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第10話
(13)
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先端に歯が掠めるたびに、本能的なものと、肉体的な反応から、ビクビクと腰を震わせる。三田村は貪欲だ。武骨な愛撫を施してきながら、和彦が好む愛撫を探り当て、すぐに覚えてしまう。そうやって、和彦に肉の悦びを与えてくれるのだ。
しっかりと両足を抱え上げられて、露わになった内奥の入り口にまで三田村の舌が這わされる。
「あうっ、うっ」
和彦は腰を揺らしながら、三田村の髪を掻き乱す。指と舌によって内奥を性急に解されていた。付け根まで挿入された指を蠢かされながら、まだ慎みを失っていない内奥の入り口にたっぷり舌を這わされる。かと思えば、指が引きぬかれた内奥に熱い舌が入り込み、浅い侵入にもかかわらず、和彦は全身を震わせて感じてしまう。
三田村が、身につけているものを脱ぎ捨てるため体を離すわずかな時間すら、苦痛だった。
だからこそ、熱く滾った欲望を内奥の入り口に擦りつけられただけで、和彦は蕩けそうな幸福感を味わう。
三田村が、肉を押し開く感触を堪能するように、ゆっくりと腰を進める。
「あっ、ああっ――」
甘苦しい感覚がじんわりと腰から広がっていき、顔を背けて和彦は呻き声を洩らしていた。感じる苦痛は、特別な行為に及んでいるという証だ。だからこそ、すべてを呑み込んでしまうと、信じられないような悦びが湧き起こってくる。
和彦の両足を抱え直した三田村が、緩やかに内奥深くを突き上げ始めた。
「……先生」
呼びかけられて三田村を見上げると、何かを耐えるように唇を引き結んでいる。和彦が両腕を伸ばして三田村の頭を引き寄せると、きつく抱き締められた。同時に、繋がった部分では、激しく肉が擦れ合う。
「んっ、んうっ、はあっ、はっ……あぁ、三田村、三田村……」
内奥で感じる三田村の欲望は、熱く逞しい。和彦の襞と粘膜は強く擦り上げられるたびに歓喜し、まるで媚びるように三田村のものに吸い付き、まとわりつく。意識しないままきつく締め付けてしまうのは、どうしようもない反応だった。
「このまま、先生を壊しそうだ……。加減を忘れそうなぐらい、気持ちいい」
和彦が着ている薄手のニットセーターを脱がせながら、三田村が囁いてくる。甘さの欠片もない、切実ですらある声の響きに、三田村が本気で言っているのだとわかる。和彦は両腕を三田村の背に回し、虎の刺青を撫でながら応じた。
「できないだろ。ぼくの〈オトコ〉は、そんなこと――」
「……でも、そうしたくなる。先生とこうしていると、自分の立場を忘れる。先生が誰のものなのかということも」
「あんたのものだと言っただろ、ぼくは」
間近で見つめ合ってから和彦は、三田村の頬に自分の頬をすり寄せる。内奥深くで、三田村のものがさらに逞しさを増した気がした。
繋がったまま抱き起こされ、あぐらをかいた三田村の腰を跨ぐ。ゆっくりと内奥を突き上げられるたびに和彦は腰を揺らし、小さく声を洩らす。三田村が、強い衝動を堪えるためにこの格好になったのだと、すぐにわかった。これ以上なくしっかりと繋がりはしたものの、奔放に快感を貪ることはできない。ただ、深く結びついている感触を堪能できる。
三田村が胸の突起に強く吸い付き、和彦は背をしならせる。
「はっ……あぁ。んっ、んっ、んくぅ……」
凝った突起に歯が立てられ、そっと引っ張られる。胸に疼きが走ると、その反応はダイレクトに、内奥で息づく男のものを求める淫らな蠕動となって表れる。三田村が微かに呻いたあと、心地よさそうに吐息を洩らした。
自分が快感を貪る以上に、この男にもっと快感を味わわせてやりたい――。
そう思った和彦は、三田村の耳元で囁いた。
「……三田村、自分で動きたい」
意味をわかりかねたように目を丸くする三田村の肩を、かまわず押す。虚を衝かれる形となり、三田村の逞しい体は簡単に仰向けで倒れた。和彦はその三田村の胸に両手を突き、ゆっくりと腰を前後に動かす。
「先生っ……」
「まだ――、少しだけ、ぼくの自由にさせてくれ」
返事の代わりなのか、三田村の両手が腰にかかり、愛撫するように撫でられる。和彦はちらりと笑みをこぼしたが、すぐに行為に夢中になる。
内奥深くまでしっかりと埋まった三田村のものを、腰を浮かせてギリギリまで引き抜いたあと、再び腰を落として襞と粘膜を擦り上げてもらい、蠕動を繰り返す内奥できつく締め付けて包み込む。
何度となく吐息を洩らした三田村が、反り返ったまま震えている和彦のものを握り締めた。
「すごいな、先生。どんどん垂れてきている」
柔らかく扱き上げられ、声を洩らした和彦は、三田村の腰の上で身をしならせる。すると三田村は、もう片方の手で尻を撫でてから、繋がっている部分を指先でまさぐってくる。
「ふっ……」
しっかりと両足を抱え上げられて、露わになった内奥の入り口にまで三田村の舌が這わされる。
「あうっ、うっ」
和彦は腰を揺らしながら、三田村の髪を掻き乱す。指と舌によって内奥を性急に解されていた。付け根まで挿入された指を蠢かされながら、まだ慎みを失っていない内奥の入り口にたっぷり舌を這わされる。かと思えば、指が引きぬかれた内奥に熱い舌が入り込み、浅い侵入にもかかわらず、和彦は全身を震わせて感じてしまう。
三田村が、身につけているものを脱ぎ捨てるため体を離すわずかな時間すら、苦痛だった。
だからこそ、熱く滾った欲望を内奥の入り口に擦りつけられただけで、和彦は蕩けそうな幸福感を味わう。
三田村が、肉を押し開く感触を堪能するように、ゆっくりと腰を進める。
「あっ、ああっ――」
甘苦しい感覚がじんわりと腰から広がっていき、顔を背けて和彦は呻き声を洩らしていた。感じる苦痛は、特別な行為に及んでいるという証だ。だからこそ、すべてを呑み込んでしまうと、信じられないような悦びが湧き起こってくる。
和彦の両足を抱え直した三田村が、緩やかに内奥深くを突き上げ始めた。
「……先生」
呼びかけられて三田村を見上げると、何かを耐えるように唇を引き結んでいる。和彦が両腕を伸ばして三田村の頭を引き寄せると、きつく抱き締められた。同時に、繋がった部分では、激しく肉が擦れ合う。
「んっ、んうっ、はあっ、はっ……あぁ、三田村、三田村……」
内奥で感じる三田村の欲望は、熱く逞しい。和彦の襞と粘膜は強く擦り上げられるたびに歓喜し、まるで媚びるように三田村のものに吸い付き、まとわりつく。意識しないままきつく締め付けてしまうのは、どうしようもない反応だった。
「このまま、先生を壊しそうだ……。加減を忘れそうなぐらい、気持ちいい」
和彦が着ている薄手のニットセーターを脱がせながら、三田村が囁いてくる。甘さの欠片もない、切実ですらある声の響きに、三田村が本気で言っているのだとわかる。和彦は両腕を三田村の背に回し、虎の刺青を撫でながら応じた。
「できないだろ。ぼくの〈オトコ〉は、そんなこと――」
「……でも、そうしたくなる。先生とこうしていると、自分の立場を忘れる。先生が誰のものなのかということも」
「あんたのものだと言っただろ、ぼくは」
間近で見つめ合ってから和彦は、三田村の頬に自分の頬をすり寄せる。内奥深くで、三田村のものがさらに逞しさを増した気がした。
繋がったまま抱き起こされ、あぐらをかいた三田村の腰を跨ぐ。ゆっくりと内奥を突き上げられるたびに和彦は腰を揺らし、小さく声を洩らす。三田村が、強い衝動を堪えるためにこの格好になったのだと、すぐにわかった。これ以上なくしっかりと繋がりはしたものの、奔放に快感を貪ることはできない。ただ、深く結びついている感触を堪能できる。
三田村が胸の突起に強く吸い付き、和彦は背をしならせる。
「はっ……あぁ。んっ、んっ、んくぅ……」
凝った突起に歯が立てられ、そっと引っ張られる。胸に疼きが走ると、その反応はダイレクトに、内奥で息づく男のものを求める淫らな蠕動となって表れる。三田村が微かに呻いたあと、心地よさそうに吐息を洩らした。
自分が快感を貪る以上に、この男にもっと快感を味わわせてやりたい――。
そう思った和彦は、三田村の耳元で囁いた。
「……三田村、自分で動きたい」
意味をわかりかねたように目を丸くする三田村の肩を、かまわず押す。虚を衝かれる形となり、三田村の逞しい体は簡単に仰向けで倒れた。和彦はその三田村の胸に両手を突き、ゆっくりと腰を前後に動かす。
「先生っ……」
「まだ――、少しだけ、ぼくの自由にさせてくれ」
返事の代わりなのか、三田村の両手が腰にかかり、愛撫するように撫でられる。和彦はちらりと笑みをこぼしたが、すぐに行為に夢中になる。
内奥深くまでしっかりと埋まった三田村のものを、腰を浮かせてギリギリまで引き抜いたあと、再び腰を落として襞と粘膜を擦り上げてもらい、蠕動を繰り返す内奥できつく締め付けて包み込む。
何度となく吐息を洩らした三田村が、反り返ったまま震えている和彦のものを握り締めた。
「すごいな、先生。どんどん垂れてきている」
柔らかく扱き上げられ、声を洩らした和彦は、三田村の腰の上で身をしならせる。すると三田村は、もう片方の手で尻を撫でてから、繋がっている部分を指先でまさぐってくる。
「ふっ……」
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