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第27話
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内奥深くにまで道具を突き込まれ、腰から下が甘く痺れる。自分でもわかるほど必死に、道具を締め付けていた。和彦は呻き声を洩らしながら、道具の蠢きに合わせて、妖しく腰をくねらせる。本当は何かにしがみつきたいが、両手首をしっかりと縛められているためそれができない。もどかしいが、そのもどかしさにすら、感じてしまう。
「あっ、あっ、んうっ……、うあっ」
「もう少し、武骨な形のオモチャも作らせよう。もう少し太く、もう少し長く――。それを味わうあんたを見てみたい」
ここで一度、内奥から道具が引き抜かれる。和彦は再び仰向けにされるが、両手首の縛めを解かれることはない。体の下に敷き込んだことでより拘束感が増し、和彦は半ば恐れながら守光を見上げる。当の守光は、端整な顔に笑みを浮かべ、上気して汗で濡れた和彦の体を眺めていた。しどけない和彦の姿とは対照的に、守光は浴衣の乱れすらすでに正している。和彦に、快感という責め苦を与える準備ができているということだ。
両足を広げられ、反り返って濡れそぼった欲望の形を確かめられる。先端を指の腹でそっと撫でられただけで、和彦は短く悲鳴を上げて感じていた。
「この蜜は、あとでまた味わうとしよう。今は、オモチャ遊びだ」
和彦の欲望を緩く二度、三度と扱いた守光は、箱から鮮やかな朱色の組み紐を取り出した。一目見ただけで、その組み紐を何に使うか、和彦にはわかった。『オモチャ遊び』と守光は言ったが、漆塗りの箱は、さながらオモチャ箱だ。和彦を淫らに攻めるための道具が揃っている。
「ふっ……」
興奮して震える欲望に組み紐が幾重にも巻きつき、根元をしっかりと締め上げられる。苦痛のため足掻こうとするが、肝心の両手は拘束されており、体を起こすのもままならない。そんな和彦の体を、守光は愛しげに撫で回し、唇を這わせてくる。
「うっ、くうっ――ん」
柔らかな膨らみを片手で揉みしだかれながら、胸の突起を優しく吸い上げられる。和彦は甘い嗚咽を洩らして身悶えていた。これ以上ない痴態を守光に晒していると自覚はあるが、すでにもう自制がきかない。そもそも、和彦がそういう状態になることが、守光の望みだったはずだ。
組み紐が食い込みながらも、反り返ったまま空しく震える欲望を、戯れのように指で弾かれる。被虐的な刺激に耐えていると、守光に唇を塞がれ、水代わりに日本酒を与えられていた。慎重に喉に流し込んでから、守光との濃厚な口づけを受け入れる。内奥には、卑猥な道具を。
物欲しげに内奥がきつく収縮し、道具を締め付ける。一層深く道具が押し込まれた瞬間、和彦の中で何かが弾け、波のように法悦が全身へと広がる。
「あっ、あっ、あぁっ――……」
爪先を布団の上に突っ張らせ、和彦は悦びの声を溢れさせる。頭の芯がドロドロと溶けていくと思った。
守光は、和彦がどこまで奔放に乱れるのか確かめるように、冷静に道具を操り、さらに内奥深くを攻め立ててくる。和彦は浅ましく腰を揺すって反応していた。
「どこもかしこも、いやらしくて素直なオンナだ。本当に、わし好みの――」
内奥で円を描くように大胆に道具を動かされ、再び和彦の中で法悦の波が生まれ、広がる。
「時間はたっぷりある。しっかりとわしの遊びにつき合ってもらおう」
賢吾によく似た声でそう囁かれる。期待と恐れから、和彦の肌は粟立っていた。
ビクリと大きく体を震わせて、和彦は目を開く。少しの間、自分が今どこにいるのかと混乱してしまったが、すっかり見慣れた天井を眺めているうちに、ここが自宅マンションの寝室であることに確信が持てた。
まだ意識が、川のせせらぎが聞こえていた旅館の一室に引き留められているようだ。
思わず洩らしたため息は、熱っぽさを帯びている。守光から念入りに快感を与えられた体からは、容易に情欲の余韻は消え去らないようだ。それに、日本酒による酔いも残っていた。
夕方過ぎまでともに過ごしたあと、帰りは守光の車に同乗し、マンションまで送ってもらったが、そこからは何もする気力も湧かず、賢吾に連絡すら入れないままベッドに潜り込んだのだ。
和彦は緩慢な動作でサイドテーブルに片手を伸ばし、卓上時計で時間を確認する。何時間も眠っていた感覚だが、まだ深夜といえる時間帯だ。
こんな中途半端な時間に目が覚めたのは、夢を見たせいだ。もう一度ため息を洩らした和彦は、前髪に指を差し込む。胸に広がる重苦しさは、逃れられない責務のせいだ。今の生活を送るためには、必ず果たさなければならない。
その責務は決して一つだけではないのだと、今しがた見たばかりの夢のせいで思い出してしまった。
「あっ、あっ、んうっ……、うあっ」
「もう少し、武骨な形のオモチャも作らせよう。もう少し太く、もう少し長く――。それを味わうあんたを見てみたい」
ここで一度、内奥から道具が引き抜かれる。和彦は再び仰向けにされるが、両手首の縛めを解かれることはない。体の下に敷き込んだことでより拘束感が増し、和彦は半ば恐れながら守光を見上げる。当の守光は、端整な顔に笑みを浮かべ、上気して汗で濡れた和彦の体を眺めていた。しどけない和彦の姿とは対照的に、守光は浴衣の乱れすらすでに正している。和彦に、快感という責め苦を与える準備ができているということだ。
両足を広げられ、反り返って濡れそぼった欲望の形を確かめられる。先端を指の腹でそっと撫でられただけで、和彦は短く悲鳴を上げて感じていた。
「この蜜は、あとでまた味わうとしよう。今は、オモチャ遊びだ」
和彦の欲望を緩く二度、三度と扱いた守光は、箱から鮮やかな朱色の組み紐を取り出した。一目見ただけで、その組み紐を何に使うか、和彦にはわかった。『オモチャ遊び』と守光は言ったが、漆塗りの箱は、さながらオモチャ箱だ。和彦を淫らに攻めるための道具が揃っている。
「ふっ……」
興奮して震える欲望に組み紐が幾重にも巻きつき、根元をしっかりと締め上げられる。苦痛のため足掻こうとするが、肝心の両手は拘束されており、体を起こすのもままならない。そんな和彦の体を、守光は愛しげに撫で回し、唇を這わせてくる。
「うっ、くうっ――ん」
柔らかな膨らみを片手で揉みしだかれながら、胸の突起を優しく吸い上げられる。和彦は甘い嗚咽を洩らして身悶えていた。これ以上ない痴態を守光に晒していると自覚はあるが、すでにもう自制がきかない。そもそも、和彦がそういう状態になることが、守光の望みだったはずだ。
組み紐が食い込みながらも、反り返ったまま空しく震える欲望を、戯れのように指で弾かれる。被虐的な刺激に耐えていると、守光に唇を塞がれ、水代わりに日本酒を与えられていた。慎重に喉に流し込んでから、守光との濃厚な口づけを受け入れる。内奥には、卑猥な道具を。
物欲しげに内奥がきつく収縮し、道具を締め付ける。一層深く道具が押し込まれた瞬間、和彦の中で何かが弾け、波のように法悦が全身へと広がる。
「あっ、あっ、あぁっ――……」
爪先を布団の上に突っ張らせ、和彦は悦びの声を溢れさせる。頭の芯がドロドロと溶けていくと思った。
守光は、和彦がどこまで奔放に乱れるのか確かめるように、冷静に道具を操り、さらに内奥深くを攻め立ててくる。和彦は浅ましく腰を揺すって反応していた。
「どこもかしこも、いやらしくて素直なオンナだ。本当に、わし好みの――」
内奥で円を描くように大胆に道具を動かされ、再び和彦の中で法悦の波が生まれ、広がる。
「時間はたっぷりある。しっかりとわしの遊びにつき合ってもらおう」
賢吾によく似た声でそう囁かれる。期待と恐れから、和彦の肌は粟立っていた。
ビクリと大きく体を震わせて、和彦は目を開く。少しの間、自分が今どこにいるのかと混乱してしまったが、すっかり見慣れた天井を眺めているうちに、ここが自宅マンションの寝室であることに確信が持てた。
まだ意識が、川のせせらぎが聞こえていた旅館の一室に引き留められているようだ。
思わず洩らしたため息は、熱っぽさを帯びている。守光から念入りに快感を与えられた体からは、容易に情欲の余韻は消え去らないようだ。それに、日本酒による酔いも残っていた。
夕方過ぎまでともに過ごしたあと、帰りは守光の車に同乗し、マンションまで送ってもらったが、そこからは何もする気力も湧かず、賢吾に連絡すら入れないままベッドに潜り込んだのだ。
和彦は緩慢な動作でサイドテーブルに片手を伸ばし、卓上時計で時間を確認する。何時間も眠っていた感覚だが、まだ深夜といえる時間帯だ。
こんな中途半端な時間に目が覚めたのは、夢を見たせいだ。もう一度ため息を洩らした和彦は、前髪に指を差し込む。胸に広がる重苦しさは、逃れられない責務のせいだ。今の生活を送るためには、必ず果たさなければならない。
その責務は決して一つだけではないのだと、今しがた見たばかりの夢のせいで思い出してしまった。
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