血と束縛と

北川とも

文字の大きさ
上 下
721 / 1,268
第31話

(13)

しおりを挟む
 両足を押し広げられても、和彦は抵抗できなかった。内奥から溢れ出るほどの潤滑剤を施されながら、屈辱と羞恥を嫌というほど味わわされたが、それでも、恐怖や嫌悪感は一切なかった。発情してひくつく和彦の秘部のすべてを目にしながら、南郷が、和彦以上に発情していたからだ。
 組み紐を巻き付けたまま、反り返って空しく震える欲望をてのひらで擦り上げ、ときおり痙攣する紅潮した内腿を撫で回し、たっぷり潤い、充血して蠢く内奥の入り口を視姦してくる。柔らかな膨らみにまで潤滑剤を垂らされ、てのひらで丹念に揉み込まれると、和彦は悲鳴を上げて乱れていた。
「あっ、あっ、やめ、て――」
 強い快感に哀願を繰り返したが、そんな和彦を見下ろしながら、南郷は卑猥な道具を内奥に含ませてきた。
「ひっ……」
 張り出した部分で内奥をこじ開けられて、腰を揺する。すぐに道具が引き抜かれ、また含まされた。弱い部分を執拗に張り出した部分で擦られ、和彦は短く呻き声を洩らし、下腹部をビクッ、ビクッと震わせる。欲望に食い込んだ組み紐が痛くて仕方ないが、その痛みすら凌駕してしまうほど、内奥を嬲られて、気持ちよかった。
「――先生」
 そう呼びかけてきた南郷に顔を覗き込まれる。緩んだだらしない顔を見られたくなくて、横を向こうとしたが、内奥にわずかに道具を押し込まれ、声が洩れた。
「俺を見ろ、先生。今のあんたは、絶対俺に逆らえない。意地を張るだけ無駄だ」
 円を描くように内奥で道具を動かされ、潤んだ吐息をこぼす。南郷に軽く唇を吸われ、仕方なく視線を向ける。今度は痛いほどきつく唇を吸われ、同時に道具の侵入が深くなる。見つめ合ったまま唇を吸い合い、忙しく呼吸を繰り返していた。
「ひあっ、あっ、はあっ、あぁっ……」
 内奥深くまで挿入された道具は、南郷の分身だった。力強く律動を始め、潤滑剤によって潤んだ襞と粘膜を、硬い感触で擦り上げることによって、敏感に、淫らに変化させていく。和彦はその律動を受け入れ、自ら大きく両足を開き、腰を揺らして歓喜していた。
「……オモチャで、この乱れっぷりか。本当にあんたは、いいオンナだ。体を繋いでいなくても、神経が焼き切れそうだ」
 楽しげに呟いた南郷が、和彦の欲望を再びてのひらで撫で上げてくる。組み紐で締め付けられ、熱くなっているものは、少しずつ感覚が麻痺してきているが、精を放ちたいという衝動だけはどんどん強くなっている。内奥を刺激され続け、もう限界だった。
 たまらず和彦は自らの下肢に手を伸ばし、指先で組み紐をまさぐる。結び目を解こうと、もどかしくまさぐっていると、南郷は目を細め、歯を剥き出すようにして笑った。
「いい光景だ……。足を広げて、尻に太いオモチャを咥え込んで、射精しようともがく姿は」
 南郷が、内腿に頬ずりをしてくる。その感触にゾッとしたが、内奥を抉るように道具を動かされ、腰が甘く痺れた。南郷の太い指が組み紐にかかり、期待に喉が鳴る。
「解いてほしいか?」
 低く囁かれ、和彦は南郷を見つめる。悠然としているが、粘りつくような欲望を湛えた獣の目が、じっと見上げてきた。和彦が口ごもると、潤滑剤で濡れそぼった欲望に、ふっと熱い息が吹きかけられた。ビクリと下腹部が震え、その拍子に欲望も揺れる。そこに、柔らかな膨らみを手荒に揉みしだかれると、もう理性がもたなかった。
「解いてほしいか、先生?」
 念を押すように南郷に問われる。南郷を睨みつけはしたものの、和彦は頷く。
「……解いて、ください……」
「なら、尻で一度イッてからだ」
 和彦が目を見開いたと同時に、道具が内奥から引き抜かれ、すぐにまた挿入される。奥深くまでしっかりと。衝撃に息が詰まったが、体の反応は正直だった。鳥肌が立つような肉の悦びが湧き起こり、内奥に埋め込まれた道具をきつく締め付ける。
「うあっ、あっ、あっ――」
 無意識のうちに、南郷の腕に爪を立てていた。それが、和彦の味わっている快感の強さを表していると思ったのか、南郷は痛がる素振りすら見せず、むしろ愉悦を感じたように頬を緩めた。
「本当に、どうしようもない淫奔なオンナだな。俺のことが嫌いでたまらないくせに、それでもこれだけ、感じてくれるんだ。あんたを大事にして、あんたに笑いかけてもらえる男たちにしてみたら、あんたは愛しくて仕方ないだろう。可愛い、可愛い、いやらしいオンナだ」
 のしかかってきた南郷にベロリと唇を舐められ、傲慢に命じられるままに口腔に熱い舌を受け入れる。内奥から道具が引き抜かれたかと思うと、震える欲望から組み紐が解かれていた。和彦は、南郷との濃厚な口づけの最中に射精した。

しおりを挟む
感想 80

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...