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第36話
(34)
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玲は、昨夜の自分の愛撫を辿るように、和彦の肌に唇を押し当て、強く吸い上げる。すると、より鮮やかな鬱血が残る。さりげなく玲の指先が、胸のある部分を掠めた。
「あっ」
和彦が声を上げると、玲が見上げてくる。和彦の反応を確かめるように、もう一度、硬く凝った胸の突起を指先でくすぐる。今度はピクリと胸を震わせると、玲は満を持したように突起を口腔に含んだ。
「あっ、あぁっ――……」
熱く濡れた感触に包まれ、いきなり痛いほど強く吸われる。だが、和彦の胸に広がったのは、小さな快感の波だった。もう片方の突起は指の腹で押し潰すように弄られ、摘み上げられる。
ようやく顔を上げた玲が、真っ赤に色づき、先端を尖らせている突起を満足げに見下ろす。
「……ここも、気持ちいいんですね。すみません。昨夜は気づかなくて」
高校生にまじめな口調でこんなことを言われると、どんな卑猥な言葉を囁かれるよりも恥ずかしい。うろたえて返事もできない和彦に対して、玲はふっと目元を和らげた。
「今の顔、可愛いです」
「なっ……に、言ってるんだっ……。この状況で、人をからかうな」
「からかってないです。本当に――」
誘惑に抗えないように、玲が再び突起に吸いつき、今度はそっと歯を立ててくる。甘噛みされて、ジンと胸が疼いた。
夢中で愛撫しているようで、玲はしっかりと和彦の反応をうかがっている。優しく舌先でくすぐりながら、ときおり乱暴に吸い上げ、さらに歯列を軽く擦りつけてきて、和彦がどのタイミングで切ない声を上げるか知ると、執拗に同じ愛撫を繰り返すのだ。
「――昨夜より、余裕がある」
玲の少し硬い髪を撫でながら和彦は呟く。顔を上げた玲が、すかさず唇に吸いついてきた。
「俺、ですか?」
「君以外、誰がいる」
「全然、余裕なんてないです。もう、こんなになってますから……」
唇を触れ合せながら玲が身じろぎ、何をしているのかと思ったとき、和彦の両足の間にぐっと押しつけられたのは、高ぶった欲望だった。
和彦は視線をさまよわせつつ、こう言わずにはいられなかった。
「すごいな、十代っていうのは。……なんか、怖くなってきた」
「でも、いいですよね?」
すでにもう、慣れた手つきで玲の指が秘裂に這わされ、容易に内奥の入り口を探り当てる。昨夜の激しく濃密な情交の余韻は、まだしっかりとその部分に残っている。形だけの慎みを取り戻すこともできず、まだ柔らかく蕩け、熱を帯びて疼いているのだ。
玲の指に擦り上げられ、和彦は細い声を洩らす。興奮したように玲が喉を鳴らし、上体を起こした。膝に手がかかり、何を求められているのか察した和彦は、自ら両足を抱えるようにして曲げて左右に開く。身を貫くような激しい羞恥は、屈辱感ではなく、官能を煽る媚薬となった。
和彦の生々しい男の部分を見ても、昨夜同様、玲は怯むことはなかった。それどころか、黒々とした瞳に宿る情欲の火が、一際大きくなったかもしれない。
「……昨夜、俺はここに――」
玲が独り言のように洩らしながら、指を濡らさないまま内奥に押し込んできた。引き攣れるような痛みはなかった。その理由を、玲が口にする。
「よかった……。中、柔らかいままだ。それに奥は、ヌルヌルしてますね。いっぱい出しましたから、俺」
半ば強引に二本の指が付け根まで挿入される。さんざん広げられ、擦り上げられた内奥は、簡単に官能の扉を開き、侵入者を嬉々として迎え入れ――咥え込む。
「んっ、あっ、あっ……ん」
朝の慌ただしい中、御堂や玲に悟られないよう、情交の後始末を行うのは大変だった。汚れたものを洗濯する間、ゆっくりとシャワーを浴びる時間があるはずもなく、最低限の身支度を取り繕うことしかできなかったのだ。内奥に残されたものを自分で掻き出しはしたが、もちろん完璧ではない。
玲の指が内奥から出し入れされ、唾液を施すまでもなく、奥に残った残滓によって襞と粘膜は湿りを帯びてまとわりつき、吸いつく。
和彦は腰を揺らし、息を喘がせる。玲が見ている前で、欲望がゆっくりと身を起こし、先端をしっとりと濡らしていた。
「やっぱり、エロいな、あなたは。ずっと、こうして見ていたい……」
内奥から指が引き抜かれ、浅ましくひくつく。その様子すら、すべて玲に見られる。
「……佐伯さんの今の姿、スマホで撮っていいですか?」
再び、内奥に指が挿入される。それだけで肉の悦びが湧き起こり、吐息を震わせた和彦は、玲の発言を理解するのに十秒ほど時間を要した。
ハッと我に返り、目を見開く。
「バカっ、何を言い出すんだ。高校生のうちから、ロクでもないものを観て、影響を受けてるんじゃないかっ……」
「あっ」
和彦が声を上げると、玲が見上げてくる。和彦の反応を確かめるように、もう一度、硬く凝った胸の突起を指先でくすぐる。今度はピクリと胸を震わせると、玲は満を持したように突起を口腔に含んだ。
「あっ、あぁっ――……」
熱く濡れた感触に包まれ、いきなり痛いほど強く吸われる。だが、和彦の胸に広がったのは、小さな快感の波だった。もう片方の突起は指の腹で押し潰すように弄られ、摘み上げられる。
ようやく顔を上げた玲が、真っ赤に色づき、先端を尖らせている突起を満足げに見下ろす。
「……ここも、気持ちいいんですね。すみません。昨夜は気づかなくて」
高校生にまじめな口調でこんなことを言われると、どんな卑猥な言葉を囁かれるよりも恥ずかしい。うろたえて返事もできない和彦に対して、玲はふっと目元を和らげた。
「今の顔、可愛いです」
「なっ……に、言ってるんだっ……。この状況で、人をからかうな」
「からかってないです。本当に――」
誘惑に抗えないように、玲が再び突起に吸いつき、今度はそっと歯を立ててくる。甘噛みされて、ジンと胸が疼いた。
夢中で愛撫しているようで、玲はしっかりと和彦の反応をうかがっている。優しく舌先でくすぐりながら、ときおり乱暴に吸い上げ、さらに歯列を軽く擦りつけてきて、和彦がどのタイミングで切ない声を上げるか知ると、執拗に同じ愛撫を繰り返すのだ。
「――昨夜より、余裕がある」
玲の少し硬い髪を撫でながら和彦は呟く。顔を上げた玲が、すかさず唇に吸いついてきた。
「俺、ですか?」
「君以外、誰がいる」
「全然、余裕なんてないです。もう、こんなになってますから……」
唇を触れ合せながら玲が身じろぎ、何をしているのかと思ったとき、和彦の両足の間にぐっと押しつけられたのは、高ぶった欲望だった。
和彦は視線をさまよわせつつ、こう言わずにはいられなかった。
「すごいな、十代っていうのは。……なんか、怖くなってきた」
「でも、いいですよね?」
すでにもう、慣れた手つきで玲の指が秘裂に這わされ、容易に内奥の入り口を探り当てる。昨夜の激しく濃密な情交の余韻は、まだしっかりとその部分に残っている。形だけの慎みを取り戻すこともできず、まだ柔らかく蕩け、熱を帯びて疼いているのだ。
玲の指に擦り上げられ、和彦は細い声を洩らす。興奮したように玲が喉を鳴らし、上体を起こした。膝に手がかかり、何を求められているのか察した和彦は、自ら両足を抱えるようにして曲げて左右に開く。身を貫くような激しい羞恥は、屈辱感ではなく、官能を煽る媚薬となった。
和彦の生々しい男の部分を見ても、昨夜同様、玲は怯むことはなかった。それどころか、黒々とした瞳に宿る情欲の火が、一際大きくなったかもしれない。
「……昨夜、俺はここに――」
玲が独り言のように洩らしながら、指を濡らさないまま内奥に押し込んできた。引き攣れるような痛みはなかった。その理由を、玲が口にする。
「よかった……。中、柔らかいままだ。それに奥は、ヌルヌルしてますね。いっぱい出しましたから、俺」
半ば強引に二本の指が付け根まで挿入される。さんざん広げられ、擦り上げられた内奥は、簡単に官能の扉を開き、侵入者を嬉々として迎え入れ――咥え込む。
「んっ、あっ、あっ……ん」
朝の慌ただしい中、御堂や玲に悟られないよう、情交の後始末を行うのは大変だった。汚れたものを洗濯する間、ゆっくりとシャワーを浴びる時間があるはずもなく、最低限の身支度を取り繕うことしかできなかったのだ。内奥に残されたものを自分で掻き出しはしたが、もちろん完璧ではない。
玲の指が内奥から出し入れされ、唾液を施すまでもなく、奥に残った残滓によって襞と粘膜は湿りを帯びてまとわりつき、吸いつく。
和彦は腰を揺らし、息を喘がせる。玲が見ている前で、欲望がゆっくりと身を起こし、先端をしっとりと濡らしていた。
「やっぱり、エロいな、あなたは。ずっと、こうして見ていたい……」
内奥から指が引き抜かれ、浅ましくひくつく。その様子すら、すべて玲に見られる。
「……佐伯さんの今の姿、スマホで撮っていいですか?」
再び、内奥に指が挿入される。それだけで肉の悦びが湧き起こり、吐息を震わせた和彦は、玲の発言を理解するのに十秒ほど時間を要した。
ハッと我に返り、目を見開く。
「バカっ、何を言い出すんだ。高校生のうちから、ロクでもないものを観て、影響を受けてるんじゃないかっ……」
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