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第6話
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三田村に引き寄せられてしっとりと唇を重ね、舌先を触れ合わせた。相手の体をまさぐるようにしてジャケットを脱がしていきながら、柔らかく唇を啄ばみ合う。そうやって、賢吾の〈オンナ〉と〈犬〉である自分たちが、賢吾の許可の下、こうして触れ合える現実を噛み締めていた。
もどかしい手つきで三田村のワイシャツのボタンを外し、上半身の素肌を露わにしてしまう。三田村の背後に回り込んだ和彦は、虎の刺青にてのひらを這わせてから、舌先を這わせる。
刺青に対してやはりいい気持ちは持てないが、こんな刺青を背負った男に求められることに、嫌悪感をねじ伏せるほどの倒錯した興奮を覚える。これは、賢吾の刺青を見たときと同じ反応だ。
もしかして自分は、刺青に対して性的に惹かれているのかもしれないと思い、和彦は小さく身震いする。
刺青の彫られた背をじっくりと舐め上げると、欲望を煽られたように、三田村の体に力が漲り、熱くなってくる。
「あっ……」
和彦は腕を掴まれ、そのままベッドに押し倒されていた。
真上から見下ろしてくる三田村のあごに残る傷跡に指先を這わせると、それが合図のようにのしかかられる。和彦は両腕でしっかりと三田村の熱い体にしがみついた。
まるでサウナのように蒸れた室内の空気に、和彦が洩らした何度目かの熱い吐息が溶け込む。
「はっ、あぁっ……、あっ、あうぅっ」
体の中が快感で満たされたようだった。それなのに、三田村はさらに和彦に快感を与えてくれる。
「うっ、あっ……ん」
熱い口腔に含まれたものを吸引され、唇で締め付けられる。内奥にはしっかりと指が埋め込まれ、和彦の官能を刺激する場所を、絶えず擦り上げていた。
ともに飼われる存在で、だけど、和彦のものである〈オトコ〉――。
そんな三田村が与えてくれる愛撫は献身的ともいえ、和彦は全身を汗で濡らしながら、無防備に身を委ねる。すでに一度、三田村の口腔に絶頂の証を迸らせ、すべて飲み干されていた。
クチュッと微かに湿った音を立て、内奥から指が引き抜かれる。三田村の愛撫の手順は覚えつつあった。
次に三田村が施してくれる愛撫は、激しい羞恥心とともに、深い官能と快楽を引き出しくれるはずだ。
両足をしっかりと抱え上げられて、すでに指で綻ばされた内奥の入り口を、柔らかく温かな感触にくすぐられる。
「んあっ」
和彦は声を上げ、シーツを握り締める。三田村の舌の動きはすぐに大胆になり、内奥の入り口を唾液でたっぷり濡らすと、浅く侵入させてくる。ビクビクと腰を震わせて、和彦は感じてしまう。自分でもわかるほど浅ましく、内奥をひくつかせていた。
「あうっ、うっ、い、い――……。気持ち、いっ……」
舌で愛されてから、再び挿入された指を必死に締め付けて喘いでいると、三田村の片手が、汗で濡れた和彦の体に這わされる。内奥で蠢く指に欲望を高められる一方で、体に這わされる手は、まるで慰撫するかのように優しい。
和彦は、三田村が望むままに乱れ、しどけない姿を曝け出していた。どんな姿であれ、三田村は何も言わず、ただ目に焼き付けるかのように熱っぽい眼差しで見つめる。その眼差しにすら、和彦は感じてしまうのだ。
「――……三田村」
甘く掠れた声で呼びかけると、やっと三田村は、張り詰めた欲望を内奥に与えてくれた。
「あっ、あっ、うああっ」
抱えられた両足を押し広げられ、腰をゆっくりと突き上げられる。柔らかく解されていた和彦の内奥は、求めていた男の逞しいものを嬉々として呑み込み、きつく締め付ける。
「感じているんだな、先生」
やっと口を開いた三田村の声には、隠せない喜びが滲んでいた。和彦は必死に両腕を伸ばし、三田村にしがみつく。
深く繋がると、三田村はゆっくりと大きく腰を動かし、内奥を突き上げ始める。力強い律動に、簡単に和彦は理性を奪われ、ただ快感を受け入れる器に成り果てる。
「んっ、んうっ……、はあっ、あっ、んくぅ……」
内奥を、微妙な角度をつけて抉るように突かれる。粘膜と襞が擦り上げられ、電流にも似た感覚が和彦の全身を駆け抜けていた。
逞しいものが何度も内奥から出し入れされ、その様子を三田村は、目を細めて見つめていた。和彦は上体を捩るようにして三田村の視線から逃れようとするが、もちろんそれは徒労に終わり、もっと乱れろといわんばかりに、三田村のものが内奥深くに打ち込まれる。
「あっ、あっ、三田、村っ――」
繋がった部分を強く指で擦り上げられ、和彦は上擦った声を上げて腰を震わせる。内奥をきつく収縮させると、その感触を堪能するように三田村のものが引き抜かれ、すぐにまた挿入された。
もどかしい手つきで三田村のワイシャツのボタンを外し、上半身の素肌を露わにしてしまう。三田村の背後に回り込んだ和彦は、虎の刺青にてのひらを這わせてから、舌先を這わせる。
刺青に対してやはりいい気持ちは持てないが、こんな刺青を背負った男に求められることに、嫌悪感をねじ伏せるほどの倒錯した興奮を覚える。これは、賢吾の刺青を見たときと同じ反応だ。
もしかして自分は、刺青に対して性的に惹かれているのかもしれないと思い、和彦は小さく身震いする。
刺青の彫られた背をじっくりと舐め上げると、欲望を煽られたように、三田村の体に力が漲り、熱くなってくる。
「あっ……」
和彦は腕を掴まれ、そのままベッドに押し倒されていた。
真上から見下ろしてくる三田村のあごに残る傷跡に指先を這わせると、それが合図のようにのしかかられる。和彦は両腕でしっかりと三田村の熱い体にしがみついた。
まるでサウナのように蒸れた室内の空気に、和彦が洩らした何度目かの熱い吐息が溶け込む。
「はっ、あぁっ……、あっ、あうぅっ」
体の中が快感で満たされたようだった。それなのに、三田村はさらに和彦に快感を与えてくれる。
「うっ、あっ……ん」
熱い口腔に含まれたものを吸引され、唇で締め付けられる。内奥にはしっかりと指が埋め込まれ、和彦の官能を刺激する場所を、絶えず擦り上げていた。
ともに飼われる存在で、だけど、和彦のものである〈オトコ〉――。
そんな三田村が与えてくれる愛撫は献身的ともいえ、和彦は全身を汗で濡らしながら、無防備に身を委ねる。すでに一度、三田村の口腔に絶頂の証を迸らせ、すべて飲み干されていた。
クチュッと微かに湿った音を立て、内奥から指が引き抜かれる。三田村の愛撫の手順は覚えつつあった。
次に三田村が施してくれる愛撫は、激しい羞恥心とともに、深い官能と快楽を引き出しくれるはずだ。
両足をしっかりと抱え上げられて、すでに指で綻ばされた内奥の入り口を、柔らかく温かな感触にくすぐられる。
「んあっ」
和彦は声を上げ、シーツを握り締める。三田村の舌の動きはすぐに大胆になり、内奥の入り口を唾液でたっぷり濡らすと、浅く侵入させてくる。ビクビクと腰を震わせて、和彦は感じてしまう。自分でもわかるほど浅ましく、内奥をひくつかせていた。
「あうっ、うっ、い、い――……。気持ち、いっ……」
舌で愛されてから、再び挿入された指を必死に締め付けて喘いでいると、三田村の片手が、汗で濡れた和彦の体に這わされる。内奥で蠢く指に欲望を高められる一方で、体に這わされる手は、まるで慰撫するかのように優しい。
和彦は、三田村が望むままに乱れ、しどけない姿を曝け出していた。どんな姿であれ、三田村は何も言わず、ただ目に焼き付けるかのように熱っぽい眼差しで見つめる。その眼差しにすら、和彦は感じてしまうのだ。
「――……三田村」
甘く掠れた声で呼びかけると、やっと三田村は、張り詰めた欲望を内奥に与えてくれた。
「あっ、あっ、うああっ」
抱えられた両足を押し広げられ、腰をゆっくりと突き上げられる。柔らかく解されていた和彦の内奥は、求めていた男の逞しいものを嬉々として呑み込み、きつく締め付ける。
「感じているんだな、先生」
やっと口を開いた三田村の声には、隠せない喜びが滲んでいた。和彦は必死に両腕を伸ばし、三田村にしがみつく。
深く繋がると、三田村はゆっくりと大きく腰を動かし、内奥を突き上げ始める。力強い律動に、簡単に和彦は理性を奪われ、ただ快感を受け入れる器に成り果てる。
「んっ、んうっ……、はあっ、あっ、んくぅ……」
内奥を、微妙な角度をつけて抉るように突かれる。粘膜と襞が擦り上げられ、電流にも似た感覚が和彦の全身を駆け抜けていた。
逞しいものが何度も内奥から出し入れされ、その様子を三田村は、目を細めて見つめていた。和彦は上体を捩るようにして三田村の視線から逃れようとするが、もちろんそれは徒労に終わり、もっと乱れろといわんばかりに、三田村のものが内奥深くに打ち込まれる。
「あっ、あっ、三田、村っ――」
繋がった部分を強く指で擦り上げられ、和彦は上擦った声を上げて腰を震わせる。内奥をきつく収縮させると、その感触を堪能するように三田村のものが引き抜かれ、すぐにまた挿入された。
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