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第一章、モテない冒険者編。

58、裏切者と黒幕。

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歓喜に湧いた食卓を終えて、皆が帰り食器を洗って俺は部屋に入った。

(楽しそうで良かったですね。)

あぁ...。本当に楽しかったな。
こんな日が続くようにもっと頑張らないとな...。

(そうですね...。マスター...、

話さないと行けない事があります...。)

アイツ、いやルシフェルが言ってた事か...。

(はい...。)

あの時ルシフェルは言ってた裏切り者と黒幕についての話か...?

(そうです...。
まず、今回の黒幕は神の1部だと思われます。
元々、神は善悪と言う感情はもっていませんでした。しかし、長い...本当に長い間... 、人間を見ていた事により善悪の感情が芽生えてしまったのです。
そこにマスターがやって来て、ワタシを授けた。
ワタシはこれ以上、神が係わるとマスターに危害が出ると考えて神との分離させました。
結果は成功しました。
しかし...その時にマスターの身体から神から悪の部分だけが外に出てしまったのです。
形もなく真っ黒な部分だけが出たのですが...。)

それがルシフェルの主ってことか...。

(おそらく...)

それで悪の部分の神はヴォイスを裏切り者と...

(はい....)

ふざけんな...。どこまでも勝手な。
俺はどんなことしても守る。
ヴォイスもアルト達も俺に関わってくれた人達全て!神を倒すことになっても!ヴォイス手伝ってくれ!

(はい!どこまでもマスターに付いていきます!)

俺とヴォイスは決意を新たにした。

翌朝、俺とアルトはデューク師匠に聖魔法教わるべく、早起きして朝食を食べて師匠の家に向かった。と言ってもお向かいさんだが。

コンコン!

「師匠!おはようございます!」

しばらくすると玄関が開き、

「あぁ。おはよう...。お前ら早いな...ちょっと待ってろ。すぐ仕度してくる。」

ボサボサの髪でお腹をポリポリと掻いてデュークは起きてきた。本当に剣聖なのか?と疑いたくなる格好だ。

そして、待つこと10分。

「待たせたな。こんなに早く来るとは思わなかったぜ!とりあえずお腹空いたな...」

「そう言うと思ってコウ君がこれ用意してくれました。」

「これは?」

「携帯食のサンドイッチです。パンに野菜とオークの肉の照り焼きを挟んだ物ですね。」

「気が利くな!サンキュー!早速一口...」

パクッ。


モグモグ。


「.....旨い!!なんじゃコリャ!!
コウ!お前さ...冒険者辞めて料理人になった方が良くない?これ売ったら儲かるぞ!!」

真剣な表情で語る師匠が怖いわ...
まぁ、でも歳を重ねてのセカンドライフにはいいかも...。そんな事を考えてる間に師匠はあっという間食べた。

「ご馳走さま!美味しかった。」

「お粗末様でした。それで師匠。今日はどちらで聖魔法教えてくれるんですか?」

「どこでって言われてもな...?
そこら辺の空き地でいいんじゃないか?民家から離れてるし、迷惑掛からないと思うし。まぁ達人は場所を選ばないって言うしな。」

「ま、まぁそうですけども...」

そんな適当で本当に大丈夫なのか?

「アルトはこれを読んで聖魔法の知識を深めてくれ。読み終わったら聖魔法のコツを教える。」

そう言ってアルトにレポート見たいのを、渡す。
「はい!師匠。」

「あの、俺はどうすれば...?」

「コウは俺と模擬戦だな。ミヨウミマネのスキルで盗んでくれ。とりあえず俺を鑑定しろ。じゃないとスキル発動しないだろ?」

「は、はい。じゃぁ、失礼します....。

鑑定・全。」

俺は師匠を鑑定した。驚愕のステータスの高さだった。


デューク・オストラル(33)LV130

職業/剣聖

・HP12200・MP9800

ユニークスキル

「ソードマスター」

スキル
・鑑定大・聖剣術・聖光気
魔法
・聖魔法・炎魔法・回復魔法


俺は気になったユニークスキルの「ソードマスター」の説明文を見て見る。

ソードマスター

・この世界に存在するあらゆる剣を使いこなすことが出来る。そして、その剣の効果を最大限引き出す事が出来る。唯一の者。
この世界で一人しか存在しない神から与えられた最強のスキル。

いやいやいや...俺が見ちゃったら二人目になっちゃうけど良いのかな....?
最初は劣化版だからいいのか?うーん、わからんな...

(いいんじゃないんですか?こういうのって神の気まぐれみたいなが所ありますから。)

そう言うもんかね...。

「見たか?」

「は、はい...いいのですか?俺に見せても...」

「減るもんじゃないし、良いだろう!それに俺も後継者が出来て嬉しいしな。」

「そ、そうですか...。」

「じゃあ、これを持て。」

そう言うと師匠は刃の潰れた剣を渡してきた。

「実践方式で行くから。気を抜くなよ!」

「はい!お願いします!」

こうして、師匠と俺達の地獄の修行は始まった。
地獄を味わうのは、主に俺だけとはこの時は知る由も無かったのだった。
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