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第14話
(20)
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胸元に顔を伏せた賢吾の頭を抱き締めながら、和彦は疑問をぶつける。
「あんたの名代で、ぼくを結婚披露宴に行かせたのは、もっともらしいことを言っていたが、本当は計算があったからか? ぼくが、父の知人と遭遇するかもしれない、という計算が」
「鷹津に何か吹き込まれたか」
上目遣いに賢吾がニヤリと笑いかけてくる。和彦が即答できずに黙り込むと、賢吾はベロリと胸の突起を舐め上げ、激しく吸い始める。同時に、内奥に収まっている指に、敏感になっている襞と粘膜を擦り上げられた。
喉を反らして吐息をこぼした和彦は、賢吾の腹を探ることはやめた。知りたいことは、直接ぶつけるしかないのだ。
「――……なんで、ぼくの実家を刺激するようなことをした」
「刺激はしていない。普通の家ってのは、子供と連絡が取れなくなったら、何かしら行動を起こすものだ。警察に捜索願を出したり、自分たちで捜し回ったりな。だが、先生の家族は……ずいぶんのんびりしているな」
巧みに蠢く賢吾の指によって、内奥が蕩けていく。和彦はベッドの上で身をくねらせながらも懸命に、賢吾の言葉を頭に留めようとする。
「佐伯家が先生を見捨てているというなら、それでよかったんだ。先生を俺たちの身内どころか――家族にできる。ただ、佐伯家が先生に執着しているなら、知らん顔もできん。先生を連れ戻されないよう、守ってやらないとな」
表の世界から和彦を連れ去った側が言うには、変な理屈だと思いながら、賢吾の頬を撫でる。誘われたように賢吾に唇を塞がれそうになったが、和彦は顔を背ける。
「どうした、先生?」
「……さっき、あんたのものを――……」
あごを掴まれ、有無を言わせず唇を塞がれる。口腔を舌で犯されながら、内奥を指で犯されていた。だが和彦の内奥は、もっと熱く、逞しいものを欲している。それを感じ取ったのか、賢吾はやっと指を引き抜いてくれた。
体を起こした賢吾に両足を大きく左右に開かれる。物欲しげにひくつく部分だけでなく、中途半端に与えられた快感によって身を起こし、先端を濡らしているものも、すべて賢吾に晒していた。
「正直、佐伯家の中での、先生の価値がよくわからん。いろいろと調べさせたが、佐伯家の評判はいい。だが、どうしても先生の印象だけは薄い。官僚一族の中で、一人だけ医者になって、実家とも疎遠。だが、高校を出るまでは、過保護に育てられていたらしいな。まさに、箱入りだ」
「呆れた。そんなことまで調べたのか」
「大事なオンナのことは、なんでも知りたい性質なんだ」
そう言いながら賢吾の手が柔らかな膨らみにかかり、残酷なほど優しい手つきで揉みしだかれる。たまらず甲高い嬌声を上げた和彦は、両足を開いたまま仰け反る。腰が震えるほどの強烈な快感だった。
「捜さないでくれと先生が言い張ったら、佐伯家は引き下がると思うか?」
「あの家の人間は……、ぼくの意見になんて耳を貸さない。ぼくを、好きに扱える人形ぐらいに、思っている……」
「憎まれ口を叩くくせに、いやらしくて、男をたっぷり甘えさせてくれる人形か。こんな人形なら、俺はいくらでも可愛がって、大事にしてやる。――今みたいに」
思わず和彦が笑みをこぼすと、賢吾に唇を軽く吸われた。このとき、右手首に結びつけられたリボンを解かれる。そのリボンをどうするのかと尋ねようとしたが、先に賢吾に言われた。
「先生の言葉を聞いて、安心した。これで長嶺組は、心置きなく先生を保護できる。もし仮に、佐伯家が先生の身柄を要求してきても、突っぱねる根拠ができたというわけだ」
「……ぼくを、守ってくれるのか?」
「守ってほしいなら」
もう一度唇を吸われたあと、和彦は囁くような声で応じた。
「守ってくれ……」
次に賢吾の唇が押し当てられたのは、和彦の欲望の濡れた先端だった。
「はっ、あぁっ――」
熱い舌が這わされたかと思うと、優しく先端を吸われる。このまま賢吾の口腔に呑み込んでもらえるのかと思ったが、突然、和彦のものの根元がきつく縛められた。
「あっ」
声を洩らした和彦は、自分の下肢に視線を向け、気が遠くなりかけた。
反り返って震える和彦のものの根元に、しっかりとリボンが結びつけられていた。少しごわついた感触のリボンが根元にきつく食い込み、痛いほどだ。
「何、して、るんだ……、あんたは」
「先生に似合うかと思ってな。思った通りだ。いやらしさが増して、実にいい。何より、可愛い」
ふざけるなと怒鳴りつけ、急いでリボンを解こうとしたが、賢吾に片足を抱えられて、充溢した硬さを持つものを内奥の入り口に擦りつけられると、激しくうろたえてしまう。
「あんたの名代で、ぼくを結婚披露宴に行かせたのは、もっともらしいことを言っていたが、本当は計算があったからか? ぼくが、父の知人と遭遇するかもしれない、という計算が」
「鷹津に何か吹き込まれたか」
上目遣いに賢吾がニヤリと笑いかけてくる。和彦が即答できずに黙り込むと、賢吾はベロリと胸の突起を舐め上げ、激しく吸い始める。同時に、内奥に収まっている指に、敏感になっている襞と粘膜を擦り上げられた。
喉を反らして吐息をこぼした和彦は、賢吾の腹を探ることはやめた。知りたいことは、直接ぶつけるしかないのだ。
「――……なんで、ぼくの実家を刺激するようなことをした」
「刺激はしていない。普通の家ってのは、子供と連絡が取れなくなったら、何かしら行動を起こすものだ。警察に捜索願を出したり、自分たちで捜し回ったりな。だが、先生の家族は……ずいぶんのんびりしているな」
巧みに蠢く賢吾の指によって、内奥が蕩けていく。和彦はベッドの上で身をくねらせながらも懸命に、賢吾の言葉を頭に留めようとする。
「佐伯家が先生を見捨てているというなら、それでよかったんだ。先生を俺たちの身内どころか――家族にできる。ただ、佐伯家が先生に執着しているなら、知らん顔もできん。先生を連れ戻されないよう、守ってやらないとな」
表の世界から和彦を連れ去った側が言うには、変な理屈だと思いながら、賢吾の頬を撫でる。誘われたように賢吾に唇を塞がれそうになったが、和彦は顔を背ける。
「どうした、先生?」
「……さっき、あんたのものを――……」
あごを掴まれ、有無を言わせず唇を塞がれる。口腔を舌で犯されながら、内奥を指で犯されていた。だが和彦の内奥は、もっと熱く、逞しいものを欲している。それを感じ取ったのか、賢吾はやっと指を引き抜いてくれた。
体を起こした賢吾に両足を大きく左右に開かれる。物欲しげにひくつく部分だけでなく、中途半端に与えられた快感によって身を起こし、先端を濡らしているものも、すべて賢吾に晒していた。
「正直、佐伯家の中での、先生の価値がよくわからん。いろいろと調べさせたが、佐伯家の評判はいい。だが、どうしても先生の印象だけは薄い。官僚一族の中で、一人だけ医者になって、実家とも疎遠。だが、高校を出るまでは、過保護に育てられていたらしいな。まさに、箱入りだ」
「呆れた。そんなことまで調べたのか」
「大事なオンナのことは、なんでも知りたい性質なんだ」
そう言いながら賢吾の手が柔らかな膨らみにかかり、残酷なほど優しい手つきで揉みしだかれる。たまらず甲高い嬌声を上げた和彦は、両足を開いたまま仰け反る。腰が震えるほどの強烈な快感だった。
「捜さないでくれと先生が言い張ったら、佐伯家は引き下がると思うか?」
「あの家の人間は……、ぼくの意見になんて耳を貸さない。ぼくを、好きに扱える人形ぐらいに、思っている……」
「憎まれ口を叩くくせに、いやらしくて、男をたっぷり甘えさせてくれる人形か。こんな人形なら、俺はいくらでも可愛がって、大事にしてやる。――今みたいに」
思わず和彦が笑みをこぼすと、賢吾に唇を軽く吸われた。このとき、右手首に結びつけられたリボンを解かれる。そのリボンをどうするのかと尋ねようとしたが、先に賢吾に言われた。
「先生の言葉を聞いて、安心した。これで長嶺組は、心置きなく先生を保護できる。もし仮に、佐伯家が先生の身柄を要求してきても、突っぱねる根拠ができたというわけだ」
「……ぼくを、守ってくれるのか?」
「守ってほしいなら」
もう一度唇を吸われたあと、和彦は囁くような声で応じた。
「守ってくれ……」
次に賢吾の唇が押し当てられたのは、和彦の欲望の濡れた先端だった。
「はっ、あぁっ――」
熱い舌が這わされたかと思うと、優しく先端を吸われる。このまま賢吾の口腔に呑み込んでもらえるのかと思ったが、突然、和彦のものの根元がきつく縛められた。
「あっ」
声を洩らした和彦は、自分の下肢に視線を向け、気が遠くなりかけた。
反り返って震える和彦のものの根元に、しっかりとリボンが結びつけられていた。少しごわついた感触のリボンが根元にきつく食い込み、痛いほどだ。
「何、して、るんだ……、あんたは」
「先生に似合うかと思ってな。思った通りだ。いやらしさが増して、実にいい。何より、可愛い」
ふざけるなと怒鳴りつけ、急いでリボンを解こうとしたが、賢吾に片足を抱えられて、充溢した硬さを持つものを内奥の入り口に擦りつけられると、激しくうろたえてしまう。
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