83 / 93
第二章、闘技場バトル編
83、大規模洗脳魔法。
しおりを挟む決勝戦当日。
俺は闘技場に立っていた。
目の前には第二王子ヘンリー。
相変わらず無表情の顔をしている。
そして闘技場の上の方を見ると、この国レオンハートの王であるオーガイと第一王子や重鎮までもこちらを見ていた。
あることに気付く...
王であるオーガイも洗脳されている事に...。
俺は直ぐ様ヴォイスに伝えた。
ヴォイスから聞いたアルトは複雑そうにな顔をしていた。
そして闘技場の横には、
光輝く聖剣アスタリスクが飾られてた。
眩しいな...。
ってかあの剣、俺に向かって光を飛ばしてないか?
そんな事あるわけないか...
そして、辺りをを見渡すがカマエルがいる気配がない。
ひょっとして俺の杞憂か?
それならばいいんだが...。
「これよりレオンハート王国剣舞祭の決勝戦を始めたいと思います!!
Bランク冒険者コウ・タカサキ!!
そして我が国第二王子ヘンリー・フォン・レオンハート!!」
オォォーー!!
決勝戦は今までの数倍の熱気が伝わって来た。
「尚、優勝者にはあちらにある聖剣アスタリスクと剣聖の称号を授与されます!
果たして、どちらが勝つのか?
いざ、尋常に始め!!」
カーン!!
ゴングと同時にヘンリーが『瞬歩』のスキルでで俺のそばに寄ってくる。
「見えているんだよ!」
俺は同じく『瞬歩』で距離をとる。
俺の方が早かったらしくヘンリーの手刀は空を切った。
俺を普通と思ってるなら大違いだぞ...。
ヘンリーは何事も無かった顔で剣を抜き始めた。
俺もそれを見て双剣を抜いた。
2人同時に走り出す!
お互いの剣技に火花があちらこちらに飛び散った。
闘技場の遥か上空。
「ほう...あれがコウ・タカサキか...。」
「ど、どうですか?」
「報告以上にいいじゃないですか...。
まだまだ力を隠していますね。
ルシフェルが手傷を負わされただけはある。
カマエル。あの器は必ず持ってきなさい。
失敗は許されませんよ。いいですね。」
「...承知しました。」
「かと言って万が一がありますからね...。」
「な、何を...。」
「スタジアム全体に洗脳魔法をかけます。」
「こ、この規模にですか?」
「私を舐めているんですか?」
「め、滅相もないです。」
カマエルは冷や汗をかく。
この規模を?何万人だと思っているんだ...?
ば、化け物め...。
大きな魔方陣がいくつも重なっていく...
▼▼▼▼▼▼
なんだこの気配...。
俺はヘンリーと剣を交わらせながら辺りを探った。
上か!?異様な気配に気づいた俺は、
ヴォイス!!
何か大きな魔法が来る結界を!
(承知しました!マジックバリア!!)
アルト達の回りに結界が張られた。
▼▼▼▼▼▼▼
「広範囲精神操作。」
そう唱えるとコロシアムにドーム型の結界が出来た。
「この中に居る者達を洗脳させた。
権限はカマエル。お前にしておいたぞ...。
まぁ、コウ・タカサキは無事だろうが...。」
「この規模の魔法を一瞬で...。」
「カマエル。後は大丈夫だろうな...?」
「は、はい。後はお任せ下さい。」
「ではな、報告を楽しみにしているぞ。」
そう言うとどこかに飛んでいった。
「クソッ!忌々しい!俺一人でも出来たのに...。まぁ、せっかくだし利用させてもらうか。」
そう言ってカマエルはゆっくりと下降した。
▼▼▼▼▼▼
上空から大魔法がクソ...。
「マジックバリア!」
俺は自分にマジックバリアをして防いだ。
そして、辺りを見渡しても被害はない...。
攻撃魔法ではない...?
しかし、何かおかしい...
さっきまで盛り上がっていた会場がシーン静まっている。
リングアナウンサーも顔に生気がない...。
「ま、まさか!?」
俺は辺りを鑑定した。
すると全員洗脳されている...。
みんなは!?
良かった...。なんとか防御が間に合ったみたいだ。
しかし、どうする?
この人数はの洗脳を解除するのはさすがにキツいぞ...しかも、大半一般人だしな...。
そんな事を思っていると、
「ふははは。戸惑っているな。コウ・タカサキ!」
上空を見渡すとそこにいたのはカマエルだった。
「お前の仕業か...。」
「だったら、なんだ?こんな事しなくてもお前には勝てたのだがな...。」
やっぱりお前か...
何かしてくると思ったがまさか大規模洗脳だったなんて...。
逃げるわけには行かない。
どうする?どうすればいい?
(マスター。アルトが大規模魔術を使うそうですが時間稼げますか?)
大規模魔術?
(何でも全員の洗脳を解く魔法らしいんですが...)
行けるのか?
(成功確率は20パーセントらしいです。
魔力が足りるかどうか...。)
なるほど...。
でもそれに賭けるしかないか...。
俺もヘンリーとカマエルの相手をしなきゃ行けないから頼んでもいいか?
(わかりました!
洗脳されている人達からの守りは任せて下さい。ボロックも居ますし。
なんとか魔法が完成するまで時間を稼ぎます。)
頼む...。
俺は念話を切ってカマエルとヘンリーを相手に剣を構えた。
「やる気があることは良いことだね。
コウ・タカサキ。お前生意気だよ。」
「そりゃどうも...。」
カマエルの殺気に反応してヘンリーも俺に殺気を放ってくる。
あはは...これは...ヤバイかも...
そう思った瞬間カマエルが俺に攻撃を仕掛けてきた。
俺は真っ正面から剣を振ってくるカマエルの剣を受け止める。
お、重い....。
すると後ろから気配が。
ヘンリーが後ろから斬りかかってくる。
俺はもう片方の剣で防ぐ。
2人の力に押し込まれていく...
「身体能力向上×5!!」
俺は身体能力をあげて押しきって防いだ。
「ほう...。中々やるな。コウ・タカサキ。」
「そりゃ、どうも...。」
それから2人の攻撃を何回も防いでいく。
その中、アルト達は洗脳されている一般人に押し込まれていた。
ボロックは殺さないように力で押して、リアとラテは風魔法を使って壁を作ってた。
かなりキツそうだった。
なぜなら、観客を誰一人殺さないと言う制限があるのだ...
その頃王族達が観戦するVIPルームにて...
「どうなっているんだ...。これは...。」
そこには、洗脳されなかった男が居た。
それは第一王子ウィリアム・フォン・レオンハートだった。
闘技場では2体1で戦っている姿と、
一般の観客が一角の冒険者達を襲っている光景を目にしたのだった。
「父上!!これはどういう事ですか!?」
声を荒げて国王に聞く。
しかし、返事がない。
顔を見ると無表情に闘技場を見ている、他の者達もそうだ...。
一言で言えば生気がない。
何が起きている?
そして、なぜ俺だけは無事なのだ...?
(それは、私が結界を貴方に施したからですよ。)
いきなり声が聞こえた...。
「誰だ!?」
辺りを注意して見渡すが誰も居ない。
「何だ、幻聴か...。」
(幻聴ではありませんよ。)
また聞こえてきた。
俺はまたキョロキョロして周りを見る。
(私の名前は聖剣クラレント。第一王子貴方にお願いがあります。)
聖剣クラレント...。
父上が腰に携えている剣の事だ。
ウィリアムは驚いている。
聖剣が意思を持っているなんて知らなかったからだ。
そして、その聖剣から頼み事をされる。
よっぽど何かが起きている事なんだろう。
(時は一刻を争います。
あそこの観客席にこの国の第三王子アルト・フォン・レオンハートが居ます。)
「な、何だって...アルの奴がここに...。」
(彼に私を持っていって下さい。
そうすればこの大規模洗脳魔術が解けるハズです。)
「洗脳魔術...。だから父上達も返事がないのか..」
(時間が無いのです。
今アルトは大規模な解除な魔法を構築してます。
今のままだと失敗する可能性が80パーセントなんです。
お願いします。この国の命運がかかっているのです。)
アルがこの国の為に...。
俺はこの国の何が出来る?
俺が今出来ることは聖剣をアルに届ける事だ!
「わかった!!アルの元に届けに行く!!」
(ありがとうございます!
ここを出ると兵士達や観客達が襲ってきます!相手にしている時間はありません。
なんとか潜り抜けて下さい。)
「任せろ!!」
第一王子ウィリアムは国王オーガイから聖剣を取り、アルトの元に向かって走ったのだった。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
異世界営生物語
田島久護
ファンタジー
相良仁は高卒でおもちゃ会社に就職し営業部一筋一五年。
ある日出勤すべく向かっていた途中で事故に遭う。
目覚めた先の森から始まる異世界生活。
戸惑いながらも仁は異世界で生き延びる為に営生していきます。
出会う人々と絆を紡いでいく幸せへの物語。
マスターズ・リーグ ~傭兵王シリルの剣~
ふりたけ(振木岳人)
ファンタジー
「……あの子を、シリルの事を頼めるか? ……」
騎士王ボードワンが天使の凶刃に倒れた際、彼は実の息子である王子たちの行く末を案じたのではなく、その後の人類に憂いて、精霊王に「いわくつきの子」を託した。
その名はシリル、名前だけで苗字の無い子。そして騎士王が密かに育てようとしていた子。再び天使が地上人絶滅を目的に攻めて来た際に、彼が生きとし生ける者全ての希望の光となるようにと。
この物語は、剣技にも魔術にもまるで秀でていない「どん底シリル」が、栄光の剣を持って地上に光を与える英雄物語である。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
半分異世界
月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。
ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。
いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。
そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。
「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる