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幕間 ルキシスのつぶやき ※
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先日、学園で一角ウサギが暴れたとの連絡を受けて捜査に駆り出されていた。
「なあ、ケイン。シャーロレット嬢はあの後大丈夫か?」
捜査の相棒はシャーロレット嬢の兄、ケインだ。
親友?悪友?友達だ。
「ああ、何事もなかったように今日も畑でトウモロコシ?が採れたらしくてうかれていた。」
「トウモロコシ?美味しいのか?」
「肉食のお前には
物足りないかもね。」
小さい時にはよく家に遊びにいっていた。
シャーロレット嬢はいつもケインの後ろにくっついていた。
だから私ともよく遊んでいた。
おとなしく、あまり自分から出ない子だった。
とある時に高熱を出して寝込んだ。
その少し前にケインも同じようなことがあったからあまり家系的に体が強くないのかという印象だ。
しかしシャーロレット嬢はその病気を境に私のことを忘れてしまった。
まあその時はそんなに感じなかったが今となってはとても残念でならない。
久しぶりにあった彼女はとても綺麗になっていた。
髪の毛はふわふわとした明るい茶色。
屈託のない笑い顔。
それなりに成長した体つき。
なによりあの綺麗な瞳。
亜麻色に輝いているその瞳はいろいろなものを映し出している。
人のことを常に考える。
明るい。素直だ。喜怒哀楽が顔に良く現れる。
ランチをした時も私のことを気遣ってくれた。
そんな彼女に今はとても好意を持ってしまっている。
あのまま幼馴染であったのなら、もしかして私は彼女と恋仲になっていたかもしれない。
結婚さえも夢ではなかったかもしれない。
あの子とならいつも笑って過ごしていけるのではないか?そう思うととても残念なのだ。
レオンハルト殿下さえも同じような気持ちを持たれている。
ほぼ婚約者に決まっていた彼女はルーズローツ様の本人の希望で彼の婚約者になった。
多分その時は気にもしていなかっただろう。
あの方は王太子として恋愛はあきらめているようだった。
自分の立場を理解しておられた。
そんなレオンハルト殿下もシャーロレット嬢に会って何か変わった。
彼女を今まで見たこともないような熱く優しい視線で見つめている。
たまにため息をつく。
しかし王太子殿下の護衛をしている私は殿下とルーズローツ様が異母兄弟だということを知っている。
目の前にいるケインも知っていると思う。
彼はヴィクトレーセ時期公爵として父親からある程度は聞いているはずだ。
「ルキシス、やはりおかしいと思わないか?」
「ああ、事故ではないな。偶然を装った事件だな。」
「誰かがスレギス草を手に入れて使った。そんな感じだな。」
「ああ、あの4人だけ狙われている。」
「それにスレギス草の匂いの形跡があの建物の出入り口付近からこの噴水まで続いているのが見える。」
ケインは割と魔力があるみたいだ。
いとも簡単にこういった手がかりをを見つけてしまう。
特に痕跡を見つけるのが得意だ。
「つまり4人のだれかがスレギス草、まあ現物じゃないにしても加工したものをもっていた、ということだな。」
「多分香水にしてこの出入り口のところで蓋を開けたんだろう。」
「じゃあ今度は武科の一角ウサギの小屋にいってみようか。」
歩きながらケインから問いかけられた。
「ところでシャーリーとはいつ会ったんだ?」
「ああ、殿下とお忍びで街に行った時が初めてだ。」
「お忍びって、はぁ。殿下もシャーリーも困ったものだ。」
「一緒に広場の東側のレストランでランチをしたよ。」
「ああ、あそこか。おいしいよね。」
ケインも知っているんだ。
「なあ、いつもお前の妹はあんな慈善事業みたいなことしてるのか?」
「ああ。結構街の人に好かれていただろ?」
「確かに。本当に公爵令嬢なのか?って思ったよ。」
「まあそこがシャーリーなんだよね。本当にあの病気の後に人が変わってしまったようだ。」
「やはりあの病気が原因なんだな。」
「いい方に変わってくれたからよかったよ。でも時々不安になるんだ。」
「何かあるのか?」
「ひそかにお金をためていて、街のつながりを作っている。いつか家をでていくつもりなんだろうか?って」
「考えすぎだろ?」
「だといいんだけれども。かわいい妹だ。できれば幸せになってもらいたいんだ。」
なんやかんや言って私の友達はシスコンだな。
「まあ、ルーズローツがそんなことはさせないね。」
私たちは一角ウサギの小屋を調べた。
「ケイン?何かわかるか?」
「大人が加わっているね。ここに残像が見えるんだけど・・・。あ、君には無理か。
子供というか多分生徒が2人。いや3?一人は女の子じゃないかな?小柄だ。
あとは2人は 大人だね。」
「さすがだね。」
「あまり私が魔力を持っているって言わないでね。魔導騎士団に入りたくないからね。向いてないんだよ。」
「結局生徒4人とスレギス草を手配した大人がそれに加わっているってことか・・ってケイン?」
ケインはずっと考え込んでいた。
多分私と同じことだろう。
「狙われたのはシャーリーか・・・」
「だろうな・・・。」
ケインは唇をかんでいた。
「スレギス草・・闇の商人か・・・厄介だな。」
「すぐに動くと思うか?」
「シャーリーを狙う目的はなんだ?ルーズローツか絡んでるのか?」
女が一人いるところを見るとかなりの確率
でルーズローツの争奪合戦だろう。
今のルーズローツ様とシャーロレット嬢の関係だと次もあるだろう。
それだけならいいのだが少し手がかかっていないか?
殿下、ザイン公爵には早めに連絡をしないといけない。
ひとまず友人として忠告しておく。
「そろそろルーズローツ様と妹の婚約を公にした方がいいんじゃないか?」
「私もそう思う。でも今回のことでルースもいろいろと考えているはずだ。
もう少し見守っていてやろうと思っている。
もしシャーリーに何かあれば当然婚約は無効にさせてもらう。
でもね、ルキシス。私は割とルーズローツを買っているんだよ。
でなければ可愛い妹をまかせられないからね。」
もう一回言うが私の友達はかなりのシスコンだ。まあそんな気持ちを分かってしまう自分がいた。
彼女を妹として私も見守っていくことにするよ。
殿下も同じように思うだろう。
まあ、このままルーズローツ様とシャーロレット嬢が結婚すれば殿下にとっては義理の妹なのか。
まあいいんじゃないか?
次に相手が動く前になんとかしないといけないがザイン公爵家がついているから今回は任せた方が無難かもしれない。
そういえば、前のラリルリ草のお礼のランチでも行くようにお誘いでもするか。
殿下も心配しているから3人でおいしい料理でも食べに行こう。
「なあ、ケイン。お願いがあるんだけれども、妹に伝言を頼まれてくれないか?」
私の親友は嫌な顔をした。
しつこいが彼はかなりのシスコンだ。
「お前にはシャーリーは絶対にやらんよ。」
「わかってるって。だって妹はルーズローツ様と婚約してるんだろ?何言ってるんだ。」
「ザイン家と婚約した時に約束しててね。」
「何を?」
「5年。5年経っても二人がお互いに好きになってなかったら婚約破棄してもいいんだ。」
へっ?初耳だ。
「しかし無理だろ。ルーズローツ様は見てわかるけど、妹もかなりルーズローツ様が好きだろ?」
「わかる?」
「まあな。」
「浮気とかしなさそうだし、シャーリーだけをずっと大事にしてくれそうだ。
ちょっと生意気だけど、年齢とともに落ち着いていくだろう。
だから私はシャーリーを任せられるのは現時点ではあいつしかいないと思う。」
ケインは堅い。浮気とか絶対許さないだろうな。
だから念を押すんだな。私ももう18歳だ。
何だかそろそろ私も現実を見ないといけないな。
そうも好き放題に遊んでもいられないな。
ひとまず親しく会うのは2人、いや3人くらいにはしておかないといけないな。
そんな時、ケインが口を開いた。
「本当、残念だよ。」
「何が?」
「シャーリーの初恋ってお前だったんだよ。」
衝撃の事実だった。
「なあ、ケイン。シャーロレット嬢はあの後大丈夫か?」
捜査の相棒はシャーロレット嬢の兄、ケインだ。
親友?悪友?友達だ。
「ああ、何事もなかったように今日も畑でトウモロコシ?が採れたらしくてうかれていた。」
「トウモロコシ?美味しいのか?」
「肉食のお前には
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しかしシャーロレット嬢はその病気を境に私のことを忘れてしまった。
まあその時はそんなに感じなかったが今となってはとても残念でならない。
久しぶりにあった彼女はとても綺麗になっていた。
髪の毛はふわふわとした明るい茶色。
屈託のない笑い顔。
それなりに成長した体つき。
なによりあの綺麗な瞳。
亜麻色に輝いているその瞳はいろいろなものを映し出している。
人のことを常に考える。
明るい。素直だ。喜怒哀楽が顔に良く現れる。
ランチをした時も私のことを気遣ってくれた。
そんな彼女に今はとても好意を持ってしまっている。
あのまま幼馴染であったのなら、もしかして私は彼女と恋仲になっていたかもしれない。
結婚さえも夢ではなかったかもしれない。
あの子とならいつも笑って過ごしていけるのではないか?そう思うととても残念なのだ。
レオンハルト殿下さえも同じような気持ちを持たれている。
ほぼ婚約者に決まっていた彼女はルーズローツ様の本人の希望で彼の婚約者になった。
多分その時は気にもしていなかっただろう。
あの方は王太子として恋愛はあきらめているようだった。
自分の立場を理解しておられた。
そんなレオンハルト殿下もシャーロレット嬢に会って何か変わった。
彼女を今まで見たこともないような熱く優しい視線で見つめている。
たまにため息をつく。
しかし王太子殿下の護衛をしている私は殿下とルーズローツ様が異母兄弟だということを知っている。
目の前にいるケインも知っていると思う。
彼はヴィクトレーセ時期公爵として父親からある程度は聞いているはずだ。
「ルキシス、やはりおかしいと思わないか?」
「ああ、事故ではないな。偶然を装った事件だな。」
「誰かがスレギス草を手に入れて使った。そんな感じだな。」
「ああ、あの4人だけ狙われている。」
「それにスレギス草の匂いの形跡があの建物の出入り口付近からこの噴水まで続いているのが見える。」
ケインは割と魔力があるみたいだ。
いとも簡単にこういった手がかりをを見つけてしまう。
特に痕跡を見つけるのが得意だ。
「つまり4人のだれかがスレギス草、まあ現物じゃないにしても加工したものをもっていた、ということだな。」
「多分香水にしてこの出入り口のところで蓋を開けたんだろう。」
「じゃあ今度は武科の一角ウサギの小屋にいってみようか。」
歩きながらケインから問いかけられた。
「ところでシャーリーとはいつ会ったんだ?」
「ああ、殿下とお忍びで街に行った時が初めてだ。」
「お忍びって、はぁ。殿下もシャーリーも困ったものだ。」
「一緒に広場の東側のレストランでランチをしたよ。」
「ああ、あそこか。おいしいよね。」
ケインも知っているんだ。
「なあ、いつもお前の妹はあんな慈善事業みたいなことしてるのか?」
「ああ。結構街の人に好かれていただろ?」
「確かに。本当に公爵令嬢なのか?って思ったよ。」
「まあそこがシャーリーなんだよね。本当にあの病気の後に人が変わってしまったようだ。」
「やはりあの病気が原因なんだな。」
「いい方に変わってくれたからよかったよ。でも時々不安になるんだ。」
「何かあるのか?」
「ひそかにお金をためていて、街のつながりを作っている。いつか家をでていくつもりなんだろうか?って」
「考えすぎだろ?」
「だといいんだけれども。かわいい妹だ。できれば幸せになってもらいたいんだ。」
なんやかんや言って私の友達はシスコンだな。
「まあ、ルーズローツがそんなことはさせないね。」
私たちは一角ウサギの小屋を調べた。
「ケイン?何かわかるか?」
「大人が加わっているね。ここに残像が見えるんだけど・・・。あ、君には無理か。
子供というか多分生徒が2人。いや3?一人は女の子じゃないかな?小柄だ。
あとは2人は 大人だね。」
「さすがだね。」
「あまり私が魔力を持っているって言わないでね。魔導騎士団に入りたくないからね。向いてないんだよ。」
「結局生徒4人とスレギス草を手配した大人がそれに加わっているってことか・・ってケイン?」
ケインはずっと考え込んでいた。
多分私と同じことだろう。
「狙われたのはシャーリーか・・・」
「だろうな・・・。」
ケインは唇をかんでいた。
「スレギス草・・闇の商人か・・・厄介だな。」
「すぐに動くと思うか?」
「シャーリーを狙う目的はなんだ?ルーズローツか絡んでるのか?」
女が一人いるところを見るとかなりの確率
でルーズローツの争奪合戦だろう。
今のルーズローツ様とシャーロレット嬢の関係だと次もあるだろう。
それだけならいいのだが少し手がかかっていないか?
殿下、ザイン公爵には早めに連絡をしないといけない。
ひとまず友人として忠告しておく。
「そろそろルーズローツ様と妹の婚約を公にした方がいいんじゃないか?」
「私もそう思う。でも今回のことでルースもいろいろと考えているはずだ。
もう少し見守っていてやろうと思っている。
もしシャーリーに何かあれば当然婚約は無効にさせてもらう。
でもね、ルキシス。私は割とルーズローツを買っているんだよ。
でなければ可愛い妹をまかせられないからね。」
もう一回言うが私の友達はかなりのシスコンだ。まあそんな気持ちを分かってしまう自分がいた。
彼女を妹として私も見守っていくことにするよ。
殿下も同じように思うだろう。
まあ、このままルーズローツ様とシャーロレット嬢が結婚すれば殿下にとっては義理の妹なのか。
まあいいんじゃないか?
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そういえば、前のラリルリ草のお礼のランチでも行くようにお誘いでもするか。
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「何を?」
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へっ?初耳だ。
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「わかる?」
「まあな。」
「浮気とかしなさそうだし、シャーリーだけをずっと大事にしてくれそうだ。
ちょっと生意気だけど、年齢とともに落ち着いていくだろう。
だから私はシャーリーを任せられるのは現時点ではあいつしかいないと思う。」
ケインは堅い。浮気とか絶対許さないだろうな。
だから念を押すんだな。私ももう18歳だ。
何だかそろそろ私も現実を見ないといけないな。
そうも好き放題に遊んでもいられないな。
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そんな時、ケインが口を開いた。
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