963 / 1,268
第39話
(14)
しおりを挟む
和彦の反応に貪欲な千尋は、柔らかな膨らみすらも口腔で愛撫したあと、舌先をさらに奥へと這わせてきた。
「足、自分で抱えてて。もっと気持ちよくしてあげるから」
興奮気味に掠れた声でそう言った千尋が、一度だけ視線を上げる。獣じみた鋭い視線に、和彦は逆らえなかった。自分の両膝に手をかけ、千尋にすべてがよく見える姿勢を取り続ける。
愛撫を期待してすでにひくついている内奥の入り口に、温かく濡れた感触が触れる。この瞬間、和彦はピクンと爪先を揺らし、短く息を吐き出した。
執拗に内奥の入り口を舐められ、ときおり舌先を潜り込まされると、理性が溶けていくのに比例するように、柔らかく解れていく。
「ふっ……」
指を挿入されて、唾液を擦り込むようにゆっくりと出し入れされる。和彦が痛みを訴えないとわかると、即座に指の数が増やされた。
襞と粘膜を優しく擦られているうちに、息が弾む。ようやく顔を上げた千尋は、自分の愛撫の成果を満足げに見下ろし、目を細めたあと、舌舐めずりした。その表情に、和彦の中で淫らな衝動がゾロリと蠢く。
「――今、中、すごく締まった。気持ちいい?」
「そんなこと、聞く、な……」
「えー、聞きたいな。和彦の口から、気持ちいい、って」
千尋に名を呼ばれるのは、そうすぐに慣れるものではない。いつもの千尋とは違っており、耳に新鮮だ。気恥ずかしくもあるが、もっと聞きたくもある。和彦が顔を背けて息を喘がせていると、ぐうっと指が深く突き込まれる。返事を求めているのだ。
「言わなくても、わかるだろっ……」
「うん。でも聞きたい」
和彦が睨みつけると、千尋はしたたかな笑みを浮かべながら、見せつけるように己の欲望を軽く扱く。すでに十分高ぶり、逞しく反り返っていた。
千尋が内奥を掻き回すように指を動かし、湿った音が和彦の耳にも届く。浅い部分を執拗に擦られ、押し上げられ、広げるように圧迫されると、堪らなくなった。無意識に腰を揺らし、必死に内奥を収縮させて、強い刺激を求めてしまう。すかさず指が引き抜かれ、熱く硬い感触が擦りつけられた。
「和彦、言って」
欲望の先端に、内奥の入り口を押し広げられる。わずかに生まれた異物感は、あっという間に肉の愉悦へと姿を変え、和彦は喉を震わせる。
「……早く、入れてくれ」
大胆、と笑いながら言った千尋が、すぐに表情を引き締める。同時に、内奥を逞しい感触に押し広げられた。
千尋が腰を揺らすたびに、欲望が挿入されてくる。指では届かなかった場所すら容赦なくこじ開けられて、さすがに和彦は苦痛の呻きを洩らしたが、自分の上で動くしなやかな体の感触と熱さに圧倒され、制止の声を上げることすらできない。
本当に魅力的な男なのだ――。
ぼんやりと千尋を見上げながら、そんなことを和彦は思う。長嶺の男らしい端整な容貌は、まだいくらか線の細さを感じさせはするが、それもあとわずかな間だろう。汗を浮かせ、眉をひそめた表情は野生的で、ゾクリとするような男らしさを匂わせている。
和彦が向ける眼差しに気づいたのか、千尋が唇の端にちらりと笑みを浮かべた。
「どうかした? すげー不思議そうに、俺のこと見てる」
「イイ男だと思って。それに、色気がある」
「だったら、ずっと俺に惚れていてね。もっとイイ男になるから」
「……殊勝なこと言ってるようで、すごい自信家だよな、お前」
「長嶺の男だから」
腰を突き上げられて、内奥深くにまで熱い塊が到達する。ぐっ、ぐっと力強く律動を繰り返されているうちに、和彦の体はふてぶてしい侵入者に馴染み、それどころか嬉々として奉仕し始める。千尋のものをきつく締め付けながら、多淫な襞と粘膜で包み込む。
千尋が小さく声を洩らした。
「それ、いいっ……」
乱暴に腰を打ちつけられて、それが和彦の官能を刺激した。
「あっ、あっ、はっ……ん、ああっ――」
上体を捩るようにして悶えると、嬉しそうに目を輝かせた千尋が顔を寄せてくる。深く重ねた唇を貪るように吸い合っていると、千尋が腰を引き、内奥から欲望を抜いていく。
「ふあっ……」
甲高い声を上げて和彦は絶頂に達し、下腹部にトロトロと精を滴らせる。一度上体を起こした千尋が、じっくりと和彦の痴態を見下ろしながら、濡れた下腹部を撫で、まだ身を起こしている和彦の欲望を軽く扱く。和彦は思わず甘い声で鳴いていた。
「本当に、いやらしいよなー。俺のオンナは」
再び覆い被さってきた千尋の背に両腕を回したところで、異変を感じた。傍らを見上げると、いつからそこにいたのか、浴衣姿の賢吾が立っていた。和彦と目が合うなり、ニヤリと笑った賢吾がその場に腰を下ろす。
「足、自分で抱えてて。もっと気持ちよくしてあげるから」
興奮気味に掠れた声でそう言った千尋が、一度だけ視線を上げる。獣じみた鋭い視線に、和彦は逆らえなかった。自分の両膝に手をかけ、千尋にすべてがよく見える姿勢を取り続ける。
愛撫を期待してすでにひくついている内奥の入り口に、温かく濡れた感触が触れる。この瞬間、和彦はピクンと爪先を揺らし、短く息を吐き出した。
執拗に内奥の入り口を舐められ、ときおり舌先を潜り込まされると、理性が溶けていくのに比例するように、柔らかく解れていく。
「ふっ……」
指を挿入されて、唾液を擦り込むようにゆっくりと出し入れされる。和彦が痛みを訴えないとわかると、即座に指の数が増やされた。
襞と粘膜を優しく擦られているうちに、息が弾む。ようやく顔を上げた千尋は、自分の愛撫の成果を満足げに見下ろし、目を細めたあと、舌舐めずりした。その表情に、和彦の中で淫らな衝動がゾロリと蠢く。
「――今、中、すごく締まった。気持ちいい?」
「そんなこと、聞く、な……」
「えー、聞きたいな。和彦の口から、気持ちいい、って」
千尋に名を呼ばれるのは、そうすぐに慣れるものではない。いつもの千尋とは違っており、耳に新鮮だ。気恥ずかしくもあるが、もっと聞きたくもある。和彦が顔を背けて息を喘がせていると、ぐうっと指が深く突き込まれる。返事を求めているのだ。
「言わなくても、わかるだろっ……」
「うん。でも聞きたい」
和彦が睨みつけると、千尋はしたたかな笑みを浮かべながら、見せつけるように己の欲望を軽く扱く。すでに十分高ぶり、逞しく反り返っていた。
千尋が内奥を掻き回すように指を動かし、湿った音が和彦の耳にも届く。浅い部分を執拗に擦られ、押し上げられ、広げるように圧迫されると、堪らなくなった。無意識に腰を揺らし、必死に内奥を収縮させて、強い刺激を求めてしまう。すかさず指が引き抜かれ、熱く硬い感触が擦りつけられた。
「和彦、言って」
欲望の先端に、内奥の入り口を押し広げられる。わずかに生まれた異物感は、あっという間に肉の愉悦へと姿を変え、和彦は喉を震わせる。
「……早く、入れてくれ」
大胆、と笑いながら言った千尋が、すぐに表情を引き締める。同時に、内奥を逞しい感触に押し広げられた。
千尋が腰を揺らすたびに、欲望が挿入されてくる。指では届かなかった場所すら容赦なくこじ開けられて、さすがに和彦は苦痛の呻きを洩らしたが、自分の上で動くしなやかな体の感触と熱さに圧倒され、制止の声を上げることすらできない。
本当に魅力的な男なのだ――。
ぼんやりと千尋を見上げながら、そんなことを和彦は思う。長嶺の男らしい端整な容貌は、まだいくらか線の細さを感じさせはするが、それもあとわずかな間だろう。汗を浮かせ、眉をひそめた表情は野生的で、ゾクリとするような男らしさを匂わせている。
和彦が向ける眼差しに気づいたのか、千尋が唇の端にちらりと笑みを浮かべた。
「どうかした? すげー不思議そうに、俺のこと見てる」
「イイ男だと思って。それに、色気がある」
「だったら、ずっと俺に惚れていてね。もっとイイ男になるから」
「……殊勝なこと言ってるようで、すごい自信家だよな、お前」
「長嶺の男だから」
腰を突き上げられて、内奥深くにまで熱い塊が到達する。ぐっ、ぐっと力強く律動を繰り返されているうちに、和彦の体はふてぶてしい侵入者に馴染み、それどころか嬉々として奉仕し始める。千尋のものをきつく締め付けながら、多淫な襞と粘膜で包み込む。
千尋が小さく声を洩らした。
「それ、いいっ……」
乱暴に腰を打ちつけられて、それが和彦の官能を刺激した。
「あっ、あっ、はっ……ん、ああっ――」
上体を捩るようにして悶えると、嬉しそうに目を輝かせた千尋が顔を寄せてくる。深く重ねた唇を貪るように吸い合っていると、千尋が腰を引き、内奥から欲望を抜いていく。
「ふあっ……」
甲高い声を上げて和彦は絶頂に達し、下腹部にトロトロと精を滴らせる。一度上体を起こした千尋が、じっくりと和彦の痴態を見下ろしながら、濡れた下腹部を撫で、まだ身を起こしている和彦の欲望を軽く扱く。和彦は思わず甘い声で鳴いていた。
「本当に、いやらしいよなー。俺のオンナは」
再び覆い被さってきた千尋の背に両腕を回したところで、異変を感じた。傍らを見上げると、いつからそこにいたのか、浴衣姿の賢吾が立っていた。和彦と目が合うなり、ニヤリと笑った賢吾がその場に腰を下ろす。
41
お気に入りに追加
1,391
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…



塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる