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第27話
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口腔からゆっくりと指を出し入れしながら、鷹津は和彦の欲望を同じリズムで扱く。
「興奮してるのか? もう、こんなに涎を垂らし始めたぞ。……胸糞が悪くなるほど、性質の悪いオンナだ。気を抜くと、骨までしゃぶり尽くしたくなる」
ふいに口腔から指が引き抜かれる。その指をどうするか、目で追うまでもなかった。
やや性急に内奥の入り口をまさぐられて、和彦は小さく呻き声を洩らす。つい非難がましく鷹津を見上げると、薄い笑みで返された。
「いきなり突っ込まれるほうがよかったか?」
「下品な、男だ……」
「お上品なお前にそう言われると、ゾクゾクする」
和彦の唾液で濡れた指が内奥に侵入し、妖しく蠢く。異物感と鈍い痛みに最初は息を詰めていたが、鷹津の熱い体に押さえつけられながら、唇を吸われているうちに、被虐的な悦びが生まれてくる。
「――それでお前は、自分の実家に対してどうしたいんだ?」
内奥への愛撫の合間に鷹津に問われる。和彦は正直に答えた。
「わからない。それでなくても考えたいことがあるのに、そこに実家のことまで……。先送りできることならそうしたいし、関わりたくもない。だけどそれだと、里見さんが困る」
「あちこちの男にいい顔をしていると、身動きが取れなくなるぞ。いや……、もうすでに、そうなってるか」
内奥から指が引き抜かれ、片足をしっかりと抱え上げられる。わずかに綻んだ内奥の入り口に、再び鷹津の欲望が押し当てられた。
きつい収縮を味わうようにゆっくりと、内奥をこじ開けられる。和彦は反射的に鷹津の腕に手をかけていた。
「うっ、あっ、あぁっ」
「どいつもこいつも、お前に甘い顔しか見せないから忘れてるかもしれないが、お前を囲い込んでいるのは、所詮ヤクザだ。いざとなると、お前が警戒している通り、お前を佐伯家に売りつけるかもしれないぞ」
和彦は下肢に押し寄せてくる強烈な感覚と、不安を刺激する鷹津の言葉によって、少しの間言葉が出なかった。そんな和彦を攻め立てるように鷹津が軽く腰を揺らした。
「……事態がそこまでに至ったら、諦めがつく」
「諦め?」
「ぼくは結局、佐伯家が求めるように生きていくしかない」
胸糞が悪い、と毒づいた鷹津が、顔を近づけてくる。間近で互いの目を見つめ合いながら唇を重ね、舌を絡め合う。和彦は鷹津の腰に両腕を回し、勢いを得たように鷹津が律動を刻み始める。
乱暴に腰を揺すられているうちに、和彦の内奥は鷹津の欲望に馴染み、受け入れ、甘やかす。襞と粘膜を擦り上げられるたびに痛みが溶け、代わって、痺れるような愉悦が広がっていくのだ。熱い吐息をこぼすと、内奥深くで鷹津の欲望が一際大きくなり、力強く脈打つ。
「お前とこうして楽しめるなら、佐伯家に戻ろうがどうだろうが、俺はどうでもいいがな」
そう言って鷹津が、反り返って震える和彦の欲望を握り締めてくる。指の腹で先端を強く擦られ、大きく息を吸い込んで喉を反らす。露わにした喉元に、鷹津はもう片方の手をかけてきた。
「だがまあ、今はお前の事情を優先してやる。忌々しいが、ヤクザに囲まれているお前のオンナっぷりを、俺は気に入っているからな」
「――……悪徳刑事らしい、台詞だな」
「せいぜい大事にしろよ。俺はお前にとって、数少ない手駒だろ」
喉元にかかった手が退けられ、鷹津の熱い舌にベロリと舐め上げられる。不快さに眉をひそめた和彦だが、覆い被さってきた鷹津の体を受け止め、耳元に荒い息遣いを注ぎ込まれながら、内奥に逞しい欲望を打ち込まれているうちに、甘い陶酔感に襲われていた。
「はっ……、あっ、んうっ、うっ、くうぅっ――」
鷹津の欲望がますます膨らみ、内から和彦の官能を刺激してくる。
「奥、ひくつきまくってるぞ。……いいか?」
露骨な台詞を囁かれ、瞬間的に感じた羞恥から顔を背けるが、追いかけてきた鷹津の舌が口腔に差し込まれる。所有の証のように唾液を流し込まれ、和彦は喉を鳴らして受け入れながら、自分でもわかるほど内奥を淫らに蠕動させる。体と心の区別を必要としないほど、鷹津を求めていた。
和彦の激しい反応に気づいたのか、体を起こした鷹津に両足を抱え上げられる。打ち付けるように力強く内奥を突き上げられ、その勢いで和彦の頭が肘掛にぶつかる。すかさず鷹津に体を引き戻されたが、すぐにまた突き上げられた。
和彦は鷹津の肩にすがりつきながら、片手で頭を庇ってもらう。
「……手っ……、抜糸したばかりで……」
「うるせえっ。〈こっち〉に集中しろ」
獣が唸るように声を上げた鷹津に驚き、和彦は目を丸くする。舌打ちした鷹津が、和彦に何も言わせまいとするかのように、唇を塞いできた。
濃厚な口づけを交わしながら、内奥と欲望を擦り合う行為に耽る。鷹津の望み通りに。
和彦が放った精で二人の下腹部が濡れるが、気にかける様子もなく――むしろさらに高ぶった様子で、鷹津の動きが激しくなる。察するものがあり、和彦は鷹津の肩を押し上げようとする。
「中は、嫌だ。ここでは――……」
「ダメだ。お前のために働く俺が、お前の中にたっぷり出したいんだ。嫌という権利は、お前にはないぞ」
和彦は必死に、鷹津を睨みつける。そんな和彦の眼差しにすら快感を得たかのように、鷹津の欲望がさらに膨らむ。些細な変化にすら気づいてしまう自分の浅ましさに、いまさらながら羞恥を刺激され、和彦は顔を背けようとしたが、その前に何度目かの口づけを鷹津に与えられた。
舌で口腔を犯され、唾液を注ぎ込まれながら、内奥は逞しい欲望で犯される。
「出して、いいな?」
口づけの合間に囁かれ、あえなく和彦は陥落する。小さく頷くと、それでは不満らしく、鷹津に内奥を乱暴に突き上げられた。
「あうっ、うっ」
「口に出して言え。お前の中は、これだけ感じて、興奮しまくってるんだ。――欲しいんだろ?」
「……欲し、い……、中に」
鷹津の律動が激しさを増し、和彦は簡単に翻弄される。だがそれも、長い時間ではない。
熱い精をたっぷりと注ぎ込まれ、歓喜するように内奥が鷹津の欲望を締め付ける。震える鷹津の欲望は、まだ硬かった。
喘ぐ和彦の顔を覗き込み、鷹津が緩く腰を揺らす。
「いやらしい口だ。俺のものを咥え込んだまま、まだ締まりまくっている」
「うるさ、い……」
鷹津はニヤリと笑い、和彦の唇を啄ばんでくる。
「こっちの口もいやらしい。憎まれ口を叩くがな」
和彦は鷹津の唇に噛みついたが、すぐに激しく吸い返され、そのまま舌を絡め合っていた。
「興奮してるのか? もう、こんなに涎を垂らし始めたぞ。……胸糞が悪くなるほど、性質の悪いオンナだ。気を抜くと、骨までしゃぶり尽くしたくなる」
ふいに口腔から指が引き抜かれる。その指をどうするか、目で追うまでもなかった。
やや性急に内奥の入り口をまさぐられて、和彦は小さく呻き声を洩らす。つい非難がましく鷹津を見上げると、薄い笑みで返された。
「いきなり突っ込まれるほうがよかったか?」
「下品な、男だ……」
「お上品なお前にそう言われると、ゾクゾクする」
和彦の唾液で濡れた指が内奥に侵入し、妖しく蠢く。異物感と鈍い痛みに最初は息を詰めていたが、鷹津の熱い体に押さえつけられながら、唇を吸われているうちに、被虐的な悦びが生まれてくる。
「――それでお前は、自分の実家に対してどうしたいんだ?」
内奥への愛撫の合間に鷹津に問われる。和彦は正直に答えた。
「わからない。それでなくても考えたいことがあるのに、そこに実家のことまで……。先送りできることならそうしたいし、関わりたくもない。だけどそれだと、里見さんが困る」
「あちこちの男にいい顔をしていると、身動きが取れなくなるぞ。いや……、もうすでに、そうなってるか」
内奥から指が引き抜かれ、片足をしっかりと抱え上げられる。わずかに綻んだ内奥の入り口に、再び鷹津の欲望が押し当てられた。
きつい収縮を味わうようにゆっくりと、内奥をこじ開けられる。和彦は反射的に鷹津の腕に手をかけていた。
「うっ、あっ、あぁっ」
「どいつもこいつも、お前に甘い顔しか見せないから忘れてるかもしれないが、お前を囲い込んでいるのは、所詮ヤクザだ。いざとなると、お前が警戒している通り、お前を佐伯家に売りつけるかもしれないぞ」
和彦は下肢に押し寄せてくる強烈な感覚と、不安を刺激する鷹津の言葉によって、少しの間言葉が出なかった。そんな和彦を攻め立てるように鷹津が軽く腰を揺らした。
「……事態がそこまでに至ったら、諦めがつく」
「諦め?」
「ぼくは結局、佐伯家が求めるように生きていくしかない」
胸糞が悪い、と毒づいた鷹津が、顔を近づけてくる。間近で互いの目を見つめ合いながら唇を重ね、舌を絡め合う。和彦は鷹津の腰に両腕を回し、勢いを得たように鷹津が律動を刻み始める。
乱暴に腰を揺すられているうちに、和彦の内奥は鷹津の欲望に馴染み、受け入れ、甘やかす。襞と粘膜を擦り上げられるたびに痛みが溶け、代わって、痺れるような愉悦が広がっていくのだ。熱い吐息をこぼすと、内奥深くで鷹津の欲望が一際大きくなり、力強く脈打つ。
「お前とこうして楽しめるなら、佐伯家に戻ろうがどうだろうが、俺はどうでもいいがな」
そう言って鷹津が、反り返って震える和彦の欲望を握り締めてくる。指の腹で先端を強く擦られ、大きく息を吸い込んで喉を反らす。露わにした喉元に、鷹津はもう片方の手をかけてきた。
「だがまあ、今はお前の事情を優先してやる。忌々しいが、ヤクザに囲まれているお前のオンナっぷりを、俺は気に入っているからな」
「――……悪徳刑事らしい、台詞だな」
「せいぜい大事にしろよ。俺はお前にとって、数少ない手駒だろ」
喉元にかかった手が退けられ、鷹津の熱い舌にベロリと舐め上げられる。不快さに眉をひそめた和彦だが、覆い被さってきた鷹津の体を受け止め、耳元に荒い息遣いを注ぎ込まれながら、内奥に逞しい欲望を打ち込まれているうちに、甘い陶酔感に襲われていた。
「はっ……、あっ、んうっ、うっ、くうぅっ――」
鷹津の欲望がますます膨らみ、内から和彦の官能を刺激してくる。
「奥、ひくつきまくってるぞ。……いいか?」
露骨な台詞を囁かれ、瞬間的に感じた羞恥から顔を背けるが、追いかけてきた鷹津の舌が口腔に差し込まれる。所有の証のように唾液を流し込まれ、和彦は喉を鳴らして受け入れながら、自分でもわかるほど内奥を淫らに蠕動させる。体と心の区別を必要としないほど、鷹津を求めていた。
和彦の激しい反応に気づいたのか、体を起こした鷹津に両足を抱え上げられる。打ち付けるように力強く内奥を突き上げられ、その勢いで和彦の頭が肘掛にぶつかる。すかさず鷹津に体を引き戻されたが、すぐにまた突き上げられた。
和彦は鷹津の肩にすがりつきながら、片手で頭を庇ってもらう。
「……手っ……、抜糸したばかりで……」
「うるせえっ。〈こっち〉に集中しろ」
獣が唸るように声を上げた鷹津に驚き、和彦は目を丸くする。舌打ちした鷹津が、和彦に何も言わせまいとするかのように、唇を塞いできた。
濃厚な口づけを交わしながら、内奥と欲望を擦り合う行為に耽る。鷹津の望み通りに。
和彦が放った精で二人の下腹部が濡れるが、気にかける様子もなく――むしろさらに高ぶった様子で、鷹津の動きが激しくなる。察するものがあり、和彦は鷹津の肩を押し上げようとする。
「中は、嫌だ。ここでは――……」
「ダメだ。お前のために働く俺が、お前の中にたっぷり出したいんだ。嫌という権利は、お前にはないぞ」
和彦は必死に、鷹津を睨みつける。そんな和彦の眼差しにすら快感を得たかのように、鷹津の欲望がさらに膨らむ。些細な変化にすら気づいてしまう自分の浅ましさに、いまさらながら羞恥を刺激され、和彦は顔を背けようとしたが、その前に何度目かの口づけを鷹津に与えられた。
舌で口腔を犯され、唾液を注ぎ込まれながら、内奥は逞しい欲望で犯される。
「出して、いいな?」
口づけの合間に囁かれ、あえなく和彦は陥落する。小さく頷くと、それでは不満らしく、鷹津に内奥を乱暴に突き上げられた。
「あうっ、うっ」
「口に出して言え。お前の中は、これだけ感じて、興奮しまくってるんだ。――欲しいんだろ?」
「……欲し、い……、中に」
鷹津の律動が激しさを増し、和彦は簡単に翻弄される。だがそれも、長い時間ではない。
熱い精をたっぷりと注ぎ込まれ、歓喜するように内奥が鷹津の欲望を締め付ける。震える鷹津の欲望は、まだ硬かった。
喘ぐ和彦の顔を覗き込み、鷹津が緩く腰を揺らす。
「いやらしい口だ。俺のものを咥え込んだまま、まだ締まりまくっている」
「うるさ、い……」
鷹津はニヤリと笑い、和彦の唇を啄ばんでくる。
「こっちの口もいやらしい。憎まれ口を叩くがな」
和彦は鷹津の唇に噛みついたが、すぐに激しく吸い返され、そのまま舌を絡め合っていた。
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