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その18 坂の上にて ※ ルース視点
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昨日はシャーリーと街にいっていろいろ買い物をした。
今日は何も約束をしていないがシャーリー不足だ。
毎日会っていても足りない。
いまごろシャーリーは何をしているのだろう。
そんなことを考えながら課題を消化していた。
法科って割と宿題多いんだよ。
魔科はどっちかというと実技が主だからシャーリーはのんきに休日を過ごしているはずだ。
いまごろ畑の雑草でも抜いているのかな?
「ルーズローツ坊ちゃま、お客様ですが・・・」
「シャーリー??!!」
「残念ながら違います。なんだか学園で同じクラスだと言っていますが。
銀色の髪の女の人ですが・・・。」
「はあ???」
先日あんなことをしておいてよく僕の前に顔を出せるな。
二日前も何食わぬ顔していた。
ひとまずもう引導を渡してやる。
「どうされますか?」
「すぐ行く。門の前に待たせておいて。
ひとまず僕も一言いってやりたいからいくよ。」
シャーリーに危害を加えるなんて僕が許すと思うかい?
僕は少ししてから門に向かった。
僕の顔を見るなりぱあっと顔を赤く染めて笑った。
わざとらしんだよ。
僕はそんな顔には騙されないよ。
「なんの用だ?」
少し様子を伺うように作り笑顔を張り付けた。
「あの先日、あの騒ぎの後にヴィクセレーネ様からもうザイン様に会うなと言われました。」
というかあれから学園休みで行っていないけど?
もう妄想に付き合うのは終わりだ。
シャーリーの妄想になら付き合うけどね。
「で、わざわざそんなこと言いにきたの?
わかってる?ここは公爵家だよ。いくらなんでもアポイント無しで訪問は普通ありえないよ。」
「でも、どうしても知ってほしくて。
ヴィクセレーネ様は影では酷いことをしてるんです。」
「ああ、もういいよ。聞いてられない。
ねえ、シャーリーといつ会うの?おかしいでしょう?あれから学園休みだよね。」
「昨日家に見えて・・・」
「は?シャーリーが君の家に?市民の家なんていかないよ。
それに昨日はずっと僕と一緒だったよ。」
「あ、二日前だったかしら?」
「二日前は学園で会ったよね?その後僕達は本屋に行ったし、君と会う時間はなかったでしょう?」
ほらほらもう言葉に詰まったでしょう?
「あ…でも…じゃあ…」
「だから言ったでしょう?僕のシャーリーはそんなことしない。」
「信じてください!わたしはザイン様の事を思って言っているんです!!」
「いやいや、何を信じるって言うんだい。
偽りばかりだ。君を信じることはない。
僕はシャーリーが好きなんだよ。見ててわかるだろう?何がしたいんだ?」
「私はあなたを心配しているだけなんです。」
ニヤッとルピアが笑ったと思ったら
突然抱きついてきた。
不意をつかれて支えるのがやっとだった。
僕は彼女を腕を力をいれて離そうとした。
しかし彼女は口角をあげてうっすらと笑った。
その笑いにぞくっとした。
「姉さん!!!」
遠くから声がした。
ジョーカスの声??
僕が顔を声の方に向けるとシャーリーが屈んで何かを拾おうとしていたが
目があった。
シャーリーは籠から手を引いて突然背を向けて走り出した。
「シャーリー!」
すぐにルピアを引きはがしてシャーリーを追いかけようとした。
しかし・・・
「ジョーカス!そこをどいてくれないか?
シャーリーを追いかけないと!」
ジョーカスは両手を広げて僕の行く道を阻んだ。
「行かせない!お前には姉さんは任せられない!
本当に最低な男だな!姉さんは僕は追いかける!姉さんは僕が守る!
来るな!!!」
ジョーカスに籠を渡された。
ズシリと重く感じた。
ジョーカスはすぐにシャーリーの後を追っかけて行った。
「行っちゃたわね。あら?本来なら怒って私達のところにくるはずなのに来ないのね。
つまんない。」
ルピアが残念そうに言った。
「何なんだ!お前は!
シャーリーがいるのが分かっていたのか!
いや、シャーリーが来るのを知っていたんだな!」
「あら、偶然なんじゃないですか?
シャーロレットは義理の弟君に任せたらどうですか?
これでもうシャーロレットのお守りはしなくてよくなりますね。
あなたは私がもらってあげるから心配しなくてもいいですよ。」
とうとう本性を表したな。
今日は何も約束をしていないがシャーリー不足だ。
毎日会っていても足りない。
いまごろシャーリーは何をしているのだろう。
そんなことを考えながら課題を消化していた。
法科って割と宿題多いんだよ。
魔科はどっちかというと実技が主だからシャーリーはのんきに休日を過ごしているはずだ。
いまごろ畑の雑草でも抜いているのかな?
「ルーズローツ坊ちゃま、お客様ですが・・・」
「シャーリー??!!」
「残念ながら違います。なんだか学園で同じクラスだと言っていますが。
銀色の髪の女の人ですが・・・。」
「はあ???」
先日あんなことをしておいてよく僕の前に顔を出せるな。
二日前も何食わぬ顔していた。
ひとまずもう引導を渡してやる。
「どうされますか?」
「すぐ行く。門の前に待たせておいて。
ひとまず僕も一言いってやりたいからいくよ。」
シャーリーに危害を加えるなんて僕が許すと思うかい?
僕は少ししてから門に向かった。
僕の顔を見るなりぱあっと顔を赤く染めて笑った。
わざとらしんだよ。
僕はそんな顔には騙されないよ。
「なんの用だ?」
少し様子を伺うように作り笑顔を張り付けた。
「あの先日、あの騒ぎの後にヴィクセレーネ様からもうザイン様に会うなと言われました。」
というかあれから学園休みで行っていないけど?
もう妄想に付き合うのは終わりだ。
シャーリーの妄想になら付き合うけどね。
「で、わざわざそんなこと言いにきたの?
わかってる?ここは公爵家だよ。いくらなんでもアポイント無しで訪問は普通ありえないよ。」
「でも、どうしても知ってほしくて。
ヴィクセレーネ様は影では酷いことをしてるんです。」
「ああ、もういいよ。聞いてられない。
ねえ、シャーリーといつ会うの?おかしいでしょう?あれから学園休みだよね。」
「昨日家に見えて・・・」
「は?シャーリーが君の家に?市民の家なんていかないよ。
それに昨日はずっと僕と一緒だったよ。」
「あ、二日前だったかしら?」
「二日前は学園で会ったよね?その後僕達は本屋に行ったし、君と会う時間はなかったでしょう?」
ほらほらもう言葉に詰まったでしょう?
「あ…でも…じゃあ…」
「だから言ったでしょう?僕のシャーリーはそんなことしない。」
「信じてください!わたしはザイン様の事を思って言っているんです!!」
「いやいや、何を信じるって言うんだい。
偽りばかりだ。君を信じることはない。
僕はシャーリーが好きなんだよ。見ててわかるだろう?何がしたいんだ?」
「私はあなたを心配しているだけなんです。」
ニヤッとルピアが笑ったと思ったら
突然抱きついてきた。
不意をつかれて支えるのがやっとだった。
僕は彼女を腕を力をいれて離そうとした。
しかし彼女は口角をあげてうっすらと笑った。
その笑いにぞくっとした。
「姉さん!!!」
遠くから声がした。
ジョーカスの声??
僕が顔を声の方に向けるとシャーリーが屈んで何かを拾おうとしていたが
目があった。
シャーリーは籠から手を引いて突然背を向けて走り出した。
「シャーリー!」
すぐにルピアを引きはがしてシャーリーを追いかけようとした。
しかし・・・
「ジョーカス!そこをどいてくれないか?
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ジョーカスは両手を広げて僕の行く道を阻んだ。
「行かせない!お前には姉さんは任せられない!
本当に最低な男だな!姉さんは僕は追いかける!姉さんは僕が守る!
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シャーリーがいるのが分かっていたのか!
いや、シャーリーが来るのを知っていたんだな!」
「あら、偶然なんじゃないですか?
シャーロレットは義理の弟君に任せたらどうですか?
これでもうシャーロレットのお守りはしなくてよくなりますね。
あなたは私がもらってあげるから心配しなくてもいいですよ。」
とうとう本性を表したな。
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