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第二章、闘技場バトル編

87、聖剣アスタリスク。

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戦いが終わり、俺達は一段落ついていた。

「コウ君お疲れ様。」

「あぁ。アルトもお疲れ様。
本当アルトが居なかったら今回はヤバかったな。」

「いやいや!皆が居たから乗り越えられたよ。皆ありがとう。」

アルトは皆に礼を言う。
礼を言った中にも第1王子ウィリアムに居た。
だがウィリアムは気まずそうな顔をしていた。

それはそうだろ...。
でも、ウィリアムが居なかったら今回の勝利はなかったと思う。

そして、アルトはヘンリーの両足の怪我をヒールで治した。
俺が折ったから俺が治せば良かったのだが、
これ以上俺には迷惑はかけられないと言われたから俺も引き下がった。

そして、次々と観客達も起きてくる。
皆何があったか分からない様子だった。

ヘンリーはまだ気絶している。
精神にかなりの負担がかかっているから起きても普通の思考でいられるのかはまだわからなかった。

そして、リングアナウンサーも起きてきて、

「ハッ!?私は何を...。」

リングの上には俺と倒れているヘンリー、そしてヘンリーの側にいる第一王子ウィリアム。そしてアルトが居た。
アルトが王子って知っているものはほとんど居ないが...。
その状況にアナウンサーはパニックになっている。すると、

「私はレオンハート第一王子のウィリアム・フォン・レオンハートだ。」

観客はざわざわする。
それはそうか...。
この場にわざわざ第一王子が来るなんて事はない。
皆ウィリアムの話に耳を傾けた。

「今回の決勝戦はここにいる。コウ・タカサキの勝利である。
私はこの目でハッキリ見た。
信じられないものは、この後モニターにて録画されている映像を見るといい。
そして、私とコウ・タカサキのパーティー以外外部からの者に洗脳魔法をかけられていた。
それを救ったのもこちらのパーティーだ。
我が国レオンハートの名に置いてこの者達を表彰したいと思う。どうだろうか、皆の衆!?」

オォォォーーー!!
すごい観客が沸いている!
そして、録画されている映像がモニターに映し出される。
観客は息をのみ、モニターを見つめる。
そして、映像が終わるとまた一段と盛り上がった。
英雄だ!!英雄の誕生だ!!
誰かがそう言うと英雄コールが鳴り止まなかった。
そして、王様が降りてくる。

「コウ・タカサキ。
この度は我が国を救ってくれて感謝する。
優勝者のご褒美として聖剣アスタリスクを受け取ってくれ。」

俺は王の前で膝をつき聖剣アスタリスクを受けとる。
すると、聖剣アスタリスクは淡く発光した。
脳内で言葉が流れる


(お兄さん、やっと逢えたね。)
(うん。やっと逢えた。)

(ずっと待ってたんだよ。)
(本当に長かったね。)

ずっと俺を待っててくれたのか...?

(うん。そこでなんだけど...)
(契約してもらっていいですか?)

あぁ...。それはもちろん!

(やったね!アスタ!)
(うん!やったね!リスク!
それではお兄さん、魔力をめい一杯込めて私たちの名前を読んで!!)

俺は言われるがまま、魔力をめい一杯込めて聖剣の名を呼ぶ。

「俺と供に来い!!アスタリスク!!」

俺がそう言うと聖剣アスタリスクは激しく光を放つ。
そして、形を変えていく...。

純白に輝きスラッと延びた刀身...。
これは剣と言うより刀...日本刀だな。
俺の手には2本の日本刀が収まった。

(お兄さんの使いやすい様に形を変えたの!)
(えらい?えらい?)

あぁ...。
偉いな。ありがとう。アスタ。リスク。

そう誉めるとアスタリスクは喜んで刀身の輝きがより一層強くなった。

「こ、これが聖剣の本来の輝き...。」

そして、王はアルトの方を向く。
アルトは気まずそうに下を向いた。

「アルト...。この度は感謝する...。
我が国を、わが民を救ってくれて...。」

「....いえ。一介の冒険者にそのような言葉ありがたく存じます。」

「うむ。そして、アルトよ。なぜにお前は我が聖剣クラレントを持っているのだ...。」

王の神妙な声にその場は緊張感で包まれる。

「そ、それは...。」

聖剣に選ばれましたぁ~!!いえい!とか、
聖剣が俺を呼んで居た...。フ...。
なんて言える空気でもアルトはそんなキャラでもない。
アルトは必死に言葉考えているようだった。
すると、

「アルトに聖剣を持っていったのは私です。」

「ウィリアム...。それは何故か?」

「聖剣クラレントからの意思でアルトに届けるように言われたのです。」

「主も。剣の声を聞いたのか...。」

「はい...。そして、アルトに聖剣を渡すことでコロシアム全体にかけられた洗脳魔術100%解けると...。」

「なるほど...。わかった。聖剣クラレントはアルト、お主に譲ろう...。」

「そ、それは!?」

突然の王の言葉に驚くアルト。

「不満か...?」

「い、いえ。」

「まぁよい。明日は王宮で正式な授与式とパーティーに参加してもらう。以上この剣舞際を閉幕する!!」

そう言うと観客は盛り上がりを見せた。
そして、俺たちは王様達が去った後、その場を後にした。
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