る。
我々のご先祖様は、国のために戦った英雄だ。
私とレオンの祖先は、戦場で武勇を馳せたが、彼女の祖先は法の整備をしてくれた。
その昔、寝ても覚めても国の未来を語り合った祖先たちの絆は、私たちにも受け継がれている。
「えーと、どうしてここにいるの?」
学園を休んで、地味なワンピースを着ているからには、何かわけがあるのだろう。
「それは、こっちのセリフでしてよ。大捕物の直前に、ひょっこり現れてもらっては困りますわ」
どうやら、私は歓迎されていないらしい。
ローズによると、礼拝堂に併設されたアーカンホーム(養護施設)の調査をしているという。
このホームから引き取られた子どもの多くが行方不明になっていて、国の機関が調べても、消息が掴めないそうだ。
「手紙や贈り物が届きませんの」
「どういうこと?」
「私、国中のホームの子どもたちと、巣立った子どもたちの誕生日には、カードと贈り物をしていますの」
それは、ものすごい人数になるのではないか。
誕生日の管理や、品物選びは他人に任せられるとしても、ローズは毎日、たくさんの誕生日カードを書いているのだろう。
「ところが、このホームに関わった子には、届かないことが多くて、不審に思っておりましたの。調べてみたら、家の住所も養父母の名前もデタラメで、どこの学校にも籍がありませんでしたわ」
もしかしたら、犯罪に巻き込まれたのだろうか。彼らがいなくなっても、探す血縁はいないに等しい。せっかく、幸せになれると希望を抱いてホームを出たのに、そんなのはあんまりだ。
「家もなく、学校にも通っていない子どもたちが、今ごろどんな環境に置かれているか、気になって仕方ありませんわ」
彼女は、彼らが生きていると信じている。何としてでも手がかりをつかんで、助け出すつもりだ。
だからといって、王女自らが調査に乗り出すとは、さすがはローズだ。
「道で行き倒れていた子、天涯孤独の子、家庭で虐待を受けていた子、病気や貧しさから預けられた子、学校に行けずに働いていた子。みんな、自分の力ではどうしようもならない理不尽さの中で、懸命にもがいていましたわ」
ローズは、彼らのことを思い出すように話す。
「この世は、子どもだけで生きていけるほど甘くはありませんもの。衣食住が満たされるのは、私たちが想像するよりも、遥かに重要で尊いことですのよ」
ホームに入ることで、人間らしい暮らしと、安心感を手に入れることができるのか。自分と同じくらいの年の子が、親の庇護を受けられないがために、生死の境を彷徨うなんて、やるせない気持ちになった。
「みんな、仲良くしてる?」
「もちろん、ケンカはありますわ。それでなくとも、反抗期や思春期の集団ですもの。人間関係でこじれることは、私たちと同じで、普通にありましてよ。でも、命をつないでこその諍いですわ」
生まれた家によって格差があるのは理解していたが、命に関わるレベルは見過ごすことはできない。どうにかならないものなのか。
「私たちが彼らに出来ることは、あまりありませんわ。もちろん、成長を見守っていますし、自立に向けたプログラムも組んで、サポートしていますのよ。
でも、結局は、自分で這いあがるしかないのですから。
そのための知識と技術、そして、人間としての誇りと愛を、ここにいるうちに、身に付けて欲しいと願っておりますの」
熱く語る親友が眩しい。
「ローズって、すごいんだね」
「当然ですわ。私が、次の時代を築いて行くのですから。私の無能や不手際で、多くの人を不幸にするわけにはまいりませんもの」
「……殿下、養父母たちが集まってきています」
物置小屋の外から男性の声がした。「分かったわ」とローズは答え、何のためにここにいるのか教えてくれた。
今日は、三人の子どもが引き取られるらしい。
やはり、行き先が不明瞭だったので、これから後をつけて調査するそうだ。うまくいけば、芋づる式に多くの犯罪を引っ張り出せるかもしれない。
待ちに待った、チャンスだ。
「でも、ローズは必要なの? 騎士だけでよくない?」
彼女は、不敵に笑う。
「私は一人っ子でしょう? ここの子たちは、私の兄妹と思っていますの。人任せにできませんわ」
彼女は情に厚い。
「それにしても、昼間から、堂々と連れて行くんだね」
「夜中にこっそり連れて行く方が怪しいですわ。普通の家庭に、引き取られていくはずですのよ」
(それもそうだ)
彼らが悪者だと思い込んでいるから、見え方が違ってしまうのだろう。先入観や思い込みは、事実を見落とす危険があると、心のメモに記す。
ふと、ラウル様の事が頭をよぎる。
彼に対して、先入観がないと言えば嘘になるけれど、誤った認識は、交流を深めていくうちに氷解するものだろう。
今なら、みんなの言葉の意味が分かる。彼の第一印象が悪過ぎたため、「本来の彼にたどり着くには時間がかかる」と、アドバイスをくれたのだ。
確かに、徐々に変化は見られたが、追跡魔であることと、指輪への細工が、全てを台無しにした。
見えない相手に対して怒りに燃えていると、それを調査意欲と取ったローズが、私に尋ねた。
「もしかして、アリスも着いてくる気かしら?」
「も、もちろん! 乗りかかった船だもの」
「……沈没させないことを祈りますわ」
52
お気に入りに追加
570
あなたにおすすめの小説

【完結】公爵令嬢は、婚約破棄をあっさり受け入れる
櫻井みこと
恋愛
突然、婚約破棄を言い渡された。
彼は社交辞令を真に受けて、自分が愛されていて、そのために私が必死に努力をしているのだと勘違いしていたらしい。
だから泣いて縋ると思っていたらしいですが、それはあり得ません。
私が王妃になるのは確定。その相手がたまたま、あなただった。それだけです。
またまた軽率に短編。
一話…マリエ視点
二話…婚約者視点
三話…子爵令嬢視点
四話…第二王子視点
五話…マリエ視点
六話…兄視点
※全六話で完結しました。馬鹿すぎる王子にご注意ください。
スピンオフ始めました。
「追放された聖女が隣国の腹黒公爵を頼ったら、国がなくなってしまいました」連載中!

愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)

手放したくない理由
ねむたん
恋愛
公爵令嬢エリスと王太子アドリアンの婚約は、互いに「務め」として受け入れたものだった。貴族として、国のために結ばれる。
しかし、王太子が何かと幼馴染のレイナを優先し、社交界でも「王太子妃にふさわしいのは彼女では?」と囁かれる中、エリスは淡々と「それならば、私は不要では?」と考える。そして、自ら婚約解消を申し出る。
話し合いの場で、王妃が「辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」と声をかけるが、エリスは本当にまったく辛くなかったため、きょとんとする。その様子を見た周囲は困惑し、
「……王太子への愛は芽生えていなかったのですか?」
と問うが、エリスは「愛?」と首を傾げる。
同時に、婚約解消に動揺したアドリアンにも、側近たちが「殿下はレイナ嬢に恋をしていたのでは?」と問いかける。しかし、彼もまた「恋……?」と首を傾げる。
大人たちは、その光景を見て、教育の偏りを大いに後悔することになる。

婚約破棄された公爵令嬢は本当はその王国にとってなくてはならない存在でしたけど、もう遅いです
神崎 ルナ
恋愛
ロザンナ・ブリオッシュ公爵令嬢は美形揃いの公爵家の中でも比較的地味な部類に入る。茶色の髪にこげ茶の瞳はおとなしめな外見に拍車をかけて見えた。そのせいか、婚約者のこのトレント王国の王太子クルクスル殿下には最初から塩対応されていた。
そんな折り、王太子に近付く女性がいるという。
アリサ・タンザイト子爵令嬢は、貴族令嬢とは思えないほどその親しみやすさで王太子の心を捕らえてしまったようなのだ。
仲がよさげな二人の様子を見たロザンナは少しばかり不安を感じたが。
(まさか、ね)
だが、その不安は的中し、ロザンナは王太子に婚約破棄を告げられてしまう。
――実は、婚約破棄され追放された地味な令嬢はとても重要な役目をになっていたのに。
(※誤字報告ありがとうございます)

【完結】婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」

母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。

裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる