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第12話
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もう片方の突起には指がかかり、きつく摘まれ引っ張られる。交互に同じ愛撫を与えられ、胸の突起は鮮やかに赤く色づいた。その色合いに満足したように目を細めた鷹津は、次にどの場所を攻めるか、すでに決めているようだった。
「ううっ」
片足を抱え上げられて、唾液で濡れた指に内奥の入り口を撫でられた途端、和彦は声を洩らして腰を揺する。頭上では、パイプと手錠がぶつかる音がした。
「何人も男を咥え込んでいるくせに、どうしてこう、貞淑そうな形をしてるんだろうな。お前のここは――」
そんなことを言いながら、鷹津が内奥に指を挿入してくる。ここに、この男の指を受け入れるのは三度目だ。すでにもう鷹津は要領はわかっているらしく、一気に指を付け根まで突き入れてくると、官能を呼び起こそうとするかのように巧みに指を蠢かす。さすがに声を堪えられなかった。
「ああっ、あっ、あっ、あっ……」
繊細な襞と粘膜を擦り上げられたかと思うと、内奥を大胆に掻き回され、こじ開けられる。感じる部分をまさぐられるたびに、和彦は体を波打たせるようにして反応していた。
自分でもどうしようもなく、鷹津の指を締め付けて、息を弾ませる。鷹津は興奮した様子で、そんな和彦を見下ろす。
「色づいて、いやらしくなってきた。中も柔らかくなってきたな」
顔を近づけてきた鷹津に唇を塞がれそうになったが、寸前のところで和彦は睨みつけ、顔を背ける。鷹津は無理強いはしなかった。その必要がなかったのだ。
内奥から指が引き抜かれ、すぐに熱く硬い感触が擦りつけられた。指で綻ばされた内奥の入り口は、ゆっくりと押し広げられ、否応なく鷹津の欲望を呑み込まされる。
不快で、嫌悪感すら抱いている男に、自分は今、貫かれているのだと思った瞬間、和彦は目も眩むような高ぶりを覚えた。抱えられた片足の爪先を突っ張らせて腰を揺すると、唇だけの笑みを浮かべた鷹津が動く。
「んあっ」
狭い内奥で、鷹津の逞しいものが蠢いているのがわかる。両足を抱え上げられ、果敢に腰を使われるたびに強い刺激が生まれて、腰から背筋へと駆け上がっていた。
これ以上なく深く繋がる頃には、和彦は息を喘がせ、体を熱くして肌を汗ばませていた。鷹津も、顔に汗を浮かせている。
「これが、ヤクザを骨抜きにしている体か。……確かに、具合がいいな。よすぎて、気を抜くと、腰が溶けそうだ」
そう呟いた鷹津の片手が、和彦のものにかかる。鷹津を受け入れながら、和彦の欲望は反応し、先端からはしたなく透明なしずくを垂らしていた。
「お前のここも、溶けかけてるな。中は……トロトロだ。柔らかいくせに、俺が動くたびに、きついぐらい締め付けてきて、吸い付いてくる。こうやって、誰にでも媚びるんだろうな。――ムカつくほど、俺好みの体だ」
あごを掴まれて、鷹津に唇を吸われる。和彦は押し寄せてくる肉の愉悦に呻きながら、それでも半ば意地のように顔を背ける。鷹津は楽しそうに声を洩らして笑った。
「俺を利用する気なら、もう少し素直になれよ。ヤクザに聞かせているような喘ぎ声を、俺にも聞かせろ。扱い次第じゃ、俺はいい番犬になってやるぜ」
「……番犬にしては、あんたは、物騒だ」
「ヤクザを飼ってるお前が言うな」
和彦の胸元に何度となく唇を押し当てた鷹津が体を起こし、大きく腰を使い始める。内奥から欲望が出し入れされ、その様子を鷹津は、熱っぽい眼差しで見つめていた。羞恥に身を焼かれそうになりながら和彦は、両手を頭上で拘束され、下肢は男に支配された格好で身悶える。
「あっ、ああっ、いっ……、はあっ、あっ、あうっ……」
「中が、ビクビクと震えているぞ。お前も、気持ちよくてたまらないか?」
和彦が唇を噛むと、鷹津は大きく息を吐き出した。
「まあ、いい。まずは、俺だ。――今度は、中に出してやる」
嫌だと言うことすらできなかった。和彦の体は、中から強く男に愛されることに歓喜し、精を受け止めることを待ち望んでいる。長嶺組の男たちによって、たっぷり快感を与えられ続けてきた弊害ともいえるかもしれない。
求めてくる男を、和彦は拒めないのだ。
張り詰めた鷹津の欲望が内奥深くで爆ぜて、熱い精を大量に吐き出す。和彦は深い吐息をこぼしながら腰を震わせ、従順に精を受ける。
快感で、鷹津に屈服させられた瞬間だった。嫌悪感や拒絶感すら、官能を増す媚薬となり、こんな男の脈打つ欲望も、吐き出された精も、愛しいと感じてしまう。
その証拠に――。
荒い呼吸を繰り返し、全身から汗を滴らせながら、鷹津が乱暴に覆い被さってくる。噛み付くように唇を吸われると、そうすることが当然のように濃厚に舌を絡め合っていた。
「んっ、んっ……ふ」
太い舌に口腔を犯されながら、内奥は鷹津のものに犯され続ける。吐き出された精が、まだ逞しさと熱さを保った欲望が動くたびに、襞と粘膜に擦り込まれる。
抗いがたい官能は、例え鷹津相手だろうが、容易に開花していた。
「ううっ」
片足を抱え上げられて、唾液で濡れた指に内奥の入り口を撫でられた途端、和彦は声を洩らして腰を揺する。頭上では、パイプと手錠がぶつかる音がした。
「何人も男を咥え込んでいるくせに、どうしてこう、貞淑そうな形をしてるんだろうな。お前のここは――」
そんなことを言いながら、鷹津が内奥に指を挿入してくる。ここに、この男の指を受け入れるのは三度目だ。すでにもう鷹津は要領はわかっているらしく、一気に指を付け根まで突き入れてくると、官能を呼び起こそうとするかのように巧みに指を蠢かす。さすがに声を堪えられなかった。
「ああっ、あっ、あっ、あっ……」
繊細な襞と粘膜を擦り上げられたかと思うと、内奥を大胆に掻き回され、こじ開けられる。感じる部分をまさぐられるたびに、和彦は体を波打たせるようにして反応していた。
自分でもどうしようもなく、鷹津の指を締め付けて、息を弾ませる。鷹津は興奮した様子で、そんな和彦を見下ろす。
「色づいて、いやらしくなってきた。中も柔らかくなってきたな」
顔を近づけてきた鷹津に唇を塞がれそうになったが、寸前のところで和彦は睨みつけ、顔を背ける。鷹津は無理強いはしなかった。その必要がなかったのだ。
内奥から指が引き抜かれ、すぐに熱く硬い感触が擦りつけられた。指で綻ばされた内奥の入り口は、ゆっくりと押し広げられ、否応なく鷹津の欲望を呑み込まされる。
不快で、嫌悪感すら抱いている男に、自分は今、貫かれているのだと思った瞬間、和彦は目も眩むような高ぶりを覚えた。抱えられた片足の爪先を突っ張らせて腰を揺すると、唇だけの笑みを浮かべた鷹津が動く。
「んあっ」
狭い内奥で、鷹津の逞しいものが蠢いているのがわかる。両足を抱え上げられ、果敢に腰を使われるたびに強い刺激が生まれて、腰から背筋へと駆け上がっていた。
これ以上なく深く繋がる頃には、和彦は息を喘がせ、体を熱くして肌を汗ばませていた。鷹津も、顔に汗を浮かせている。
「これが、ヤクザを骨抜きにしている体か。……確かに、具合がいいな。よすぎて、気を抜くと、腰が溶けそうだ」
そう呟いた鷹津の片手が、和彦のものにかかる。鷹津を受け入れながら、和彦の欲望は反応し、先端からはしたなく透明なしずくを垂らしていた。
「お前のここも、溶けかけてるな。中は……トロトロだ。柔らかいくせに、俺が動くたびに、きついぐらい締め付けてきて、吸い付いてくる。こうやって、誰にでも媚びるんだろうな。――ムカつくほど、俺好みの体だ」
あごを掴まれて、鷹津に唇を吸われる。和彦は押し寄せてくる肉の愉悦に呻きながら、それでも半ば意地のように顔を背ける。鷹津は楽しそうに声を洩らして笑った。
「俺を利用する気なら、もう少し素直になれよ。ヤクザに聞かせているような喘ぎ声を、俺にも聞かせろ。扱い次第じゃ、俺はいい番犬になってやるぜ」
「……番犬にしては、あんたは、物騒だ」
「ヤクザを飼ってるお前が言うな」
和彦の胸元に何度となく唇を押し当てた鷹津が体を起こし、大きく腰を使い始める。内奥から欲望が出し入れされ、その様子を鷹津は、熱っぽい眼差しで見つめていた。羞恥に身を焼かれそうになりながら和彦は、両手を頭上で拘束され、下肢は男に支配された格好で身悶える。
「あっ、ああっ、いっ……、はあっ、あっ、あうっ……」
「中が、ビクビクと震えているぞ。お前も、気持ちよくてたまらないか?」
和彦が唇を噛むと、鷹津は大きく息を吐き出した。
「まあ、いい。まずは、俺だ。――今度は、中に出してやる」
嫌だと言うことすらできなかった。和彦の体は、中から強く男に愛されることに歓喜し、精を受け止めることを待ち望んでいる。長嶺組の男たちによって、たっぷり快感を与えられ続けてきた弊害ともいえるかもしれない。
求めてくる男を、和彦は拒めないのだ。
張り詰めた鷹津の欲望が内奥深くで爆ぜて、熱い精を大量に吐き出す。和彦は深い吐息をこぼしながら腰を震わせ、従順に精を受ける。
快感で、鷹津に屈服させられた瞬間だった。嫌悪感や拒絶感すら、官能を増す媚薬となり、こんな男の脈打つ欲望も、吐き出された精も、愛しいと感じてしまう。
その証拠に――。
荒い呼吸を繰り返し、全身から汗を滴らせながら、鷹津が乱暴に覆い被さってくる。噛み付くように唇を吸われると、そうすることが当然のように濃厚に舌を絡め合っていた。
「んっ、んっ……ふ」
太い舌に口腔を犯されながら、内奥は鷹津のものに犯され続ける。吐き出された精が、まだ逞しさと熱さを保った欲望が動くたびに、襞と粘膜に擦り込まれる。
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