拝啓、消えたあなたへ

夜咲

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お泊まり

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それから一旦荷物を車に取りに行く。泊まりだからパジャマや次の日の服で膨れ上がった大きな鞄を持ってホテルに向かう。

「こんな荷物いつ準備したの?言ってくれたら俺全部しておいたのに」

誕生日のお祝いの時まで俺が俺がって言う人なかなかいないよね。私そんなに愛されてるんだな、なんて改めて幸せが込み上げてくる。

「この早起きが苦手な私が今日はいつもより二時間も早く起きたの。褒めて褒めて?」

どや顔でピースをする私を愛おしそうに撫でる。

チェックインして予約した少し大きめの部屋に驚いている写真。

ホテル内にあるレストランで豪華なご飯を美味しそうに食べる写真。

私が撮っているのに気づいて怒っているふりをしている写真。

お風呂に入って温まり眠そうにしている写真。

私を撮るところを撮った写真。

短時間でこんなにも私のカメラロールが翔太さんで溢れかえるんだ。

撮った写真を全て翔太さん用のアルバムに入れると七百枚を越えた。

翔太さんといつもの倍くらい広いベットでごろごろしながら今までに撮ったを眺めていると、

「愛莉、こっち向いて」

そう言われて翔太さんの方を向くと携帯を向けてカシャッと音がした。

すぐに撮られたと分かって、すっぴんなのにと怒ろうとしたら隙を取られて深めのキスをされる。
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