45 / 1,268
第3話
(15)
しおりを挟む
「わかった」
これだけの会話で意思疎通すると、次の瞬間には和彦の体は窓に押さえつけられ、背後から三田村に抱き締められた。和彦はその三田村の両手を取ると、自分の両足の中心と、ワイシャツがはだけたままの胸元へと導く。
「あっ」
三田村の手に、高ぶったままのものをいきなり強く掴まれる。和彦は痛みを感じるどころか、身震いするような興奮を覚え、熱っぽい吐息をこぼす。一方で、胸元もまさぐられ、和彦が促すままに突起を弄られる。
拉致されて辱められたとき、手袋越しに三田村に下肢をまさぐられ、快感を引き出された。今は直接触れられているのだと思うと、奇妙な感慨深さがあった。あのときは有無をいわさずの行為だったというのに、今は自ら求めているのだ。
三田村の手の上に自分の手を重ね、間接的に自分のものを愛撫する。三田村は、和彦が望む通りに手を動かしてくれる。
まさに、『先生の望み通りに』だ。
「はっ……、あっ、あぁ――」
本当はすぐにでも絶頂を迎えてしまいそうなのに、もっと三田村の手の感触を知りたかった。和彦は自らの快感を犠牲にして、三田村の指を取り、根元を締め付けてもらう。和彦の意図を察したのか、三田村はきつい縛めを和彦のものに施しながらも、胸の突起は甘やかすように撫で、優しく摘まみ上げる。
和彦が洩らす息遣いで、窓ガラスが白く曇る。
「……苦しそうだ。もう楽になるか?」
三田村の問いかけに、和彦は首を横に振る。まだ、この時間を終わらせたくないと思ったのだ。
「でも、すぐにでもイきそうだ、先生……」
「嫌、だ。もう少し、このまま――」
「なら、やめるか?」
この問いかけにも首を横に振ると、耳元で三田村が短く笑った。
「わがままだな、先生」
胸元を撫でる三田村の手を握り締めたのは、そのわがままを許してほしいと願う気持ちの表れだ。三田村は、和彦の手をきつく握り返してくれる。
「……本当に、苦しそうだ」
呟いた三田村に、限界まで高ぶっているものの先端を指の腹でくすぐられる。
「あうっ」
呻き声を洩らして和彦は喉元を反らし上げ、咄嗟に窓ガラスに片手を突いていた。そしてまた三田村の指に、高ぶりの根元を締め付けられる。喉の奥から絞り出すような声で鳴いていた。
「くうっ……ん、んっ、んぅっ」
耳朶に温かなものが触れた。それが三田村の息遣いだと気づいたときには、柔らかな感触がしっかりと押し当てられる。唇を押し当てられたのだ。
「それ、いい……」
この行為をやめられるのが怖くて、和彦は囁くような声で訴える。すると三田村の唇が、耳に二度、三度と押し当てられ、首筋へと移動した。身震いしたくなるような快感が和彦の背筋を駆け抜ける。
首筋に三田村の唇が滑り、ときおりそっと肌を吸われる。この頃には、和彦は欲望を制御できなくなっていた。
「あっ、うっ、うっ、もうっ――」
三田村の片腕に手をかける。自分でも、この状態から抜け出したいのか、まだ浸っていたのかわからず、惑乱する。
和彦の状態を素早く察したらしく、三田村の手が勝手に動き始め、和彦のものを再び扱き始めた。
「あっ、あぁっ、い、や……」
気持ちいいのに、それでも和彦は三田村の手を押し退けようとする。しかし、括れをきつく擦り上げられ、濡れた先端を撫でられると、抵抗は形だけのものとなっていた。
「はあっ、あっ、あうっ」
ビクビクと腰を震わせながら和彦は、三田村の手によって絶頂を迎え、精を迸らせる。
窓にすがりついて荒い呼吸を繰り返す和彦を、片腕でしっかり抱き締めながら三田村が支えてくれる。
和彦はずり落ちかけたスラックスのポケットから自分のハンカチを取り出すと、放った精で濡れた三田村の手を拭いてやる。
「先生がそんなことをしなくていい」
「……抱き締めてもらうと、ぼくが汚れるんだ」
言い終わると同時に、背後から、両腕でしっかりと三田村に抱き締められた。
「まだ一人で立てないから、あんたに支えてもらっているだけだからな」
自分たち以外の人間が聞いているわけでもないのだが、こうしている建前を和彦は口にする。三田村も応じた。
「そうだ。俺が、こうして先生を支えている」
和彦はハンカチを足元に落とすと、前に回された三田村の腕に手をかける。このとき三田村の唇が耳朶を掠めた。ゾクリとするような強烈な疼きが背筋を駆け抜ける。
絶頂を迎えたばかりで脱力感に支配されているというのに、自分でもおかしいほど、まだ体が欲情していた。
三田村の腕をぎゅっと掴んだ和彦が振り返ると、間近にある三田村の目と見つめ合いながら、吐息を触れ合わせる。このまま唇を重ねそうになったが、それを恐れたように三田村の両腕に力が込められ、骨が軋むほどきつく抱き締められた。
苦しさに小さく喘いだ和彦だが、これで欲情が散らせるならと、しばらくの間、二人はその格好のまま動けなかった。
これだけの会話で意思疎通すると、次の瞬間には和彦の体は窓に押さえつけられ、背後から三田村に抱き締められた。和彦はその三田村の両手を取ると、自分の両足の中心と、ワイシャツがはだけたままの胸元へと導く。
「あっ」
三田村の手に、高ぶったままのものをいきなり強く掴まれる。和彦は痛みを感じるどころか、身震いするような興奮を覚え、熱っぽい吐息をこぼす。一方で、胸元もまさぐられ、和彦が促すままに突起を弄られる。
拉致されて辱められたとき、手袋越しに三田村に下肢をまさぐられ、快感を引き出された。今は直接触れられているのだと思うと、奇妙な感慨深さがあった。あのときは有無をいわさずの行為だったというのに、今は自ら求めているのだ。
三田村の手の上に自分の手を重ね、間接的に自分のものを愛撫する。三田村は、和彦が望む通りに手を動かしてくれる。
まさに、『先生の望み通りに』だ。
「はっ……、あっ、あぁ――」
本当はすぐにでも絶頂を迎えてしまいそうなのに、もっと三田村の手の感触を知りたかった。和彦は自らの快感を犠牲にして、三田村の指を取り、根元を締め付けてもらう。和彦の意図を察したのか、三田村はきつい縛めを和彦のものに施しながらも、胸の突起は甘やかすように撫で、優しく摘まみ上げる。
和彦が洩らす息遣いで、窓ガラスが白く曇る。
「……苦しそうだ。もう楽になるか?」
三田村の問いかけに、和彦は首を横に振る。まだ、この時間を終わらせたくないと思ったのだ。
「でも、すぐにでもイきそうだ、先生……」
「嫌、だ。もう少し、このまま――」
「なら、やめるか?」
この問いかけにも首を横に振ると、耳元で三田村が短く笑った。
「わがままだな、先生」
胸元を撫でる三田村の手を握り締めたのは、そのわがままを許してほしいと願う気持ちの表れだ。三田村は、和彦の手をきつく握り返してくれる。
「……本当に、苦しそうだ」
呟いた三田村に、限界まで高ぶっているものの先端を指の腹でくすぐられる。
「あうっ」
呻き声を洩らして和彦は喉元を反らし上げ、咄嗟に窓ガラスに片手を突いていた。そしてまた三田村の指に、高ぶりの根元を締め付けられる。喉の奥から絞り出すような声で鳴いていた。
「くうっ……ん、んっ、んぅっ」
耳朶に温かなものが触れた。それが三田村の息遣いだと気づいたときには、柔らかな感触がしっかりと押し当てられる。唇を押し当てられたのだ。
「それ、いい……」
この行為をやめられるのが怖くて、和彦は囁くような声で訴える。すると三田村の唇が、耳に二度、三度と押し当てられ、首筋へと移動した。身震いしたくなるような快感が和彦の背筋を駆け抜ける。
首筋に三田村の唇が滑り、ときおりそっと肌を吸われる。この頃には、和彦は欲望を制御できなくなっていた。
「あっ、うっ、うっ、もうっ――」
三田村の片腕に手をかける。自分でも、この状態から抜け出したいのか、まだ浸っていたのかわからず、惑乱する。
和彦の状態を素早く察したらしく、三田村の手が勝手に動き始め、和彦のものを再び扱き始めた。
「あっ、あぁっ、い、や……」
気持ちいいのに、それでも和彦は三田村の手を押し退けようとする。しかし、括れをきつく擦り上げられ、濡れた先端を撫でられると、抵抗は形だけのものとなっていた。
「はあっ、あっ、あうっ」
ビクビクと腰を震わせながら和彦は、三田村の手によって絶頂を迎え、精を迸らせる。
窓にすがりついて荒い呼吸を繰り返す和彦を、片腕でしっかり抱き締めながら三田村が支えてくれる。
和彦はずり落ちかけたスラックスのポケットから自分のハンカチを取り出すと、放った精で濡れた三田村の手を拭いてやる。
「先生がそんなことをしなくていい」
「……抱き締めてもらうと、ぼくが汚れるんだ」
言い終わると同時に、背後から、両腕でしっかりと三田村に抱き締められた。
「まだ一人で立てないから、あんたに支えてもらっているだけだからな」
自分たち以外の人間が聞いているわけでもないのだが、こうしている建前を和彦は口にする。三田村も応じた。
「そうだ。俺が、こうして先生を支えている」
和彦はハンカチを足元に落とすと、前に回された三田村の腕に手をかける。このとき三田村の唇が耳朶を掠めた。ゾクリとするような強烈な疼きが背筋を駆け抜ける。
絶頂を迎えたばかりで脱力感に支配されているというのに、自分でもおかしいほど、まだ体が欲情していた。
三田村の腕をぎゅっと掴んだ和彦が振り返ると、間近にある三田村の目と見つめ合いながら、吐息を触れ合わせる。このまま唇を重ねそうになったが、それを恐れたように三田村の両腕に力が込められ、骨が軋むほどきつく抱き締められた。
苦しさに小さく喘いだ和彦だが、これで欲情が散らせるならと、しばらくの間、二人はその格好のまま動けなかった。
52
お気に入りに追加
1,391
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる