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第43話
(23)
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内奥から道具が引き抜かれ、代わって指が挿入される。解れ具合を確かめるように、すっかり発情した襞と粘膜を撫で回されたあと、守光が小声で何事か呟く。和彦に話しかけたようでもあり、独り言のようでもあったが、ふと感じた違和感は、砂糖菓子のように淡く溶けていた。
言われるまま和彦は仰向けとなり、両足を自ら広げて守光を迎え入れる。
内奥に押し入ってくる熱や、全身で感じる重みに、ようやく肉で繋がっているのだと実感する。明け透けではあるが、そうとしか表現できなかった。
一息に内奥深くまで刺し貫かれて、一度、二度と突き上げられる。和彦は体をくねらせながら、抱えられた両足を揺らす。反り返った欲望をてのひらに包み込まれ、穏やかな律動に合わせて扱かれると、悦びの声が溢れ出すのはあっという間だった。
「気持ちいいかね、先生?」
耳元で守光に囁かれ、こくりと頷く。そのまま耳朶に唇が這わされ、舌で舐られたあと、じわりと歯が立てられる。甘い痛みに無反応ではいられず、道具によって広げられた内奥が淫らな蠕動を始めていた。
乱れる一方の和彦とは対照的に、守光はいつものように浴衣を脱いではいなかった。見なくとも、端然とした佇まいが容易に瞼の裏に浮かぶ。前を寛げただけの格好で思う様、和彦を犯しているのだ。
「あんたは本当にいやらしい」
笑いを含んだ言葉に対して感じたのは羞恥ではなく、疼きだった。守光の欲望をきつく締め付けると、乱暴に内奥を突き上げられる。
守光が上体を起こし、片手が胸元に這わされる。今日に限って意図したように触れられなかった突起を、不意打ちのように抓り上げられた。一瞬走った痛みは、やはり甘さを伴っており、快感との区別がつかなくなる。
まるで何かを確認するように、守光の手が体中に這わされる。その最中、和彦はこの日初めて精を放ち、自らの下腹部を濡らしていた。
「また漏らしたかね」
息を喘がせる和彦にそう声をかけた守光は、下腹部に触れたあと、和彦の唇に指先を這わせてくる。口腔に指が押し込まれて、独特の味と風味を舌の上に感じる。それが自分の精だとわかったとき、また体が反応していた。
「……思った通りだ。よく締まっている」
両足を抱え直されて、打って変わって単調な律動で攻められるが、絶頂を迎えたばかりの和彦は簡単に快感に翻弄される。守光の浴衣の袖を握り締め、声を上げながら首を左右に振っていた。
「あっ、あうっ、あっ……」
守光が強く腰を突き上げ、動きを止める。この瞬間、何が起こるか予期した和彦は息を詰めた。
守光が達し、内奥に精を注ぎ込まれた。深く息を吐き出したのは守光で、和彦は少し遅れて思い切り息を吸い込む。下肢に力が入らなかった。守光がゆっくりと繋がりを解いても、両足を閉じることもできない。
体が溶けてしまいそうだ、と心の中で呟いた和彦は激しくうろたえる。妖しくひくつく肉の洞から、注ぎ込まれたばかりの精がドロッと溢れ出してきたのだ。
「まだ、そのままで」
慌てて体を起こそうとした和彦に対して、いつになく厳しい口調で守光が言い、体を強張らせる。
守光が布団から離れる気配がしたあと、重々しく〈何か〉が動いたのか、空気の揺れを感じた。さらに衣擦れの音が続いてから、突然、和彦の両足の間に、誰かが腰を割り込ませてきた。
言われるまま和彦は仰向けとなり、両足を自ら広げて守光を迎え入れる。
内奥に押し入ってくる熱や、全身で感じる重みに、ようやく肉で繋がっているのだと実感する。明け透けではあるが、そうとしか表現できなかった。
一息に内奥深くまで刺し貫かれて、一度、二度と突き上げられる。和彦は体をくねらせながら、抱えられた両足を揺らす。反り返った欲望をてのひらに包み込まれ、穏やかな律動に合わせて扱かれると、悦びの声が溢れ出すのはあっという間だった。
「気持ちいいかね、先生?」
耳元で守光に囁かれ、こくりと頷く。そのまま耳朶に唇が這わされ、舌で舐られたあと、じわりと歯が立てられる。甘い痛みに無反応ではいられず、道具によって広げられた内奥が淫らな蠕動を始めていた。
乱れる一方の和彦とは対照的に、守光はいつものように浴衣を脱いではいなかった。見なくとも、端然とした佇まいが容易に瞼の裏に浮かぶ。前を寛げただけの格好で思う様、和彦を犯しているのだ。
「あんたは本当にいやらしい」
笑いを含んだ言葉に対して感じたのは羞恥ではなく、疼きだった。守光の欲望をきつく締め付けると、乱暴に内奥を突き上げられる。
守光が上体を起こし、片手が胸元に這わされる。今日に限って意図したように触れられなかった突起を、不意打ちのように抓り上げられた。一瞬走った痛みは、やはり甘さを伴っており、快感との区別がつかなくなる。
まるで何かを確認するように、守光の手が体中に這わされる。その最中、和彦はこの日初めて精を放ち、自らの下腹部を濡らしていた。
「また漏らしたかね」
息を喘がせる和彦にそう声をかけた守光は、下腹部に触れたあと、和彦の唇に指先を這わせてくる。口腔に指が押し込まれて、独特の味と風味を舌の上に感じる。それが自分の精だとわかったとき、また体が反応していた。
「……思った通りだ。よく締まっている」
両足を抱え直されて、打って変わって単調な律動で攻められるが、絶頂を迎えたばかりの和彦は簡単に快感に翻弄される。守光の浴衣の袖を握り締め、声を上げながら首を左右に振っていた。
「あっ、あうっ、あっ……」
守光が強く腰を突き上げ、動きを止める。この瞬間、何が起こるか予期した和彦は息を詰めた。
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体が溶けてしまいそうだ、と心の中で呟いた和彦は激しくうろたえる。妖しくひくつく肉の洞から、注ぎ込まれたばかりの精がドロッと溢れ出してきたのだ。
「まだ、そのままで」
慌てて体を起こそうとした和彦に対して、いつになく厳しい口調で守光が言い、体を強張らせる。
守光が布団から離れる気配がしたあと、重々しく〈何か〉が動いたのか、空気の揺れを感じた。さらに衣擦れの音が続いてから、突然、和彦の両足の間に、誰かが腰を割り込ませてきた。
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