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その30 ルースの部屋にて ルース視点
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「はっ?」
僕が自分の家に戻り着替えるために部屋に入った。
シャーリーは寝てるかな?
起きたらきっとサンドラから連絡が入るだろう。
そしたらすぐに会いに行こう。
早くシャーリーに会いたいなと思いながら扉を開いた。
しかし、
何だ?何で?!何だ?
慌てて一歩下がってしまったので
閉めた扉に背中を打った。
何故か僕のベッドにシャーリーが何もなかったように穏やか寝息をたてて寝ていた。
かなり動揺した。
したってもんじゃない。
生きていて一番びっくりした。
どうしてシャーリーが僕の部屋で寝ているんだ!
全くザイン家の人たちは何を考えているんだ。可笑しいだろう。いくら婚約してるからって普通ここに運ぶか?
あ、ああ。そうか。そういうことか…。
扉に背を預けながら額に手を当てた。
父上?いや姉様…兄様か…。
あ、いやきっと母上か…。誰かから聞いたんだな。
ったく、あの人は。
僕はベットの横に進んだ。
シャーリーの寝顔を見ながらさっきの言葉を思い出す。
『ルーズローツ=ディ=サー=ザイン。私シャーロレット=ディ=サー=ヴィクセレーネはあなたを愛してます。あなたと共にある未来を…』
シャーリー…確かに君は言ったよね。アイザックの攻撃を前にしながら笑顔を浮かべて言ったよね。
ザイン家の人たちは本当にいい人達ばかりだな。変なところで気が回る。敵わないな…。
ベッドの側に立つち彼女を見る。
「シャーロレット=ディ=サー=ヴィクセレーネ。私ルーズローツ=ディ=サー=ザインは君を愛してる。君と共にある未来を…。」
僕はシャーリーの手をとって口づけを落とした。
シャーリー…君を離さないよ。もう君は僕のものなんだから。
このセリフは結婚式の誓いの言葉だよね。
君があの時、死んでしまうかと思った時に言った言葉。
君にも敵わないよ。何であそこで言うかな。たまたま聞けたけど聞き逃したら僕は一生後悔していたところだ。
まあ、またもう一度本当の結婚式で聞かせてもらうよ。
手首の縛られた跡をみる。
怖かった…もしかしたらシャーリーを失うかもしれないって思った。でも君を助けれてよかった。神様ありがとう…。
優しくその跡を撫でた。
ベッドの隣に椅子を運んだ。
「おやすみ、シャーリー。僕の大事な大事な人。」
彼女の手を掴んだ。
暖かい…。生きてる。
僕は間に合ったんだ。
シャーリー、ありがとう。
ゆっくりおやすみ。
鳥の声がする。
朝日がうっすらと周りを明るくしていた。カーテン閉めていなかったな。
朝か…。
すっかり寝てしまったな。
「ルース」
と頭の上で声がした。
「シャーリー。」
顔をあげる。シャーリーが僕の前で笑っていた。
よかった…。
まだ君は僕に笑いかけてくれるんだ。
「もう赤くないのね。綺麗だったのに。」
その一言で十分彼女の気持ちが伝わってきた。
怖くて君に言う勇気がなかった僕を君は何も言わずに全部受け入れてくれるんだ。僕をみんな受け止めてくれるんだ。
抱きしめたい気持ちを抑えながら彼女の話を聞いていた。
あの言葉を聞いていたからすごく落ち着いて聞いていれる。
だって言葉の端々には僕が好きだって…わかる。
何を聞いても甘い言葉に思える。
もうじれったい。早くシャーリーの口から聞きたい。
僕の顔を見てちゃんと言って欲しい。
しかしシャーリーは一言一言を噛み締めて話す。
「シャーロレットとして生きている私がちゃんといたの。みんな大切。だけどそれ以上にルース、あなたが大事だったの。」
シャーリー…やっと僕を見てくれるんだ。僕の手を取ってくれるんだ。
遠回しに言わないで…もう待てないから。
「結局それは君が僕を好きだと言ってるように聞こえるんだけど、違うかい?」
「違う…かな?」
は?ここに来て君がはまだそんなことを…はぁ…
やっぱり君は天然なんだ…
少しだけ顔を下げた瞬間その言葉が飛び込んできた。
「愛してる。」
シャーリーが真っ直ぐに僕を見ていた。
耳を疑った。知っていた。
確かにわかっていたはずだ。でも、目の前で君の口からその言葉を聞きたかった。
「知ってた?」
「うん…」
知ってたよ。もう随分前から君が僕の事を好きだってこと。
でもね君が楽しそうに夢の話をするから不安だったんだ。
君の気持ちは僕にあるはずなのに、いつの間にかすり抜けていってしまいそうで。さすがの僕もかなり焦っていたよ。
僕は昔から君を待っていたんだ。君が僕に気づいてくれるを待っていたんだ。
「両方で縛ってもらわないとね。」
ああ、もうダメだ。僕が耐えられない。
可愛すぎる。愛しすぎる。君に言いたい。
「シャーリー…愛してる…」
「あなたの全てでずっとあなたに縛り付けて。
ルース…あなたを愛してる。」
シャーリー…ようやく君から僕を求めてくれた。
捕まえた…。ようやく僕の広げた手のひらに堕ちてきてくれたんだね。もう大丈夫。君は僕の手の中に入ってくれてんだ。
もう君は僕だけのものだ。
僕も君だけのものだ。
僕の腕の中でずっと愛してるって言っていればいいんだよ。
もう僕の腕の中に閉じ込めておくから。
離さないよ。
僕の可愛いシャーリー。
僕が自分の家に戻り着替えるために部屋に入った。
シャーリーは寝てるかな?
起きたらきっとサンドラから連絡が入るだろう。
そしたらすぐに会いに行こう。
早くシャーリーに会いたいなと思いながら扉を開いた。
しかし、
何だ?何で?!何だ?
慌てて一歩下がってしまったので
閉めた扉に背中を打った。
何故か僕のベッドにシャーリーが何もなかったように穏やか寝息をたてて寝ていた。
かなり動揺した。
したってもんじゃない。
生きていて一番びっくりした。
どうしてシャーリーが僕の部屋で寝ているんだ!
全くザイン家の人たちは何を考えているんだ。可笑しいだろう。いくら婚約してるからって普通ここに運ぶか?
あ、ああ。そうか。そういうことか…。
扉に背を預けながら額に手を当てた。
父上?いや姉様…兄様か…。
あ、いやきっと母上か…。誰かから聞いたんだな。
ったく、あの人は。
僕はベットの横に進んだ。
シャーリーの寝顔を見ながらさっきの言葉を思い出す。
『ルーズローツ=ディ=サー=ザイン。私シャーロレット=ディ=サー=ヴィクセレーネはあなたを愛してます。あなたと共にある未来を…』
シャーリー…確かに君は言ったよね。アイザックの攻撃を前にしながら笑顔を浮かべて言ったよね。
ザイン家の人たちは本当にいい人達ばかりだな。変なところで気が回る。敵わないな…。
ベッドの側に立つち彼女を見る。
「シャーロレット=ディ=サー=ヴィクセレーネ。私ルーズローツ=ディ=サー=ザインは君を愛してる。君と共にある未来を…。」
僕はシャーリーの手をとって口づけを落とした。
シャーリー…君を離さないよ。もう君は僕のものなんだから。
このセリフは結婚式の誓いの言葉だよね。
君があの時、死んでしまうかと思った時に言った言葉。
君にも敵わないよ。何であそこで言うかな。たまたま聞けたけど聞き逃したら僕は一生後悔していたところだ。
まあ、またもう一度本当の結婚式で聞かせてもらうよ。
手首の縛られた跡をみる。
怖かった…もしかしたらシャーリーを失うかもしれないって思った。でも君を助けれてよかった。神様ありがとう…。
優しくその跡を撫でた。
ベッドの隣に椅子を運んだ。
「おやすみ、シャーリー。僕の大事な大事な人。」
彼女の手を掴んだ。
暖かい…。生きてる。
僕は間に合ったんだ。
シャーリー、ありがとう。
ゆっくりおやすみ。
鳥の声がする。
朝日がうっすらと周りを明るくしていた。カーテン閉めていなかったな。
朝か…。
すっかり寝てしまったな。
「ルース」
と頭の上で声がした。
「シャーリー。」
顔をあげる。シャーリーが僕の前で笑っていた。
よかった…。
まだ君は僕に笑いかけてくれるんだ。
「もう赤くないのね。綺麗だったのに。」
その一言で十分彼女の気持ちが伝わってきた。
怖くて君に言う勇気がなかった僕を君は何も言わずに全部受け入れてくれるんだ。僕をみんな受け止めてくれるんだ。
抱きしめたい気持ちを抑えながら彼女の話を聞いていた。
あの言葉を聞いていたからすごく落ち着いて聞いていれる。
だって言葉の端々には僕が好きだって…わかる。
何を聞いても甘い言葉に思える。
もうじれったい。早くシャーリーの口から聞きたい。
僕の顔を見てちゃんと言って欲しい。
しかしシャーリーは一言一言を噛み締めて話す。
「シャーロレットとして生きている私がちゃんといたの。みんな大切。だけどそれ以上にルース、あなたが大事だったの。」
シャーリー…やっと僕を見てくれるんだ。僕の手を取ってくれるんだ。
遠回しに言わないで…もう待てないから。
「結局それは君が僕を好きだと言ってるように聞こえるんだけど、違うかい?」
「違う…かな?」
は?ここに来て君がはまだそんなことを…はぁ…
やっぱり君は天然なんだ…
少しだけ顔を下げた瞬間その言葉が飛び込んできた。
「愛してる。」
シャーリーが真っ直ぐに僕を見ていた。
耳を疑った。知っていた。
確かにわかっていたはずだ。でも、目の前で君の口からその言葉を聞きたかった。
「知ってた?」
「うん…」
知ってたよ。もう随分前から君が僕の事を好きだってこと。
でもね君が楽しそうに夢の話をするから不安だったんだ。
君の気持ちは僕にあるはずなのに、いつの間にかすり抜けていってしまいそうで。さすがの僕もかなり焦っていたよ。
僕は昔から君を待っていたんだ。君が僕に気づいてくれるを待っていたんだ。
「両方で縛ってもらわないとね。」
ああ、もうダメだ。僕が耐えられない。
可愛すぎる。愛しすぎる。君に言いたい。
「シャーリー…愛してる…」
「あなたの全てでずっとあなたに縛り付けて。
ルース…あなたを愛してる。」
シャーリー…ようやく君から僕を求めてくれた。
捕まえた…。ようやく僕の広げた手のひらに堕ちてきてくれたんだね。もう大丈夫。君は僕の手の中に入ってくれてんだ。
もう君は僕だけのものだ。
僕も君だけのものだ。
僕の腕の中でずっと愛してるって言っていればいいんだよ。
もう僕の腕の中に閉じ込めておくから。
離さないよ。
僕の可愛いシャーリー。
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