97 / 120
その34 王宮にて ルース視点
しおりを挟む
面倒くさいが仕方ないので王宮に来た。
僕はシャーリーとゆっくりしていたいのに。
やっとシャーリーが身も心も僕のものになったのだからしばらくは気を利かせて欲しものだ。可愛い僕だけのシャーリーをもっと堪能させて。
ザイン家の紋章の入った青いリボンをしたシャーリーは可愛い。
もう全て僕のものなんだ?何だか少し大人びたように見える。まあ大人になったね。
彼女はこれからもっともっと綺麗になっていくんだ。それを隣で見続けていける。
僕はしばらく優越感に浸っていた。
しかし頑張っているが腰が痛そうだ。申し訳ない。お詫びに支えてあげるよ。
僕はシャーリーの腰に手を回した。
「ルース、恥ずかしいからやめて…。」
真っ赤になる彼女はやっぱりかわいい。
「大丈夫。誰も気にしないよ。だって君と僕は愛し合っているんだから。」
シャーリーには僕の出生のことは昨日話してある。
ルピアから聞いたから知ってるけど、ちゃんと話してくれて嬉しいと笑っていた。
「別にルースがルースじゃなくなるわけないんだから関係ないでしょ?それに私はこのザイン家で笑っているルースが大好きだからいいの。」
とか。
シャーリーって本当僕のツボ知ってるよね。
陛下と王妃様と話しをしていたが僕は本当にザイン公爵家でよかったと思ってる。
だいたい王族なんて柄じゃない。まあ、王位継承は4位だけど。
変な陰謀に巻き込まれるのもごめんだ。
義父上の愛情はたまに重すぎるけど明るく楽しい家族だ。
この家族にシャーリーが入るだけ。
あと二週間で叶うはずだ。
まあ王太子殿下とレイクルーゼ様もうまくいったみたいだ。
なかなか良い感じなエンドじゃないかな。
本当にあの時、彼女が僕の前に現われなかったらどうなっていたのだろう。彼女には感謝しかないな。
…感謝…か。
まだ父上は陛下達と話があるらしい。少し時間潰しをしなければならないのでテラスでお茶をしている。
先ほどまで泣き喚いていた人には思えないほど優雅にお茶をしている。さすがだな。
しかしこの状況になるには割と長かったな。
シャーリーはレイクルーゼ嬢が前世持ちだとは知らないので何でレイクルーゼ嬢が自分の居場所が分かったのか、というシャーリーの素朴な疑問から始まった。
結局レイクルーゼ嬢がカミングアウトを始めるしかなかった。
で、いまは普通にシャーリーはマカロンを食べている。
「また、マカロンですの?本当に好きなのね。」
「レイクルーゼ様は何が好きですか?」
「スイートポテト。」
即答だ。
「今度作りますね!」
「ありがとう。あなたが作るスイートポテトは母の味に似てるの。」
…ん?
一瞬違和感があった。
何だ?
「それはよかったです。」
「じゃあ、栗きんとんはつくれる?」
「栗は冷凍してあるので大丈夫ですよ。」
「じゃあ!じゃあ…」
あ、僕は蚊帳の外だ。話は尽きないようだ。
まあこんな二人を見れて嬉しいよ。
本当にあの時はシャーリーを失うかと思った。
君が無事でよかったよ。
「じゃあ、ここはお姉さんの作ったゲームなんですか。」
「まあ、私達はその登場人物ではなくて、ここに生きているだけなのだけどね。まあこの世界を作った偉い人って感じだわね。」
「そうですね。感謝しないといけないです。私はここでルースにあった。この世界でないと彼に会えなかったですから。彼に会えて、彼を好きになれて、彼の側に入れて本当に幸せです。」
…そうなんだ。僕達はこの世界で生きてる。シャーリーをこの世界に与えてくれたことは彼女のおかげかもしれない。
ゲームは終わったんだ。
出会いのきっかけをくれたくらいに感謝はしてる。彼女がいなければシャーリーと出会うことすらなかったから。
違うな。
絶対に僕達は出会うね。
まあ運命って一言で片付けておくか。
「あら、わたしも負けないくらい幸せですわ。」
シャーリーが僕の方を見て笑っていた。
「って珍しいですわね。いつもなら〝シャーリー、愛してる〟とか言って飛びついてくるワンコが大人しいですわね。」
前世に振り回される必要はない。
しかし前世は彼女達の一部なんだ。それは捨ててはいけないと思う。
「ルース??どうしたの?何か考え事?」
僕は心配そうに話しかけるシャーリーに大丈夫だよといわんばかりに笑顔を返した。
そしてレイクルーゼ嬢を見た。
「レイクルーゼ嬢、本当は言うつもりはなかった。本人は会うつもりはないようだが…。」
「えっ?」
「多分君が王太子妃になれば会う事もあるだろうと思う。しかし会ったとして分かるのかは別だ。」
「……」
「君達にはいろいろ助けてもらった。だから恩返しと言うほどではないが君に聞きたい。
…君は彼女に会いたいか?」
僕はシャーリーとゆっくりしていたいのに。
やっとシャーリーが身も心も僕のものになったのだからしばらくは気を利かせて欲しものだ。可愛い僕だけのシャーリーをもっと堪能させて。
ザイン家の紋章の入った青いリボンをしたシャーリーは可愛い。
もう全て僕のものなんだ?何だか少し大人びたように見える。まあ大人になったね。
彼女はこれからもっともっと綺麗になっていくんだ。それを隣で見続けていける。
僕はしばらく優越感に浸っていた。
しかし頑張っているが腰が痛そうだ。申し訳ない。お詫びに支えてあげるよ。
僕はシャーリーの腰に手を回した。
「ルース、恥ずかしいからやめて…。」
真っ赤になる彼女はやっぱりかわいい。
「大丈夫。誰も気にしないよ。だって君と僕は愛し合っているんだから。」
シャーリーには僕の出生のことは昨日話してある。
ルピアから聞いたから知ってるけど、ちゃんと話してくれて嬉しいと笑っていた。
「別にルースがルースじゃなくなるわけないんだから関係ないでしょ?それに私はこのザイン家で笑っているルースが大好きだからいいの。」
とか。
シャーリーって本当僕のツボ知ってるよね。
陛下と王妃様と話しをしていたが僕は本当にザイン公爵家でよかったと思ってる。
だいたい王族なんて柄じゃない。まあ、王位継承は4位だけど。
変な陰謀に巻き込まれるのもごめんだ。
義父上の愛情はたまに重すぎるけど明るく楽しい家族だ。
この家族にシャーリーが入るだけ。
あと二週間で叶うはずだ。
まあ王太子殿下とレイクルーゼ様もうまくいったみたいだ。
なかなか良い感じなエンドじゃないかな。
本当にあの時、彼女が僕の前に現われなかったらどうなっていたのだろう。彼女には感謝しかないな。
…感謝…か。
まだ父上は陛下達と話があるらしい。少し時間潰しをしなければならないのでテラスでお茶をしている。
先ほどまで泣き喚いていた人には思えないほど優雅にお茶をしている。さすがだな。
しかしこの状況になるには割と長かったな。
シャーリーはレイクルーゼ嬢が前世持ちだとは知らないので何でレイクルーゼ嬢が自分の居場所が分かったのか、というシャーリーの素朴な疑問から始まった。
結局レイクルーゼ嬢がカミングアウトを始めるしかなかった。
で、いまは普通にシャーリーはマカロンを食べている。
「また、マカロンですの?本当に好きなのね。」
「レイクルーゼ様は何が好きですか?」
「スイートポテト。」
即答だ。
「今度作りますね!」
「ありがとう。あなたが作るスイートポテトは母の味に似てるの。」
…ん?
一瞬違和感があった。
何だ?
「それはよかったです。」
「じゃあ、栗きんとんはつくれる?」
「栗は冷凍してあるので大丈夫ですよ。」
「じゃあ!じゃあ…」
あ、僕は蚊帳の外だ。話は尽きないようだ。
まあこんな二人を見れて嬉しいよ。
本当にあの時はシャーリーを失うかと思った。
君が無事でよかったよ。
「じゃあ、ここはお姉さんの作ったゲームなんですか。」
「まあ、私達はその登場人物ではなくて、ここに生きているだけなのだけどね。まあこの世界を作った偉い人って感じだわね。」
「そうですね。感謝しないといけないです。私はここでルースにあった。この世界でないと彼に会えなかったですから。彼に会えて、彼を好きになれて、彼の側に入れて本当に幸せです。」
…そうなんだ。僕達はこの世界で生きてる。シャーリーをこの世界に与えてくれたことは彼女のおかげかもしれない。
ゲームは終わったんだ。
出会いのきっかけをくれたくらいに感謝はしてる。彼女がいなければシャーリーと出会うことすらなかったから。
違うな。
絶対に僕達は出会うね。
まあ運命って一言で片付けておくか。
「あら、わたしも負けないくらい幸せですわ。」
シャーリーが僕の方を見て笑っていた。
「って珍しいですわね。いつもなら〝シャーリー、愛してる〟とか言って飛びついてくるワンコが大人しいですわね。」
前世に振り回される必要はない。
しかし前世は彼女達の一部なんだ。それは捨ててはいけないと思う。
「ルース??どうしたの?何か考え事?」
僕は心配そうに話しかけるシャーリーに大丈夫だよといわんばかりに笑顔を返した。
そしてレイクルーゼ嬢を見た。
「レイクルーゼ嬢、本当は言うつもりはなかった。本人は会うつもりはないようだが…。」
「えっ?」
「多分君が王太子妃になれば会う事もあるだろうと思う。しかし会ったとして分かるのかは別だ。」
「……」
「君達にはいろいろ助けてもらった。だから恩返しと言うほどではないが君に聞きたい。
…君は彼女に会いたいか?」
10
お気に入りに追加
611
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
88回の前世で婚約破棄され続けて男性不信になった令嬢〜今世は絶対に婚約しないと誓ったが、なぜか周囲から溺愛されてしまう
冬月光輝
恋愛
ハウルメルク公爵家の令嬢、クリスティーナには88回分の人生の記憶がある。
前世の88回は全てが男に婚約破棄され、近しい人間に婚約者を掠め取られ、悲惨な最期を遂げていた。
彼女は88回の人生は全て自分磨きに費やしていた。美容から、勉学に運動、果てには剣術や魔術までを最高レベルにまで極めたりした。
それは全て無駄に終わり、クリスは悟った。
“男は必ず裏切る”それなら、いっそ絶対に婚約しないほうが幸せだと。
89回目の人生を婚約しないように努力した彼女は、前世の88回分の経験値が覚醒し、無駄にハイスペックになっていたおかげで、今更モテ期が到来して、周囲から溺愛されるのであった。しかし、男に懲りたクリスはただひたすら迷惑な顔をしていた。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
竜帝は番に愛を乞う
浅海 景
恋愛
祖母譲りの容姿の両親から疎まれている男爵令嬢のルー。自分とは対照的に溺愛される妹のメリナは周囲からも可愛がられ、狼族の番として見初められたことからますます我儘に振舞うようになった。そんなメリナの我儘を受け止めつつ使用人のように働き、学校では妹を虐げる意地悪な姉として周囲から虐げられる。無力感と諦めを抱きながら淡々と日々を過ごしていたルーは、ある晩突然現れた男性から番であることを告げられる。しかも彼は獣族のみならず世界の王と呼ばれる竜帝アレクシスだった。誰かに愛されるはずがないと信じ込む男爵令嬢と番と出会い愛を知った竜帝の物語。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる