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第41話
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胸の突起を吸われ、舌先で弄られながら、不意打ちで軽く歯を立てられる。そのたびに和彦は声を上げ、身を震わせる。怯えと、背筋を駆け抜けるゾクゾクするような感覚のせいだ。
執拗に胸元への愛撫を続けながら、南郷の片手が当然のように和彦の欲望を握り締めてくる。腰を跳ねさせて暴れようとしたが、先端を爪の先で弄られて、機先を制された。
「暴れるなよ、先生。いつもみたいに、よくしてやるから」
感じやすい敏感な部分を、爪の先でくすぐるようにして苛められ、我知らず和彦は間欠的に声を上げていた。
賢吾によってささやかに〈開かれて〉から、感じ方が変わってきていると自覚はあった。疼痛とも快感ともいえる感覚の波はあまりに強烈で、もう一度味わってみたいと心のどこかで思っている。
だがそれは、相手が賢吾であるからだ。
「――濡れてきたな」
和彦の動揺を誘うようなことを南郷が口にする。先端に少し強めに爪が立てられて、ジンと腰が痺れた。和彦は無意識に、南郷の手を押し退けようともがく。
「あっ、嫌……。そこ、怖い、です」
「心外だな。こんなに優しく、苛めてやっているのに」
南郷らしくない、こちらの機嫌を取るような真摯な声音で囁きかけてきながら、爪の先で掻くように刺激される。声を詰まらせて和彦は腰を引こうとするが、南郷にしっかりと片足を抱え込まれていた。
ひどいことをされるのではないかと、咄嗟に顔を強張らせる。そんな和彦を一瞥して、南郷は楽しげに喉を鳴らした。
「よほど俺は信用されてないんだな。――まあ、まだ先生は、こっちを弄られるほうが好きということか」
南郷の指が柔らかな膨らみへと伸び、ゾッとするほど丁寧な手つきで撫でられる。新たな刺激に和彦は、爪先を毛布の上で滑らせた。
「うあっ、あっ、あっ、ああぁっ――」
弱みを指先で探り当てられ、まさぐられる。いくら嫌だと思っても、触れられた時点で体は言うことを聞かなくなる。
南郷に見つめられながら体を波打たせ、無防備に両足を開いて腰を揺らす。じっくりと嬲るように柔らかな膨らみを揉みしだかれているうちに、いつ痛みを与えられるのかという恐れだけではなく、官能の波がひたひたと押し寄せてくる。すっかり勃ち上がった欲望の先端から透明なしずくが垂れていた。
「ゾクゾクするほど、あんたは脆い。だが、そこがいいんだ。快感に弱いオンナは、とにかく可愛い」
南郷の指先による攻めが淫らさと激しさを増し、和彦は呆気なく翻弄され、さらに奥へと進んできた指が内奥をこじ開けることも許していた。
「ひっ……、んっ、んんっ、あっ……ん」
唾液で濡らすこともなく、強引に内奥に収まった一本の指が妖しく蠢く。しかし、引き攣れるような痛みはなかった。付け根まで押し込まれた指がゆっくりと抜かれていく。意識しないまま内奥を引き絞るように締め付けると、すぐにまた指が押し込まれていた。
上体を起こした南郷が、和彦の欲望を片手で包み込むようにして扱きながら、内奥から指を出し入れし始める。和彦はなすすべもなく息を喘がせ、自分の下で乱れた毛布を握り締めていた。
「――気分が乗ってきたな、先生。あんたは、今にも死にそうな辛気臭い顔をしているより、そうやって、だらしなく喘いでいるほうがいい。あんた自身も、あんたを見ている男にとっても、幸せな気分になれる」
「何も、知らないくせにっ……」
乱れた息の下、吐き出すように洩らした和彦の言葉を、南郷は聞き逃しはしなかった。
「教えてくれるのか、俺に? あんたは誰にでも優しいが、なぜか俺にだけは素っ気ないからな。そろそろ、もっと突っ込んだ仲になるいい機会だ。今夜の出来事をきっかけに」
二本の指で内奥の入り口を広げられ、含まされる。さきほどから発情を促されていた襞と粘膜は強く擦り上げられ、歓喜に震える。ぐっ、ぐっと突き込まれる指にまとわりつくように吸い付き、きつく収縮する。追い打ちをかけるように、ゆっくりと内奥を掻き回されていた。
反り返ったまま震える欲望の括れをくすぐられ、和彦は上擦った声を上げる。南郷が見ている前で絶頂に達していた。
下腹部に白濁とした精を撒き散らし、ビクビクと腰を跳ねさせる。このときの内奥の蠕動の感触を堪能するように、南郷が容赦なく指を出し入れする。
「んあっ、あっ、んくぅっ」
指の動きに合わせて、欲望の先端からさらに精をこぼす。南郷は、まるで自身も達したように大きく息を吐き出すと、内奥から指を引き抜いた。
「今度は、俺の番だ。先生、たっぷり可愛がってくれよ。俺の――」
執拗に胸元への愛撫を続けながら、南郷の片手が当然のように和彦の欲望を握り締めてくる。腰を跳ねさせて暴れようとしたが、先端を爪の先で弄られて、機先を制された。
「暴れるなよ、先生。いつもみたいに、よくしてやるから」
感じやすい敏感な部分を、爪の先でくすぐるようにして苛められ、我知らず和彦は間欠的に声を上げていた。
賢吾によってささやかに〈開かれて〉から、感じ方が変わってきていると自覚はあった。疼痛とも快感ともいえる感覚の波はあまりに強烈で、もう一度味わってみたいと心のどこかで思っている。
だがそれは、相手が賢吾であるからだ。
「――濡れてきたな」
和彦の動揺を誘うようなことを南郷が口にする。先端に少し強めに爪が立てられて、ジンと腰が痺れた。和彦は無意識に、南郷の手を押し退けようともがく。
「あっ、嫌……。そこ、怖い、です」
「心外だな。こんなに優しく、苛めてやっているのに」
南郷らしくない、こちらの機嫌を取るような真摯な声音で囁きかけてきながら、爪の先で掻くように刺激される。声を詰まらせて和彦は腰を引こうとするが、南郷にしっかりと片足を抱え込まれていた。
ひどいことをされるのではないかと、咄嗟に顔を強張らせる。そんな和彦を一瞥して、南郷は楽しげに喉を鳴らした。
「よほど俺は信用されてないんだな。――まあ、まだ先生は、こっちを弄られるほうが好きということか」
南郷の指が柔らかな膨らみへと伸び、ゾッとするほど丁寧な手つきで撫でられる。新たな刺激に和彦は、爪先を毛布の上で滑らせた。
「うあっ、あっ、あっ、ああぁっ――」
弱みを指先で探り当てられ、まさぐられる。いくら嫌だと思っても、触れられた時点で体は言うことを聞かなくなる。
南郷に見つめられながら体を波打たせ、無防備に両足を開いて腰を揺らす。じっくりと嬲るように柔らかな膨らみを揉みしだかれているうちに、いつ痛みを与えられるのかという恐れだけではなく、官能の波がひたひたと押し寄せてくる。すっかり勃ち上がった欲望の先端から透明なしずくが垂れていた。
「ゾクゾクするほど、あんたは脆い。だが、そこがいいんだ。快感に弱いオンナは、とにかく可愛い」
南郷の指先による攻めが淫らさと激しさを増し、和彦は呆気なく翻弄され、さらに奥へと進んできた指が内奥をこじ開けることも許していた。
「ひっ……、んっ、んんっ、あっ……ん」
唾液で濡らすこともなく、強引に内奥に収まった一本の指が妖しく蠢く。しかし、引き攣れるような痛みはなかった。付け根まで押し込まれた指がゆっくりと抜かれていく。意識しないまま内奥を引き絞るように締め付けると、すぐにまた指が押し込まれていた。
上体を起こした南郷が、和彦の欲望を片手で包み込むようにして扱きながら、内奥から指を出し入れし始める。和彦はなすすべもなく息を喘がせ、自分の下で乱れた毛布を握り締めていた。
「――気分が乗ってきたな、先生。あんたは、今にも死にそうな辛気臭い顔をしているより、そうやって、だらしなく喘いでいるほうがいい。あんた自身も、あんたを見ている男にとっても、幸せな気分になれる」
「何も、知らないくせにっ……」
乱れた息の下、吐き出すように洩らした和彦の言葉を、南郷は聞き逃しはしなかった。
「教えてくれるのか、俺に? あんたは誰にでも優しいが、なぜか俺にだけは素っ気ないからな。そろそろ、もっと突っ込んだ仲になるいい機会だ。今夜の出来事をきっかけに」
二本の指で内奥の入り口を広げられ、含まされる。さきほどから発情を促されていた襞と粘膜は強く擦り上げられ、歓喜に震える。ぐっ、ぐっと突き込まれる指にまとわりつくように吸い付き、きつく収縮する。追い打ちをかけるように、ゆっくりと内奥を掻き回されていた。
反り返ったまま震える欲望の括れをくすぐられ、和彦は上擦った声を上げる。南郷が見ている前で絶頂に達していた。
下腹部に白濁とした精を撒き散らし、ビクビクと腰を跳ねさせる。このときの内奥の蠕動の感触を堪能するように、南郷が容赦なく指を出し入れする。
「んあっ、あっ、んくぅっ」
指の動きに合わせて、欲望の先端からさらに精をこぼす。南郷は、まるで自身も達したように大きく息を吐き出すと、内奥から指を引き抜いた。
「今度は、俺の番だ。先生、たっぷり可愛がってくれよ。俺の――」
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