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第28話
(13)
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指を唾液で濡らした三田村が、内奥の入り口を簡単に湿らせてから、高ぶった欲望の先端を擦りつけてくる。和彦は自ら両足を大きく左右に開き、愛しい〈オトコ〉を受け入れる態勢を取った。
「すまない、先生っ……」
言葉とともに、三田村がぐっと腰を進める。頑なな内奥の入り口を強引に押し開かれ、欲望の太い部分を呑み込まされる。さすがに痛みに眉をひそめると、三田村にそっと唇を吸われ、掠れた声で言われた。
「俺が、先生を痛めつけているな」
和彦は、三田村の肩からバスローブを落とし、逞しい腕を撫で上げる。三田村の筋肉が一気に緊張したのが、てのひらから伝わってきた。
「違うだろ。あんたは痛めつけているんじゃない。愛してくれているんだ」
「……先生のほうこそ、俺に甘すぎる」
三田村と唇と舌を吸い合いながら、さらに腰を密着させる。三田村は慎重に、しかし確実に和彦の内奥を押し開き、熱い欲望を埋め込んでくる。痛みと、その痛みすら心地よさに変えてしまう興奮に、和彦は息を喘がせる。
中途半端な愛撫を与えられただけの自分の欲望に片手を伸ばし、三田村の動きに合わせて扱く。意識せずとも内奥がきつく収縮していた。
「いやらしいな、先生」
耳元で三田村に囁かれ、その声の響きだけで全身が痺れる。さらに、ようやく根元まで埋め込まれた欲望に内奥深くを突き上げられて、痺れた全身に快美さが行き渡る。
上体を起こした三田村に緩やかに律動を繰り返されながら、すっかり乱れたバスローブを脱がされた。触れられないまま硬く凝った胸の突起をてのひらで転がされ、反り返って先端を濡らした欲望を軽く扱かれてから、柔らかな膨らみを優しく揉み込まれる。
「うっ、うあっ――……」
傷ついていないか確かめるように、繋がっている部分を指で擦り上げられたときには、和彦はビクビクと間欠的に体を震わせる。
再び覆い被さってきた三田村に、焦らすように胸の突起を舌先で弄られ、そっと吸われる。和彦は夢中で三田村の背に両腕を回し、この男が本来持つ激しさを求める。
「三田、村、もっと……、もっと強くっ……」
上目遣いで和彦を見上げてきた三田村の両目に、狂おしい情欲の火が点る。次の瞬間、三田村の背に回していた両腕を乱暴に振り解かれていた。内奥からは欲望が一気に引き抜かれ、呻き声を洩らしたときには、和彦の体はうつ伏せにされ、高々と腰を抱え上げられた。
「くっ、うぅっ」
ひくつく内奥の入り口を、熱く硬い感触にこじ開けられる。背後から三田村に犯されていた。
尻の肉を鷲掴まれ、強く内奥を突き上げられる。和彦は体を激しく前後に揺さぶられながら、必死にシーツを握り締め、三田村の肉の感触をしっかりと味わう。
「あっ、あっ、あっ……ぅ、うっ、あうっ」
三田村の律動に合わせて、和彦も腰を動かす。獣のように浅ましい行為だが、三田村に見られているというだけで、羞恥は高揚感に変わる。和彦の痴態に誘われたように、三田村からこう求められた。
「――先生、さっきみたいに、自分で慰めてみてくれ」
和彦を促すように、背後から大きく内奥を突き上げられ、奥深くを丹念に掻き回される。喉を鳴らした和彦は、おずおずと片手を自分の下肢へと伸ばす。両足の間で震える和彦の欲望は、もう愛撫を必要としないほど、熱く硬くなり、反り返って濡れそぼっている。
本当は三田村に触れてもらいたいと思いながら、ゆっくりと上下に扱く。同時に、内奥で蠢く三田村の欲望をきつく締め付けていた。
三田村が深く息を吐き出し、和彦の腰から背へとてのひらを這わせてくる。
「別荘で過ごして以来、よく夢を見るんだ。中嶋を犯している先生を、こうして後ろから犯している光景を。夢なのに、ひどく興奮して、感じるんだ」
三田村の欲望が、内奥から引き抜かれていく。発情しきった襞と粘膜を強く擦り上げられ、和彦は感極まった声を上げて反応してしまう。自ら愛撫する必要もなく絶頂を迎え、シーツに向けて精を飛び散らせていた。その瞬間を待っていたように、再び三田村の欲望が内奥深くに押し入り、重々しく突き上げられる。
「んあぁっ――」
衝撃に、ふっと意識が遠のきかけるが、三田村に腰を揺すられて我に返る。和彦は無意識のうちに、腰に回された三田村の腕に、爪を食い込ませていた。痛みすら心地いいのか、内奥でますます三田村の欲望が膨らむ。
「あっ、う……。い、い――。三田村、気持ちいぃっ……」
「〈男〉なのに、〈オンナ〉でもある先生の姿が、目に焼きついている。どうしようもなく淫らでふしだらで、魅力的だった。自惚れるなと言われるかもしれないが、俺は、先生の奔放さと、相性がいい。……いや、どんな先生でも、たまらなく愛しい」
惑乱した意識のせいで、三田村の言葉が耳に入りはするものの、頭が意味を理解しようとしない。だが、必死に言葉を紡いでくれているのだということは、わかる。なんといっても、体を繋ぎ合っているのだ。
「もう、先生のいない世界は、考えられない。だから、俺の前からいなくならないでくれ。例え俺を遠ざける瞬間が訪れたとしても。この世界の怖い男たちに囚われたままでいてくれ。そうすれば、俺はいつでも、先生の存在を感じていられる。それだけでも、十分幸せだ」
和彦は短く悲鳴を上げ、腰を震わせる。内奥深くに、三田村の熱い精を注ぎ込まれたからだ。これは、惜しみなく与えられる三田村の〈情〉そのものだ。
繋がりを解かれて、和彦の体は再び仰向けにされる。のしかかってきた三田村が、まだ硬さを保った欲望を内奥にねじ込んでくる。和彦は悦びの声を上げて受け入れ、包み込む。
顔を覗き込んでくる三田村の頬を撫で、そっと笑いかける。
「普段優しいくせに、いざとなると、あんたは怖い」
三田村に、噛み付くような激しい口づけを与えられた。
「……先生が、あんなに怯えていた相手に会うと聞いて、嫌な予感がした。連れ戻されて、こっちの世界にもう二度と戻ってこないんじゃないかと……」
体の内と外で感じる三田村の存在が心地よくて、和彦は吐息をこぼす。ふいに、中嶋に言われた言葉を思い出していた。
三田村は、失わないために鬼になれる男だ、と。
三田村の背の虎を撫でながら、和彦は応じた。
「――……ここにいたいから、会うんだ。ここはもう、ぼくが戻ってくる世界になったんだ」
返事の代わりに三田村がくれたのは、安堵の吐息だった。
「すまない、先生っ……」
言葉とともに、三田村がぐっと腰を進める。頑なな内奥の入り口を強引に押し開かれ、欲望の太い部分を呑み込まされる。さすがに痛みに眉をひそめると、三田村にそっと唇を吸われ、掠れた声で言われた。
「俺が、先生を痛めつけているな」
和彦は、三田村の肩からバスローブを落とし、逞しい腕を撫で上げる。三田村の筋肉が一気に緊張したのが、てのひらから伝わってきた。
「違うだろ。あんたは痛めつけているんじゃない。愛してくれているんだ」
「……先生のほうこそ、俺に甘すぎる」
三田村と唇と舌を吸い合いながら、さらに腰を密着させる。三田村は慎重に、しかし確実に和彦の内奥を押し開き、熱い欲望を埋め込んでくる。痛みと、その痛みすら心地よさに変えてしまう興奮に、和彦は息を喘がせる。
中途半端な愛撫を与えられただけの自分の欲望に片手を伸ばし、三田村の動きに合わせて扱く。意識せずとも内奥がきつく収縮していた。
「いやらしいな、先生」
耳元で三田村に囁かれ、その声の響きだけで全身が痺れる。さらに、ようやく根元まで埋め込まれた欲望に内奥深くを突き上げられて、痺れた全身に快美さが行き渡る。
上体を起こした三田村に緩やかに律動を繰り返されながら、すっかり乱れたバスローブを脱がされた。触れられないまま硬く凝った胸の突起をてのひらで転がされ、反り返って先端を濡らした欲望を軽く扱かれてから、柔らかな膨らみを優しく揉み込まれる。
「うっ、うあっ――……」
傷ついていないか確かめるように、繋がっている部分を指で擦り上げられたときには、和彦はビクビクと間欠的に体を震わせる。
再び覆い被さってきた三田村に、焦らすように胸の突起を舌先で弄られ、そっと吸われる。和彦は夢中で三田村の背に両腕を回し、この男が本来持つ激しさを求める。
「三田、村、もっと……、もっと強くっ……」
上目遣いで和彦を見上げてきた三田村の両目に、狂おしい情欲の火が点る。次の瞬間、三田村の背に回していた両腕を乱暴に振り解かれていた。内奥からは欲望が一気に引き抜かれ、呻き声を洩らしたときには、和彦の体はうつ伏せにされ、高々と腰を抱え上げられた。
「くっ、うぅっ」
ひくつく内奥の入り口を、熱く硬い感触にこじ開けられる。背後から三田村に犯されていた。
尻の肉を鷲掴まれ、強く内奥を突き上げられる。和彦は体を激しく前後に揺さぶられながら、必死にシーツを握り締め、三田村の肉の感触をしっかりと味わう。
「あっ、あっ、あっ……ぅ、うっ、あうっ」
三田村の律動に合わせて、和彦も腰を動かす。獣のように浅ましい行為だが、三田村に見られているというだけで、羞恥は高揚感に変わる。和彦の痴態に誘われたように、三田村からこう求められた。
「――先生、さっきみたいに、自分で慰めてみてくれ」
和彦を促すように、背後から大きく内奥を突き上げられ、奥深くを丹念に掻き回される。喉を鳴らした和彦は、おずおずと片手を自分の下肢へと伸ばす。両足の間で震える和彦の欲望は、もう愛撫を必要としないほど、熱く硬くなり、反り返って濡れそぼっている。
本当は三田村に触れてもらいたいと思いながら、ゆっくりと上下に扱く。同時に、内奥で蠢く三田村の欲望をきつく締め付けていた。
三田村が深く息を吐き出し、和彦の腰から背へとてのひらを這わせてくる。
「別荘で過ごして以来、よく夢を見るんだ。中嶋を犯している先生を、こうして後ろから犯している光景を。夢なのに、ひどく興奮して、感じるんだ」
三田村の欲望が、内奥から引き抜かれていく。発情しきった襞と粘膜を強く擦り上げられ、和彦は感極まった声を上げて反応してしまう。自ら愛撫する必要もなく絶頂を迎え、シーツに向けて精を飛び散らせていた。その瞬間を待っていたように、再び三田村の欲望が内奥深くに押し入り、重々しく突き上げられる。
「んあぁっ――」
衝撃に、ふっと意識が遠のきかけるが、三田村に腰を揺すられて我に返る。和彦は無意識のうちに、腰に回された三田村の腕に、爪を食い込ませていた。痛みすら心地いいのか、内奥でますます三田村の欲望が膨らむ。
「あっ、う……。い、い――。三田村、気持ちいぃっ……」
「〈男〉なのに、〈オンナ〉でもある先生の姿が、目に焼きついている。どうしようもなく淫らでふしだらで、魅力的だった。自惚れるなと言われるかもしれないが、俺は、先生の奔放さと、相性がいい。……いや、どんな先生でも、たまらなく愛しい」
惑乱した意識のせいで、三田村の言葉が耳に入りはするものの、頭が意味を理解しようとしない。だが、必死に言葉を紡いでくれているのだということは、わかる。なんといっても、体を繋ぎ合っているのだ。
「もう、先生のいない世界は、考えられない。だから、俺の前からいなくならないでくれ。例え俺を遠ざける瞬間が訪れたとしても。この世界の怖い男たちに囚われたままでいてくれ。そうすれば、俺はいつでも、先生の存在を感じていられる。それだけでも、十分幸せだ」
和彦は短く悲鳴を上げ、腰を震わせる。内奥深くに、三田村の熱い精を注ぎ込まれたからだ。これは、惜しみなく与えられる三田村の〈情〉そのものだ。
繋がりを解かれて、和彦の体は再び仰向けにされる。のしかかってきた三田村が、まだ硬さを保った欲望を内奥にねじ込んでくる。和彦は悦びの声を上げて受け入れ、包み込む。
顔を覗き込んでくる三田村の頬を撫で、そっと笑いかける。
「普段優しいくせに、いざとなると、あんたは怖い」
三田村に、噛み付くような激しい口づけを与えられた。
「……先生が、あんなに怯えていた相手に会うと聞いて、嫌な予感がした。連れ戻されて、こっちの世界にもう二度と戻ってこないんじゃないかと……」
体の内と外で感じる三田村の存在が心地よくて、和彦は吐息をこぼす。ふいに、中嶋に言われた言葉を思い出していた。
三田村は、失わないために鬼になれる男だ、と。
三田村の背の虎を撫でながら、和彦は応じた。
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