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第4話
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見られることにすら感じてしまい、悩ましい吐息をこぼした和彦は顔を背ける。そこに、しなやかな獣のように千尋が傍らに這い寄ってくる。和彦は両腕を伸ばして千尋の頭を抱き締めると、言葉を交わすより先に濃厚な口づけを交わしていた。
「んうっ」
賢吾の逞しい欲望が内奥に挿入されてくる。緩やかに腰を動かす賢吾の手に和彦のものは握り締められ、律動に合わせて上下に擦られていた。
「んんっ、んっ、んあっ」
和彦が喘ぎ始めると、千尋の唇が首筋に這わされ、肩先に軽く歯を立てられてから、胸の突起を舌先で弄られる。そっと頭を撫でてやると、顔を上げた千尋が嬉しそうに笑いかけてくる。
「――先生は本当に、うちのバカ息子に甘いな」
賢吾の言葉に、千尋が得意げに言い返す。
「羨ましいか、クソオヤジ」
「あいにく、俺も今、先生の尻でたっぷり甘やかせてもらってるからな」
そう言って賢吾に内奥を突き上げられながら、さきほど風呂場で宣告されたように、柔らかな膨らみをやや力を入れて揉みしだかれる。
「ああっ、あっ、い、やぁっ……」
和彦は声を上げ、強い刺激から逃れようとしたが、二人の男に押さえつけられているため、抱え上げられた片足を空しく突っ張らせるだけだ。
欲望で張り詰めたものを、しっかりと根元まで内奥に埋め込んで、賢吾が満足そうに笑みを浮かべる。肉を貪り食らい、口から血を滴らせているのがよく似合いそうな、凶悪で魅力的な笑みだ。
「いい、の間違いだろ、先生。尻が興奮しまくって、俺のものを食い千切りそうなほど、よく締まってる」
賢吾に柔らかな膨らみを容赦なく攻められ、内奥を突き上げられる一方で、千尋の手に胸をまさぐられ、突起を弄られる。
間断なく与えられる快感に、和彦は恥知らずな嬌声を上げて乱れていた。
唇にキスを落として千尋が身を引く。それを待って賢吾に両足を抱えられ、律動が大きく激しくなる。和彦は両腕を伸ばして賢吾にしがみついた。
「あっ……ん、んっ、んうっ……、け、ごさ……、賢吾さん――」
「気持ちいいか、先生?」
甘やかすような声で問われ、和彦は頷く。褒美だといわんばかりに、円を描くように内奥を掻き回された。そして、不意打ちのように賢吾の逞しい欲望を奥深くに打ち込まれ、これ以上なく二人はしっかりと繋がり、溶ける。
「さあ、先生が好きなことをしてやる」
そう囁いてきた賢吾に抱き締められながら、内奥に熱い精を注ぎ込まれた。
和彦は、千尋に対してそうであったように、従順に――嬉々として受け止める。そうすることが自分の義務なのだと、ごく自然に考え、体が反応していた。
和彦の二度目の絶頂を促してくれたのは、どちらの手であり、舌であったか、もうわからなかった。賢吾とも千尋とも、一つに溶け合ってしまいそうなほど濃厚に交わり、区別する必要を感じなくなっていたのだ。
「――お前は、俺たちのオンナだ」
和彦の唇を何度も啄ばみながら賢吾に囁かれる。背後から緩やかに内奥を突き上げてくるのは、衰えを知らないほど滾った千尋の欲望だ。何度となく押し開けられ、擦り上げられているため内奥は痺れたようになっているが、それでも愛されると、応えようとして懸命に欲望を締め付けてしまう。
布団に両膝をついた姿勢で小さく喘いだ和彦は、座っている賢吾の肩にすがりつく。賢吾の片手は、さきほどから和彦のものを巧みに扱き続けていた。
「そう言われるたびに、先生は傲然と顔を上げろ。性質の悪いヤクザ二人に、これ以上なく愛されて、大事にされている色男の顔を、みんなに見せてやれ。先生が卑屈になると、俺たちの価値が下がる」
内奥深くに自分の欲望を埋め込んだ千尋の手に、柔らかな膨らみを乱暴に揉みしだかれる。悦びの声を上げた和彦は腰を揺らしてから、片膝を立てて布団に座り込んでいる賢吾の首に強くしがみついた。
「……結局、自分の事情が、優先かっ……」
和彦の言葉に、耳元で賢吾が低く笑った。
「ヤクザは、ナメられたら終わりだ。それに、俺たちの価値が下がると、先生の価値も下がる。先生は、偶然知り合って、執念で手に入れた、俺と千尋の宝なんだから、いつまでも妖しく輝いていてもらわないとな。先生の面子は、そうやって保たれる。ヤクザの面子じゃなく、そのヤクザのオンナとしての面子がな」
「――オヤジは屁理屈を捏ね回してるけどさ、その点、俺はわかりやすいよ」
背後でそう言った千尋の唇が、肩に押し当てられる。
「俺は先生が好きだ。だから、離れたくない」
「ガキは単純でいい」
笑いを含んだ声で呟いた賢吾に髪を撫でられる。顔を上げた和彦は、千尋とよく似た強い光を放つ目に間近から見つめられ、従わされる。
内奥で千尋としっかり繋がったまま、賢吾とは舌を絡ませて繋がる。所有されているという充足感に、目も眩みそうな愉悦を覚えながら――。
和彦は見慣れない天井の木目を見つめながら、ほっと息を吐き出して前髪を掻き上げる。昨夜、賢吾にこの部屋に連れ込まれたときは気づかなかったが、こうして一人で休んでいると、新しい畳の匂いがすることや、障子を通して差し込む朝の陽射しが柔らかいことに気づかされる。
朝だというのに、すでにもう人の慌ただしい気配がして、会話が聞こえてくることも含めて、いい部屋だと思った。あえて、ここがヤクザの組長の本宅だということは除外して考えるなら。
夜遅くまで賢吾と千尋に交互に、もしくは、同時に体を貪られ、快感を与えられ続けたが、朝の目覚めは悪くなかった。
父子は、和彦の体を簡単に清めてくれたあと、取り替えた清潔な布団に和彦を休ませてから、それぞれの部屋に戻っていった。和彦をさんざん振り回しはしたが、それなりの配慮はしてくれたのだ。
寝返りを打ち、障子のほうを向く。にぎやかな家ではあるが、和彦が休んでいる部屋のほうまでは、誰も近づいてこない。賢吾にでも、注意されているのかもしれない。
「――ぼくの、面子か……」
昨夜、賢吾に言われた言葉を思い返して、ぽつりと呟く。
「んうっ」
賢吾の逞しい欲望が内奥に挿入されてくる。緩やかに腰を動かす賢吾の手に和彦のものは握り締められ、律動に合わせて上下に擦られていた。
「んんっ、んっ、んあっ」
和彦が喘ぎ始めると、千尋の唇が首筋に這わされ、肩先に軽く歯を立てられてから、胸の突起を舌先で弄られる。そっと頭を撫でてやると、顔を上げた千尋が嬉しそうに笑いかけてくる。
「――先生は本当に、うちのバカ息子に甘いな」
賢吾の言葉に、千尋が得意げに言い返す。
「羨ましいか、クソオヤジ」
「あいにく、俺も今、先生の尻でたっぷり甘やかせてもらってるからな」
そう言って賢吾に内奥を突き上げられながら、さきほど風呂場で宣告されたように、柔らかな膨らみをやや力を入れて揉みしだかれる。
「ああっ、あっ、い、やぁっ……」
和彦は声を上げ、強い刺激から逃れようとしたが、二人の男に押さえつけられているため、抱え上げられた片足を空しく突っ張らせるだけだ。
欲望で張り詰めたものを、しっかりと根元まで内奥に埋め込んで、賢吾が満足そうに笑みを浮かべる。肉を貪り食らい、口から血を滴らせているのがよく似合いそうな、凶悪で魅力的な笑みだ。
「いい、の間違いだろ、先生。尻が興奮しまくって、俺のものを食い千切りそうなほど、よく締まってる」
賢吾に柔らかな膨らみを容赦なく攻められ、内奥を突き上げられる一方で、千尋の手に胸をまさぐられ、突起を弄られる。
間断なく与えられる快感に、和彦は恥知らずな嬌声を上げて乱れていた。
唇にキスを落として千尋が身を引く。それを待って賢吾に両足を抱えられ、律動が大きく激しくなる。和彦は両腕を伸ばして賢吾にしがみついた。
「あっ……ん、んっ、んうっ……、け、ごさ……、賢吾さん――」
「気持ちいいか、先生?」
甘やかすような声で問われ、和彦は頷く。褒美だといわんばかりに、円を描くように内奥を掻き回された。そして、不意打ちのように賢吾の逞しい欲望を奥深くに打ち込まれ、これ以上なく二人はしっかりと繋がり、溶ける。
「さあ、先生が好きなことをしてやる」
そう囁いてきた賢吾に抱き締められながら、内奥に熱い精を注ぎ込まれた。
和彦は、千尋に対してそうであったように、従順に――嬉々として受け止める。そうすることが自分の義務なのだと、ごく自然に考え、体が反応していた。
和彦の二度目の絶頂を促してくれたのは、どちらの手であり、舌であったか、もうわからなかった。賢吾とも千尋とも、一つに溶け合ってしまいそうなほど濃厚に交わり、区別する必要を感じなくなっていたのだ。
「――お前は、俺たちのオンナだ」
和彦の唇を何度も啄ばみながら賢吾に囁かれる。背後から緩やかに内奥を突き上げてくるのは、衰えを知らないほど滾った千尋の欲望だ。何度となく押し開けられ、擦り上げられているため内奥は痺れたようになっているが、それでも愛されると、応えようとして懸命に欲望を締め付けてしまう。
布団に両膝をついた姿勢で小さく喘いだ和彦は、座っている賢吾の肩にすがりつく。賢吾の片手は、さきほどから和彦のものを巧みに扱き続けていた。
「そう言われるたびに、先生は傲然と顔を上げろ。性質の悪いヤクザ二人に、これ以上なく愛されて、大事にされている色男の顔を、みんなに見せてやれ。先生が卑屈になると、俺たちの価値が下がる」
内奥深くに自分の欲望を埋め込んだ千尋の手に、柔らかな膨らみを乱暴に揉みしだかれる。悦びの声を上げた和彦は腰を揺らしてから、片膝を立てて布団に座り込んでいる賢吾の首に強くしがみついた。
「……結局、自分の事情が、優先かっ……」
和彦の言葉に、耳元で賢吾が低く笑った。
「ヤクザは、ナメられたら終わりだ。それに、俺たちの価値が下がると、先生の価値も下がる。先生は、偶然知り合って、執念で手に入れた、俺と千尋の宝なんだから、いつまでも妖しく輝いていてもらわないとな。先生の面子は、そうやって保たれる。ヤクザの面子じゃなく、そのヤクザのオンナとしての面子がな」
「――オヤジは屁理屈を捏ね回してるけどさ、その点、俺はわかりやすいよ」
背後でそう言った千尋の唇が、肩に押し当てられる。
「俺は先生が好きだ。だから、離れたくない」
「ガキは単純でいい」
笑いを含んだ声で呟いた賢吾に髪を撫でられる。顔を上げた和彦は、千尋とよく似た強い光を放つ目に間近から見つめられ、従わされる。
内奥で千尋としっかり繋がったまま、賢吾とは舌を絡ませて繋がる。所有されているという充足感に、目も眩みそうな愉悦を覚えながら――。
和彦は見慣れない天井の木目を見つめながら、ほっと息を吐き出して前髪を掻き上げる。昨夜、賢吾にこの部屋に連れ込まれたときは気づかなかったが、こうして一人で休んでいると、新しい畳の匂いがすることや、障子を通して差し込む朝の陽射しが柔らかいことに気づかされる。
朝だというのに、すでにもう人の慌ただしい気配がして、会話が聞こえてくることも含めて、いい部屋だと思った。あえて、ここがヤクザの組長の本宅だということは除外して考えるなら。
夜遅くまで賢吾と千尋に交互に、もしくは、同時に体を貪られ、快感を与えられ続けたが、朝の目覚めは悪くなかった。
父子は、和彦の体を簡単に清めてくれたあと、取り替えた清潔な布団に和彦を休ませてから、それぞれの部屋に戻っていった。和彦をさんざん振り回しはしたが、それなりの配慮はしてくれたのだ。
寝返りを打ち、障子のほうを向く。にぎやかな家ではあるが、和彦が休んでいる部屋のほうまでは、誰も近づいてこない。賢吾にでも、注意されているのかもしれない。
「――ぼくの、面子か……」
昨夜、賢吾に言われた言葉を思い返して、ぽつりと呟く。
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