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第9話
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何も見えなくても、三人の人間の唇が、同時に自分を貪っていることは認識できた。和彦は動揺しながらも、羞恥する。普通ならありえない状況に、自分の頭がどうにかなってしまったのかと思ったぐらいだ。だがその間も、三人の人間は和彦の体を味わっている。
大きく左右に開かされた両足の間で、誰かが湿った音を立てながら、和彦のものを口腔で愛撫している。そして、内腿を這い回るごつごつとした手の感触があり、胸の突起の片方を執拗に弄る指先を認識すると、髪を撫でる感触にも意識が向く。
賢吾と千尋と三田村が自分に触れているのだと、和彦は思った。入り乱れる愛撫に、それが誰の手であり唇なのか、確定することは無理だが、それでも、和彦に触れられるのはこの三人しかいない。
「――安心しろ。大事な先生を痛めつけるようなことはしない」
ようやく唇が離され、驚くほど側でバリトンが囁いてくる。やはり、口づけの相手は賢吾だったのだ。
「なんの、つもりだ……」
和彦は震える声で問いかける。怖いのではない。絶えず与えられる快感のため、どうしても普通の声音で話せないのだ。こうしている間にも、誰かに胸の突起を甘噛みされ、すでに反応してしまった欲望を舐め上げられている。そのうえ、戯れのように柔らかな膨らみも撫でられていた。
「お仕置きだ。男は怖いんだと、先生にきっちりと教え込んでおかないと、危なっかしくていけねー」
賢吾を睨みつけたいところだが、肝心の両目は目隠しで覆われたままで、姿を捉えることすらできない。
「……ぼくだって、男だ……」
乱れる息の下、なんとか言葉を紡ぐと、賢吾が短く声を洩らして笑う。
「お前は、俺の――俺たちのオンナだろ」
ここでまた賢吾に濃厚な口づけを与えられ、同時に、和彦のものは誰かの口腔深くに呑み込まれ、締め付けられる。
体中に手が這い回り、撫でられていた。周囲で人が動く気配がして、それが和彦の感覚を混乱させ、まるで複数の人間が自分を取り巻いているような錯覚すらしてくる。もしかすると、錯覚のほうが、正しい感覚なのではないかとすら思えてくる。
一体、何人の人間がこの部屋にいるのか。自分の体に触れているのか。そんな和彦の不安を読み取ったように、甘い毒をたっぷり含んだ囁きを、賢吾が耳元に注ぎ込んできた。
「男に対して無防備すぎる先生に、その男の怖さを体に叩き込んでやる。もちろん、痛みが苦手な先生に配慮して。……〈初めて〉相手をする男にも愛想よくしろよ。そうすれば、たっぷり可愛がってくれる」
和彦は小さな悲鳴を上げて身を捩ろうとする。しかし、容赦なく男たちの手に押さえつけられ、両足を抱え上げられて膝裏を掴まれていた。秘められた部分を晒す格好を取らされたことに、苦痛に近い羞恥を味わうが、賢吾はさらに和彦を追い詰めてくる。
「いつものように、いい声で鳴いて、悶えろよ、先生。みんな、期待して見ているんだから。長嶺組長のオンナは、どれだけいやらしいかと」
そんな言葉のあと、秘裂に冷たい液体が伝う感触があった。辱められたときと同じような状況だと考えると、おそらくローションだろう。
滑った指に内奥を犯され、和彦は声を洩らす。萎えることのない欲望を手荒く扱かれながら、胸の突起を痛いほど強く吸い上げられたかと思うと、もう片方の突起は焦らすように舌先でくすぐられる。たまらず息を喘がせた途端、待っていたように唇を塞がれた。
顔を背けようとしたが、しっかりとあごを押さえられて動けない。口腔を熱い舌でまさぐられ、唾液を流し込まれる。
この瞬間、和彦の体に変化が起こる。否応なく快感を与えられ、生理現象として反応しているだけだったのに、ここまで堪えていた官能が溢れ出し、和彦自身の貪欲さが、自ら快感を貪ろうとしていた。
内奥から指が出し入れされると、無意識に腰が揺れる。反り返って震えるものを舐められると、ビクッ、ビクッと間欠的に体が震える。痛いほど硬く凝った胸の突起を、左右同時に弄られると、不自由な格好のまま背をしならせる。巧みに蠢く舌に丹念に口腔をまさぐられると、その舌に自分の舌を絡みつかせる。
快感で何も考えられなくなった頃を見計らったように、和彦の唇を啄ばみながら賢吾が言った。
「火がついたみたいだな。今なら、知らない男のものでも、美味そうに尻に咥え込めるだろ」
目隠しの下、目を見開いた和彦は懸命に訴える。
「嫌、だ……。知らない男なんて、そんな――」
「よく知りもしない秦のものは、咥え込もうとしたんだろ」
「あれはっ……」
「俺公認で、浮気させてやろうっていうんだ。じっくり味わえばいい」
たっぷりのローションを塗り込められた内奥に、指ではない、熱く逞しい感触が押し込まれてくる。
「あうぅっ」
大きく左右に開かされた両足の間で、誰かが湿った音を立てながら、和彦のものを口腔で愛撫している。そして、内腿を這い回るごつごつとした手の感触があり、胸の突起の片方を執拗に弄る指先を認識すると、髪を撫でる感触にも意識が向く。
賢吾と千尋と三田村が自分に触れているのだと、和彦は思った。入り乱れる愛撫に、それが誰の手であり唇なのか、確定することは無理だが、それでも、和彦に触れられるのはこの三人しかいない。
「――安心しろ。大事な先生を痛めつけるようなことはしない」
ようやく唇が離され、驚くほど側でバリトンが囁いてくる。やはり、口づけの相手は賢吾だったのだ。
「なんの、つもりだ……」
和彦は震える声で問いかける。怖いのではない。絶えず与えられる快感のため、どうしても普通の声音で話せないのだ。こうしている間にも、誰かに胸の突起を甘噛みされ、すでに反応してしまった欲望を舐め上げられている。そのうえ、戯れのように柔らかな膨らみも撫でられていた。
「お仕置きだ。男は怖いんだと、先生にきっちりと教え込んでおかないと、危なっかしくていけねー」
賢吾を睨みつけたいところだが、肝心の両目は目隠しで覆われたままで、姿を捉えることすらできない。
「……ぼくだって、男だ……」
乱れる息の下、なんとか言葉を紡ぐと、賢吾が短く声を洩らして笑う。
「お前は、俺の――俺たちのオンナだろ」
ここでまた賢吾に濃厚な口づけを与えられ、同時に、和彦のものは誰かの口腔深くに呑み込まれ、締め付けられる。
体中に手が這い回り、撫でられていた。周囲で人が動く気配がして、それが和彦の感覚を混乱させ、まるで複数の人間が自分を取り巻いているような錯覚すらしてくる。もしかすると、錯覚のほうが、正しい感覚なのではないかとすら思えてくる。
一体、何人の人間がこの部屋にいるのか。自分の体に触れているのか。そんな和彦の不安を読み取ったように、甘い毒をたっぷり含んだ囁きを、賢吾が耳元に注ぎ込んできた。
「男に対して無防備すぎる先生に、その男の怖さを体に叩き込んでやる。もちろん、痛みが苦手な先生に配慮して。……〈初めて〉相手をする男にも愛想よくしろよ。そうすれば、たっぷり可愛がってくれる」
和彦は小さな悲鳴を上げて身を捩ろうとする。しかし、容赦なく男たちの手に押さえつけられ、両足を抱え上げられて膝裏を掴まれていた。秘められた部分を晒す格好を取らされたことに、苦痛に近い羞恥を味わうが、賢吾はさらに和彦を追い詰めてくる。
「いつものように、いい声で鳴いて、悶えろよ、先生。みんな、期待して見ているんだから。長嶺組長のオンナは、どれだけいやらしいかと」
そんな言葉のあと、秘裂に冷たい液体が伝う感触があった。辱められたときと同じような状況だと考えると、おそらくローションだろう。
滑った指に内奥を犯され、和彦は声を洩らす。萎えることのない欲望を手荒く扱かれながら、胸の突起を痛いほど強く吸い上げられたかと思うと、もう片方の突起は焦らすように舌先でくすぐられる。たまらず息を喘がせた途端、待っていたように唇を塞がれた。
顔を背けようとしたが、しっかりとあごを押さえられて動けない。口腔を熱い舌でまさぐられ、唾液を流し込まれる。
この瞬間、和彦の体に変化が起こる。否応なく快感を与えられ、生理現象として反応しているだけだったのに、ここまで堪えていた官能が溢れ出し、和彦自身の貪欲さが、自ら快感を貪ろうとしていた。
内奥から指が出し入れされると、無意識に腰が揺れる。反り返って震えるものを舐められると、ビクッ、ビクッと間欠的に体が震える。痛いほど硬く凝った胸の突起を、左右同時に弄られると、不自由な格好のまま背をしならせる。巧みに蠢く舌に丹念に口腔をまさぐられると、その舌に自分の舌を絡みつかせる。
快感で何も考えられなくなった頃を見計らったように、和彦の唇を啄ばみながら賢吾が言った。
「火がついたみたいだな。今なら、知らない男のものでも、美味そうに尻に咥え込めるだろ」
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「嫌、だ……。知らない男なんて、そんな――」
「よく知りもしない秦のものは、咥え込もうとしたんだろ」
「あれはっ……」
「俺公認で、浮気させてやろうっていうんだ。じっくり味わえばいい」
たっぷりのローションを塗り込められた内奥に、指ではない、熱く逞しい感触が押し込まれてくる。
「あうぅっ」
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