攻撃特化と守備特化、無敵の双子は矛と盾!

天眼鏡

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魔物の特徴・生態紹介:その5

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◇不動象《ふどうぞう》

 分類:不明
 食性:魔素食

 寿命:なし(一定以上の破壊による限界あり)

 全長:不確定。 出現する場所と階層による

 適性:土

 身体全てが岩石で構成された象型の魔物。

 ……一応、『魔物』という事になってはいるが、『魔』法を扱う生『物』だから魔物なのであって、この種を本当に魔物と呼ぶべきなのかどうか、たびたび議論が交わされる。

 ただ、そもそもこの種は【美食国家】最大規模の迷宮、可食迷宮《エディブル》にしか出現しない事も知られており、あくまで【美食国家】に住まう専門家の間でのみ議論は交わされている。

 また、身体全てが岩石で構成されたと上述したが、この種は何故か岩石でできた壁に身体の後ろ半分が埋まった姿で共通しており。

 これまで誰一人として、この種の全身を見た者はいないとされているものの、この種と戦った結果、生き残っている者も数が多いとは言えず、断言はできないというのが現状。

 魔物としての強さも相当なもので、基本的に階層が下になればなるほど強くなっていく迷宮の掟を無視し、可食迷宮《エディブル》のどこにでも眠っている可能性のある彼らともし新米が上層で遭遇してしまったら……助かる道はない。

 とはいえ、この種の食性は空気中や生物の体内に存在する魔素であり、せっかく取り込んだ魔素を無駄に動いて消費するのを嫌う傾向にある為、眠っている彼らを刺激さえしなければ大抵の場合、戦闘は回避できるとか。

◇八角《はっかく》

 分類:哺乳種
 食性:肉食

 寿命:15~25年

 全長:8~10m

 適性:風・雷

 巨大で鋭利な八本の角を持つ鹿型の魔物。

 大抵の場合、魔物であっても素体が草食動物なら食性は草食となるのだが、どういうわけかこの種の素体は鹿なのに肉しか食べず。

 鹿や、同じ鹿型の魔物をも喜んで喰らう。

 また、その名の通りとんでもなく巨大かつ鋭利な八本の角を携えているが、これは決して飾りではなく魔法を纏って突進する時の殺傷力を向上させる為の武器として扱われる。

 そんな凶暴極まりない生態に反して鳴き声は甲高く、それこそ幼体ともなれば愛らしい見た目もあって警戒しがたいかもしれない。

 が、この種は生まれてすぐに立ち上がるやいなや、親が用意した餌を貪り喰らうという凶暴性を発揮する為、不用意な接近は禁物。

◇梟狼《ふくろう》

 分類:哺乳種
 食性:肉食

 寿命:20~30年

 全長:7~9m

 適性:風・水・氷

 生まれつき梟の特徴を持つ狼型の魔物。

 素体となる狼としての全身のところどころに羽毛が生え、その背中辺りからはいかにもな翼も生えているという奇妙奇天烈な魔物。

 それだけだと『梟』かどうか分からないのではと思うかもしれないが、この種は狼ではありえないほどの超視力と超聴力を備えており、その超感覚が名前の由来となっている。

 首がぐるりと回るのもその一つだろう。

 基本的には狼が素体で氷属性に高い適性を持つ魔物であるという事も相まって、その強くしなやかな四本の脚と超低温の冷気で以て獲物を狩る為、翼での飛行は滅多にしない。

 ただ、とある冒険者の話では『四本全ての脚を酷く負傷し魔力も尽きた梟狼《ふくろう》が、それこそ鳥のように飛んで逃げていった』らしく。

 滅多にしないというだけで飛行する事自体はでき、かなり追い詰められた状況でなければ飛ばないのだろうと結論づけられている。

◇大陸亀《たいりくがめ》

 分類:不明
 食性:不明

 寿命:不明

 全長:ヴィルファルト大陸そのもの

 適性:不明

 三神獣が一体にして、神晶竜の眷属。

 魔物以外も含めた現存する生物の中では言うまでもなく最大であり、かつての神々の代行者かつこの種にとって主人と言っても過言ではない神晶竜を遥かに上回る巨体を誇る。

 神々の手によって世界が創造された頃から存在し続けており、この種を除く二種の三神獣と並んでそもそも寿命があるのかも不明。

 元々は神々により命を与えられた『陸』そのものであり、自身の広く大きな甲羅の上にて人間に文明を築かせる為に存在している。

 現在、【教導国家】と銘打たれている大陸の中心に位置する国は、かつての魔族との戦の影響で穿たれた大穴を埋めるような形で建国されているのだが、ほんの数年で他国に劣らない規模の国となれたのは聖神々教の信徒たちが優れているから、というだけでなく。

 中身まで到達しようかという痛々しい甲羅の傷を、僅か数ヶ月で修復しきってしまったこの種の再生力あっての事だったとか──。

 もちろん、それを知るのはこの種自身と。

 並び立つ者たちシークエンスの序列一位のみだが。

 現在は、その序列一位からの脅迫めいた頼みを嫌々ながらに受け入れて、XYZジーゼットが一体を自身の体内に封印する事を強いられている。

 ほんの僅かな隙を突いて封印を突き破らんとする為、油断ならない日々を送っている。
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