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第13話
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「最近、お前にナメられてるだけじゃないかって気がしてきた……」
「そんなことないよ。――甘えさせてよ、先生」
浴衣の襟元が開かれ、露わになった胸元に千尋の熱い息遣いを感じる。次の瞬間、千尋の舌に胸の突起を探り当てられ、吸い付かれた。
「あっ」
千尋に強く突起を吸われながら、布団の中で浴衣をたくし上げられたかと思うと、下着を引き下ろされる。尻を痛いほど揉まれて、たまらず和彦は小さく呻き声を洩らした。
ようやく顔を上げた千尋と唇を触れ合わせる。
「……本当は、ぼくを甘えさせてくれるべきじゃないのか。なんだかいつの間にか、お前がぼくに甘える流れになってるが……」
「先生、甘えられるほうが好きだろ。だから、たっぷり甘えてあげるんだ」
「父親と同じで、屁理屈を捏ねるというか、人を丸め込むのが上手いというか――」
ぼやいているうちに和彦の上に千尋がのしかかってきて、布団の中で二人は抱き合う。
まるで人懐こい犬のように千尋が頬をすり寄せ、唇を舐めてくる。くすぐったくて笑い声を洩らした和彦が顔を背けると、首筋に軽く噛みつかれた。
千尋は、じゃれついてくる犬っころそのものだ。和彦の肌を舐め、甘噛みしながら、見えない尻尾をフリフリと振っているのかもしれない。
淫らな行為に耽るというより、ふざけ合うような感覚で抱き合い、体を擦りつける。あっという間に布団の中に二人分の熱がこもる。
とうとう下着を脱がされてしまうと、身を起こしかけたものを千尋の手に握り込まれる。
「先生、俺も」
甘い声でねだられた和彦は、千尋のスウェットパンツと下着をわずかに下ろし、引き出したものを柔らかく握る。血気盛んな千尋のものは、すでに熱くしなっていた。
互いのものを扱きながら、吸い寄せられるように唇を重ね、緩やかに舌を絡め合う。
和彦は、千尋のものの先端を指の腹で優しく撫でてやる。千尋の腰がビクビク震え、素直な反応が愛しかった。
「――可愛いな、千尋」
和彦が柔らかな声で囁くと、お返しとばかりに、千尋に先端を爪の先で弄られる。
「あっ、あっ……」
「先生も、可愛い……というより、いやらしい」
「お前が言うな」
「先生と知り合ってからだよ。俺がこうなったのは」
人のせいにするなという抗議の声は、千尋の唇に奪われた。口腔に差し込まれた舌が余裕なく蠢き、和彦は千尋の頭を撫でながら、深い口づけを受け止める。
そうしている間にも、千尋の片手に尻を揉まれてから、指が秘裂に這わされた。頑なな窄まりでしかない内奥の入り口を、乾いた指で擦られ、反射的に和彦は腰を揺らす。
「……ここ、舐めようか?」
ひそっと千尋に囁かれ、意識しないまま和彦の顔は熱くなる。
「いい……。濡らして、くれたら――」
千尋は自分の指を舐めて唾液で濡らすと、すぐに和彦の内奥の入り口をまさぐり始める。布団の中で両足を大きく開いた格好で、和彦は千尋の愛撫を受け入れた。
「なんか、親に内緒で悪いことしてる気分」
内奥に挿入した指を慎重に出し入れしながら、どこか楽しげな調子で千尋が言う。和彦は小さく声を洩らしながら、そんな千尋の肩にすがりつく。
「いつも、悪いことばかりしてるのかと思った」
「オヤジが家にいないときに、夜、こうして先生の布団に忍び込んで、エッチなことしてるなんて、いかにも悪いことしてるって感じじゃん」
「……お前の感性はよくわからない」
和彦の発言への抗議のつもりか、千尋の指が付け根まで挿入され、内奥で蠢かされる。その愛撫で官能が刺激され、体が肉の悦びを欲しがる。
「あっ、はあっ……」
内奥がひくつきながら、千尋の指を締め付けていた。襞と粘膜を撫で回され、円を描くように動く指によって内奥を解される。
顔を覗き込んできた千尋と啄ばむような軽いキスを交わしたあと、再び口腔深くに舌が差し込まれ、感じやすい粘膜を舐められる。
内奥への愛撫と、深い口づけが気持ちよかった。それに、布団の中での秘めやかな行為はなんだか新鮮だ。この家で何度も千尋と体を重ねているが、こういう状況は初めてだ。いまさら隠すようなことでもないのに、つい声を殺し、息を潜めてしまう。
我慢できなくなったのか、内奥から指を引き抜いた千尋が身じろぎ、代わって、熱くなったものを擦りつけてきた。
「んうっ」
逞しいもので内奥をゆっくりと押し広げられ、和彦は喉を反らす。大きく息を吐き出した瞬間、腰を掴まれ、深く侵入される。苦しさと、襞と粘膜を強く擦り上げられる愉悦に、思わず和彦は細い悲鳴を上げていた。
「先生、そんな声出されたら、本当に悪いことしてる気分になる。……先生の繊細な場所を、散らしてるって、気分――」
「そんなことないよ。――甘えさせてよ、先生」
浴衣の襟元が開かれ、露わになった胸元に千尋の熱い息遣いを感じる。次の瞬間、千尋の舌に胸の突起を探り当てられ、吸い付かれた。
「あっ」
千尋に強く突起を吸われながら、布団の中で浴衣をたくし上げられたかと思うと、下着を引き下ろされる。尻を痛いほど揉まれて、たまらず和彦は小さく呻き声を洩らした。
ようやく顔を上げた千尋と唇を触れ合わせる。
「……本当は、ぼくを甘えさせてくれるべきじゃないのか。なんだかいつの間にか、お前がぼくに甘える流れになってるが……」
「先生、甘えられるほうが好きだろ。だから、たっぷり甘えてあげるんだ」
「父親と同じで、屁理屈を捏ねるというか、人を丸め込むのが上手いというか――」
ぼやいているうちに和彦の上に千尋がのしかかってきて、布団の中で二人は抱き合う。
まるで人懐こい犬のように千尋が頬をすり寄せ、唇を舐めてくる。くすぐったくて笑い声を洩らした和彦が顔を背けると、首筋に軽く噛みつかれた。
千尋は、じゃれついてくる犬っころそのものだ。和彦の肌を舐め、甘噛みしながら、見えない尻尾をフリフリと振っているのかもしれない。
淫らな行為に耽るというより、ふざけ合うような感覚で抱き合い、体を擦りつける。あっという間に布団の中に二人分の熱がこもる。
とうとう下着を脱がされてしまうと、身を起こしかけたものを千尋の手に握り込まれる。
「先生、俺も」
甘い声でねだられた和彦は、千尋のスウェットパンツと下着をわずかに下ろし、引き出したものを柔らかく握る。血気盛んな千尋のものは、すでに熱くしなっていた。
互いのものを扱きながら、吸い寄せられるように唇を重ね、緩やかに舌を絡め合う。
和彦は、千尋のものの先端を指の腹で優しく撫でてやる。千尋の腰がビクビク震え、素直な反応が愛しかった。
「――可愛いな、千尋」
和彦が柔らかな声で囁くと、お返しとばかりに、千尋に先端を爪の先で弄られる。
「あっ、あっ……」
「先生も、可愛い……というより、いやらしい」
「お前が言うな」
「先生と知り合ってからだよ。俺がこうなったのは」
人のせいにするなという抗議の声は、千尋の唇に奪われた。口腔に差し込まれた舌が余裕なく蠢き、和彦は千尋の頭を撫でながら、深い口づけを受け止める。
そうしている間にも、千尋の片手に尻を揉まれてから、指が秘裂に這わされた。頑なな窄まりでしかない内奥の入り口を、乾いた指で擦られ、反射的に和彦は腰を揺らす。
「……ここ、舐めようか?」
ひそっと千尋に囁かれ、意識しないまま和彦の顔は熱くなる。
「いい……。濡らして、くれたら――」
千尋は自分の指を舐めて唾液で濡らすと、すぐに和彦の内奥の入り口をまさぐり始める。布団の中で両足を大きく開いた格好で、和彦は千尋の愛撫を受け入れた。
「なんか、親に内緒で悪いことしてる気分」
内奥に挿入した指を慎重に出し入れしながら、どこか楽しげな調子で千尋が言う。和彦は小さく声を洩らしながら、そんな千尋の肩にすがりつく。
「いつも、悪いことばかりしてるのかと思った」
「オヤジが家にいないときに、夜、こうして先生の布団に忍び込んで、エッチなことしてるなんて、いかにも悪いことしてるって感じじゃん」
「……お前の感性はよくわからない」
和彦の発言への抗議のつもりか、千尋の指が付け根まで挿入され、内奥で蠢かされる。その愛撫で官能が刺激され、体が肉の悦びを欲しがる。
「あっ、はあっ……」
内奥がひくつきながら、千尋の指を締め付けていた。襞と粘膜を撫で回され、円を描くように動く指によって内奥を解される。
顔を覗き込んできた千尋と啄ばむような軽いキスを交わしたあと、再び口腔深くに舌が差し込まれ、感じやすい粘膜を舐められる。
内奥への愛撫と、深い口づけが気持ちよかった。それに、布団の中での秘めやかな行為はなんだか新鮮だ。この家で何度も千尋と体を重ねているが、こういう状況は初めてだ。いまさら隠すようなことでもないのに、つい声を殺し、息を潜めてしまう。
我慢できなくなったのか、内奥から指を引き抜いた千尋が身じろぎ、代わって、熱くなったものを擦りつけてきた。
「んうっ」
逞しいもので内奥をゆっくりと押し広げられ、和彦は喉を反らす。大きく息を吐き出した瞬間、腰を掴まれ、深く侵入される。苦しさと、襞と粘膜を強く擦り上げられる愉悦に、思わず和彦は細い悲鳴を上げていた。
「先生、そんな声出されたら、本当に悪いことしてる気分になる。……先生の繊細な場所を、散らしてるって、気分――」
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