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第二章、闘技場バトル編
65、一緒に寝てもいいですか?
しおりを挟むヤバイ...ドキドキする...
今部屋にはヴォイスと2人きり...
妙な緊張感が部屋中に漂っていた。
「マ、マスター。」
「な、なんだ?」
「なんだかこう対面で話すと緊張しますね...。」
「そうだな...。」
ここでまた、会話が途切れる。
なんか話のネタはないのか?
こんなときに限って緊張で思考がグチャグチャで出てこない...
ヘタレが発動してしまったようだ。
「マスター。ありがとうございます。
身体を頂いて。
料理がこんなに美味しいと思わなかったし、
皆と話せることがこんなに楽しいとは思いませんでした。本当に感謝します。」
「あ、あぁ。全然いいよ。
これからも一杯美味しいもの食べて、
皆と楽しく話したり冒険したりして行こうな。」
「はい!それでなんですけど...」
「どうした?」
「私の元々のスキルが全部こっちに来たみたいで、分離しているときは収納と鑑定は私がしますね。
後、戦闘に関してはマスターの魔力で動いてますのでマスターの劣化版だと思ってください。もし、ルシフェルの様な強敵が現れた場合、
同化することでワタシに蓄えられた魔力が戻りますし、ミア様の魔力も上乗せされる様なのでパワーアップ出来るようです。」
「そうなのか...。って同化も分離も出来るのか!?」
「はい!ただマスターがフルパワーの時に同化すると魔力量が越えてしまって何が起こるか分からないので気を付けてください...」
「わかった。気を付ける。」
これがヴォイスがこの身体のままコウと一緒に居たいが為の嘘だとコウは気がつくはずも無かった。
ただそのお陰でヴォイスに魔力が無尽蔵に貯まっていく事になるのだが、2人とも気付いてはなかった。
「マ、マスター。い、一緒に寝てもいいですか?」
「え!?ちょ、ちょっと待て!」
二人はもつれ合ってベッドに倒れ込んだ。
ヴォイスの顔が目の前にある。
いいのか...?
いやいや、ダメだろ。
しっかりしろ俺。
俺にはミアが居るじゃないか!!
気持ちをしっかり持て!
「マスター...私じゃダメですか?」
やめろって...
そんな上目遣いされたら俺は...
「ミア様にはちゃんと報告しています。
マスターが他の女性に行かないようにちゃんと相手をするようにと言われてますので大丈夫です。」
そう言われた瞬間。
俺の理性が飛んだ...。
聞こえてくるヴォイスの息づかいに、舌を絡み合う2人。
互いに何かを埋め尽くすように何度も何度も交わった。
そして、コトが終わったら俺とヴォイスは疲れ果ててそのまま眠りについた。
「マスター。朝ですよ。起きてください!」
「うーん...後5分...」
「ダメです!みんなに置いて行かれますよ。」
「うーん...」
「マスター!!いい加減にしなさい!」
「す、すいません!!」
俺はヴォイスの大声で飛び上がるように起きた!!
と、同時にヴォイスの顔を見ると昨日のコトを思い出して恥ずかしくなってくる。
ヴォイスも目が合うと少し恥ずかしそうにしていた。
俺は恥ずかしさをよそに準備した。
「準備出来たぞ!!」
「はい!マスター!今日も格好いいです。」
「やめろよ~。恥ずかしいじゃん...」
「本当ですもん...私も言ってて恥ずかしいんですよ...」
あぁ...
恥ずかしがってる姿が可愛い...
でも...ミアの事を考えると背徳感でいっぱいになってしまうがヴォイスの言ったことを信じよう。
「よし、みんなと合流するぞ。」
「はい。」
俺達は泊まってるホテルのエントランスに向かった。
アルト達は待っていた。
「アンタ達、遅いわよ!!待ちくたびれたじゃない!」
「リア!そんな事言わないの!待ったのなんて1、2分じゃないか!」
「そうよ。時間なんて決めてなかったんだから良いじゃない。」
朝から皆元気だった。
俺達は軽く朝食を食べて、王立魔法図書館に向かった。
リアに延々と昨日何があったの...?とかニヤニヤと根掘り葉掘り聞いてくるから、たまったもんじゃない...
ヴォイスもそんなにモジモジしてたらバレバレだちゅーの!
そんないつも通りに和気あいあいに歩くコウ達に視線を送る影があった。
「あ、あれはアルト様...?
何故王都に戻ってこられた?それにアルト様に馴れ馴れしい冒険者達は一体何者だ...?」
王都で何か始まろうとしているのかもしれない...
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