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それぞれへの恩賞
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その後、ズィーノの街の跡地から帰還したスタークたちと、パラドの街から帰還したフェアトたちは奇しくも同日に王都へ到着し。
時刻は揃わなかった為、女王陛下への謁見は先に到着したスターク組を休息ついでに見送り、フェアト組が帰還してからとなった。
尤も、ポーラとティエントに関しては休息というより経過観察という形で宮殿内の救護室へと速やかに搬送されていったようだが。
そして、その半日弱ほど後にフェアトたち三人が帰還した──……ものの、こちらはこちらで念の為にと除菌処理をしなければならなかった為、結局のところ女王への謁見及び結果報告は後日に持ち越されたのであった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そして、それから四日後──。
ようやく目を覚ましたポーラとティエントの経過観察もそこそこに、スタークやフェアトを含めた六人と二体は王の間へと招かれ。
「──……ふむ、なるほどのぉ」
女王への謁見と報告を遂行していた。
その全てを【神の眼】で見ていたとは言っても、そうなるまでの過程は流石に見抜きようがなかった為、スタークたちの報告は決して無意味ではないという事だけ断っておく。
「皆、御苦労じゃったな。 取り分け、スタークとフェアト。 己《おの》が使命の為といえ、よくぞ我が国を蝕む悪しき魔を取り祓うてくれた」
「光栄です、女王陛下」
王の間にて報告を終えた六人──ポールとポーラは玉座の傍に無言で控えていた為、正確には四人だが──に対し、その中でも特に活躍した双子に向けて謝辞を述べ、それを受けたフェアトがぺこりと頭を下げる一方で。
「……」
(……?)
自分と同じように頭を下げるでもなく、いつものように軽口を叩くでもなく何故か沈黙を貫いている姉に疑問を抱く少女をよそに。
「そして、ガウリアにティエント。 其方らにも礼を言わねばな。 先の魔奔流《スタンピード》騒動から、また随分と助けられてしもうたようじゃしの」
「……いえ、当然の事をしたまでっす」
「あたいは言うほど役立ってないけどねぇ」
本来なら王族の頭は冒険者や傭兵相手に下げるほど軽くないのだが、ポールもポーラも咎めぬ以上は問題ないのだろう女王からの謝辞に、ティエントが努めて恭しく、ガウリアが敬語もなしに自嘲気味な様子で呟いた後。
「さて、これほどの厄災を退けてくれたのじゃ。 其方らには何かしらの形で恩賞を与えねばなるまい。 何ぞ希望があるならば聞くぞ」
閑話休題とばかりに手を叩いた女王が、ポールが口にした通りスタークたち全員に望む限りの恩賞をと告げた瞬間、誰よりも先に。
「……女王陛下。 俺は、必要以上のモンは望みません。 ただ、どうかこの俺の名を──」
「分かっておる。 必ず後世に残そうぞ」
「……それで充分っす、女王陛下」
神妙な表情と声音で以て、『多くは望まない、その代わりに』と何らかの願いを請おうとしたティエントに対し、あらかじめ分かっていたといった具合の『この国の歴史に必ず刻もう』という女王からの返答に、ティエントは表情を柔らかくしつつ再び頭を下げた。
(……らしいと言えば、らしいけど……)
そのやりとりを聞いていたフェアトは、またしても悪癖が出かけていたようだったが。
「あー……あたいは、その──」
(っと、危な)
それを察したわけではないものの、ガウリアが何かを言いかけた事で悪癖は抑えられ。
そんなガウリアの声もまた、フェアトではない他者の声によって遮られてしまう事に。
「──取り込み中、失礼。 女王陛下、意見具申の許可をいただいてもよろしいですか?」
「ん? うむ、それは構わんが──」
それを為したのはガウリアとともにパラドへ向かったポールであり、意見具申と言われれば拒否する理由もない女王が促すと──。
ポールは努めて手短に語り出した。
ガウリアが望む恩賞と、その理由を。
時間としては、およそ二・三分か。
気恥ずかしさからか、それとも慣れない畏まった場であるからか、いまいち流暢に話せなくなっていたガウリアに代わって語り終えたポールの話に、女王は『ふむ』と唸って。
「──傭兵を辞し、冒険者を志す、と?」
「……そうだね。 だから、叶うなら──」
もう随分と長く就いている筈の傭兵という職から離れて冒険者を目指すのだと、それを叶える為には知恵を付けねばならないのだと決意を新たに固めているらしいガウリアに。
「その為に書物庫への入室許可を、か。 良い良い、いくつになろうと夢を抱くというのは素晴らしい事じゃ。 好きに利用すると良い」
「……ありがたい、そうさせてもらうよ」
「うむうむ、では最後に──」
まるで未来ある若人に向けて語りかけるような口調で以て──実際には女王の四倍弱くらいの年長者なのだが──夢を追う鉱人《ドワーフ》の背中を後押しする言葉をかけつつ許可を出し。
「其方らはどうじゃ? スターク、フェアト」
「え? あぁ、えぇと──……どうします?」
満足そうに笑みを浮かべて頭を下げるガウリアに、こちらもまた満足そうに頷いた女王は最後に双子へ向けて希望を採ろうとして。
実のところ、これといって恩賞について考えてなかったフェアトは姉に問うてみるも。
「……あ? あぁ悪い、聞いてなかった。 女王サマが、あたしに何か言ってきてたのか?」
「……どうしたんです? さっきから。 心ここに在らずって感じですけど何かあった──」
フェアトが指摘した通り、まさしく心ここに在らずな様子のスタークは、やはりと言うべきか碌に話を聞いていなかったようで、ティエントへの違和感の事もあって何か自分の知らない事があったのではと聞こうとした。
「──其方らへの恩賞の話じゃ、スターク」
「恩賞? あぁ、恩賞。 恩賞ね……」
(何、今の……)
しかし、それを遮る形で女王がスタークに話の内容を教え、なあなあにされてしまった事でフェアトの中の疑問は更に大きくなってしまったが──……まぁ、それはさておき。
「……んー、思いつかねぇな。 お前は?」
「えっ? あぁ、私も特にはないですね」
「ふむ、じゃが礼をせぬ訳には──」
結局、話を聞いていてもいなくても特に思いつく事はなかったのだろうスタークは即座に妹に話を振り返し、ほんの僅かな時間ではあるが自分の思考世界に入っていたフェアトも少し驚きつつも首をふるふると横に振る。
とはいえ恩賞必罰は世の常、騎士団長を罰したのと同様に、この国に属する二つもの街を救ってくれた双子に報いぬ訳にはいかず。
与える方と与えられる方、両者がともに頭を悩ませる不可思議な空気に包まれる中で。
「──二人への恩賞は、『武闘国家までの護衛』という形で私が与える。 それで良いか」
「「!」」
「セリシア、其方いつの間に……」
絶対に双子たちが入って来た時には王の間に居なかった筈なのに、いつの間にか大陸一の処刑人にして並び立つ者たち序列三位のセリシアが壁にもたれかかる形で立っており。
「私たちは共に魔闘技祭に出場するつもりでいる。 尤も護衛が必要となるほど弱くはないのだろうが、どうせ他に欲する物もないのなら受け入れておけ──……それで良いな?」
「……あぁ、構わねぇよ」
「そう、ですね」
「まぁ其方らが良いなら良いのじゃがな」
どうせ他に案もないのならと、『絶対強者《セリシア》を無料で護衛に就ける』という、この世界を生きる大半の者たちにとっては破格と言える恩賞を提示し、そもそも双子に護衛など必要ないという事実を置いても、まぁ確かに他に欲しい物も願いもない為、双子は了承する。
「また、それらの恩賞とは別に報酬金も用意してある。 額はこちらで決めたが、満足してもらえるじゃろう。 受け取ってくれるな?」
「そりゃどうも。 別に要らねぇけど」
「ちょっと、姉さん……」
加えて、あっても困る物ではないがあり過ぎても使い切れない物の筆頭である金銭についても、それぞれへの特別な恩賞とは別に贈呈すると告げた女王に、スタークはいつもの様子で──やはり表情は曇りがちだが──軽口を叩き、それをフェアトが咎めんとした。
(……あれ、ポーラさんが何も言わない……?)
が、どういう訳か『そこまで目の敵にしなくても』と思うほどスタークに噛みついていた筈のポーラが無表情と無言を貫いているのを見て、またしても悪癖が飛び出しかけはしたものの、この報酬金についての話が今回の謁見及び報告を締め括る題目だったようで。
「では、これにて謁見を終了とする。 スターク、フェアト、ガウリア、ティエント。 改めて、この国を救ってくれた其方らに感謝を」
「「ありがとうございました」」
「……いえ、こちらこそ」
改まって名を呼ばれ、そして姿勢を正してまで頭を下げられてしまっては、それ以上の追求などできよう筈もなく、フェアトからすると違和感塗れの謁見は幕を下ろした──。
時刻は揃わなかった為、女王陛下への謁見は先に到着したスターク組を休息ついでに見送り、フェアト組が帰還してからとなった。
尤も、ポーラとティエントに関しては休息というより経過観察という形で宮殿内の救護室へと速やかに搬送されていったようだが。
そして、その半日弱ほど後にフェアトたち三人が帰還した──……ものの、こちらはこちらで念の為にと除菌処理をしなければならなかった為、結局のところ女王への謁見及び結果報告は後日に持ち越されたのであった。
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そして、それから四日後──。
ようやく目を覚ましたポーラとティエントの経過観察もそこそこに、スタークやフェアトを含めた六人と二体は王の間へと招かれ。
「──……ふむ、なるほどのぉ」
女王への謁見と報告を遂行していた。
その全てを【神の眼】で見ていたとは言っても、そうなるまでの過程は流石に見抜きようがなかった為、スタークたちの報告は決して無意味ではないという事だけ断っておく。
「皆、御苦労じゃったな。 取り分け、スタークとフェアト。 己《おの》が使命の為といえ、よくぞ我が国を蝕む悪しき魔を取り祓うてくれた」
「光栄です、女王陛下」
王の間にて報告を終えた六人──ポールとポーラは玉座の傍に無言で控えていた為、正確には四人だが──に対し、その中でも特に活躍した双子に向けて謝辞を述べ、それを受けたフェアトがぺこりと頭を下げる一方で。
「……」
(……?)
自分と同じように頭を下げるでもなく、いつものように軽口を叩くでもなく何故か沈黙を貫いている姉に疑問を抱く少女をよそに。
「そして、ガウリアにティエント。 其方らにも礼を言わねばな。 先の魔奔流《スタンピード》騒動から、また随分と助けられてしもうたようじゃしの」
「……いえ、当然の事をしたまでっす」
「あたいは言うほど役立ってないけどねぇ」
本来なら王族の頭は冒険者や傭兵相手に下げるほど軽くないのだが、ポールもポーラも咎めぬ以上は問題ないのだろう女王からの謝辞に、ティエントが努めて恭しく、ガウリアが敬語もなしに自嘲気味な様子で呟いた後。
「さて、これほどの厄災を退けてくれたのじゃ。 其方らには何かしらの形で恩賞を与えねばなるまい。 何ぞ希望があるならば聞くぞ」
閑話休題とばかりに手を叩いた女王が、ポールが口にした通りスタークたち全員に望む限りの恩賞をと告げた瞬間、誰よりも先に。
「……女王陛下。 俺は、必要以上のモンは望みません。 ただ、どうかこの俺の名を──」
「分かっておる。 必ず後世に残そうぞ」
「……それで充分っす、女王陛下」
神妙な表情と声音で以て、『多くは望まない、その代わりに』と何らかの願いを請おうとしたティエントに対し、あらかじめ分かっていたといった具合の『この国の歴史に必ず刻もう』という女王からの返答に、ティエントは表情を柔らかくしつつ再び頭を下げた。
(……らしいと言えば、らしいけど……)
そのやりとりを聞いていたフェアトは、またしても悪癖が出かけていたようだったが。
「あー……あたいは、その──」
(っと、危な)
それを察したわけではないものの、ガウリアが何かを言いかけた事で悪癖は抑えられ。
そんなガウリアの声もまた、フェアトではない他者の声によって遮られてしまう事に。
「──取り込み中、失礼。 女王陛下、意見具申の許可をいただいてもよろしいですか?」
「ん? うむ、それは構わんが──」
それを為したのはガウリアとともにパラドへ向かったポールであり、意見具申と言われれば拒否する理由もない女王が促すと──。
ポールは努めて手短に語り出した。
ガウリアが望む恩賞と、その理由を。
時間としては、およそ二・三分か。
気恥ずかしさからか、それとも慣れない畏まった場であるからか、いまいち流暢に話せなくなっていたガウリアに代わって語り終えたポールの話に、女王は『ふむ』と唸って。
「──傭兵を辞し、冒険者を志す、と?」
「……そうだね。 だから、叶うなら──」
もう随分と長く就いている筈の傭兵という職から離れて冒険者を目指すのだと、それを叶える為には知恵を付けねばならないのだと決意を新たに固めているらしいガウリアに。
「その為に書物庫への入室許可を、か。 良い良い、いくつになろうと夢を抱くというのは素晴らしい事じゃ。 好きに利用すると良い」
「……ありがたい、そうさせてもらうよ」
「うむうむ、では最後に──」
まるで未来ある若人に向けて語りかけるような口調で以て──実際には女王の四倍弱くらいの年長者なのだが──夢を追う鉱人《ドワーフ》の背中を後押しする言葉をかけつつ許可を出し。
「其方らはどうじゃ? スターク、フェアト」
「え? あぁ、えぇと──……どうします?」
満足そうに笑みを浮かべて頭を下げるガウリアに、こちらもまた満足そうに頷いた女王は最後に双子へ向けて希望を採ろうとして。
実のところ、これといって恩賞について考えてなかったフェアトは姉に問うてみるも。
「……あ? あぁ悪い、聞いてなかった。 女王サマが、あたしに何か言ってきてたのか?」
「……どうしたんです? さっきから。 心ここに在らずって感じですけど何かあった──」
フェアトが指摘した通り、まさしく心ここに在らずな様子のスタークは、やはりと言うべきか碌に話を聞いていなかったようで、ティエントへの違和感の事もあって何か自分の知らない事があったのではと聞こうとした。
「──其方らへの恩賞の話じゃ、スターク」
「恩賞? あぁ、恩賞。 恩賞ね……」
(何、今の……)
しかし、それを遮る形で女王がスタークに話の内容を教え、なあなあにされてしまった事でフェアトの中の疑問は更に大きくなってしまったが──……まぁ、それはさておき。
「……んー、思いつかねぇな。 お前は?」
「えっ? あぁ、私も特にはないですね」
「ふむ、じゃが礼をせぬ訳には──」
結局、話を聞いていてもいなくても特に思いつく事はなかったのだろうスタークは即座に妹に話を振り返し、ほんの僅かな時間ではあるが自分の思考世界に入っていたフェアトも少し驚きつつも首をふるふると横に振る。
とはいえ恩賞必罰は世の常、騎士団長を罰したのと同様に、この国に属する二つもの街を救ってくれた双子に報いぬ訳にはいかず。
与える方と与えられる方、両者がともに頭を悩ませる不可思議な空気に包まれる中で。
「──二人への恩賞は、『武闘国家までの護衛』という形で私が与える。 それで良いか」
「「!」」
「セリシア、其方いつの間に……」
絶対に双子たちが入って来た時には王の間に居なかった筈なのに、いつの間にか大陸一の処刑人にして並び立つ者たち序列三位のセリシアが壁にもたれかかる形で立っており。
「私たちは共に魔闘技祭に出場するつもりでいる。 尤も護衛が必要となるほど弱くはないのだろうが、どうせ他に欲する物もないのなら受け入れておけ──……それで良いな?」
「……あぁ、構わねぇよ」
「そう、ですね」
「まぁ其方らが良いなら良いのじゃがな」
どうせ他に案もないのならと、『絶対強者《セリシア》を無料で護衛に就ける』という、この世界を生きる大半の者たちにとっては破格と言える恩賞を提示し、そもそも双子に護衛など必要ないという事実を置いても、まぁ確かに他に欲しい物も願いもない為、双子は了承する。
「また、それらの恩賞とは別に報酬金も用意してある。 額はこちらで決めたが、満足してもらえるじゃろう。 受け取ってくれるな?」
「そりゃどうも。 別に要らねぇけど」
「ちょっと、姉さん……」
加えて、あっても困る物ではないがあり過ぎても使い切れない物の筆頭である金銭についても、それぞれへの特別な恩賞とは別に贈呈すると告げた女王に、スタークはいつもの様子で──やはり表情は曇りがちだが──軽口を叩き、それをフェアトが咎めんとした。
(……あれ、ポーラさんが何も言わない……?)
が、どういう訳か『そこまで目の敵にしなくても』と思うほどスタークに噛みついていた筈のポーラが無表情と無言を貫いているのを見て、またしても悪癖が飛び出しかけはしたものの、この報酬金についての話が今回の謁見及び報告を締め括る題目だったようで。
「では、これにて謁見を終了とする。 スターク、フェアト、ガウリア、ティエント。 改めて、この国を救ってくれた其方らに感謝を」
「「ありがとうございました」」
「……いえ、こちらこそ」
改まって名を呼ばれ、そして姿勢を正してまで頭を下げられてしまっては、それ以上の追求などできよう筈もなく、フェアトからすると違和感塗れの謁見は幕を下ろした──。
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