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小話 一大決心
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明日は別荘での最終日だ。午前中にはこっちを出るからあまりゆっくりはしていられない。実質楽しみは今日までだ。
前半は雨や通り雨とかあったけど、後半は比較的天気に恵まれている。
湖へ行った次の日は街へ行った。その次の日は海辺を散策し、岸壁に建つ古城を探検した。
そして今日に至る。
僕はわりと落ち着いてきた。シャーリーが隣にいるからだろう。彼女が笑うと安心する。
ましてやあんなことがあった。
普段通りにしてるつもりだがシャーリーは僕の行動にいちいち赤くなる。
もう決まりだね。
今日も快晴だ。
シャーリーの亜麻色の瞳がキラキラ輝いている。
可愛すぎて困る。
いつまで我慢できるかな?
「ルース!今日はどこ行こう?お勧めある?」
「シャーリー、今日は街でなんかやってるみたいだから行こうよ。」
「ええ。楽しみ!」
「ルース!こっちこっち!ほら綿菓子がある!」
「シャーリー、待って!さっき買ったソーセージが落ちちゃうよ。」
「早く!早く!!」
「ちょっと、どんだけ食べるの?」
「だってどれも美味しい。」
街では豊作を祝う祭りが開かれていた。カラフルなテントのお店がところ狭しと街の中央の広場へ向かう道を埋め尽くす。
「とうもろこしも食べる!」
「あ、いや。もう持てないから。無理!」
シャーリーはこういう食べ歩きが大好きだ。日頃は小食のくせにこういう時はすごく食べる。僕でさえもう食べられないのにまだ入るらしい。あんな細い体のどこに入っていくんだ!!
あ、マカロンもね。別腹だそうだ。
「ルース!ルース!こっちこっち!」
今度はなんだ??
「あーっ!一年分食べたわ。」
僕は一生分食べた気分です。
「やっぱり屋台はいいわ。大好き。美味しい!」
ベンチに座り込みソーダを飲んでいる。
「ほら、このソーダ青色!ルースの目みたいに綺麗!」
あ、だめだ。もうシャーリー愛が止まらなくなりそうだ。
可愛いすぎる。僕の婚約者が可愛すぎる。
あーもう限界だ!!
シャーリー!今日こそはっきりさせてもらうよ。君は僕の婚約者なんだ!!
「シャーリー……」
あ、はい。お約束ですね。
イカ串を右手にソーダを左手に持ったままシャーリーはこくりこくりと頭を揺らしている。結構この四日間は連れ回したから疲れたんだね。
全くこぼれてしまうよ。
そっとイカ串とソーダをシャーリーの手からとった。
「ん…ん…う…ん?」
あ、起きるかな?
「ルース、らめぇ、わたしのイカ…たべちゃだめぇ。わたしがたべるのぉぉ。」
食い気しかないんですか…。
スー、スー。
そのうち可愛い寝息が聞こえてきた。イカ串とソーダをベンチに置き右手でシャーリーの頭を自分の方に引き寄せた。シャーリーの頭が僕の肩によりかかる。重さが心地よく感じる。
どうしても言ってしまう。
「シャーリー、可愛い。」
どうせ寝てるしいいかな?いやっ、駄目だ…しかし。今なら…でも…
ルーズローツ!お前も男だろ!そろそろ前に進めよ!
自分で自分を奮い立たせる。よし!行くぞ!!
そっとシャーリーの肩に手を置いた。その手を引き寄せてみる。
…肩抱いてるよ。僕はシャーリーの肩を抱いてる!
二人で公園のベンチに座って肩を寄せ合って…。
僕もシャーリーの頭に自分の頭を軽く置いた。
これ!これ!これやりたかったんだ。
シャーリーと恋人になったらやってみたかったこと3番目。
目を閉じてしばらくそのまま余韻にひたる。
しかしやはりここまで来たら…
シャーリーの寝顔を覗き込む。
ゴクリと唾を飲み込む。シャーリー…僕だって男だ!
ずっと我慢なんて出来ない!!
肩を貸している方の手をシャーリーの頭の後ろに添える。
少しシャーリーの頭を肩からズラした。大丈夫だ起きない。
シャーリーの顔を覗き込むように顔を近づけていく。
心臓がドキドキする。
しかし待てよ。だいたいこの辺でシャーリーが起きる…
ん…いや熟睡してる。大丈夫だ。
それとも周りに小さなガキがいて「何してるの?」とか声をかけられるとか…あ、いや。結構奥まったベンチだ誰もいない。キョロキョロと周りを見るが大丈夫。誰もいない!!
気を取り直して行こう。
目を閉じてシャーリーの頭に置いた手に力を入れて顔の角度を少し上にむかせながら、下側から顔を近づけていった。
よし!誰も邪魔は入らない。少しだけシャーリーの上唇が僕のそれに当たった。柔らかい。暖かい。もう少し。もうその先の幸せ気持ちを思い描く。
シャーリー…愛してる。
「あー悪いんだ。寝ている女の子にキスしてる。」
「カール!せっかくいいところなんだ、黙ってろ!!」
「母様まで座り込んで何してるんですか?」
「やだ。見つかっちゃったじゃないの。いいのよ、ルース続けて。ほら。」
……。
さすがはザイン家の方々…気配を消すのはお得意ですね。
仕事は終わったんですか!!
本当にそのお決まりパターン辞めませんか?
「ん…あら皆さんもお祭りに来たんですか?」
シャーリーは目を擦りながら起きた。
僕の一大決心はやはり未遂…あ、いや。少し触れたんだまあいいとしておこう。
近い内に寝ているシャーリーじゃなくて、ちゃんとできるはずだ。
しかし兄様、あのタイミングは狙っていたよね!!
前半は雨や通り雨とかあったけど、後半は比較的天気に恵まれている。
湖へ行った次の日は街へ行った。その次の日は海辺を散策し、岸壁に建つ古城を探検した。
そして今日に至る。
僕はわりと落ち着いてきた。シャーリーが隣にいるからだろう。彼女が笑うと安心する。
ましてやあんなことがあった。
普段通りにしてるつもりだがシャーリーは僕の行動にいちいち赤くなる。
もう決まりだね。
今日も快晴だ。
シャーリーの亜麻色の瞳がキラキラ輝いている。
可愛すぎて困る。
いつまで我慢できるかな?
「ルース!今日はどこ行こう?お勧めある?」
「シャーリー、今日は街でなんかやってるみたいだから行こうよ。」
「ええ。楽しみ!」
「ルース!こっちこっち!ほら綿菓子がある!」
「シャーリー、待って!さっき買ったソーセージが落ちちゃうよ。」
「早く!早く!!」
「ちょっと、どんだけ食べるの?」
「だってどれも美味しい。」
街では豊作を祝う祭りが開かれていた。カラフルなテントのお店がところ狭しと街の中央の広場へ向かう道を埋め尽くす。
「とうもろこしも食べる!」
「あ、いや。もう持てないから。無理!」
シャーリーはこういう食べ歩きが大好きだ。日頃は小食のくせにこういう時はすごく食べる。僕でさえもう食べられないのにまだ入るらしい。あんな細い体のどこに入っていくんだ!!
あ、マカロンもね。別腹だそうだ。
「ルース!ルース!こっちこっち!」
今度はなんだ??
「あーっ!一年分食べたわ。」
僕は一生分食べた気分です。
「やっぱり屋台はいいわ。大好き。美味しい!」
ベンチに座り込みソーダを飲んでいる。
「ほら、このソーダ青色!ルースの目みたいに綺麗!」
あ、だめだ。もうシャーリー愛が止まらなくなりそうだ。
可愛いすぎる。僕の婚約者が可愛すぎる。
あーもう限界だ!!
シャーリー!今日こそはっきりさせてもらうよ。君は僕の婚約者なんだ!!
「シャーリー……」
あ、はい。お約束ですね。
イカ串を右手にソーダを左手に持ったままシャーリーはこくりこくりと頭を揺らしている。結構この四日間は連れ回したから疲れたんだね。
全くこぼれてしまうよ。
そっとイカ串とソーダをシャーリーの手からとった。
「ん…ん…う…ん?」
あ、起きるかな?
「ルース、らめぇ、わたしのイカ…たべちゃだめぇ。わたしがたべるのぉぉ。」
食い気しかないんですか…。
スー、スー。
そのうち可愛い寝息が聞こえてきた。イカ串とソーダをベンチに置き右手でシャーリーの頭を自分の方に引き寄せた。シャーリーの頭が僕の肩によりかかる。重さが心地よく感じる。
どうしても言ってしまう。
「シャーリー、可愛い。」
どうせ寝てるしいいかな?いやっ、駄目だ…しかし。今なら…でも…
ルーズローツ!お前も男だろ!そろそろ前に進めよ!
自分で自分を奮い立たせる。よし!行くぞ!!
そっとシャーリーの肩に手を置いた。その手を引き寄せてみる。
…肩抱いてるよ。僕はシャーリーの肩を抱いてる!
二人で公園のベンチに座って肩を寄せ合って…。
僕もシャーリーの頭に自分の頭を軽く置いた。
これ!これ!これやりたかったんだ。
シャーリーと恋人になったらやってみたかったこと3番目。
目を閉じてしばらくそのまま余韻にひたる。
しかしやはりここまで来たら…
シャーリーの寝顔を覗き込む。
ゴクリと唾を飲み込む。シャーリー…僕だって男だ!
ずっと我慢なんて出来ない!!
肩を貸している方の手をシャーリーの頭の後ろに添える。
少しシャーリーの頭を肩からズラした。大丈夫だ起きない。
シャーリーの顔を覗き込むように顔を近づけていく。
心臓がドキドキする。
しかし待てよ。だいたいこの辺でシャーリーが起きる…
ん…いや熟睡してる。大丈夫だ。
それとも周りに小さなガキがいて「何してるの?」とか声をかけられるとか…あ、いや。結構奥まったベンチだ誰もいない。キョロキョロと周りを見るが大丈夫。誰もいない!!
気を取り直して行こう。
目を閉じてシャーリーの頭に置いた手に力を入れて顔の角度を少し上にむかせながら、下側から顔を近づけていった。
よし!誰も邪魔は入らない。少しだけシャーリーの上唇が僕のそれに当たった。柔らかい。暖かい。もう少し。もうその先の幸せ気持ちを思い描く。
シャーリー…愛してる。
「あー悪いんだ。寝ている女の子にキスしてる。」
「カール!せっかくいいところなんだ、黙ってろ!!」
「母様まで座り込んで何してるんですか?」
「やだ。見つかっちゃったじゃないの。いいのよ、ルース続けて。ほら。」
……。
さすがはザイン家の方々…気配を消すのはお得意ですね。
仕事は終わったんですか!!
本当にそのお決まりパターン辞めませんか?
「ん…あら皆さんもお祭りに来たんですか?」
シャーリーは目を擦りながら起きた。
僕の一大決心はやはり未遂…あ、いや。少し触れたんだまあいいとしておこう。
近い内に寝ているシャーリーじゃなくて、ちゃんとできるはずだ。
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