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第26話
(21)
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「そんなこと言って、どうなっても知らないからな」
三田村の胸元に顔を伏せ、舌先で肌を舐め上げる。すると三田村が大きく息を吸い込んだ。
「先生――……」
わずかに動揺を滲ませた声を発した三田村だが、あえて無視した和彦は、微かに濡れた音を立てながら肌を吸い上げ、舌を這わせる。
三田村が深くゆっくりとした呼吸を繰り返すたびに、胸が大きく上下する。落ち着いているようだが、触れている三田村の肌が熱を帯びていくのを、和彦は感じていた。それだけではなく――。
腹筋のラインを舌先でくすぐりながら、スウェットパンツの上から三田村の両足の間に触れる。何よりも明らかな反応がそこにはあった。上目遣いで三田村の表情をうかがう。優しいだけではない、狂おしい欲情を湛えた眼差しが、じっと和彦を見つめていた。
次の瞬間、三田村に腕を掴まれて引っ張られる。体を引き上げられてベッドに押さえつけられ、間近で三田村と目が合ったかと思うと、強引に唇を塞がれた。
これが今日、三田村と初めて交わす口づけだった。一瞬にして和彦の全身が、燃え上がりそうに熱くなり、身悶えしたくなるような強い欲情が胸の奥で生まれる。
唇と舌を貪り合いながら、三田村の指がパジャマの上着のボタンにかかる。ボタンを一つ外されるごとに期待が高まり、和彦は小さく声を洩らす。そんな和彦を宥めたいのか、煽りたいのか、三田村の舌が口腔に入り込み、感じやすい粘膜をじっくりと舐め回される。
ようやくパジャマの上着を脱がされると、和彦は両腕を三田村の背に回し、虎の刺青を夢中でてのひらで撫でる。三田村の筋肉がぐっと引き締まり、一際体が熱くなった。普段は誠実で優しい男だが、背の虎に触れると簡単に猛々しい獣に変わり、その変わり様に、和彦は惚れ惚れとしてしまう。
自分が、この男を変えられる特別な存在なのだと、強く認識できるからだ。
背の虎に夢中になっている間に、三田村に下肢を剥かれる。さらに、すでに高ぶっている三田村の欲望を両足の間に擦りつけられ、互いのものがもどかしく擦れ合い、焦れるような感覚を生み出す。
「――先生、俺に舐めさせてくれ」
三田村が耳元で、掠れた声で囁く。耳朶に触れる感触だけで、ゾクゾクするような疼きを感じた和彦は、首をすくめた。その反応に感じるものがあったのか、三田村が唇で耳の形をなぞり、耳朶を舌先でくすぐってくる。心地よさに喘ぐと、三田村の唇が首筋から肩先まで、丹念な口づけを繰り返しながら移動する。
次に胸元に唇が押し当てられ、すでに期待で硬く凝った二つの突起を、左右交互に吸い上げられる。和彦が喉を反らして伸びやかな声を上げると、三田村の愛撫は熱を帯び、胸の突起を舌先で転がし、軽く歯を立てて引っ張る。
「んっ……」
再び突起を舌先で転がされる。和彦は、愛撫を施す三田村の顔に、いつの間にか見入っていた。物騒な肩書きを持つ男が、こんなにも必死に自分を貪っている姿が、いまさらながら新鮮だった。同時に、たまらなく愛しい。
「……三田村」
呼びかけると、顔を上げた三田村が心得たように口づけを与えてくれる。たっぷりと唇と舌を吸い合ってから和彦は、三田村のあごに残る傷跡に舌先を這わせた。
「ダメだ、先生。俺が、舐めるんだ」
荒い息を吐き出して三田村が言う。和彦が返事をする前に、三田村は両足の間に頭を潜り込ませていた。身を起こしかけた欲望を、熱い舌にベロリと舐め上げられる。和彦はビクリと身を震わせ、上げそうになった声を寸前のところで堪える。しかし、二度目は耐えられなかった。
「あうっ」
下肢の力がふっと抜ける。その瞬間を見逃さず、三田村に大きく左右に足を広げられ、秘部をすべて、晒すことになる。慣れない羞恥に身を熱くした和彦だが、その一方で、三田村の視線を受けている欲望は、羞恥すら刺激に変えたのか、あからさまな反応を示す。
三田村は愛しげに、そんな和彦の欲望に舌を這わせる。ますます反り返り、先端から透明なしずくを垂らすようになると、待ちかねていたように唇で吸い取られた。硬くした舌先で先端を突かれ、くすぐられてから、ゆっくりと口腔に呑み込まれる。熱く濡れた粘膜に包み込まれたとき、全身を駆け抜ける快美さに和彦は恍惚とする。
「うっ、うあっ……、あっ、い、い――。三田村、気持ちいい……」
片手で枕を握り締めながら、もう片方の手で三田村の髪を掻き乱して、和彦は煩悶していた。
強弱をつけて欲望を唇で締め付けられ、扱かれる。ときおり先端に歯列が擦りつけられて、刺激の強さに腰を震わせると、まるで機嫌を取るように今度は舌を這わされる。
三田村の胸元に顔を伏せ、舌先で肌を舐め上げる。すると三田村が大きく息を吸い込んだ。
「先生――……」
わずかに動揺を滲ませた声を発した三田村だが、あえて無視した和彦は、微かに濡れた音を立てながら肌を吸い上げ、舌を這わせる。
三田村が深くゆっくりとした呼吸を繰り返すたびに、胸が大きく上下する。落ち着いているようだが、触れている三田村の肌が熱を帯びていくのを、和彦は感じていた。それだけではなく――。
腹筋のラインを舌先でくすぐりながら、スウェットパンツの上から三田村の両足の間に触れる。何よりも明らかな反応がそこにはあった。上目遣いで三田村の表情をうかがう。優しいだけではない、狂おしい欲情を湛えた眼差しが、じっと和彦を見つめていた。
次の瞬間、三田村に腕を掴まれて引っ張られる。体を引き上げられてベッドに押さえつけられ、間近で三田村と目が合ったかと思うと、強引に唇を塞がれた。
これが今日、三田村と初めて交わす口づけだった。一瞬にして和彦の全身が、燃え上がりそうに熱くなり、身悶えしたくなるような強い欲情が胸の奥で生まれる。
唇と舌を貪り合いながら、三田村の指がパジャマの上着のボタンにかかる。ボタンを一つ外されるごとに期待が高まり、和彦は小さく声を洩らす。そんな和彦を宥めたいのか、煽りたいのか、三田村の舌が口腔に入り込み、感じやすい粘膜をじっくりと舐め回される。
ようやくパジャマの上着を脱がされると、和彦は両腕を三田村の背に回し、虎の刺青を夢中でてのひらで撫でる。三田村の筋肉がぐっと引き締まり、一際体が熱くなった。普段は誠実で優しい男だが、背の虎に触れると簡単に猛々しい獣に変わり、その変わり様に、和彦は惚れ惚れとしてしまう。
自分が、この男を変えられる特別な存在なのだと、強く認識できるからだ。
背の虎に夢中になっている間に、三田村に下肢を剥かれる。さらに、すでに高ぶっている三田村の欲望を両足の間に擦りつけられ、互いのものがもどかしく擦れ合い、焦れるような感覚を生み出す。
「――先生、俺に舐めさせてくれ」
三田村が耳元で、掠れた声で囁く。耳朶に触れる感触だけで、ゾクゾクするような疼きを感じた和彦は、首をすくめた。その反応に感じるものがあったのか、三田村が唇で耳の形をなぞり、耳朶を舌先でくすぐってくる。心地よさに喘ぐと、三田村の唇が首筋から肩先まで、丹念な口づけを繰り返しながら移動する。
次に胸元に唇が押し当てられ、すでに期待で硬く凝った二つの突起を、左右交互に吸い上げられる。和彦が喉を反らして伸びやかな声を上げると、三田村の愛撫は熱を帯び、胸の突起を舌先で転がし、軽く歯を立てて引っ張る。
「んっ……」
再び突起を舌先で転がされる。和彦は、愛撫を施す三田村の顔に、いつの間にか見入っていた。物騒な肩書きを持つ男が、こんなにも必死に自分を貪っている姿が、いまさらながら新鮮だった。同時に、たまらなく愛しい。
「……三田村」
呼びかけると、顔を上げた三田村が心得たように口づけを与えてくれる。たっぷりと唇と舌を吸い合ってから和彦は、三田村のあごに残る傷跡に舌先を這わせた。
「ダメだ、先生。俺が、舐めるんだ」
荒い息を吐き出して三田村が言う。和彦が返事をする前に、三田村は両足の間に頭を潜り込ませていた。身を起こしかけた欲望を、熱い舌にベロリと舐め上げられる。和彦はビクリと身を震わせ、上げそうになった声を寸前のところで堪える。しかし、二度目は耐えられなかった。
「あうっ」
下肢の力がふっと抜ける。その瞬間を見逃さず、三田村に大きく左右に足を広げられ、秘部をすべて、晒すことになる。慣れない羞恥に身を熱くした和彦だが、その一方で、三田村の視線を受けている欲望は、羞恥すら刺激に変えたのか、あからさまな反応を示す。
三田村は愛しげに、そんな和彦の欲望に舌を這わせる。ますます反り返り、先端から透明なしずくを垂らすようになると、待ちかねていたように唇で吸い取られた。硬くした舌先で先端を突かれ、くすぐられてから、ゆっくりと口腔に呑み込まれる。熱く濡れた粘膜に包み込まれたとき、全身を駆け抜ける快美さに和彦は恍惚とする。
「うっ、うあっ……、あっ、い、い――。三田村、気持ちいい……」
片手で枕を握り締めながら、もう片方の手で三田村の髪を掻き乱して、和彦は煩悶していた。
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