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第26話
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和彦の行動を促すように、三田村が欲望を扱き始める。思いがけない三田村の行動にうろたえながらも、与えられる愛撫に和彦は即座に反応する。中嶋への愛撫どころではなくなり、ふらついた体を支えるため、咄嗟にラグに片手をついた。
「三田村、待ってくれ――」
和彦が制止の声を上げると、三田村だけではなく、中嶋すら刺激したらしい。さきほどまで喘いでいたくせに、さっそく和彦の胸元にてのひらを這わせてくる。
「先生、三田村さんに気を取られちゃダメですよ。まだ、俺と楽しんでない」
いつの間にか自分が翻弄されていることに気づいた和彦だが、もうどうしようもない。中嶋の片足を抱え上げ、三田村の手によって高められた欲望を、内奥の入り口に押し当てる。背後から三田村に抱き締められながら、和彦はゆっくりと腰を進めた。
「うぅっ」
和彦と中嶋の口から、同時に呻き声が洩れる。収縮を繰り返す内奥に、自らの欲望を埋め込んでいるのか、それとも呑み込まれているのか、判断がつかないうち強烈な感覚に襲われる。欲望をきつく締め付けられながら、熱い粘膜に包み込まれるのだ。痺れるような快感が腰から這い上がってくる。一方の中嶋は、普段和彦が味わっているような感覚に襲われているのだろう。
緩やかに腰を揺らしながら、中嶋のものを再びてのひらに包み込み、律動に合わせて上下に扱く。そんな和彦の体に、三田村が両てのひらを這わせ、まさぐってくる。しなる背を丹念に撫でられて思わず身震いすると、その手が一気に下がり、尻にかかった。
予期するものがあって動きを止めると、三田村の指に内奥の入り口をくすぐられる。
「ふっ……」
短く息を吐き出した瞬間、内奥に指が押し込まれる。反射的に身じろごうとしたが、さらに三田村の指が深く入り込み、動きを封じられる。指を出し入れされながら内奥をじっくりと撫で回される一方で、和彦の欲望は中嶋の内奥に締め付けられる。前後から押し寄せてくる快感に、次第に和彦の息遣いは乱れ、理性が危うくなってくる。
中嶋は、妖しい表情でそんな和彦を見つめていた。
「先生、三田村さんに触れられた途端、反応がよくなりましたね。俺の中で、ビクビクと震えてますよ。可愛いなあ……」
そんなことを言って、中嶋が片手を伸ばして頬を撫でてくる。意地だけで睨みつけはしたものの、すぐに和彦は視線を泳がせることになる。三田村の唇がうなじに押し当てられ、胸元にてのひらが這わされ始めたのだ。
内奥で蠢く三田村の指に促されるように、再びゆっくりと腰を動かす。中嶋の内奥を突き上げるたびに、痺れるような快感が生まれ、背筋を這い上がっていく。そして、思考すらも甘く蕩けていく。自分が置かれた状況と、体で感じる刺激の強さに、普段以上に和彦は脆くなっていた。頭の芯が急速に熱くなり、思考が数瞬空白に染まったときには、中嶋の内奥深くで精を放ってしまう。そのことを認識したときには、中嶋の胸元に倒れ込み、両腕で抱きとめられていた。
汗で額に張り付いた髪を中嶋に掻き上げられ、ようやく我に返る。和彦は息を喘がせながら、なんとか言葉を紡ぐ。
「……すまない。ぼくだけ――」
「まだ、これからですよ。先生。俺も、三田村さんも」
どういうことかと、和彦が頭を持ち上げようとしたとき、背後で三田村の気配が動く。
「うっ」
無意識にきつく締め付けていた和彦の内奥から、指が引き抜かれる。だがすぐに、今度は熱く硬いものが押し当てられ、余裕なく内奥の入り口をこじ開け――。
「んあぁっ」
苦痛を覚えるほど逞しいものが内奥に押し入ってきて、和彦は思わず体を起こそうとしたが、中嶋にしっかりと抱き締められているため、動くことが叶わない。その間にも、容赦なく内奥は押し広げられ、熱いものを捻じ込まれていく。
もちろん、それがなんであるか、すぐに和彦は察する。頭は混乱し、戸惑ってはいるが、〈オトコ〉の感触をよく覚えている体は、瞬く間に馴染み、受け入れてしまう。
「あっ、あっ、あっ……あぅっ」
大きな手に尻を掴まれ、一度だけ乱暴に突き上げられる。その拍子に和彦は、中嶋とまだ繋がっていることを強く認識させられる。精を放ったばかりの和彦のものを、中嶋の内奥が淫らに蠢きながら締め上げてきたのだ。
感じる疼きに、たまらず和彦は身震いする。そんな和彦を労わるように、中嶋は肩先を撫で、三田村は腰を撫でる。
「――先生」
中嶋に呼ばれて顔を上げると、優しく唇を啄ばまれる。そのまま舌先を触れ合わせ、互いの唇と舌を吸い合う。タイミングを計っていたのか、三田村が内奥で律動を刻み始め、和彦の体は前後に揺さぶられ、同時に、中嶋の内奥を突き上げるようになる。
そんな和彦の姿をどう見ているのか、三田村は何も言わない。ただ、愛しげに和彦の体を撫で回し、繋がっている部分に指を這わせてくる。振り返って確認することもできず、和彦は中嶋とともに喘ぎながら、口づけを交わすしかない。
「……気持ちいいんですね、先生。また、大きくなってきましたよ」
中嶋に囁かれ、羞恥で身を焼かれそうになる。それでも、やっとの思いでこう問いかけた。
「今、三田村はどんな顔をしている……?」
中嶋は驚いたように目を丸くしたあと、ちらりと三田村のほうに視線を向ける素振りを見せたが、すぐに和彦を見て答えた。
「俺には、三田村さんの表情を読み取ることはできませんよ」
再び中嶋に唇を塞がれ、同時に三田村には背後から強く突き上げられる。
三田村がどんな表情を浮かべているのか、和彦は見ることはできない。だが、内奥で激しく蠢くものは、確かに熱く猛っている。
無表情がトレードマークの男でも、〈これ〉を偽ることはできない。
〈男〉である自分を見ても、こんなにも欲情してくれているということに、和彦は奇妙な安堵感を覚え、前後から押し寄せる異質な快感にやっと身を任せることにした。
「三田村、待ってくれ――」
和彦が制止の声を上げると、三田村だけではなく、中嶋すら刺激したらしい。さきほどまで喘いでいたくせに、さっそく和彦の胸元にてのひらを這わせてくる。
「先生、三田村さんに気を取られちゃダメですよ。まだ、俺と楽しんでない」
いつの間にか自分が翻弄されていることに気づいた和彦だが、もうどうしようもない。中嶋の片足を抱え上げ、三田村の手によって高められた欲望を、内奥の入り口に押し当てる。背後から三田村に抱き締められながら、和彦はゆっくりと腰を進めた。
「うぅっ」
和彦と中嶋の口から、同時に呻き声が洩れる。収縮を繰り返す内奥に、自らの欲望を埋め込んでいるのか、それとも呑み込まれているのか、判断がつかないうち強烈な感覚に襲われる。欲望をきつく締め付けられながら、熱い粘膜に包み込まれるのだ。痺れるような快感が腰から這い上がってくる。一方の中嶋は、普段和彦が味わっているような感覚に襲われているのだろう。
緩やかに腰を揺らしながら、中嶋のものを再びてのひらに包み込み、律動に合わせて上下に扱く。そんな和彦の体に、三田村が両てのひらを這わせ、まさぐってくる。しなる背を丹念に撫でられて思わず身震いすると、その手が一気に下がり、尻にかかった。
予期するものがあって動きを止めると、三田村の指に内奥の入り口をくすぐられる。
「ふっ……」
短く息を吐き出した瞬間、内奥に指が押し込まれる。反射的に身じろごうとしたが、さらに三田村の指が深く入り込み、動きを封じられる。指を出し入れされながら内奥をじっくりと撫で回される一方で、和彦の欲望は中嶋の内奥に締め付けられる。前後から押し寄せてくる快感に、次第に和彦の息遣いは乱れ、理性が危うくなってくる。
中嶋は、妖しい表情でそんな和彦を見つめていた。
「先生、三田村さんに触れられた途端、反応がよくなりましたね。俺の中で、ビクビクと震えてますよ。可愛いなあ……」
そんなことを言って、中嶋が片手を伸ばして頬を撫でてくる。意地だけで睨みつけはしたものの、すぐに和彦は視線を泳がせることになる。三田村の唇がうなじに押し当てられ、胸元にてのひらが這わされ始めたのだ。
内奥で蠢く三田村の指に促されるように、再びゆっくりと腰を動かす。中嶋の内奥を突き上げるたびに、痺れるような快感が生まれ、背筋を這い上がっていく。そして、思考すらも甘く蕩けていく。自分が置かれた状況と、体で感じる刺激の強さに、普段以上に和彦は脆くなっていた。頭の芯が急速に熱くなり、思考が数瞬空白に染まったときには、中嶋の内奥深くで精を放ってしまう。そのことを認識したときには、中嶋の胸元に倒れ込み、両腕で抱きとめられていた。
汗で額に張り付いた髪を中嶋に掻き上げられ、ようやく我に返る。和彦は息を喘がせながら、なんとか言葉を紡ぐ。
「……すまない。ぼくだけ――」
「まだ、これからですよ。先生。俺も、三田村さんも」
どういうことかと、和彦が頭を持ち上げようとしたとき、背後で三田村の気配が動く。
「うっ」
無意識にきつく締め付けていた和彦の内奥から、指が引き抜かれる。だがすぐに、今度は熱く硬いものが押し当てられ、余裕なく内奥の入り口をこじ開け――。
「んあぁっ」
苦痛を覚えるほど逞しいものが内奥に押し入ってきて、和彦は思わず体を起こそうとしたが、中嶋にしっかりと抱き締められているため、動くことが叶わない。その間にも、容赦なく内奥は押し広げられ、熱いものを捻じ込まれていく。
もちろん、それがなんであるか、すぐに和彦は察する。頭は混乱し、戸惑ってはいるが、〈オトコ〉の感触をよく覚えている体は、瞬く間に馴染み、受け入れてしまう。
「あっ、あっ、あっ……あぅっ」
大きな手に尻を掴まれ、一度だけ乱暴に突き上げられる。その拍子に和彦は、中嶋とまだ繋がっていることを強く認識させられる。精を放ったばかりの和彦のものを、中嶋の内奥が淫らに蠢きながら締め上げてきたのだ。
感じる疼きに、たまらず和彦は身震いする。そんな和彦を労わるように、中嶋は肩先を撫で、三田村は腰を撫でる。
「――先生」
中嶋に呼ばれて顔を上げると、優しく唇を啄ばまれる。そのまま舌先を触れ合わせ、互いの唇と舌を吸い合う。タイミングを計っていたのか、三田村が内奥で律動を刻み始め、和彦の体は前後に揺さぶられ、同時に、中嶋の内奥を突き上げるようになる。
そんな和彦の姿をどう見ているのか、三田村は何も言わない。ただ、愛しげに和彦の体を撫で回し、繋がっている部分に指を這わせてくる。振り返って確認することもできず、和彦は中嶋とともに喘ぎながら、口づけを交わすしかない。
「……気持ちいいんですね、先生。また、大きくなってきましたよ」
中嶋に囁かれ、羞恥で身を焼かれそうになる。それでも、やっとの思いでこう問いかけた。
「今、三田村はどんな顔をしている……?」
中嶋は驚いたように目を丸くしたあと、ちらりと三田村のほうに視線を向ける素振りを見せたが、すぐに和彦を見て答えた。
「俺には、三田村さんの表情を読み取ることはできませんよ」
再び中嶋に唇を塞がれ、同時に三田村には背後から強く突き上げられる。
三田村がどんな表情を浮かべているのか、和彦は見ることはできない。だが、内奥で激しく蠢くものは、確かに熱く猛っている。
無表情がトレードマークの男でも、〈これ〉を偽ることはできない。
〈男〉である自分を見ても、こんなにも欲情してくれているということに、和彦は奇妙な安堵感を覚え、前後から押し寄せる異質な快感にやっと身を任せることにした。
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