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第43話
(26)
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「あんたの体はそう言ってない。さっきから締まりっぱなしで、俺のをしっかり咥え込んでいる。俺としても、ようやくあんたと結ばれたんだ。しっかりあんたの肉を味わっておかないとな」
下卑た台詞にカッとした和彦は、硬い脇腹に爪を立てる。殴られることを覚悟しての暴挙だが、南郷は声を荒らげることすらせず、内奥深くに欲望を突き込んできた。
両足を抱え直されて大きく左右に開かれる。羞恥に満ちた姿勢を取らされたうえで単調な律動を繰り返されると、和彦はもうまともに言葉を発することができなかった。押し寄せてくる衝撃にひたすら蹂躙される。
室内に、卑猥な湿った音と、乱れた息遣いが響く。南郷に唇と舌を貪られ、口腔に唾液が流し込まれる。密着した肌は流れ落ちる汗で濡れていく。
南郷に侵食されているのだと、いやが上にも実感する。
その合間に、もう必要のなくなった目隠しを取られた。間近から顔を覗き込まれ、和彦は息を詰める。瞬きもせず見つめ返していると、南郷は真剣な表情のまま、目元に唇を押し当ててきた。ちろりと舌先を這わされてゾクリとする。滲んだ涙を舐め取られていた。
「……これが、〈俺〉のオンナの感触と味、か」
そう言って南郷が唇を歪めるだけの笑みを浮かべる。違う、と和彦は否定したが、声にはならなかった。それでも、南郷は唇の動きで読み取り、首を横に振る。
このとき、いつの間にか守光がいなくなっていることに気づいた。
「違わない。あんたは、俺のオンナになる――いや、なったんだ」
上体を起こした南郷に乱暴に腰を突き上げられる。悲鳴を上げた和彦は仰け反り、太い腕に爪を立てるが、荒々しい動きが止まることはない。
内奥から逞しいものが出し入れされ、襞と粘膜を強く擦り上げられる。狙い澄ましたようにひたすら奥深くを突かれ、掻き回されているうちに、体が慣れてきたのか痛みが薄れてくる。同時に、呼吸がいくぶん楽になってきた。
南郷がじっと見下ろしてくる。暗い情念が潜む両目から視線を逸らした拍子に、南郷の脇腹に棲む百足が視界に飛び込んでくる。不気味さに怯みながらも和彦は、なぜか目が離せなかった。
南郷が動くたびに、妖しく百足が蠢く。流れる汗を受けて生々しさが増し、まるで個体として生命を宿しているようだ。
今にも南郷の肌から抜け出し、頑丈なあごで自分に噛みついてくるのではないか――。ふと、そんな想像が和彦の頭を駆け巡る。
「こいつが気になるか。先生」
南郷が自らの脇腹に手を這わせて笑う。あさましい妄想を知られたような羞恥に、和彦は激しくうろたえていた。
「違いますっ……」
「隠さなくていい。俺とあんたは繋がっている最中だ。あんたが発情したことぐらい、わかる。ここが――」
南郷の指先が、繋がっている部分に這わされる。限界まで押し広げられた和彦の内奥は、たったそれだけの刺激でヒクヒクと震えた。
「いやらしく痙攣した。奥を突かれるのが好きらしいな。それに、物騒な男の、物騒な刺青も」
南郷の欲望がズルリと引き抜かれ、またすぐに根本まで挿入される。熱い感覚が体の奥深くから溢れ出していた。
和彦が上擦った声を上げると、何かを確かめるように南郷が同じ行為を繰り返す。さらにもう一度。そこからはもう言葉はなかった。
繋がりを解いた南郷にうつ伏せの姿勢を取らされ、背後から貫かれる。両足の間に無遠慮に差し込まれた手に、乱暴に柔らかな膨らみを揉みしだかれて、和彦は嗚咽を洩らす。まるで獣のように貪られ、犯されていた。
南郷は、従順さを求めているのだと悟った。頭ではいくら拒否しようが、これまでの接触で和彦の扱いに慣れた男は、強い快感によって支配してくる。強引な攻めに、疲労感もあって抗うことはできなかった。
尻の肉を割り開かれ、繋がっている部分をじっくりと観察されていると感じ、和彦は全身を震わせる。加虐性を持つ南郷を煽ると知りながら、それでも前に逃れようとして、容赦なく背後から突き上げられた。
さんざん柔らかな膨らみを弄んだ大きな手に、今度は欲望を握り締められる。和彦のそれはすっかり反り返り、先端から透明なしずくをはしたないほど垂らしていた。
「気持ちいいだろ。俺とのセックスは」
耳元に唇が寄せられ、低い声で囁かれる。和彦は布団に顔を伏せようとしたが、次の瞬間、再び繋がりが解かれて仰向けにされる。南郷が、脇腹を擦りつけるようにして覆い被さってくる。錯覚だと知りながら、百足の蠢きを感じた気がして、和彦は声を洩らす。
そしてまた南郷が中に押し入ってくる。突かれた場所から痺れるような法悦が生まれたことを、和彦は認めざるをえなかった。
下卑た台詞にカッとした和彦は、硬い脇腹に爪を立てる。殴られることを覚悟しての暴挙だが、南郷は声を荒らげることすらせず、内奥深くに欲望を突き込んできた。
両足を抱え直されて大きく左右に開かれる。羞恥に満ちた姿勢を取らされたうえで単調な律動を繰り返されると、和彦はもうまともに言葉を発することができなかった。押し寄せてくる衝撃にひたすら蹂躙される。
室内に、卑猥な湿った音と、乱れた息遣いが響く。南郷に唇と舌を貪られ、口腔に唾液が流し込まれる。密着した肌は流れ落ちる汗で濡れていく。
南郷に侵食されているのだと、いやが上にも実感する。
その合間に、もう必要のなくなった目隠しを取られた。間近から顔を覗き込まれ、和彦は息を詰める。瞬きもせず見つめ返していると、南郷は真剣な表情のまま、目元に唇を押し当ててきた。ちろりと舌先を這わされてゾクリとする。滲んだ涙を舐め取られていた。
「……これが、〈俺〉のオンナの感触と味、か」
そう言って南郷が唇を歪めるだけの笑みを浮かべる。違う、と和彦は否定したが、声にはならなかった。それでも、南郷は唇の動きで読み取り、首を横に振る。
このとき、いつの間にか守光がいなくなっていることに気づいた。
「違わない。あんたは、俺のオンナになる――いや、なったんだ」
上体を起こした南郷に乱暴に腰を突き上げられる。悲鳴を上げた和彦は仰け反り、太い腕に爪を立てるが、荒々しい動きが止まることはない。
内奥から逞しいものが出し入れされ、襞と粘膜を強く擦り上げられる。狙い澄ましたようにひたすら奥深くを突かれ、掻き回されているうちに、体が慣れてきたのか痛みが薄れてくる。同時に、呼吸がいくぶん楽になってきた。
南郷がじっと見下ろしてくる。暗い情念が潜む両目から視線を逸らした拍子に、南郷の脇腹に棲む百足が視界に飛び込んでくる。不気味さに怯みながらも和彦は、なぜか目が離せなかった。
南郷が動くたびに、妖しく百足が蠢く。流れる汗を受けて生々しさが増し、まるで個体として生命を宿しているようだ。
今にも南郷の肌から抜け出し、頑丈なあごで自分に噛みついてくるのではないか――。ふと、そんな想像が和彦の頭を駆け巡る。
「こいつが気になるか。先生」
南郷が自らの脇腹に手を這わせて笑う。あさましい妄想を知られたような羞恥に、和彦は激しくうろたえていた。
「違いますっ……」
「隠さなくていい。俺とあんたは繋がっている最中だ。あんたが発情したことぐらい、わかる。ここが――」
南郷の指先が、繋がっている部分に這わされる。限界まで押し広げられた和彦の内奥は、たったそれだけの刺激でヒクヒクと震えた。
「いやらしく痙攣した。奥を突かれるのが好きらしいな。それに、物騒な男の、物騒な刺青も」
南郷の欲望がズルリと引き抜かれ、またすぐに根本まで挿入される。熱い感覚が体の奥深くから溢れ出していた。
和彦が上擦った声を上げると、何かを確かめるように南郷が同じ行為を繰り返す。さらにもう一度。そこからはもう言葉はなかった。
繋がりを解いた南郷にうつ伏せの姿勢を取らされ、背後から貫かれる。両足の間に無遠慮に差し込まれた手に、乱暴に柔らかな膨らみを揉みしだかれて、和彦は嗚咽を洩らす。まるで獣のように貪られ、犯されていた。
南郷は、従順さを求めているのだと悟った。頭ではいくら拒否しようが、これまでの接触で和彦の扱いに慣れた男は、強い快感によって支配してくる。強引な攻めに、疲労感もあって抗うことはできなかった。
尻の肉を割り開かれ、繋がっている部分をじっくりと観察されていると感じ、和彦は全身を震わせる。加虐性を持つ南郷を煽ると知りながら、それでも前に逃れようとして、容赦なく背後から突き上げられた。
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そしてまた南郷が中に押し入ってくる。突かれた場所から痺れるような法悦が生まれたことを、和彦は認めざるをえなかった。
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