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第21話
(22)
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「中嶋の中のことは、今はまだ先生のほうがよく知っているんですよ。だから、頼みます」
そう囁いてきた秦に手を取られ、たっぷりの唾液を絡めるようにして指を舐められた。和彦は秦と場所を入れ替わると、中嶋の片足を抱え上げ、内奥の入り口を濡れた指でまさぐる。中嶋は息を喘がせながら、唇だけの笑みを向けてきた。
「一息に入れてもらってかまいませんよ」
「乱暴なのは、ぼくの趣味じゃない。……多分、この男も」
和彦がちらりと背後を振り返ると、秦は意味ありげに自分の指を舐めていた。その行為の意味を即座に理解した和彦は、全身を羞恥で熱くする。まさかと思ったが、今のこの状況では、どんな淫らな行為が行われても不思議ではない。
何より、和彦は期待している――。
「先生?」
中嶋に呼ばれて我に返った和彦は、前に一度そうしたように、狭い内奥に慎重に指を挿入する。できる限り綻ばせて、苦痛が少ないようにしてやりたかった。
「うっ、うぅっ」
ゆっくりと指を動かすと、ビクビクと体を震わせながら中嶋が声を上げる。覚えのある感触が指にまとわりつく。戸惑いつつも中嶋の襞と粘膜は、愛撫に応えようとしているのだ。
中嶋の内奥がひくつき始め、和彦の指の動きに合わせて収縮を繰り返す。強気に見つめ返してくる中嶋を煽るように、和彦はそっと囁いた。
「……いやらしいな。初めてのときは、こんなに物欲しげな反応はしなかったのに」
「いやらしさなら、先生も負けていないと思いますよ」
秦が、背後から和彦の肩に唇を押し当ててくる。ハッとしたときには、和彦の秘裂に秦の指が入り込み、内奥をまさぐられる。
「やっ、め……」
和彦は慌てて身を捩ろうとしたが、強引に秦の指が内奥に挿入されてくる。異物感に呻いたときには、秦の指をしっかりと咥え込んで締め付けていた。
「いい反応ですね、先生。この調子で中嶋をしっかりと、可愛がってやってください」
秦の指が巧みに内奥で蠢き、和彦は息を弾ませる。すると中嶋が片手を伸ばし、頬に触れてきた。
「先生、気持ちいいですか?」
和彦は言葉で返事をする代わりに、中嶋の内奥で大胆に指を動かした。
反り返った中嶋のものが、切なげに泣いていた。先端からはしたなく透明なしずくを滴らせ、内奥への愛撫にしっかりと感じているのがわかる。もっともそれは、和彦も同じだ。内奥から指を出し入れしながら、秦はもう片方の手で和彦のものを緩く扱き上げてくるのだ。
和彦と中嶋の息遣いが乱れ、切迫してくる。中嶋はともかく、快感によって和彦は、愛撫する手が止まりがちになっていた。その瞬間を待っていたようにやっと秦が手を引き、ほっとする間もなく和彦はベッドに押し倒される。
上気した顔でのしかかってきた中嶋が、和彦の両足の間に腰を割り込ませてきた。綻んだ内奥の入り口に押し当てられた中嶋のものは、熱く高ぶっている。
「――……前に先生、俺が秦さんに犯されたあとなら、俺に犯されてもいいと言いましたよね」
「この状況は、順番が違う」
「些細な違いです。ほんの、数分ほどの違いだ」
悪びれた様子もなく、したたかな笑みを浮かべて中嶋は腰を進めた。中嶋の男を示すものが力強く押し込まれ、和彦の内奥は犯される。
「うあっ、あっ、ああっ――」
熱く潤んだ襞と粘膜を擦り上げられ、和彦は喉を反らす。痛みも、苦しいほどの異物感も確かにあるのだが、中嶋の欲望を受け入れているという実感のほうが強烈で、倒錯した悦びが背筋を駆け上がってくる。
じっくりと丁寧に内奥を押し広げられ、中嶋と深々と繋がる。数回の律動を繰り返した中嶋は、片手を伸ばして枕を掴むと、それを和彦の腰の下に入れた。ぐっと欲望を突き込まれ、内奥深くを抉られる。
「先生……」
中嶋に呼ばれ、てのひらをしっかりと重ねて指を絡める。緩やかに腰を動かしながら、中嶋は何度も熱い吐息をこぼす。
「すごいな。俺、先生の中に入っている。……男を抱いているんだ」
「今夜は、だからな。次は、ぼくが君を抱かせてもらう」
ニヤリと笑った中嶋に、唇に軽いキスを落とされる。一方で、深く繋がった部分は熱を孕み、覚えのある肉の愉悦がじわじわと広がってくる。冷静に中嶋をリードしていくつもりの和彦だったが、すでにもう危うい。内奥深くを突き上げられるたびに堪えきれない声を上げ、中嶋のものをきつく締め付けていた。
二人は行為に没頭しかけていたが、ふいに中嶋の動きが止まり、羞恥と動揺が入り混じった表情を浮かべた。和彦が視線を向けた先では、秦が中嶋の背後に忍び寄り、何かをしている最中だった。
秦は、静かな興奮を湛えた目をしていた。和彦と目が合うと、優雅で艶やかな存在感を放つ男は、肉を食らう獣のような笑みを唇に刻む。
そう囁いてきた秦に手を取られ、たっぷりの唾液を絡めるようにして指を舐められた。和彦は秦と場所を入れ替わると、中嶋の片足を抱え上げ、内奥の入り口を濡れた指でまさぐる。中嶋は息を喘がせながら、唇だけの笑みを向けてきた。
「一息に入れてもらってかまいませんよ」
「乱暴なのは、ぼくの趣味じゃない。……多分、この男も」
和彦がちらりと背後を振り返ると、秦は意味ありげに自分の指を舐めていた。その行為の意味を即座に理解した和彦は、全身を羞恥で熱くする。まさかと思ったが、今のこの状況では、どんな淫らな行為が行われても不思議ではない。
何より、和彦は期待している――。
「先生?」
中嶋に呼ばれて我に返った和彦は、前に一度そうしたように、狭い内奥に慎重に指を挿入する。できる限り綻ばせて、苦痛が少ないようにしてやりたかった。
「うっ、うぅっ」
ゆっくりと指を動かすと、ビクビクと体を震わせながら中嶋が声を上げる。覚えのある感触が指にまとわりつく。戸惑いつつも中嶋の襞と粘膜は、愛撫に応えようとしているのだ。
中嶋の内奥がひくつき始め、和彦の指の動きに合わせて収縮を繰り返す。強気に見つめ返してくる中嶋を煽るように、和彦はそっと囁いた。
「……いやらしいな。初めてのときは、こんなに物欲しげな反応はしなかったのに」
「いやらしさなら、先生も負けていないと思いますよ」
秦が、背後から和彦の肩に唇を押し当ててくる。ハッとしたときには、和彦の秘裂に秦の指が入り込み、内奥をまさぐられる。
「やっ、め……」
和彦は慌てて身を捩ろうとしたが、強引に秦の指が内奥に挿入されてくる。異物感に呻いたときには、秦の指をしっかりと咥え込んで締め付けていた。
「いい反応ですね、先生。この調子で中嶋をしっかりと、可愛がってやってください」
秦の指が巧みに内奥で蠢き、和彦は息を弾ませる。すると中嶋が片手を伸ばし、頬に触れてきた。
「先生、気持ちいいですか?」
和彦は言葉で返事をする代わりに、中嶋の内奥で大胆に指を動かした。
反り返った中嶋のものが、切なげに泣いていた。先端からはしたなく透明なしずくを滴らせ、内奥への愛撫にしっかりと感じているのがわかる。もっともそれは、和彦も同じだ。内奥から指を出し入れしながら、秦はもう片方の手で和彦のものを緩く扱き上げてくるのだ。
和彦と中嶋の息遣いが乱れ、切迫してくる。中嶋はともかく、快感によって和彦は、愛撫する手が止まりがちになっていた。その瞬間を待っていたようにやっと秦が手を引き、ほっとする間もなく和彦はベッドに押し倒される。
上気した顔でのしかかってきた中嶋が、和彦の両足の間に腰を割り込ませてきた。綻んだ内奥の入り口に押し当てられた中嶋のものは、熱く高ぶっている。
「――……前に先生、俺が秦さんに犯されたあとなら、俺に犯されてもいいと言いましたよね」
「この状況は、順番が違う」
「些細な違いです。ほんの、数分ほどの違いだ」
悪びれた様子もなく、したたかな笑みを浮かべて中嶋は腰を進めた。中嶋の男を示すものが力強く押し込まれ、和彦の内奥は犯される。
「うあっ、あっ、ああっ――」
熱く潤んだ襞と粘膜を擦り上げられ、和彦は喉を反らす。痛みも、苦しいほどの異物感も確かにあるのだが、中嶋の欲望を受け入れているという実感のほうが強烈で、倒錯した悦びが背筋を駆け上がってくる。
じっくりと丁寧に内奥を押し広げられ、中嶋と深々と繋がる。数回の律動を繰り返した中嶋は、片手を伸ばして枕を掴むと、それを和彦の腰の下に入れた。ぐっと欲望を突き込まれ、内奥深くを抉られる。
「先生……」
中嶋に呼ばれ、てのひらをしっかりと重ねて指を絡める。緩やかに腰を動かしながら、中嶋は何度も熱い吐息をこぼす。
「すごいな。俺、先生の中に入っている。……男を抱いているんだ」
「今夜は、だからな。次は、ぼくが君を抱かせてもらう」
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秦は、静かな興奮を湛えた目をしていた。和彦と目が合うと、優雅で艶やかな存在感を放つ男は、肉を食らう獣のような笑みを唇に刻む。
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