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第11話
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内奥から指が引き抜かれ、恫喝するように鷹津の熱い高ぶりが擦りつけられる。内奥の入り口をわずかに押し開かれたところで、和彦は悔しさを噛み締めながら震える舌を差し出し、鷹津にむしゃぶりつかれた。
痛いほど舌を吸われながら、握り締められたものを手荒く扱かれると、先端から透明なしずくをはしたなく滴らせる。吐き気と、否応なく引き出される快感が、交互に和彦を責め苛んでいた。
そんな和彦が見せる表情と反応に、明らかに鷹津は興奮している。
「この状況でも、やっぱり感じるんだな。――淫乱」
獣じみた口づけの合間に下卑た口調で囁かれ、また少し内奥の入り口をこじ開けられそうになる。
「嫌、だ……。あんた、なんかに……」
「口ではどれだけ嫌がろうが、俺次第だ。今なら、すぐにお前の尻を犯せるぞ」
この瞬間、和彦は鷹津を強く見つめる。自分ではどんな目をしたのか自覚はなかったが、サソリのように嫌な男を刺激したのは確かなようだ。
乱暴に体の向きを変えられてドアに押し付けられ、間近で見つめ合ったまま、和彦のものは鷹津の手に扱かれる。顔を背けて呻き声を洩らすと、首筋を鷹津の舌に舐め上げられていた。
腰を寄せてきた鷹津の熱いものが、和彦のものと擦れ合う。鷹津に片手を取られ、脈打つ欲望を無理やり握らされようとしたが、和彦は必死に拒もうとする。すると、首筋にゆっくりと歯が立てられ、嫌悪感に限りなく近い疼きが背筋を一気に駆け抜けた。腰が砕けそうになり、思わず片手で鷹津の腕にすがりつく。
首に引っ掛けただけとなっていた解けたアスコットタイを、鷹津が口に咥えて抜き取り、足元に落とした。喉元を舌先でなぞり上げられた和彦は、大きく息を吸い込む。その瞬間を逃さず、鷹津の傲慢な舌が口腔に入り込み、感じやすい粘膜を舐め回され、唾液を流し込まれた。
窒息しそうなほど深い口づけに和彦の意識は舞い上がり、鷹津がぶつけてくる欲望に、吐き気すらもねじ伏せられる。
鷹津のものを握らされ、手を動かされる。脈打つ逞しい欲望を、和彦はおずおずと扱き始めた。鷹津もまた、和彦の欲望を素早く扱き、狭い個室に湿った音が重なって響く。
意図したわけではないが、快感を生み出すリズムが合い始めていた。鷹津の指に先端を撫で回され、擦られると、それに倣うよう促された気がして、和彦も同じ行為を返す。
湿った音が一際高くなったそのとき、レストルームに人が入ってきた足音がした。さきほどの男たちの誰かだろうかと思い、和彦はビクリと身を強張らせる。和彦の怯えを感じ取ったのか、手の動きを止めた鷹津が、ドアの向こうの気配を探る表情を見せながら、和彦の頭を引き寄せた。
まるで自分を庇おうとしているように思え、和彦はドキリとする。だがすぐに、羞恥と屈辱で体を熱くすることになる。鷹津の手が尻にかかり、強く揉まれたからだ。それどころか――。
すでに綻んでいる内奥の入り口が強引にこじ開けられ、指を押し込まれる。和彦は、体を小刻みに震わせながら、内奥に指を呑み込む。睨みつける和彦を、鷹津は薄い笑みを浮かべて見つめてくる。そんな男にしがみつくしかできなかった。
レストルームに入ってきたのは、純粋な利用者だったらしく。水音のあと、ドアが開閉する音が続いて聞こえ、すぐに静寂が訪れた。それを確認したあと、鷹津が忙しい手つきで和彦のものを扱き始め、押し寄せる快感に、和彦は声を洩らして鷹津にしがみつく。
あっという間に絶頂を迎え、鷹津の手の中に精を迸らせていた。鷹津は何も言わず、トイレットペーパーを巻き取って手を拭う。和彦は息を喘がせながらドアにもたれかかり、鷹津と唇を触れ合わせる。胸元を撫でられ、興奮で硬く尖った突起を指先で弄られているうちに、片手を取られて鷹津のものに触れさせられていた。
やはり鷹津は何も言わず、和彦の目を覗き込んでくる。ドロドロとした感情の澱は、今は狂おしい欲望に覆われている。鷹津は嫌いで不愉快な存在だが、この目を見ていると、その感覚が少しだけ薄らぐ気がした。
ふてぶてしく育ち、ドク、ドクと脈打つ鷹津の欲望を柔らかく握り締めた和彦は、緩やかに上下に扱く。途端に鷹津の唇から吐息が洩れた。
鷹津の反応を、まばたきも忘れて見入っているうちに、欲望を扱く手を掴まれる。数秒の間を置いて、てのひらが濡れる。鷹津が精を放ったのだ。驚いて目を丸くする和彦に対して、鷹津が嫌な笑みを向けてくる。
「残念だな。こんな場所じゃないなら、またお前の体にかけてやったのに」
痛いほど舌を吸われながら、握り締められたものを手荒く扱かれると、先端から透明なしずくをはしたなく滴らせる。吐き気と、否応なく引き出される快感が、交互に和彦を責め苛んでいた。
そんな和彦が見せる表情と反応に、明らかに鷹津は興奮している。
「この状況でも、やっぱり感じるんだな。――淫乱」
獣じみた口づけの合間に下卑た口調で囁かれ、また少し内奥の入り口をこじ開けられそうになる。
「嫌、だ……。あんた、なんかに……」
「口ではどれだけ嫌がろうが、俺次第だ。今なら、すぐにお前の尻を犯せるぞ」
この瞬間、和彦は鷹津を強く見つめる。自分ではどんな目をしたのか自覚はなかったが、サソリのように嫌な男を刺激したのは確かなようだ。
乱暴に体の向きを変えられてドアに押し付けられ、間近で見つめ合ったまま、和彦のものは鷹津の手に扱かれる。顔を背けて呻き声を洩らすと、首筋を鷹津の舌に舐め上げられていた。
腰を寄せてきた鷹津の熱いものが、和彦のものと擦れ合う。鷹津に片手を取られ、脈打つ欲望を無理やり握らされようとしたが、和彦は必死に拒もうとする。すると、首筋にゆっくりと歯が立てられ、嫌悪感に限りなく近い疼きが背筋を一気に駆け抜けた。腰が砕けそうになり、思わず片手で鷹津の腕にすがりつく。
首に引っ掛けただけとなっていた解けたアスコットタイを、鷹津が口に咥えて抜き取り、足元に落とした。喉元を舌先でなぞり上げられた和彦は、大きく息を吸い込む。その瞬間を逃さず、鷹津の傲慢な舌が口腔に入り込み、感じやすい粘膜を舐め回され、唾液を流し込まれた。
窒息しそうなほど深い口づけに和彦の意識は舞い上がり、鷹津がぶつけてくる欲望に、吐き気すらもねじ伏せられる。
鷹津のものを握らされ、手を動かされる。脈打つ逞しい欲望を、和彦はおずおずと扱き始めた。鷹津もまた、和彦の欲望を素早く扱き、狭い個室に湿った音が重なって響く。
意図したわけではないが、快感を生み出すリズムが合い始めていた。鷹津の指に先端を撫で回され、擦られると、それに倣うよう促された気がして、和彦も同じ行為を返す。
湿った音が一際高くなったそのとき、レストルームに人が入ってきた足音がした。さきほどの男たちの誰かだろうかと思い、和彦はビクリと身を強張らせる。和彦の怯えを感じ取ったのか、手の動きを止めた鷹津が、ドアの向こうの気配を探る表情を見せながら、和彦の頭を引き寄せた。
まるで自分を庇おうとしているように思え、和彦はドキリとする。だがすぐに、羞恥と屈辱で体を熱くすることになる。鷹津の手が尻にかかり、強く揉まれたからだ。それどころか――。
すでに綻んでいる内奥の入り口が強引にこじ開けられ、指を押し込まれる。和彦は、体を小刻みに震わせながら、内奥に指を呑み込む。睨みつける和彦を、鷹津は薄い笑みを浮かべて見つめてくる。そんな男にしがみつくしかできなかった。
レストルームに入ってきたのは、純粋な利用者だったらしく。水音のあと、ドアが開閉する音が続いて聞こえ、すぐに静寂が訪れた。それを確認したあと、鷹津が忙しい手つきで和彦のものを扱き始め、押し寄せる快感に、和彦は声を洩らして鷹津にしがみつく。
あっという間に絶頂を迎え、鷹津の手の中に精を迸らせていた。鷹津は何も言わず、トイレットペーパーを巻き取って手を拭う。和彦は息を喘がせながらドアにもたれかかり、鷹津と唇を触れ合わせる。胸元を撫でられ、興奮で硬く尖った突起を指先で弄られているうちに、片手を取られて鷹津のものに触れさせられていた。
やはり鷹津は何も言わず、和彦の目を覗き込んでくる。ドロドロとした感情の澱は、今は狂おしい欲望に覆われている。鷹津は嫌いで不愉快な存在だが、この目を見ていると、その感覚が少しだけ薄らぐ気がした。
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鷹津の反応を、まばたきも忘れて見入っているうちに、欲望を扱く手を掴まれる。数秒の間を置いて、てのひらが濡れる。鷹津が精を放ったのだ。驚いて目を丸くする和彦に対して、鷹津が嫌な笑みを向けてくる。
「残念だな。こんな場所じゃないなら、またお前の体にかけてやったのに」
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