1,123 / 1,268
第43話
(26)
しおりを挟む
「あんたの体はそう言ってない。さっきから締まりっぱなしで、俺のをしっかり咥え込んでいる。俺としても、ようやくあんたと結ばれたんだ。しっかりあんたの肉を味わっておかないとな」
下卑た台詞にカッとした和彦は、硬い脇腹に爪を立てる。殴られることを覚悟しての暴挙だが、南郷は声を荒らげることすらせず、内奥深くに欲望を突き込んできた。
両足を抱え直されて大きく左右に開かれる。羞恥に満ちた姿勢を取らされたうえで単調な律動を繰り返されると、和彦はもうまともに言葉を発することができなかった。押し寄せてくる衝撃にひたすら蹂躙される。
室内に、卑猥な湿った音と、乱れた息遣いが響く。南郷に唇と舌を貪られ、口腔に唾液が流し込まれる。密着した肌は流れ落ちる汗で濡れていく。
南郷に侵食されているのだと、いやが上にも実感する。
その合間に、もう必要のなくなった目隠しを取られた。間近から顔を覗き込まれ、和彦は息を詰める。瞬きもせず見つめ返していると、南郷は真剣な表情のまま、目元に唇を押し当ててきた。ちろりと舌先を這わされてゾクリとする。滲んだ涙を舐め取られていた。
「……これが、〈俺〉のオンナの感触と味、か」
そう言って南郷が唇を歪めるだけの笑みを浮かべる。違う、と和彦は否定したが、声にはならなかった。それでも、南郷は唇の動きで読み取り、首を横に振る。
このとき、いつの間にか守光がいなくなっていることに気づいた。
「違わない。あんたは、俺のオンナになる――いや、なったんだ」
上体を起こした南郷に乱暴に腰を突き上げられる。悲鳴を上げた和彦は仰け反り、太い腕に爪を立てるが、荒々しい動きが止まることはない。
内奥から逞しいものが出し入れされ、襞と粘膜を強く擦り上げられる。狙い澄ましたようにひたすら奥深くを突かれ、掻き回されているうちに、体が慣れてきたのか痛みが薄れてくる。同時に、呼吸がいくぶん楽になってきた。
南郷がじっと見下ろしてくる。暗い情念が潜む両目から視線を逸らした拍子に、南郷の脇腹に棲む百足が視界に飛び込んでくる。不気味さに怯みながらも和彦は、なぜか目が離せなかった。
南郷が動くたびに、妖しく百足が蠢く。流れる汗を受けて生々しさが増し、まるで個体として生命を宿しているようだ。
今にも南郷の肌から抜け出し、頑丈なあごで自分に噛みついてくるのではないか――。ふと、そんな想像が和彦の頭を駆け巡る。
「こいつが気になるか。先生」
南郷が自らの脇腹に手を這わせて笑う。あさましい妄想を知られたような羞恥に、和彦は激しくうろたえていた。
「違いますっ……」
「隠さなくていい。俺とあんたは繋がっている最中だ。あんたが発情したことぐらい、わかる。ここが――」
南郷の指先が、繋がっている部分に這わされる。限界まで押し広げられた和彦の内奥は、たったそれだけの刺激でヒクヒクと震えた。
「いやらしく痙攣した。奥を突かれるのが好きらしいな。それに、物騒な男の、物騒な刺青も」
南郷の欲望がズルリと引き抜かれ、またすぐに根本まで挿入される。熱い感覚が体の奥深くから溢れ出していた。
和彦が上擦った声を上げると、何かを確かめるように南郷が同じ行為を繰り返す。さらにもう一度。そこからはもう言葉はなかった。
繋がりを解いた南郷にうつ伏せの姿勢を取らされ、背後から貫かれる。両足の間に無遠慮に差し込まれた手に、乱暴に柔らかな膨らみを揉みしだかれて、和彦は嗚咽を洩らす。まるで獣のように貪られ、犯されていた。
南郷は、従順さを求めているのだと悟った。頭ではいくら拒否しようが、これまでの接触で和彦の扱いに慣れた男は、強い快感によって支配してくる。強引な攻めに、疲労感もあって抗うことはできなかった。
尻の肉を割り開かれ、繋がっている部分をじっくりと観察されていると感じ、和彦は全身を震わせる。加虐性を持つ南郷を煽ると知りながら、それでも前に逃れようとして、容赦なく背後から突き上げられた。
さんざん柔らかな膨らみを弄んだ大きな手に、今度は欲望を握り締められる。和彦のそれはすっかり反り返り、先端から透明なしずくをはしたないほど垂らしていた。
「気持ちいいだろ。俺とのセックスは」
耳元に唇が寄せられ、低い声で囁かれる。和彦は布団に顔を伏せようとしたが、次の瞬間、再び繋がりが解かれて仰向けにされる。南郷が、脇腹を擦りつけるようにして覆い被さってくる。錯覚だと知りながら、百足の蠢きを感じた気がして、和彦は声を洩らす。
そしてまた南郷が中に押し入ってくる。突かれた場所から痺れるような法悦が生まれたことを、和彦は認めざるをえなかった。
下卑た台詞にカッとした和彦は、硬い脇腹に爪を立てる。殴られることを覚悟しての暴挙だが、南郷は声を荒らげることすらせず、内奥深くに欲望を突き込んできた。
両足を抱え直されて大きく左右に開かれる。羞恥に満ちた姿勢を取らされたうえで単調な律動を繰り返されると、和彦はもうまともに言葉を発することができなかった。押し寄せてくる衝撃にひたすら蹂躙される。
室内に、卑猥な湿った音と、乱れた息遣いが響く。南郷に唇と舌を貪られ、口腔に唾液が流し込まれる。密着した肌は流れ落ちる汗で濡れていく。
南郷に侵食されているのだと、いやが上にも実感する。
その合間に、もう必要のなくなった目隠しを取られた。間近から顔を覗き込まれ、和彦は息を詰める。瞬きもせず見つめ返していると、南郷は真剣な表情のまま、目元に唇を押し当ててきた。ちろりと舌先を這わされてゾクリとする。滲んだ涙を舐め取られていた。
「……これが、〈俺〉のオンナの感触と味、か」
そう言って南郷が唇を歪めるだけの笑みを浮かべる。違う、と和彦は否定したが、声にはならなかった。それでも、南郷は唇の動きで読み取り、首を横に振る。
このとき、いつの間にか守光がいなくなっていることに気づいた。
「違わない。あんたは、俺のオンナになる――いや、なったんだ」
上体を起こした南郷に乱暴に腰を突き上げられる。悲鳴を上げた和彦は仰け反り、太い腕に爪を立てるが、荒々しい動きが止まることはない。
内奥から逞しいものが出し入れされ、襞と粘膜を強く擦り上げられる。狙い澄ましたようにひたすら奥深くを突かれ、掻き回されているうちに、体が慣れてきたのか痛みが薄れてくる。同時に、呼吸がいくぶん楽になってきた。
南郷がじっと見下ろしてくる。暗い情念が潜む両目から視線を逸らした拍子に、南郷の脇腹に棲む百足が視界に飛び込んでくる。不気味さに怯みながらも和彦は、なぜか目が離せなかった。
南郷が動くたびに、妖しく百足が蠢く。流れる汗を受けて生々しさが増し、まるで個体として生命を宿しているようだ。
今にも南郷の肌から抜け出し、頑丈なあごで自分に噛みついてくるのではないか――。ふと、そんな想像が和彦の頭を駆け巡る。
「こいつが気になるか。先生」
南郷が自らの脇腹に手を這わせて笑う。あさましい妄想を知られたような羞恥に、和彦は激しくうろたえていた。
「違いますっ……」
「隠さなくていい。俺とあんたは繋がっている最中だ。あんたが発情したことぐらい、わかる。ここが――」
南郷の指先が、繋がっている部分に這わされる。限界まで押し広げられた和彦の内奥は、たったそれだけの刺激でヒクヒクと震えた。
「いやらしく痙攣した。奥を突かれるのが好きらしいな。それに、物騒な男の、物騒な刺青も」
南郷の欲望がズルリと引き抜かれ、またすぐに根本まで挿入される。熱い感覚が体の奥深くから溢れ出していた。
和彦が上擦った声を上げると、何かを確かめるように南郷が同じ行為を繰り返す。さらにもう一度。そこからはもう言葉はなかった。
繋がりを解いた南郷にうつ伏せの姿勢を取らされ、背後から貫かれる。両足の間に無遠慮に差し込まれた手に、乱暴に柔らかな膨らみを揉みしだかれて、和彦は嗚咽を洩らす。まるで獣のように貪られ、犯されていた。
南郷は、従順さを求めているのだと悟った。頭ではいくら拒否しようが、これまでの接触で和彦の扱いに慣れた男は、強い快感によって支配してくる。強引な攻めに、疲労感もあって抗うことはできなかった。
尻の肉を割り開かれ、繋がっている部分をじっくりと観察されていると感じ、和彦は全身を震わせる。加虐性を持つ南郷を煽ると知りながら、それでも前に逃れようとして、容赦なく背後から突き上げられた。
さんざん柔らかな膨らみを弄んだ大きな手に、今度は欲望を握り締められる。和彦のそれはすっかり反り返り、先端から透明なしずくをはしたないほど垂らしていた。
「気持ちいいだろ。俺とのセックスは」
耳元に唇が寄せられ、低い声で囁かれる。和彦は布団に顔を伏せようとしたが、次の瞬間、再び繋がりが解かれて仰向けにされる。南郷が、脇腹を擦りつけるようにして覆い被さってくる。錯覚だと知りながら、百足の蠢きを感じた気がして、和彦は声を洩らす。
そしてまた南郷が中に押し入ってくる。突かれた場所から痺れるような法悦が生まれたことを、和彦は認めざるをえなかった。
29
お気に入りに追加
1,391
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


朝起きたら幼なじみと番になってた。
オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。
隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた
思いつきの書き殴り
オメガバースの設定をお借りしてます
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる