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第30話
(24)
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再び下から突き上げられ、和彦は顔を仰向かせる。寸前のところで嬌声は堪えたが、腰を掴まれて揺さぶられるようになると、簡単に理性は突き崩される。
「あっ、あっ、あんっ……、んっ、んあっ」
「先生、もっと恥ずかしいことをして見せてくれ。――俺しか見ていないから」
ハスキーな声をさらに掠れさせて切望され、和彦は否とは言えなかった。むしろ悦びすら覚えながら、自分の欲望をてのひらに包み込み、ゆっくりと扱く。さらに、刺激を欲して凝っている胸の突起を指先で弄り、息を弾ませると、内奥で三田村の欲望が一際大きくなる。
「ずっと、今の先生を眺めていたい……、が、その余裕がもうなくなりそうだ」
「ぼくは、このままでもいいけど」
そう強がってみた和彦だが、内奥深くで息づく三田村の欲望を強く感じてみたい衝動の前では、脆かった。すがるような眼差しを向けると、三田村に腕を引っ張られて抱き寄せられ、繋がったまま体の位置を入れ替えられる。
「あうっ、うっ……」
覆い被さってきた三田村に力強く内奥を突き上げられ、和彦は大きく仰け反る。胸の突起を口腔に含まれただけで、身を貫くような快美さに襲われ、全身が小刻みに震えていた。
「あっ、あっ、い、いぃ――……。三田村、それ、いい」
「ああ、よくわかる。先生の中が、悦んでいる」
思わず笑みをこぼした和彦は、三田村の頬に手をかけ、自分からそっと唇を重ねる。無心に互いの唇と舌を吸い合いながら、内奥は貪欲に三田村の欲望を締め付ける。
「……すごいな、先生……」
感嘆したように三田村が率直に言葉を洩らし、意味を解した和彦は羞恥する。そんな和彦の顔中に、三田村は丁寧に唇を押し当ててきた。
「んっ、三田村――」
肌に触れる熱い吐息すら心地よくて、切ない声で三田村を呼ぶ。三田村の唇が耳に押し当てられ、こう囁かれた。
「先生、さっきのように、もう一度自分でして見せてくれないか」
「……余裕ができたのか?」
照れ隠しもあって、少し意地悪な問いかけをすると、三田村が困ったように笑う。その表情に胸の奥が疼き、和彦はおずおずと自分の下肢に手を伸ばす。上体を起こした三田村は、和彦の両足を抱え直して大きく左右に広げた。すべてを晒け出した自分の姿に、これ以上なく羞恥心を煽られながらも、和彦は三田村の要望に応える。
反り返り、先端からはしたなく透明なしずくを垂らしている自身の欲望を、三田村の視線を意識しつつ、上下に擦る。
「んうっ」
不意打ちのように、内奥深くを緩く突き上げられた。和彦は顔を背けて、上体をしならせる。そこをさらに突き上げられて、頭の先から爪先まで快感が響き渡る。
「いっ、い……。三田村、気持ち、いっ――……」
「ああ。すごく中が、動いている。ずっとこうしていたい、ただ、先生を眺めて……」
それはダメだと、すがるように三田村を見上げて、和彦は首を横に振る。三田村はもう笑ってはおらず、真剣な顔でこう言った。
「先生、もっと見たい」
切迫した響きを帯びたハスキーな声は、和彦の耳には甘く聞こえる。こんな声と口調でせがまれて、拒めるはずがなかった。
息を弾ませながら欲望を扱き、尽きることなく悦びのしずくを垂らしている先端を、指の腹で擦る。ヒクリと下腹部を緊張させると、また三田村に指摘される。
「今、中が締まった。――先生、もっと」
優しい声で求められ、和彦は喘ぎながら片手を自分の胸元に這わせる。興奮のため硬く尖っている胸の突起を指先で弄り、吐息をこぼす。もう片方の突起を三田村に触れられると、堪えきれず嬌声を上げていた。
「んあっ……、はっ、あぅ……」
「もっと締まった。すごいな、先生。いくらでも感じてくれる」
腰を軽く揺すった三田村に、和彦は甘えるように両腕を伸ばす。抱き締めてくれと言いたかったのだが、首を横に振って拒まれる。
「ダメだ。こうして先生を、もっと見ていたい」
「三田村っ……」
和彦はもどかしく身を捩り、腰を揺らして、抱擁を求めるが、三田村は与えてくれない。
「――先生、自分でして見せてくれ。誰にも見せたことのないような、いやらしくて、艶やかな姿を」
優しい男がちらりとうかがわせた独占欲に、どんな愛撫よりも和彦は感じる。淫らな蠕動を繰り返す内奥が、食い千切らんばかりに三田村を欲望を締め付け、包み込む。
三田村が微かに眉をひそめた表情を見上げながら、和彦はできる限りの媚態を見せる。悩ましい手つきで自分の欲望を愛撫しながら、もう片方の手で汗に濡れた肌をまさぐり、充血した胸の突起をてのひらで転がす。ただ、三田村のために。
「あっ、あっ、あんっ……、んっ、んあっ」
「先生、もっと恥ずかしいことをして見せてくれ。――俺しか見ていないから」
ハスキーな声をさらに掠れさせて切望され、和彦は否とは言えなかった。むしろ悦びすら覚えながら、自分の欲望をてのひらに包み込み、ゆっくりと扱く。さらに、刺激を欲して凝っている胸の突起を指先で弄り、息を弾ませると、内奥で三田村の欲望が一際大きくなる。
「ずっと、今の先生を眺めていたい……、が、その余裕がもうなくなりそうだ」
「ぼくは、このままでもいいけど」
そう強がってみた和彦だが、内奥深くで息づく三田村の欲望を強く感じてみたい衝動の前では、脆かった。すがるような眼差しを向けると、三田村に腕を引っ張られて抱き寄せられ、繋がったまま体の位置を入れ替えられる。
「あうっ、うっ……」
覆い被さってきた三田村に力強く内奥を突き上げられ、和彦は大きく仰け反る。胸の突起を口腔に含まれただけで、身を貫くような快美さに襲われ、全身が小刻みに震えていた。
「あっ、あっ、い、いぃ――……。三田村、それ、いい」
「ああ、よくわかる。先生の中が、悦んでいる」
思わず笑みをこぼした和彦は、三田村の頬に手をかけ、自分からそっと唇を重ねる。無心に互いの唇と舌を吸い合いながら、内奥は貪欲に三田村の欲望を締め付ける。
「……すごいな、先生……」
感嘆したように三田村が率直に言葉を洩らし、意味を解した和彦は羞恥する。そんな和彦の顔中に、三田村は丁寧に唇を押し当ててきた。
「んっ、三田村――」
肌に触れる熱い吐息すら心地よくて、切ない声で三田村を呼ぶ。三田村の唇が耳に押し当てられ、こう囁かれた。
「先生、さっきのように、もう一度自分でして見せてくれないか」
「……余裕ができたのか?」
照れ隠しもあって、少し意地悪な問いかけをすると、三田村が困ったように笑う。その表情に胸の奥が疼き、和彦はおずおずと自分の下肢に手を伸ばす。上体を起こした三田村は、和彦の両足を抱え直して大きく左右に広げた。すべてを晒け出した自分の姿に、これ以上なく羞恥心を煽られながらも、和彦は三田村の要望に応える。
反り返り、先端からはしたなく透明なしずくを垂らしている自身の欲望を、三田村の視線を意識しつつ、上下に擦る。
「んうっ」
不意打ちのように、内奥深くを緩く突き上げられた。和彦は顔を背けて、上体をしならせる。そこをさらに突き上げられて、頭の先から爪先まで快感が響き渡る。
「いっ、い……。三田村、気持ち、いっ――……」
「ああ。すごく中が、動いている。ずっとこうしていたい、ただ、先生を眺めて……」
それはダメだと、すがるように三田村を見上げて、和彦は首を横に振る。三田村はもう笑ってはおらず、真剣な顔でこう言った。
「先生、もっと見たい」
切迫した響きを帯びたハスキーな声は、和彦の耳には甘く聞こえる。こんな声と口調でせがまれて、拒めるはずがなかった。
息を弾ませながら欲望を扱き、尽きることなく悦びのしずくを垂らしている先端を、指の腹で擦る。ヒクリと下腹部を緊張させると、また三田村に指摘される。
「今、中が締まった。――先生、もっと」
優しい声で求められ、和彦は喘ぎながら片手を自分の胸元に這わせる。興奮のため硬く尖っている胸の突起を指先で弄り、吐息をこぼす。もう片方の突起を三田村に触れられると、堪えきれず嬌声を上げていた。
「んあっ……、はっ、あぅ……」
「もっと締まった。すごいな、先生。いくらでも感じてくれる」
腰を軽く揺すった三田村に、和彦は甘えるように両腕を伸ばす。抱き締めてくれと言いたかったのだが、首を横に振って拒まれる。
「ダメだ。こうして先生を、もっと見ていたい」
「三田村っ……」
和彦はもどかしく身を捩り、腰を揺らして、抱擁を求めるが、三田村は与えてくれない。
「――先生、自分でして見せてくれ。誰にも見せたことのないような、いやらしくて、艶やかな姿を」
優しい男がちらりとうかがわせた独占欲に、どんな愛撫よりも和彦は感じる。淫らな蠕動を繰り返す内奥が、食い千切らんばかりに三田村を欲望を締め付け、包み込む。
三田村が微かに眉をひそめた表情を見上げながら、和彦はできる限りの媚態を見せる。悩ましい手つきで自分の欲望を愛撫しながら、もう片方の手で汗に濡れた肌をまさぐり、充血した胸の突起をてのひらで転がす。ただ、三田村のために。
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