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幕間 ジョーカスのつぶやき
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昨夜も怖い夢を見て寝れないと嘘泣きして姉さんのベッドに潜り込んだ。
本当に姉さんは優しい。
10歳の時ヴィクセレーネ公爵家の養子として連れて来られた。
突然、引き取らせた遠縁の子に対してにこやかに笑って、よろしくねと手を差し伸べてくれた。
本当に心細かった中、彼女の笑顔は天使のようだった。
最近になってからは怖い夢とかは嘘だけど小さい時は本当だったんだよ。
兄さんが元気になったら僕は捨てられるんじゃないかと不安だった。
せっかくこんなに優しい両親、大好きな兄さん、姉さんと家族になれたのだからずっと一緒にいたかったんだよ。
でも兄さんが元気になった今もこの家族は僕を本当の子供のように接してくれている。すごく幸せなんだ。
時々姉さんはよく訳のわからないことを口にする。
どうやら家を出て森に住んで調合師になりたいようだ。
まあ夢を語る姉さんは楽しそうだ。
森で魔法使いが暮らして…とかの物語に憧れているのだろう。姉さんは少しうっかりものだ。年下の僕から見ても一人暮らしなんて危なっかしい。更に姉さんは調合師としては知識もあるだろうが肝心の調合の部分で魔力が心配だ。僕なら魔力もそこそこあるから手伝える。だから僕は姉さんが家を出た時は一緒についていくんだ。
しかし…しかし…今父上は何て言った?
ザイン家のルーズローツと婚約?!
実は三年前くらいから婚約していたとか言っているが本当なのか?
ザイン家のルーズローツは姉さんの幼なじみだ。
2人は仲良くて僕の入れる隙間なんてなかった。と、いうのもルーズローツが姉さんにべた惚れしているからだ。そんなの見ていればわかる。
初めは姉さんは単に幼なじみとしか思ってないようだった。
しかしこの間、王妃様のお茶会に行ってから変わった。
姉さんは泣きはらした目をして帰ってきた。その上ザイン家の別荘に一緒に行ってから更におかしい。
ルーズローツを見る目つきが違う。
今までとは違う。
今までもその笑顔は優しかったが、彼に向ける笑顔は柔らかさが加わった。
更に突然赤くなったり、首をブンブン振っていたりすることが多くなった。
ようやく姉さんは自分の気持ちに気づいたんだな。まあ僕は前から分かってたよ。
しかし、父上が放った婚約と言うたった2文字に僕は衝撃を受けた。
まさかいつの間にルーズローツは姉さんを包囲していたんだ。
先ほど王太子の婚約パーティーの招待状が届き僕がエスコートすると主張したのだが、未成年なので無理だし、ルーズローツがエスコートすることを伝えられた。
どうしてあいつが!と聞いたら2人がかつてより婚約していたことを聞かされた。今回ルーズローツは婚約者として正式に皆の前に披露することを父上に連絡していた。
父の話によれば2人の婚約は3年くらい前にザイン家が申し込んできたらしい。
ザイン家当主は王弟だ。
ウチとしては断れない。
条件はかなりいい。断る理由がない。
それにルーズローツがどうしてもと言っているらしい。
優しい両親は姉さんの気持ちを大切にしたいと言ったらしいが5年経ってもし別の人が良くなったらなかったことにしてもらってもいいとまで言われたらしい。そこまで言われて断ることもできないだろう。
姉さんはそのことはまだ知らないらしい。ルーズローツが自分で言うまで黙っていて欲しいと言われているみたいだ。
まあ、婚約者だと縛らなかったところは褒めてやる。
ルーズローツはようやく動いたらしい。
まあ姉さんとの間に何があったかはわからない。
僕は姉さんが幸せならいいんだけど、相手が僕ならもっとよかったんだけどな。
でも姉さんにとって僕は弟なんだ。無理矢理に姉さんを僕のものにしたいとさえ思うけどこともあるけど
そんな事をすれば姉さんは僕を軽蔑するはずだ。姉さんに嫌われたら困る。それだけは嫌だな。
姉さんの弟は僕だけだ。家族と言う鎖がずっと姉さんと僕を繋げてくれる。
無条件に僕を愛してくれる。
その優しい腕で抱きしめてくれる。その胸の中に抱きしめてくれる。
まあ、ルーズローツが姉さんを泣かせたり、裏切ったりしたらすぐに二人で森に行こう。弟なら姉さんも安心するだろう。
ねぇ、弟とって割といい立場なんだよ。
本当に姉さんは優しい。
10歳の時ヴィクセレーネ公爵家の養子として連れて来られた。
突然、引き取らせた遠縁の子に対してにこやかに笑って、よろしくねと手を差し伸べてくれた。
本当に心細かった中、彼女の笑顔は天使のようだった。
最近になってからは怖い夢とかは嘘だけど小さい時は本当だったんだよ。
兄さんが元気になったら僕は捨てられるんじゃないかと不安だった。
せっかくこんなに優しい両親、大好きな兄さん、姉さんと家族になれたのだからずっと一緒にいたかったんだよ。
でも兄さんが元気になった今もこの家族は僕を本当の子供のように接してくれている。すごく幸せなんだ。
時々姉さんはよく訳のわからないことを口にする。
どうやら家を出て森に住んで調合師になりたいようだ。
まあ夢を語る姉さんは楽しそうだ。
森で魔法使いが暮らして…とかの物語に憧れているのだろう。姉さんは少しうっかりものだ。年下の僕から見ても一人暮らしなんて危なっかしい。更に姉さんは調合師としては知識もあるだろうが肝心の調合の部分で魔力が心配だ。僕なら魔力もそこそこあるから手伝える。だから僕は姉さんが家を出た時は一緒についていくんだ。
しかし…しかし…今父上は何て言った?
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実は三年前くらいから婚約していたとか言っているが本当なのか?
ザイン家のルーズローツは姉さんの幼なじみだ。
2人は仲良くて僕の入れる隙間なんてなかった。と、いうのもルーズローツが姉さんにべた惚れしているからだ。そんなの見ていればわかる。
初めは姉さんは単に幼なじみとしか思ってないようだった。
しかしこの間、王妃様のお茶会に行ってから変わった。
姉さんは泣きはらした目をして帰ってきた。その上ザイン家の別荘に一緒に行ってから更におかしい。
ルーズローツを見る目つきが違う。
今までとは違う。
今までもその笑顔は優しかったが、彼に向ける笑顔は柔らかさが加わった。
更に突然赤くなったり、首をブンブン振っていたりすることが多くなった。
ようやく姉さんは自分の気持ちに気づいたんだな。まあ僕は前から分かってたよ。
しかし、父上が放った婚約と言うたった2文字に僕は衝撃を受けた。
まさかいつの間にルーズローツは姉さんを包囲していたんだ。
先ほど王太子の婚約パーティーの招待状が届き僕がエスコートすると主張したのだが、未成年なので無理だし、ルーズローツがエスコートすることを伝えられた。
どうしてあいつが!と聞いたら2人がかつてより婚約していたことを聞かされた。今回ルーズローツは婚約者として正式に皆の前に披露することを父上に連絡していた。
父の話によれば2人の婚約は3年くらい前にザイン家が申し込んできたらしい。
ザイン家当主は王弟だ。
ウチとしては断れない。
条件はかなりいい。断る理由がない。
それにルーズローツがどうしてもと言っているらしい。
優しい両親は姉さんの気持ちを大切にしたいと言ったらしいが5年経ってもし別の人が良くなったらなかったことにしてもらってもいいとまで言われたらしい。そこまで言われて断ることもできないだろう。
姉さんはそのことはまだ知らないらしい。ルーズローツが自分で言うまで黙っていて欲しいと言われているみたいだ。
まあ、婚約者だと縛らなかったところは褒めてやる。
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まあ姉さんとの間に何があったかはわからない。
僕は姉さんが幸せならいいんだけど、相手が僕ならもっとよかったんだけどな。
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その優しい腕で抱きしめてくれる。その胸の中に抱きしめてくれる。
まあ、ルーズローツが姉さんを泣かせたり、裏切ったりしたらすぐに二人で森に行こう。弟なら姉さんも安心するだろう。
ねぇ、弟とって割といい立場なんだよ。
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