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第31話
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閉じきらない淫らな肉の洞に三本の指が挿入され、喘ぎ声をこぼしながら締め付ける。淫靡な濡れた音を立てながら、大胆に掻き回されていた。和彦は腰を揺らしながら、嬉々として乱暴な愛撫を受け入れる。そして、また絶頂に達する。
小刻みに震える和彦の胸元を舐めながら、南郷は残酷なほど淡々とした手つきで、内奥に再び道具を挿入してきた。
もう許してほしいと、哀願した。しかしそれは、南郷の欲情と加虐性を煽っただけだった。
深く息を吐き出した和彦は、ゆっくりと目を開く。たった今眠ったと思ったのに、もう目が覚めたと感じる物足りなさがあった。体中がまだ眠りを求めている。そのせいか、すぐには体が動かない。
目を瞬きながら、室内が薄ぼんやりと明るくなっていることから、まだ明け方なのだと認識した。次に、床の間に掛けられた、金魚の掛け軸に気づき、意識しないまま口元に笑みを浮かべる。ただし、寝起きの幸福感を味わえたのは、ここまでだった。違和感に気づいたのだ。
目の前に、大きな手があった。明らかに自分の手ではなく、和彦は軽く混乱したが、自分の状況を一つずつ確認して、理解した。
和彦は、太く逞しい男の腕に、頭をのせているのだ。背に感じるのは、硬い壁などではなく、厚みのある男の体の感触だ。耳元では、深くゆっくりとした息遣いを感じる。体を強張らせた和彦は視線を動かし、布団の傍らに置かれた漆塗りの文箱を見つけた。
この時点で和彦の脳裏に、昨夜の自分の痴態が生々しく蘇っていた。
まだ、欲望の種火が体の奥に残っている。わずかに身じろいだ拍子に和彦はそのことに気づき、うろたえる。同時に、自分が何も身につけていない状態なのに、腕枕をしている男は服を身につけていることに、いまさらながら強い羞恥を覚えた。
南郷は、和彦を嬲り続けながら、身につけているものを一切脱がなかった。佇まいはまったく違えど、守光と同じなのだ。
和彦は起き上ろうとしたが、背後から突然声が上がり、身が竦んだ。
「――まだ、起きるには早いぞ、先生」
怖くて、自分から振り返ることができなかった。耳元で男が――南郷が短く笑い声を洩らした。
「昨夜のあんたは、たまらなくよかった。本当にオモチャ遊びが好きなんだな」
そんなことを囁きながら南郷が腰を撫で、さらに尻を揉んでくる。
「うっ……」
尻の間に指が滑り込み、内奥の入り口をまさぐられた。
「まだ、熱を持ってトロトロに柔らかいな」
「や、め――……」
内奥に二本の指がいきなり挿入されてきたが、痛みはなかった。それどころか、歓喜するように指を締め付ける。潤滑剤の滑りがまだたっぷり残っている襞と粘膜を擦り上げられ、和彦は腰を震わせる。
「この様子なら、またすぐにでもイッてくれそうだな。昨夜は尻だけで、何回イッたか――」
内奥から指が引き抜かれて、体を仰向けにされる。すかさず南郷がのしかかってきて顔を覗き込まれたが、和彦は必死に睨みつける。そんな和彦の虚勢を嘲笑うように、南郷は再び指を内奥に挿入してきた。蠢めく指に呻かされ、和彦は呆気なく視線を逸らす。
「感じすぎて動かなくなったあんたを抱えて、ドロドロになった布団を入れ替えた。それに、枕まで提供した。少しぐらい感謝してほしいものだな、先生」
「……勝手な、ことをっ……」
「男の勝手に振り回されるのは慣れてるだろ。優しくて愛情深い、品がよくて淫奔なオンナのあんたなら」
南郷に唇を塞がれそうになり、顔を背けたが、内奥の浅い部分を強く押し上げられて、腰が痺れる。あっという間に南郷に従わされ、強引な口づけを与えられた。口腔の粘膜を舐め回されながら、内奥を指で撫で回される。南郷を押し退けようと肩にかけた手は、形だけのものになっていた。寝起きで与えられるには、愛撫も口づけもあまりに強烈すぎる。
「うっ、うあっ、あっ……う、うっ」
一旦内奥から指が引き抜かれ、柔らかな膨らみにも愛撫が加えられる。
「覚えてるか? あんた最後には、俺にここを弄られて、自分から腰を振ってよがっていたのを。感じすぎて、わけがわからなくなってたんだろ。反応がよすぎるのも、考えものだな。感じさせてくれるなら、誰にだろうが足を開いて、甘い声を上げる」
和彦は屈辱感から、南郷の手を押し退ける。意外なほどあっさりと手が引かれ、和彦はもう一度南郷にきつい眼差しを向けてから、分厚い体の下から抜け出そうとする。すると南郷に簡単に体を転がされ、うつ伏せで布団に押さえつけられた。
「長嶺の男たちのオンナのうえに、他の男たちとも寝ていながら、あんたのその気位の高さはどこからくるんだろうな。昨夜も言ったが、俺にとってあんたは、知りたいことだらけだ」
小刻みに震える和彦の胸元を舐めながら、南郷は残酷なほど淡々とした手つきで、内奥に再び道具を挿入してきた。
もう許してほしいと、哀願した。しかしそれは、南郷の欲情と加虐性を煽っただけだった。
深く息を吐き出した和彦は、ゆっくりと目を開く。たった今眠ったと思ったのに、もう目が覚めたと感じる物足りなさがあった。体中がまだ眠りを求めている。そのせいか、すぐには体が動かない。
目を瞬きながら、室内が薄ぼんやりと明るくなっていることから、まだ明け方なのだと認識した。次に、床の間に掛けられた、金魚の掛け軸に気づき、意識しないまま口元に笑みを浮かべる。ただし、寝起きの幸福感を味わえたのは、ここまでだった。違和感に気づいたのだ。
目の前に、大きな手があった。明らかに自分の手ではなく、和彦は軽く混乱したが、自分の状況を一つずつ確認して、理解した。
和彦は、太く逞しい男の腕に、頭をのせているのだ。背に感じるのは、硬い壁などではなく、厚みのある男の体の感触だ。耳元では、深くゆっくりとした息遣いを感じる。体を強張らせた和彦は視線を動かし、布団の傍らに置かれた漆塗りの文箱を見つけた。
この時点で和彦の脳裏に、昨夜の自分の痴態が生々しく蘇っていた。
まだ、欲望の種火が体の奥に残っている。わずかに身じろいだ拍子に和彦はそのことに気づき、うろたえる。同時に、自分が何も身につけていない状態なのに、腕枕をしている男は服を身につけていることに、いまさらながら強い羞恥を覚えた。
南郷は、和彦を嬲り続けながら、身につけているものを一切脱がなかった。佇まいはまったく違えど、守光と同じなのだ。
和彦は起き上ろうとしたが、背後から突然声が上がり、身が竦んだ。
「――まだ、起きるには早いぞ、先生」
怖くて、自分から振り返ることができなかった。耳元で男が――南郷が短く笑い声を洩らした。
「昨夜のあんたは、たまらなくよかった。本当にオモチャ遊びが好きなんだな」
そんなことを囁きながら南郷が腰を撫で、さらに尻を揉んでくる。
「うっ……」
尻の間に指が滑り込み、内奥の入り口をまさぐられた。
「まだ、熱を持ってトロトロに柔らかいな」
「や、め――……」
内奥に二本の指がいきなり挿入されてきたが、痛みはなかった。それどころか、歓喜するように指を締め付ける。潤滑剤の滑りがまだたっぷり残っている襞と粘膜を擦り上げられ、和彦は腰を震わせる。
「この様子なら、またすぐにでもイッてくれそうだな。昨夜は尻だけで、何回イッたか――」
内奥から指が引き抜かれて、体を仰向けにされる。すかさず南郷がのしかかってきて顔を覗き込まれたが、和彦は必死に睨みつける。そんな和彦の虚勢を嘲笑うように、南郷は再び指を内奥に挿入してきた。蠢めく指に呻かされ、和彦は呆気なく視線を逸らす。
「感じすぎて動かなくなったあんたを抱えて、ドロドロになった布団を入れ替えた。それに、枕まで提供した。少しぐらい感謝してほしいものだな、先生」
「……勝手な、ことをっ……」
「男の勝手に振り回されるのは慣れてるだろ。優しくて愛情深い、品がよくて淫奔なオンナのあんたなら」
南郷に唇を塞がれそうになり、顔を背けたが、内奥の浅い部分を強く押し上げられて、腰が痺れる。あっという間に南郷に従わされ、強引な口づけを与えられた。口腔の粘膜を舐め回されながら、内奥を指で撫で回される。南郷を押し退けようと肩にかけた手は、形だけのものになっていた。寝起きで与えられるには、愛撫も口づけもあまりに強烈すぎる。
「うっ、うあっ、あっ……う、うっ」
一旦内奥から指が引き抜かれ、柔らかな膨らみにも愛撫が加えられる。
「覚えてるか? あんた最後には、俺にここを弄られて、自分から腰を振ってよがっていたのを。感じすぎて、わけがわからなくなってたんだろ。反応がよすぎるのも、考えものだな。感じさせてくれるなら、誰にだろうが足を開いて、甘い声を上げる」
和彦は屈辱感から、南郷の手を押し退ける。意外なほどあっさりと手が引かれ、和彦はもう一度南郷にきつい眼差しを向けてから、分厚い体の下から抜け出そうとする。すると南郷に簡単に体を転がされ、うつ伏せで布団に押さえつけられた。
「長嶺の男たちのオンナのうえに、他の男たちとも寝ていながら、あんたのその気位の高さはどこからくるんだろうな。昨夜も言ったが、俺にとってあんたは、知りたいことだらけだ」
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