207 / 1,268
第11話
(9)
しおりを挟む
内奥から指が引き抜かれ、恫喝するように鷹津の熱い高ぶりが擦りつけられる。内奥の入り口をわずかに押し開かれたところで、和彦は悔しさを噛み締めながら震える舌を差し出し、鷹津にむしゃぶりつかれた。
痛いほど舌を吸われながら、握り締められたものを手荒く扱かれると、先端から透明なしずくをはしたなく滴らせる。吐き気と、否応なく引き出される快感が、交互に和彦を責め苛んでいた。
そんな和彦が見せる表情と反応に、明らかに鷹津は興奮している。
「この状況でも、やっぱり感じるんだな。――淫乱」
獣じみた口づけの合間に下卑た口調で囁かれ、また少し内奥の入り口をこじ開けられそうになる。
「嫌、だ……。あんた、なんかに……」
「口ではどれだけ嫌がろうが、俺次第だ。今なら、すぐにお前の尻を犯せるぞ」
この瞬間、和彦は鷹津を強く見つめる。自分ではどんな目をしたのか自覚はなかったが、サソリのように嫌な男を刺激したのは確かなようだ。
乱暴に体の向きを変えられてドアに押し付けられ、間近で見つめ合ったまま、和彦のものは鷹津の手に扱かれる。顔を背けて呻き声を洩らすと、首筋を鷹津の舌に舐め上げられていた。
腰を寄せてきた鷹津の熱いものが、和彦のものと擦れ合う。鷹津に片手を取られ、脈打つ欲望を無理やり握らされようとしたが、和彦は必死に拒もうとする。すると、首筋にゆっくりと歯が立てられ、嫌悪感に限りなく近い疼きが背筋を一気に駆け抜けた。腰が砕けそうになり、思わず片手で鷹津の腕にすがりつく。
首に引っ掛けただけとなっていた解けたアスコットタイを、鷹津が口に咥えて抜き取り、足元に落とした。喉元を舌先でなぞり上げられた和彦は、大きく息を吸い込む。その瞬間を逃さず、鷹津の傲慢な舌が口腔に入り込み、感じやすい粘膜を舐め回され、唾液を流し込まれた。
窒息しそうなほど深い口づけに和彦の意識は舞い上がり、鷹津がぶつけてくる欲望に、吐き気すらもねじ伏せられる。
鷹津のものを握らされ、手を動かされる。脈打つ逞しい欲望を、和彦はおずおずと扱き始めた。鷹津もまた、和彦の欲望を素早く扱き、狭い個室に湿った音が重なって響く。
意図したわけではないが、快感を生み出すリズムが合い始めていた。鷹津の指に先端を撫で回され、擦られると、それに倣うよう促された気がして、和彦も同じ行為を返す。
湿った音が一際高くなったそのとき、レストルームに人が入ってきた足音がした。さきほどの男たちの誰かだろうかと思い、和彦はビクリと身を強張らせる。和彦の怯えを感じ取ったのか、手の動きを止めた鷹津が、ドアの向こうの気配を探る表情を見せながら、和彦の頭を引き寄せた。
まるで自分を庇おうとしているように思え、和彦はドキリとする。だがすぐに、羞恥と屈辱で体を熱くすることになる。鷹津の手が尻にかかり、強く揉まれたからだ。それどころか――。
すでに綻んでいる内奥の入り口が強引にこじ開けられ、指を押し込まれる。和彦は、体を小刻みに震わせながら、内奥に指を呑み込む。睨みつける和彦を、鷹津は薄い笑みを浮かべて見つめてくる。そんな男にしがみつくしかできなかった。
レストルームに入ってきたのは、純粋な利用者だったらしく。水音のあと、ドアが開閉する音が続いて聞こえ、すぐに静寂が訪れた。それを確認したあと、鷹津が忙しい手つきで和彦のものを扱き始め、押し寄せる快感に、和彦は声を洩らして鷹津にしがみつく。
あっという間に絶頂を迎え、鷹津の手の中に精を迸らせていた。鷹津は何も言わず、トイレットペーパーを巻き取って手を拭う。和彦は息を喘がせながらドアにもたれかかり、鷹津と唇を触れ合わせる。胸元を撫でられ、興奮で硬く尖った突起を指先で弄られているうちに、片手を取られて鷹津のものに触れさせられていた。
やはり鷹津は何も言わず、和彦の目を覗き込んでくる。ドロドロとした感情の澱は、今は狂おしい欲望に覆われている。鷹津は嫌いで不愉快な存在だが、この目を見ていると、その感覚が少しだけ薄らぐ気がした。
ふてぶてしく育ち、ドク、ドクと脈打つ鷹津の欲望を柔らかく握り締めた和彦は、緩やかに上下に扱く。途端に鷹津の唇から吐息が洩れた。
鷹津の反応を、まばたきも忘れて見入っているうちに、欲望を扱く手を掴まれる。数秒の間を置いて、てのひらが濡れる。鷹津が精を放ったのだ。驚いて目を丸くする和彦に対して、鷹津が嫌な笑みを向けてくる。
「残念だな。こんな場所じゃないなら、またお前の体にかけてやったのに」
痛いほど舌を吸われながら、握り締められたものを手荒く扱かれると、先端から透明なしずくをはしたなく滴らせる。吐き気と、否応なく引き出される快感が、交互に和彦を責め苛んでいた。
そんな和彦が見せる表情と反応に、明らかに鷹津は興奮している。
「この状況でも、やっぱり感じるんだな。――淫乱」
獣じみた口づけの合間に下卑た口調で囁かれ、また少し内奥の入り口をこじ開けられそうになる。
「嫌、だ……。あんた、なんかに……」
「口ではどれだけ嫌がろうが、俺次第だ。今なら、すぐにお前の尻を犯せるぞ」
この瞬間、和彦は鷹津を強く見つめる。自分ではどんな目をしたのか自覚はなかったが、サソリのように嫌な男を刺激したのは確かなようだ。
乱暴に体の向きを変えられてドアに押し付けられ、間近で見つめ合ったまま、和彦のものは鷹津の手に扱かれる。顔を背けて呻き声を洩らすと、首筋を鷹津の舌に舐め上げられていた。
腰を寄せてきた鷹津の熱いものが、和彦のものと擦れ合う。鷹津に片手を取られ、脈打つ欲望を無理やり握らされようとしたが、和彦は必死に拒もうとする。すると、首筋にゆっくりと歯が立てられ、嫌悪感に限りなく近い疼きが背筋を一気に駆け抜けた。腰が砕けそうになり、思わず片手で鷹津の腕にすがりつく。
首に引っ掛けただけとなっていた解けたアスコットタイを、鷹津が口に咥えて抜き取り、足元に落とした。喉元を舌先でなぞり上げられた和彦は、大きく息を吸い込む。その瞬間を逃さず、鷹津の傲慢な舌が口腔に入り込み、感じやすい粘膜を舐め回され、唾液を流し込まれた。
窒息しそうなほど深い口づけに和彦の意識は舞い上がり、鷹津がぶつけてくる欲望に、吐き気すらもねじ伏せられる。
鷹津のものを握らされ、手を動かされる。脈打つ逞しい欲望を、和彦はおずおずと扱き始めた。鷹津もまた、和彦の欲望を素早く扱き、狭い個室に湿った音が重なって響く。
意図したわけではないが、快感を生み出すリズムが合い始めていた。鷹津の指に先端を撫で回され、擦られると、それに倣うよう促された気がして、和彦も同じ行為を返す。
湿った音が一際高くなったそのとき、レストルームに人が入ってきた足音がした。さきほどの男たちの誰かだろうかと思い、和彦はビクリと身を強張らせる。和彦の怯えを感じ取ったのか、手の動きを止めた鷹津が、ドアの向こうの気配を探る表情を見せながら、和彦の頭を引き寄せた。
まるで自分を庇おうとしているように思え、和彦はドキリとする。だがすぐに、羞恥と屈辱で体を熱くすることになる。鷹津の手が尻にかかり、強く揉まれたからだ。それどころか――。
すでに綻んでいる内奥の入り口が強引にこじ開けられ、指を押し込まれる。和彦は、体を小刻みに震わせながら、内奥に指を呑み込む。睨みつける和彦を、鷹津は薄い笑みを浮かべて見つめてくる。そんな男にしがみつくしかできなかった。
レストルームに入ってきたのは、純粋な利用者だったらしく。水音のあと、ドアが開閉する音が続いて聞こえ、すぐに静寂が訪れた。それを確認したあと、鷹津が忙しい手つきで和彦のものを扱き始め、押し寄せる快感に、和彦は声を洩らして鷹津にしがみつく。
あっという間に絶頂を迎え、鷹津の手の中に精を迸らせていた。鷹津は何も言わず、トイレットペーパーを巻き取って手を拭う。和彦は息を喘がせながらドアにもたれかかり、鷹津と唇を触れ合わせる。胸元を撫でられ、興奮で硬く尖った突起を指先で弄られているうちに、片手を取られて鷹津のものに触れさせられていた。
やはり鷹津は何も言わず、和彦の目を覗き込んでくる。ドロドロとした感情の澱は、今は狂おしい欲望に覆われている。鷹津は嫌いで不愉快な存在だが、この目を見ていると、その感覚が少しだけ薄らぐ気がした。
ふてぶてしく育ち、ドク、ドクと脈打つ鷹津の欲望を柔らかく握り締めた和彦は、緩やかに上下に扱く。途端に鷹津の唇から吐息が洩れた。
鷹津の反応を、まばたきも忘れて見入っているうちに、欲望を扱く手を掴まれる。数秒の間を置いて、てのひらが濡れる。鷹津が精を放ったのだ。驚いて目を丸くする和彦に対して、鷹津が嫌な笑みを向けてくる。
「残念だな。こんな場所じゃないなら、またお前の体にかけてやったのに」
44
お気に入りに追加
1,391
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


朝起きたら幼なじみと番になってた。
オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。
隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた
思いつきの書き殴り
オメガバースの設定をお借りしてます
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる