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第38話
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浴衣の前を大きく寛げられて肌をまさぐられながら、口腔に守光の舌が入り込んでくる。感じやすい粘膜をじっくりと舐め回されていくうちに、促されたわけではないが舌先を触れ合わせていた。さらに、緊張のため硬く凝った胸の突起をてのひらで捏ねるように刺激される。和彦の官能を高めるために、守光は急がなかった。
「んっ……」
引き出された舌を甘噛みされて、鼻にかかった声が洩れる。それをきっかけに、緩やかに舌を絡め合っていた。
胸の突起を抓るように愛撫してから、浴衣を肩から落とされる。肩先に生ぬるい空気を感じて小さく身を震わせた次の瞬間、やや乱暴に布団の上に押し倒された。和彦は目を見開いたまま守光を見上げる。
守光は、浴衣をはだけさせた和彦の体を目を細めて眺めながら、下肢に手を這わせてきた。ふくらはぎから膝裏にかけて撫で上げられながら、足を広げさせられた。浴衣の裾を大きく割り開かれたかと思うと、下着に手がかかった。何も言われなかったが和彦は腰を浮かせる。
下着を脱がされて無防備な姿となると、露わになった内腿にてのひらを押し当てられた。守光の目は、容赦なく和彦の体を検分してくる。下肢をまさぐられながら、義務とばかりに露骨な質問をぶつけられた。
和彦が本部を訪れなくなって一か月以上経つ間に、何人の男と、何回体を重ねたのか、と。
守光が本当に知りたがっているのかはわからないが、それでも和彦は、震える声で告白せざるをえなかった。長嶺の男が見せつけてくる執着に、抗えない生き物となった証なのかもしれない。
帯を解かれて浴衣を脱がされると、体中に守光の愛撫を受ける。ここまでの空白の期間を埋めるように、肌にはしっかりと鬱血の跡を残されていった。
「あっ、うぅっ……」
指先で執拗に弄られ、これ以上なく硬く凝った胸の突起を口腔に含まれる。強く吸い上げられ、歯を立てられながら、両足の間に差し込まれた手に、欲望を握り締められると、ビクビクと腰が震える。
「――高校生に、この淫奔な体を味わわせるのは、もはや愛情深いとは言わんだろう。酷というものだ」
いつになく激しい守光の愛撫に最初は怯えていた和彦の体は、柔らかな膨らみをじっくりと揉みしだかれるようになると、うっすらと汗ばみ、浅ましく腰を揺らすようになっていた。
しなり始めた欲望を撫で上げられて、たまらず喉を鳴らす。守光が楽しげに口元を緩めた。
「ようやく熱くなってきた」
そう呟いた守光が布団の傍らに置いた文箱へと手を伸ばす。反射的に和彦は顔を背け、中から何を取り出すのか見ないようにした。
膝に手がかかり、促されるままに両足を大きく開くと、冷たく滑った感触が尻の間に触れる。和彦は短く声を洩らしたが、従順に守光に身を任せ続ける。守光は、慣れた手つきで内奥の入り口に潤滑剤を施し始めた。
「長嶺の大事なオンナと知りながら、あんたに手を出した高校生の話がもっと聞きたい。どこの誰なのか、よかったら話してくれないか、先生」
高校生と寝た、という告白だけでは、やはり守光は納得していなかった。
身を貫くような怯えに一度はきつく目を閉じた和彦だが、守光の指に思わせぶりに内奥の入り口をまさぐられ、おずおずと目を開ける。やはり守光は、楽しげな表情を浮かべていた。
片足を抱え上げられて腰がわずかに浮く。的確に動く指が、ゆっくりと内奥に挿入されてきた。
「あぁ……」
うねるように這い上がってくる切ない感覚に、吐息が洩れる。ヌルヌルと内奥から指が出し入れされ、潤滑剤をたっぷり塗り込められていく。潤った襞と粘膜をさらに擦り上げられ、円を描くように動かされると、淫靡な湿った音がこぼれ出る。
ふいに指が付け根まで挿入される。和彦は甘い呻き声を洩らすと、自分ではどうしようもできない反応として、必死に指を締め付ける。抱えられた足の先を突っ張らせていた。
「賢吾はあんたを甘やかしすぎるきらいがある。わざわざ長嶺組の護衛を外して、あんたの身を御堂に預けたりな。御堂とあんたの立場は近い。九月の連休中、いい気分転換ができたと言っていたが、自由に過ごせたという意味だろう」
守光の口ぶりは、すべて把握していると言っているようなものだった。賢吾が報告したのだろうかと、問いかけるような眼差しを和彦が向けると、守光は首を横に振る。
「賢吾は、あんたのことに関しては、わしよりも御堂を信用している。御堂の立場が危うくなるようなことは言わんし、知らぬ顔をする。だから、こうしてあんたに聞いているんだ。こうして二人きりで、誰も話を聞く者もおらん。――なんでも話してくれ、先生」
「んっ……」
引き出された舌を甘噛みされて、鼻にかかった声が洩れる。それをきっかけに、緩やかに舌を絡め合っていた。
胸の突起を抓るように愛撫してから、浴衣を肩から落とされる。肩先に生ぬるい空気を感じて小さく身を震わせた次の瞬間、やや乱暴に布団の上に押し倒された。和彦は目を見開いたまま守光を見上げる。
守光は、浴衣をはだけさせた和彦の体を目を細めて眺めながら、下肢に手を這わせてきた。ふくらはぎから膝裏にかけて撫で上げられながら、足を広げさせられた。浴衣の裾を大きく割り開かれたかと思うと、下着に手がかかった。何も言われなかったが和彦は腰を浮かせる。
下着を脱がされて無防備な姿となると、露わになった内腿にてのひらを押し当てられた。守光の目は、容赦なく和彦の体を検分してくる。下肢をまさぐられながら、義務とばかりに露骨な質問をぶつけられた。
和彦が本部を訪れなくなって一か月以上経つ間に、何人の男と、何回体を重ねたのか、と。
守光が本当に知りたがっているのかはわからないが、それでも和彦は、震える声で告白せざるをえなかった。長嶺の男が見せつけてくる執着に、抗えない生き物となった証なのかもしれない。
帯を解かれて浴衣を脱がされると、体中に守光の愛撫を受ける。ここまでの空白の期間を埋めるように、肌にはしっかりと鬱血の跡を残されていった。
「あっ、うぅっ……」
指先で執拗に弄られ、これ以上なく硬く凝った胸の突起を口腔に含まれる。強く吸い上げられ、歯を立てられながら、両足の間に差し込まれた手に、欲望を握り締められると、ビクビクと腰が震える。
「――高校生に、この淫奔な体を味わわせるのは、もはや愛情深いとは言わんだろう。酷というものだ」
いつになく激しい守光の愛撫に最初は怯えていた和彦の体は、柔らかな膨らみをじっくりと揉みしだかれるようになると、うっすらと汗ばみ、浅ましく腰を揺らすようになっていた。
しなり始めた欲望を撫で上げられて、たまらず喉を鳴らす。守光が楽しげに口元を緩めた。
「ようやく熱くなってきた」
そう呟いた守光が布団の傍らに置いた文箱へと手を伸ばす。反射的に和彦は顔を背け、中から何を取り出すのか見ないようにした。
膝に手がかかり、促されるままに両足を大きく開くと、冷たく滑った感触が尻の間に触れる。和彦は短く声を洩らしたが、従順に守光に身を任せ続ける。守光は、慣れた手つきで内奥の入り口に潤滑剤を施し始めた。
「長嶺の大事なオンナと知りながら、あんたに手を出した高校生の話がもっと聞きたい。どこの誰なのか、よかったら話してくれないか、先生」
高校生と寝た、という告白だけでは、やはり守光は納得していなかった。
身を貫くような怯えに一度はきつく目を閉じた和彦だが、守光の指に思わせぶりに内奥の入り口をまさぐられ、おずおずと目を開ける。やはり守光は、楽しげな表情を浮かべていた。
片足を抱え上げられて腰がわずかに浮く。的確に動く指が、ゆっくりと内奥に挿入されてきた。
「あぁ……」
うねるように這い上がってくる切ない感覚に、吐息が洩れる。ヌルヌルと内奥から指が出し入れされ、潤滑剤をたっぷり塗り込められていく。潤った襞と粘膜をさらに擦り上げられ、円を描くように動かされると、淫靡な湿った音がこぼれ出る。
ふいに指が付け根まで挿入される。和彦は甘い呻き声を洩らすと、自分ではどうしようもできない反応として、必死に指を締め付ける。抱えられた足の先を突っ張らせていた。
「賢吾はあんたを甘やかしすぎるきらいがある。わざわざ長嶺組の護衛を外して、あんたの身を御堂に預けたりな。御堂とあんたの立場は近い。九月の連休中、いい気分転換ができたと言っていたが、自由に過ごせたという意味だろう」
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「賢吾は、あんたのことに関しては、わしよりも御堂を信用している。御堂の立場が危うくなるようなことは言わんし、知らぬ顔をする。だから、こうしてあんたに聞いているんだ。こうして二人きりで、誰も話を聞く者もおらん。――なんでも話してくれ、先生」
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