【転生風呂】私は、お風呂と縁があるのかもしれません。

1章

探検 【1日目】

腹ごしらえをしながら何をしようか
予定を考えていた。
やはり、街を見ておくべきなのか。
しかし、二階へ上がるだけで
息が苦しくなる私が、果たして何キロも
歩けるだろうか。
どう考えても無理だろう。もし車が
あるとしても私は未成年だ。
結局、家の中を探索することに決めた。
私が分かる部屋は二階の1番奥の自分の部屋。
ここ、一階。そして、転生したお風呂。
二階は三部屋あったのできっと両親の部屋だろう。
流石にプライバシーの侵害の為部屋に
入るのは避けよう。

ポコ丸を肩に乗せて、プチ探検の始まりだ。
虫が出てくるのは嫌なのですぐ側にあった
おたまを右手に、もし現れた時の予行練習をしておく。
ポコ丸には｢何してるポコ？｣と言われたが
あえてのスルー。

リビングには1つ襖がある。
開けてみると、6畳の和室だった。
こたつがあり、その上にはみかんが5個置かれている。
少ししか歩いてないが、暖かいところには
入りたい。その欲望に負けて、ポコ丸を
机の上に乗せて横たわる。

はぁ...。この暖かさはお風呂にも負けないぐらいだ。
そのまま、眠気は襲われて...寝てしまった。
起きたのは夕方5時。
ばっと起きて、ポコ丸も急いで起こす。
｢何なんだポコ...。｣
目の下を擦りながら、ちょこんと立つ。
｢時間がないからどんどん観察しよう。｣
そう言って、名残惜しいがこたつから出た。
それからあまり時間は経っていない。

メモリながら調べた部屋の構図はこんな感じだ。

とりあえず、ご飯を食べるためごそごそと
棚を調べる。
見つけたのは、米と味噌汁の素、生魚だ。
和食だな、そしてよくあるな。と感心しながら
生魚を焼き魚 味噌汁の素にお湯を注ぎ
米を1合炊いた。
約1時間。私はそれまでテレビをつけて
まるで自分の家のようにくつろいでいた。
(自分の家なんだけどね)

ピーピー

機械音が鳴った。炊飯器の音だ。
テレビを切り、炊飯器の元へ向かう。
開けると、つやつやとしており米も立っていた。
きっと、いい米だったのだろう。
食器棚から適当に茶碗を取り出してつぐ。
魚はコンロから出し
味噌汁の素にお湯を注ぐ。
リビングへと足を向ける。

ポコ丸はちょちょっとやって来て、目を
輝かせている。
｢頂くポコ！｣そういいながら素手で食べる。
汚い...とは思いつつも

｢いただきます｣

と、手を胸の辺りで重ねて魚に箸を運ぶ。
さぁ、明日は何をしようか。
とりあえず、近くにある温泉を探そう。


...……To be continued