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第一章、モテない冒険者編。
48、武器が出来るまでの十日間。
しおりを挟む「こ、これは!」
「ソーマどうしたんだ!?良いものだったか?」
「良いもの所じゃないよ!オリハルコンだよ!オリハルコン!!初めて見た!」
「そんなに貴重な物なのか!」
「当たり前じゃないか!伝説級だよ!
だだオリハルコンの成分が入ってるだけだから分離して注出させなきゃだから相当時間かかるけど...。あのさ、頼みがあるんだけど...」
「欲しいんだろ?いいよ!その代わり無事に注出が出来たら武器を作って欲しい!伝説になるような武器を!」
「そんなのお安いご用さ!買い取り値段だけども...」
「それもいいよ!武器を作ってもらうだけで俺は嬉しいし!」
「本当にいいの?これオークションとかに出せば、一生遊んで暮らせる額位にはなるけど...」
「男に二言は無い!もってけ泥棒!」
「泥棒とはヒドイ言い方だね...。なら今回の武器代とこのオリハルコンの武器代って事で良いかな?」
「ほんとか?ソーマ!ありがとう!!本当助かるよ!なんせ金欠でさ...」
「聞いてるよ...。ラテもちょっと調子に乗せすぎたって言ってたし、英雄様だっけ!本当コウは英雄に見えてくるよ!」
「よせやい!照れるじゃねーか。テヘヘ。」
(照れるな!!こっちはまだ許してないからね。)
アブね...
また調子に乗るところだった...
調子に乗ろうとして、すいませんでした!
(宜しい...その調子でお願いします...ププ!)
ヴォイスさん...
絶対楽しんでるよね?
「よぉし!気合い入ってきたぞ!ゴングこのオリハルコン作業部屋に運べる?」
「だいじょぶだ!よいっしょっと!」
ゴングは3メートルもあるオリハルコン入りのこん棒を軽々もって作業部屋にいった。
マジか...
俺でも持ったときはけっこう重かったのに...
ゴングいつの間にあんな力が付いたんだ?
(マスターと数々のダンジョン行ってレベルがかなり上がってますからね。力だけならマスターを越えてると思います。)
みんなレベルアップしてるんだな...
俺も負けてはいられないな!
(そうですね。マスターは「闇纏い」を制御出来るように....ハッ!普通に喋ってしまった...)
良いじゃないか...
もう許しておくれよ...
(しょうがないですね...今回は許します。)
ヴォイス。ありがと。
(コホン!「闇纏い」の制御の練習しましょう!)
わかった!
「ソーマ!新しい武具はいつ頃できる?」
「そうだね!後10日って感じかな?」
「わかった!その頃取りにくる!」
「うん!わかった!期待しててね!」
「あぁ!」
俺はノースフォックス武具店を出て練習出来る場所を探した。
やっぱり街の外だよな...
(そうですね。手頃なモンスターを狩りながら練習しましょう!)
俺は街を出て気配察知でモンスターを探したが、モンスターが怯えて全然出てこなかった。
結局、モンスターと対峙することなく、一人で「闇纏い」練習をした。
1日目
かなり長い時間「闇纏い」を発動することができた。しかし、精神にかなり負担が来る。
ヴォイスに制御してもらってるのにこれだ...
ヴォイスはもっとキツいのかもしれない...
暗くなってきたので宿屋に戻った。
すると、アルト達が食事を取っていた。
「あっ!コウ君お疲れさま!」
「おう...」
良かったハブられてる訳じゃなかった...
俺は嬉しさのあまりちょっと涙ぐんだ。
「アンタ泣いてるの?キモいんだけど!
まさかハブられたとか思った?ウケる!」
うるせー!
思ったよ...悪いか...
「コウ君。置いていってゴメンね。
先の戦いで僕たちはまだまだ未熟だって気づいてコウ君抜きでも戦えるって証明したかったんだ!
もっと強くならないとコウ君の背中を守れない気がしてさ!」
「俺の方こそ気にしてやれず悪かった...」
「何言ってるの?コウが居なかったら私たちは、とっくにお陀仏だったんだから感謝するのは私たちだよ。」
「ラテ...」
「英雄様はドシッと構えてなきゃね!
私たちが支えるから!」
「そうよ!
このワタシ達が支えてあげるんだから感謝しなさい!」
「リア...」
「と言うことで暫くは別行動とるけど良いかな?」
「あぁ!アルト無理だけはしないでくれよ。」
「分かってる。
でもコウ君には言われたくないけどね...
いつも無理しすぎだし...」
「そうだな...俺もみんなに心配かけないいように強くなるよ!そう言えばゴングは?」
「ゴンさんならしばらくソーマさんの元で泊まるって言ってたよ!」
「そっか。じゃぁこれからの俺たちに乾杯しようか!」
「そうだね!」
「「乾杯!!」」
楽しい食事会&決起集会が終わり俺は部屋に帰ってきた。
(良かったですね。ハブられてなくて。)
あぁ...
本当に良かった...
(マスターって案外ナイーブですよね...)
そうだな...
みんな強くなろうとしてるから俺たちも強くならないと...
(はい!精一杯フォローしますね!)
ありがとう...
ヴォイスこれからも宜しく頼む。
(任せてください!)
おやすみ...ヴォイス...
(おやすみなさい....)
俺はまぶた閉じ眠りについた。
2日目、
街の外の草原地帯
またモンスターは居ない...
モンスターもビビりすぎだろう...
まあ、そんな事考えてもしょうがない...
集中だ...集中...
「闇纏い」の闇を少し自由に動かせるようになってきた。相変わらず精神的負担はでかい...
3日目、
闇をかなり自在に動かせるようになってきた。
コツを掴むと案外簡単だ。
精神的にも余裕が出来てきた。
4日目、
もう自在に扱えるようになった。
そこでふと思ってしまった。
闇って言うくらいだから夜にやった方が良くないか...?
その答えは否だった。
闇の出力が大きすぎて昼間の闇を自在に扱えないとすぐ闇に呑み込まれて自我が崩壊するらしい...
めっちゃ危険な事してないか...?
ヴォイスには(マスターなら大丈夫です!)の一点張りだ。ヴォイスを信じよう。
5日目、
今日からは夕方から練習するようになった。
急に闇の出力が上がり制御が難しくなった。
最初から夜に練習しなくて良かった...
マジで...
6日目、
今日も練習は夕方からだ。
昼間は何をしてるかって?
昼間は暇だからノラ猫亭の厨房でバイトをしている。
料理長の料理のスキルをミヨウミマネで会得して、ランチでは大活躍してるのであった。
7日目、
夕方から夜に掛けて「闇纏い」の練習続行中。
夜になると流石にモンスターが現れるが俺の敵ではない。
闇の力の制御為に生け贄になってもらった。
8日目、
夜から闇の力の制御に没頭中!
闇が広がってる範囲30メートルが自分の範囲になった。全て手に取るように分かる!
夜営とかしたときにすごく便利だろうな。
9日目、10日目はノラ猫亭の厨房のバイトだ。料理長の奥さんが産気付いたので急遽夜もバイトに入った。料理長の子供も無事に産まれた。良かった良かった。
武器が出来るまでの長い10日間がこうして過ぎてったのだった。
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