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第一章、モテない冒険者編。

31、契約の儀、始めますぅぅ。

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クイーンアントを倒し俺達は神秘の泉についた。そこには精霊族の長マーリンが嬉しそうに待っていたのだ。

「お帰りなさい。
リアから念話で報告を聞いておりました。
これで、ここら辺一帯も安心です。本当にありがとうございました。」

「いえいえ。力になれたなら良かったです。」

「私達の家族達が守られたんです。本当にありがとうございます。こちらがお礼の泉の水が入った魔法の瓶になります。これはここの泉と繋がってるので傾けると無限に泉の水が出て来る品物です。」

そ、そんなに凄いものをアッサリと...。と俺は驚きつつ礼を言う。

「あ、ありがとうございます。」

魔法の瓶を受け取って収納した。

「そして、コウ様。こちらに来てください。」

マーリンに言われるがまま側に行くと、マーリンの手が俺の頭を触った。すると淡い光に全身が包まれた。

「これで、鑑定全をコウ様に付与しました。
隠蔽の指輪を持ってたとしてもこれからは全て見れます。ただし、任意で発動しないとダメですので、コウ様のオリジナルとは別になります。後、これが隠蔽の指輪です。」

指輪を受け取った俺は早速装備をした。

「これで、鑑定全を持ってる人以外はコウ様のステータスが見れなくなりましたね。
しかし、人外の者には指輪の効力は効かないのでご注意ください。」

「解りました。ありがとうございます。」

俺達は挨拶をして帰ろうとしたとき、リアが話しかけてきた。

「あ、あの、アルト様...。
私と契約を結んでくださいませんか?私はアルト様と離れたくありません...。」

「リ、リアちゃん、何を言って...。」

「いいのですか?リア。契約を結ぶと言う事は...」

「いいの!!ママ!私は本気なの!」

リアはマーリンの言葉をさえぎって話した。

「私はこの広い世界を見に行きたいの!好きな人と世界を回るのが夢であり、私の「ロマン」なの!」


あ...。
そのロマンワードはアルトに刺さる言葉だ...。俺の予想だと...。

「行こう!リアちゃん!
共にロマンを感じに!!」


やっぱりな...。
こうなると思いました...。
俺はそれでアルトが強くなるなら、全然いいけどね...。そう、全然いいんだけどね...。

(マスター...。
何で俺じゃないんだろうって、思ってるのバレバレですよ...。)

うるせー...。
どうせ俺は精霊にもモテませんよーだ。

「ママ!いいでしょ?
私ちゃんと立派にやるから!お願い!」

「マーリンさん!僕からもお願いします!」

「はぁ...恩人のアルト様に言われたら仕方ありませんね。ちょっと強引でワガママな娘ですが、
末永く宜しくお願いします。」

「ママ!ありがとう!」

「マーリンさん!ありがとうございます!」


おいおい...、いいのか?
完全にリアがアルトのところに嫁ぎます見たいな感じになってるけど...。
アルトは事の重要さに気付いているのだろうか...?

(間違いなく気づいてはいないと思います。)

これは友達として忠告した方がいいのかな?

(いいんじゃないですか?別に...。
アルトはこれからまだまだ無自覚にモテて行きますし、この世界は多重結婚なんて当たり前にありますからね。)

えっ?
今なんと?

(多重結婚のところですか?)

いや、その前...。

(あぁ...。アルトが無自覚にモテるってことですか?)

そこ!!
何故アルトがそこまでモテるんだよ...。

(マスターに関係なさそうなステータスを表示してなかったんで鑑定しても見えなかったと思うんですが、アルトにはそういうスキルがあるんですよ。)

ま、まじか...。
俺が見たときは無かったけどな...。

俺はアルトを全鑑定して見た。スキルの欄を見ると、

あった...。このスキル。
「無自覚」と「モテ男」だ。

「無自覚」

・意に関して無い事を言ったり行動したりする。

「モテ男」

・異性からかなりモテる。

尚、この二つのスキルはミヨウミマネは出来ない。



な...。

なな.....。

なんじゃこりゃぁぁ!?

(マスターがミヨウミマネ出来ないスキルだから表示しても意味がないと思い、表示しませんでした。
もし表示してたらマスターの性格なら、アルトと仲間になってなかったと思いますし...。)

正解だよ..。
こんちくしょう...。

(気にしてもしょうがないですよ。無いものは無いのですから。)

帰ったら枕をびちょびちょになるまで泣いてやる....。

(ワタシが側でずっと慰めますね...。)

ありがとう...。ヴォイス...。

だからアルトは、フラグ立てたり、急に告ったりしてたのか...。なんでか妙に納得できた。

「それで、リアちゃん契約ってどうするの?」

「それは...。」

リアが真っ赤な顔してモジモジしている。

「...アルト様、目を瞑って頂けませんか?
恥ずかしいので...。」

「こうかな?」

「ハイ。行きますね。」

すると、リアはアルトの顔に近づきそっと口づけをした。

「...これで、契約完了しました。」

「あ、うん...。」

二人の空間に甘ったるい空気が流れてる。

マーリンの方を見ると、まるで結婚式場のお母さんの感動の涙的な感じで泣いてるよ...。
精霊の子供達も顔真っ赤にしてるし、ゴングも、「良かっただ~!本当に良かっただ!」
とか泣いてるし、俺は別の意味で泣きたいよ...。



プリーズゥゥ!モテスキルゥゥ!

俺の心の声だけがその場に虚しく響いたのだった。

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