61 / 120
幕間 シャーリーのつぶやき
しおりを挟む
部屋のドアを足で閉めた。
はしたないけど誰も見てない。
荷物から服を出して着替える。鏡に向かって身だしなみをチェックする。私の服は割と青系が多い。
ルースがいつもリボンをプレゼントしてくれる。
青ばかりだ。彼の色だ。
青は好きだから嬉しい。
何よりルースにいつも守って貰ってるように感じる。それだけで気持ちが落ち着く。暖かいものがじわって心に湧き上がってくる。
今日もルースにもらった青のオーガンジーのリボンに同じオーガンジーが袖の切り替えについているワンピースだ。不思議な国のアリスっぽい。こんな可愛い服を着れるのも転生したおかげだ。この点はよかった。
この部屋の北の窓から海風が入ってくる。
窓から海がみえる。日に光っている水面はキラキラ光る。
本当に久しぶりに海を見る。素敵な景色は飽きない。心が洗われていくようだ。
転生に気づいて結構経つな。
本当にあの時は焦った。
みんなが優しく接してくれたから
私もなんとかやってこれた。
ヴィクセレーネ家の人達は本当に優しい。
公爵令嬢の立場から将来は親の決められた人と結婚させられるかもしれないという恐怖があったが、ヴィクセレーネ公爵夫妻は娘に甘かった。私の好きになった人と結婚すればいいんだよといつも笑ってくれた。しかし数年前からは何も言わなくなったな。まあ年頃の娘には気を使うものだ。煩く言わない親でよかった。
だから私も割と好きにしていた。
私の夢は目指せ国外追放!スローライフだった。
…だった。そう、過去形なのだ。
一応お金は少しは貯めてる。料理や洗濯、ある程度家事は前世の経験があるから心配はない。いつでも一人暮らしはできそう。
しかしわざわざ悪役令嬢になって断罪されて国外追放される意味はあるのか?
悪役令嬢、国外追放になれば公爵家に迷惑がかかる。
今まで育ててくれた両親や公爵家の人々に対して申し訳なくないのか。
公爵家にお咎めがあれば屋敷で働いている人達もどうなる?
先日、家族の愛情をすごく感じた。
それなのに私は自分勝手な考えをしていた。
私はヴィクセレーネの家族が好きだ。
ヴィクセレーネの娘でよかったと思うし、これからもあの家の娘でありたいと思った。
問題は他にもある。
よくよく考えてみれば性格的に無理だ。
悪役令嬢なんてなれない。
国外追放されるまで悪事を働くなんて出来ない。
一言で言ってしまえばお人好し、前世からこの性格は変わらない。その上どうしても一歩引いてしまう。なかなか転生しても別の人格にはなれない。こんな私が悪役令嬢などとはどう頑張っても無理だ。
単に家出でよくない?
親に心配させてでもしなくてはいけないことなの?
しかしそこには何か違う感情が湧いてくる。
私は鏡を見た。そこには年頃の女の子の姿がある。
今の私は前世の私と同じではない。
それはわかっている。
前世の私なんてここにはいない。
転生した私にはスキルがない。チートでもない。そんなの当然だ。私はシャーロレットなのだ。
転生したからスキルがあるとか何で勝手に決めてけていたのか?
シャーロレットは普通に夢を持ってもいいこの世界の女の子なのだ。
私は初めから
シャーロレット=ディ=サー=ヴィクセレーネ
だ。
こんな前世の殻にこもっていて何もしないオバさんに乗っ取られて…本当に申し訳ない。
このまま私が前世を引きずっていたら彼女の生に意味がなくなってしまうのはないか。
私は鏡に額を押し付けた。冷たい…。
「ねぇ、シャーロレット。私は弱いし臆病なの。前世、失敗したから今回も同じになりたくないって…。しっかり生きていかないとあなたに申し訳ないのに。」
鏡の中の自分に話しかける。
窓の外に見えるもう一度海を見る。
輝いていて海はルースの瞳の色と同じだ。
ルースが私の隣にいるなら私はずっと笑って暮らしていけるような気がする。
ルースは攻略対象だなんて誰が決めた?
ルースの未来を誰が決めていいの?
誰も決める事なんてできない。
彼は彼自身のものだ。
ゲームや小説の登場人物ではない。
それは私にも言える事だ。
さぁーと風が部屋に舞った。
窓の外の海は穏やかだ。
涙が溢れてきた。
嫌だ…。あの時の気持ちはやはりこれだ。
彼の隣に他の子がいるのは嫌だ。
私は…私の気持ちは誤魔化し切れない。
わかっていたはずなんだ。
わからないフリをしていただけなんだ。
それすらわかっていた。
「シャーロレット、私はルースと一緒にいる未来を考えもいい…?
普通の女の子としての幸せをあなたと一緒に夢みてもいいのかな?」
ん・・・?ちょっと待て!!
何だ?この流れは!“一緒に”って!!
鏡の前で口に出してしまうと流石に恥ずかしい。
そうだわかっているんだ。
気づいてしまったんだ。
お茶会のあとから少しずつ自覚してきた想い。
毎日机の隅に置かれた宝箱を気が付くと開けて見ている。
中には先日破れたリボンが入っている。
いずれルースとの仲もこうやって壊れて使われなくなって忘れていくのだろうか・・・
そう考えるとすごく胸が苦しくなる。
破れたリボンを悲しんでいるんじゃなくて、いづれ訪れるだろうルースとの決別が悲しい。
彼は大事な幼馴染だ。それだけのはずだ。
それだけ…なんて思うと胸がキュッとなる。
胸が痛い。チクチクする。この痛みは何か…知っていた。
先日の事で私は自分の気持ちに気づいてしまった。
だって前世もその気持ちを持っていたから。
「私はルースが好きなんだ。」
前世と同じ悲しい気持ちをしたくない…。
怖かった。人を好きになるのが怖かった。
気持ちが離れてしまうのが怖い。嫌だ。
だからこの感情はいらない。でも…苦しいの…。
どうしよう。どうしたらいい。
捨てなきゃ、この気持ちは捨てなきゃ……捨てれない。
鏡の前の私はこの世の終わりみたいな顔してるわね…。情けない顔。
窓の外から潮の香りがする。風が部屋に入ってくる。大きく深呼吸した。
日の光を受けて水面は穏やかに青く輝く。
岸壁にゆっくり波があたり白いしぶきが上がる。
本当に綺麗だ。ガラス玉のように光がゆらゆら揺れている。
本当に心が落ち着く。心地いい。
目を閉じてみる。
閉じても青い光は瞼の裏できらきらしていた。
彼が笑っている隣で私も笑っていたい。
彼をずっと抱きしめて離したくない。
彼が私を見つめている目をずっと見ていたい。
私のこの気持ちはどうしたらいい?
『大丈夫。今の気持ちを大事にして』
心の中から声がした。
シャーロレットの声?
涙がボロボロ落ちていく。
この気持ちは私だけのものではない。シャーロレット…あなたと私の気持ちなんだ。
だからこの気持ちを大事にしていかなきゃいけない。
「シャーロレット、私はルースが好きなの…。あなたも一緒にそう思ってくれる?」
風がカーテンを揺らした。
不思議だ。何度でもいえる。
「私はルースが好きなんだ。」
ふふふっ。素直に受け入れてしまえばこんなにうれしいものなのだ。とても楽しいものなのだ。
ははははっ。
なんだか笑えた。
ルースが好き。大好きなんだ。ずっと一緒にいたい。
簡単なことだった。こんなに簡単なことだったんだ。
そうだ。恋って楽しむことだったんだ。
ん?ちょっと待った!!
確かに私はルースが好きだと自覚した。しかしルースはどうなんだ???
ルースは私のことどう見てる??
いつも大好きって言ってくれるのは幼馴染だから?
幼馴染に対する社交辞令じゃないの?
一人で浮かれてどうすんの?
それこそルースの気持ち勝手に決めちゃってるじゃない。やだやだ。私ってば何…。
自覚するとパニックになるんだ。
あ~!
それに一緒にいたいって…結婚したいって言ってるみたいじゃない!
違うだろっ…ん?違うのか??違わなくないか…。
違わなくなくない?ん?違わない!!!!
「ルースはどうなんだろう」
顔を赤くしながら鏡に押し付けた額を動かして横にぐりぐり押し付けた。
「シャーリー!遅いから来ちゃった!」
満面の笑みを浮かべて突然入ってきた愛しの幼馴染にびっくりして、慌てて鏡から額を離した。
心臓が飛び出るかと思った。今の考えが見透かされないようにするには、顔が赤いのをわからなくするにはどうしたらいいのか必死に考えた。
「え?!シャーリーどうしたの?何があったの?泣いてる?どうしたの!」
しばらくルースのどうしたの?攻撃にあってしまった。
それがなんだか心地よい。
そうだ、彼を好きになってしまったんだ。
ゲームではない。前世でもない。
ここは現実だ。
踏み出そう。わたしの人生を。
私はあなたが好きなんです。
はしたないけど誰も見てない。
荷物から服を出して着替える。鏡に向かって身だしなみをチェックする。私の服は割と青系が多い。
ルースがいつもリボンをプレゼントしてくれる。
青ばかりだ。彼の色だ。
青は好きだから嬉しい。
何よりルースにいつも守って貰ってるように感じる。それだけで気持ちが落ち着く。暖かいものがじわって心に湧き上がってくる。
今日もルースにもらった青のオーガンジーのリボンに同じオーガンジーが袖の切り替えについているワンピースだ。不思議な国のアリスっぽい。こんな可愛い服を着れるのも転生したおかげだ。この点はよかった。
この部屋の北の窓から海風が入ってくる。
窓から海がみえる。日に光っている水面はキラキラ光る。
本当に久しぶりに海を見る。素敵な景色は飽きない。心が洗われていくようだ。
転生に気づいて結構経つな。
本当にあの時は焦った。
みんなが優しく接してくれたから
私もなんとかやってこれた。
ヴィクセレーネ家の人達は本当に優しい。
公爵令嬢の立場から将来は親の決められた人と結婚させられるかもしれないという恐怖があったが、ヴィクセレーネ公爵夫妻は娘に甘かった。私の好きになった人と結婚すればいいんだよといつも笑ってくれた。しかし数年前からは何も言わなくなったな。まあ年頃の娘には気を使うものだ。煩く言わない親でよかった。
だから私も割と好きにしていた。
私の夢は目指せ国外追放!スローライフだった。
…だった。そう、過去形なのだ。
一応お金は少しは貯めてる。料理や洗濯、ある程度家事は前世の経験があるから心配はない。いつでも一人暮らしはできそう。
しかしわざわざ悪役令嬢になって断罪されて国外追放される意味はあるのか?
悪役令嬢、国外追放になれば公爵家に迷惑がかかる。
今まで育ててくれた両親や公爵家の人々に対して申し訳なくないのか。
公爵家にお咎めがあれば屋敷で働いている人達もどうなる?
先日、家族の愛情をすごく感じた。
それなのに私は自分勝手な考えをしていた。
私はヴィクセレーネの家族が好きだ。
ヴィクセレーネの娘でよかったと思うし、これからもあの家の娘でありたいと思った。
問題は他にもある。
よくよく考えてみれば性格的に無理だ。
悪役令嬢なんてなれない。
国外追放されるまで悪事を働くなんて出来ない。
一言で言ってしまえばお人好し、前世からこの性格は変わらない。その上どうしても一歩引いてしまう。なかなか転生しても別の人格にはなれない。こんな私が悪役令嬢などとはどう頑張っても無理だ。
単に家出でよくない?
親に心配させてでもしなくてはいけないことなの?
しかしそこには何か違う感情が湧いてくる。
私は鏡を見た。そこには年頃の女の子の姿がある。
今の私は前世の私と同じではない。
それはわかっている。
前世の私なんてここにはいない。
転生した私にはスキルがない。チートでもない。そんなの当然だ。私はシャーロレットなのだ。
転生したからスキルがあるとか何で勝手に決めてけていたのか?
シャーロレットは普通に夢を持ってもいいこの世界の女の子なのだ。
私は初めから
シャーロレット=ディ=サー=ヴィクセレーネ
だ。
こんな前世の殻にこもっていて何もしないオバさんに乗っ取られて…本当に申し訳ない。
このまま私が前世を引きずっていたら彼女の生に意味がなくなってしまうのはないか。
私は鏡に額を押し付けた。冷たい…。
「ねぇ、シャーロレット。私は弱いし臆病なの。前世、失敗したから今回も同じになりたくないって…。しっかり生きていかないとあなたに申し訳ないのに。」
鏡の中の自分に話しかける。
窓の外に見えるもう一度海を見る。
輝いていて海はルースの瞳の色と同じだ。
ルースが私の隣にいるなら私はずっと笑って暮らしていけるような気がする。
ルースは攻略対象だなんて誰が決めた?
ルースの未来を誰が決めていいの?
誰も決める事なんてできない。
彼は彼自身のものだ。
ゲームや小説の登場人物ではない。
それは私にも言える事だ。
さぁーと風が部屋に舞った。
窓の外の海は穏やかだ。
涙が溢れてきた。
嫌だ…。あの時の気持ちはやはりこれだ。
彼の隣に他の子がいるのは嫌だ。
私は…私の気持ちは誤魔化し切れない。
わかっていたはずなんだ。
わからないフリをしていただけなんだ。
それすらわかっていた。
「シャーロレット、私はルースと一緒にいる未来を考えもいい…?
普通の女の子としての幸せをあなたと一緒に夢みてもいいのかな?」
ん・・・?ちょっと待て!!
何だ?この流れは!“一緒に”って!!
鏡の前で口に出してしまうと流石に恥ずかしい。
そうだわかっているんだ。
気づいてしまったんだ。
お茶会のあとから少しずつ自覚してきた想い。
毎日机の隅に置かれた宝箱を気が付くと開けて見ている。
中には先日破れたリボンが入っている。
いずれルースとの仲もこうやって壊れて使われなくなって忘れていくのだろうか・・・
そう考えるとすごく胸が苦しくなる。
破れたリボンを悲しんでいるんじゃなくて、いづれ訪れるだろうルースとの決別が悲しい。
彼は大事な幼馴染だ。それだけのはずだ。
それだけ…なんて思うと胸がキュッとなる。
胸が痛い。チクチクする。この痛みは何か…知っていた。
先日の事で私は自分の気持ちに気づいてしまった。
だって前世もその気持ちを持っていたから。
「私はルースが好きなんだ。」
前世と同じ悲しい気持ちをしたくない…。
怖かった。人を好きになるのが怖かった。
気持ちが離れてしまうのが怖い。嫌だ。
だからこの感情はいらない。でも…苦しいの…。
どうしよう。どうしたらいい。
捨てなきゃ、この気持ちは捨てなきゃ……捨てれない。
鏡の前の私はこの世の終わりみたいな顔してるわね…。情けない顔。
窓の外から潮の香りがする。風が部屋に入ってくる。大きく深呼吸した。
日の光を受けて水面は穏やかに青く輝く。
岸壁にゆっくり波があたり白いしぶきが上がる。
本当に綺麗だ。ガラス玉のように光がゆらゆら揺れている。
本当に心が落ち着く。心地いい。
目を閉じてみる。
閉じても青い光は瞼の裏できらきらしていた。
彼が笑っている隣で私も笑っていたい。
彼をずっと抱きしめて離したくない。
彼が私を見つめている目をずっと見ていたい。
私のこの気持ちはどうしたらいい?
『大丈夫。今の気持ちを大事にして』
心の中から声がした。
シャーロレットの声?
涙がボロボロ落ちていく。
この気持ちは私だけのものではない。シャーロレット…あなたと私の気持ちなんだ。
だからこの気持ちを大事にしていかなきゃいけない。
「シャーロレット、私はルースが好きなの…。あなたも一緒にそう思ってくれる?」
風がカーテンを揺らした。
不思議だ。何度でもいえる。
「私はルースが好きなんだ。」
ふふふっ。素直に受け入れてしまえばこんなにうれしいものなのだ。とても楽しいものなのだ。
ははははっ。
なんだか笑えた。
ルースが好き。大好きなんだ。ずっと一緒にいたい。
簡単なことだった。こんなに簡単なことだったんだ。
そうだ。恋って楽しむことだったんだ。
ん?ちょっと待った!!
確かに私はルースが好きだと自覚した。しかしルースはどうなんだ???
ルースは私のことどう見てる??
いつも大好きって言ってくれるのは幼馴染だから?
幼馴染に対する社交辞令じゃないの?
一人で浮かれてどうすんの?
それこそルースの気持ち勝手に決めちゃってるじゃない。やだやだ。私ってば何…。
自覚するとパニックになるんだ。
あ~!
それに一緒にいたいって…結婚したいって言ってるみたいじゃない!
違うだろっ…ん?違うのか??違わなくないか…。
違わなくなくない?ん?違わない!!!!
「ルースはどうなんだろう」
顔を赤くしながら鏡に押し付けた額を動かして横にぐりぐり押し付けた。
「シャーリー!遅いから来ちゃった!」
満面の笑みを浮かべて突然入ってきた愛しの幼馴染にびっくりして、慌てて鏡から額を離した。
心臓が飛び出るかと思った。今の考えが見透かされないようにするには、顔が赤いのをわからなくするにはどうしたらいいのか必死に考えた。
「え?!シャーリーどうしたの?何があったの?泣いてる?どうしたの!」
しばらくルースのどうしたの?攻撃にあってしまった。
それがなんだか心地よい。
そうだ、彼を好きになってしまったんだ。
ゲームではない。前世でもない。
ここは現実だ。
踏み出そう。わたしの人生を。
私はあなたが好きなんです。
84
お気に入りに追加
845
あなたにおすすめの小説

転生したので前世の大切な人に会いに行きます!
本見りん
恋愛
魔法大国と呼ばれるレーベン王国。
家族の中でただ一人弱い治療魔法しか使えなかったセリーナ。ある出来事によりセリーナが王都から離れた領地で暮らす事が決まったその夜、国を揺るがす未曾有の大事件が起きた。
……その時、眠っていた魔法が覚醒し更に自分の前世を思い出し死んですぐに生まれ変わったと気付いたセリーナ。
自分は今の家族に必要とされていない。……それなら、前世の自分の大切な人達に会いに行こう。そうして『少年セリ』として旅に出た。そこで出会った、大切な仲間たち。
……しかし一年後祖国レーベン王国では、セリーナの生死についての議論がされる事態になっていたのである。
『小説家になろう』様にも投稿しています。
『誰もが秘密を持っている 〜『治療魔法』使いセリの事情 転生したので前世の大切な人に会いに行きます!〜』
でしたが、今回は大幅にお直しした改稿版となります。楽しんでいただければ幸いです。

ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~
浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。
「これってゲームの強制力?!」
周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。
※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。

【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

【完結】やり直しですか? 王子はいらないんで爆走します。忙しすぎて辛い(泣)
との
恋愛
目覚めたら7歳に戻ってる。
今度こそ幸せになるぞ! と、生活改善してて気付きました。
ヤバいです。肝心な事を忘れて、
「林檎一切れゲットー」
なんて喜んでたなんて。
本気で頑張ります。ぐっ、負けないもん
ぶっ飛んだ行動力で突っ走る主人公。
「わしはメイドじゃねえですが」
「そうね、メイドには見えないわね」
ふふっと笑ったロクサーナは上機嫌で、庭師の心配などどこ吹く風。
ーーーーーー
タイトル改変しました。
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
32話、完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・

悪役令嬢?いま忙しいので後でやります
みおな
恋愛
転生したその世界は、かつて自分がゲームクリエーターとして作成した乙女ゲームの世界だった!
しかも、すべての愛を詰め込んだヒロインではなく、悪役令嬢?
私はヒロイン推しなんです。悪役令嬢?忙しいので、後にしてください。

時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
屋月 トム伽
恋愛
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。(リディアとオズワルド以外はなかった事になっているのでifとしてます。)
私は、リディア・ウォード侯爵令嬢19歳だ。
婚約者のレオンハルト・グラディオ様はこの国の第2王子だ。
レオン様の誕生日パーティーで、私はエスコートなしで行くと、婚約者のレオン様はアリシア男爵令嬢と仲睦まじい姿を見せつけられた。
一人壁の花になっていると、レオン様の兄のアレク様のご友人オズワルド様と知り合う。
話が弾み、つい地がでそうになるが…。
そして、パーティーの控室で私は襲われ、倒れてしまった。
朦朧とする意識の中、最後に見えたのはオズワルド様が私の名前を叫びながら控室に飛び込んでくる姿だった…。
そして、目が覚めると、オズワルド様と半年前に時間が戻っていた。
レオン様との婚約を避ける為に、オズワルド様と婚約することになり、二人の日常が始まる。
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。
第14回恋愛小説大賞にて奨励賞受賞

精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた
向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。
聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。
暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!?
一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる