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その10 夢の中にて
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不覚にも風邪をひきました。かなりえらいです…。
このところ病気もしないで元気だったのですが、たまになると酷くなるんでしょうか?
学校休めてラッキー……でも、うっ頭痛い…。寝よ。
夢を見た。
前世の私だ。
顔が疲れてるな。
毎日毎日ひたすらご飯を作る、部屋を片付ける、洗濯を畳む。
旦那は帰ってきても顔すら合わせない。当然口すら聞かない。
旦那はリビングでテレビをつけて寝転ぶ。
また野球だ。
私はあまり好きじゃない。テレビで野球。ラジオでも野球を聞いている。多分この後はスポーツニュースの梯子だ。はやくシーズン終われ!
私は物置を頑張って片付けた四畳半のマイルームに閉じこもる。
かろうじてTVはある。
楽しくない。
家にいたくない。
何の為にこの家にいるんだろう。いつまで続くんだろう。もうやだ。子供が大学生になったら絶対に別れよう。あと5年…。もう嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌、嫌、嫌、嫌、
「いや!」
かなり汗をかいたみたいだ。体中ベタベタしてる。
落ち着け。もうあの時の私じゃない。
今は転生したのだから。
同じじゃない。あの時と同じじゃない。
息が荒い。
とにかく落ち着かないといけない。
隣に用意されていた水を飲む。大きく息を吐く。
…少し落ち着いた。この頃はあまり見なかった。あの時は精神的に追い込まれていた。かなり限界だった。死にたいとも思った。ただ、子供達がいるから思いとどまっていた。そんな私の気持ちも知らずテレビを見ながら野球に一喜一憂している旦那に何度嫌気が差したのだろう。
思い出したくない。しかし忘れることなんてできない。
怖い…やはり怖い。あんな自分は嫌だ。
みんな同じだ。初めは好きだとか言うくせにそのうち私に感情なんて抱かなくなる。
ただのお世話係。
感情のないロボットだとでも思っているんだろうか。
食べ終わった食卓に置かれたお皿。
ご飯を食べるだけ。
私の周りだけ暗い。
嫌だ。こんな人生嫌だ。一人で生きていくのが楽だ。
だから私は誰も信じない。信じられない。
「お嬢様?」
「サンドラ。ごめんなさい。起こしてしまった?」
「お嬢様が心配で隣の部屋で控えていました。物音がしたのでもしやと思い…。着替えられますか?」
「そうね。お願いしたいわ。」
「お嬢様…大丈夫ですか?」
「ええ、少しまだ熱はあるみたいだわ。頭も痛いし。」
「…そうではなくて…怖い夢でも見ましたか?」
私はサンドラに言われて初めて自分が泣いていることに気づいた。
やはり私に恋はもう無理なんだ。
明日からまた森で生きていくこと考えなきゃ。
ひとまず風邪を治そう。寝なきゃ。
でもまた前世の夢を見そうで怖い。
次の日は熱も下がり少しは体調はよかったがやはりあれから眠れなかった。結局学校は休んだ。
ルース心配してるな。
お昼過ぎにはご飯も食べられるようになった。
その次の日も前世で一人家事をしてる夢を見た。
顔を見た両親に無理しないようにと押しきられてやはり学校を休んだ。
生憎雨だ。
確かにあまり体調は良くない。夢ばかり見る。
寝ては夢を見て起きる。その繰り返しだ。
もう寝たくないな。
私は机の上を見た。破れたリボンが置いてある。
…私とルースの仲もいつか壊れる。
前世と一緒。
愛情だって所詮いつか壊れるんだ。
だからルースを好きな自分は想像しちゃいけない。
でも悲しい。
そんなふうに考える自分がさえも嫌だ。
もうルースに三日会ってないな。
学校行くようになってからは平日は学校で、休日は街へ一緒に行ってくれるからほぼ毎日あってたわね。たった三日だけど長く感じる。
ルース…会いたい。
ルースに愛情を持ってはいけない。
裏切られるかもしれない。
だけど抑えられない感情があるのを感じる。その感情は心の奥底に閉じ込めなきゃいけない。
とにかく表に出ないように押さえつけなきゃいけない。
ルースが同じだとも言えない。
だけど同じじゃないとも言えない。
怖い…。
私は机の上のリボンを折りたたんで宝箱にしている木箱にいれた。
そして隣にかけてあるお茶会でもらったリボンを手に取った。
ルースの色だ。
青いサテンの生地に立派な刺繍が施されている。
どこに行こうともこのリボンも必ず持っていこう。私はきっとこれだけで生きていけるわ。私はリボンを同じ場所に戻した。あら?この刺繍…片方の端だけ柄が違う?ワンポイントかしら。
結局学校を四日休んだ。
寝不足が辛い。やはり寝れない。
今まで私はどうやって寝ていたんだろう。思い出せなくなりそうだ。
休日が入るから今日、明日はルースに会えない。
会いたい。私は両親に頼み込んでルースに会いに行くことにした。
多分ルースに会えば怖い夢は見なくなると、訳のわからない持論を展開させていた。
まあ結果そうだったのだが…。とにかく彼に会いたい。
このところ病気もしないで元気だったのですが、たまになると酷くなるんでしょうか?
学校休めてラッキー……でも、うっ頭痛い…。寝よ。
夢を見た。
前世の私だ。
顔が疲れてるな。
毎日毎日ひたすらご飯を作る、部屋を片付ける、洗濯を畳む。
旦那は帰ってきても顔すら合わせない。当然口すら聞かない。
旦那はリビングでテレビをつけて寝転ぶ。
また野球だ。
私はあまり好きじゃない。テレビで野球。ラジオでも野球を聞いている。多分この後はスポーツニュースの梯子だ。はやくシーズン終われ!
私は物置を頑張って片付けた四畳半のマイルームに閉じこもる。
かろうじてTVはある。
楽しくない。
家にいたくない。
何の為にこの家にいるんだろう。いつまで続くんだろう。もうやだ。子供が大学生になったら絶対に別れよう。あと5年…。もう嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌、嫌、嫌、嫌、
「いや!」
かなり汗をかいたみたいだ。体中ベタベタしてる。
落ち着け。もうあの時の私じゃない。
今は転生したのだから。
同じじゃない。あの時と同じじゃない。
息が荒い。
とにかく落ち着かないといけない。
隣に用意されていた水を飲む。大きく息を吐く。
…少し落ち着いた。この頃はあまり見なかった。あの時は精神的に追い込まれていた。かなり限界だった。死にたいとも思った。ただ、子供達がいるから思いとどまっていた。そんな私の気持ちも知らずテレビを見ながら野球に一喜一憂している旦那に何度嫌気が差したのだろう。
思い出したくない。しかし忘れることなんてできない。
怖い…やはり怖い。あんな自分は嫌だ。
みんな同じだ。初めは好きだとか言うくせにそのうち私に感情なんて抱かなくなる。
ただのお世話係。
感情のないロボットだとでも思っているんだろうか。
食べ終わった食卓に置かれたお皿。
ご飯を食べるだけ。
私の周りだけ暗い。
嫌だ。こんな人生嫌だ。一人で生きていくのが楽だ。
だから私は誰も信じない。信じられない。
「お嬢様?」
「サンドラ。ごめんなさい。起こしてしまった?」
「お嬢様が心配で隣の部屋で控えていました。物音がしたのでもしやと思い…。着替えられますか?」
「そうね。お願いしたいわ。」
「お嬢様…大丈夫ですか?」
「ええ、少しまだ熱はあるみたいだわ。頭も痛いし。」
「…そうではなくて…怖い夢でも見ましたか?」
私はサンドラに言われて初めて自分が泣いていることに気づいた。
やはり私に恋はもう無理なんだ。
明日からまた森で生きていくこと考えなきゃ。
ひとまず風邪を治そう。寝なきゃ。
でもまた前世の夢を見そうで怖い。
次の日は熱も下がり少しは体調はよかったがやはりあれから眠れなかった。結局学校は休んだ。
ルース心配してるな。
お昼過ぎにはご飯も食べられるようになった。
その次の日も前世で一人家事をしてる夢を見た。
顔を見た両親に無理しないようにと押しきられてやはり学校を休んだ。
生憎雨だ。
確かにあまり体調は良くない。夢ばかり見る。
寝ては夢を見て起きる。その繰り返しだ。
もう寝たくないな。
私は机の上を見た。破れたリボンが置いてある。
…私とルースの仲もいつか壊れる。
前世と一緒。
愛情だって所詮いつか壊れるんだ。
だからルースを好きな自分は想像しちゃいけない。
でも悲しい。
そんなふうに考える自分がさえも嫌だ。
もうルースに三日会ってないな。
学校行くようになってからは平日は学校で、休日は街へ一緒に行ってくれるからほぼ毎日あってたわね。たった三日だけど長く感じる。
ルース…会いたい。
ルースに愛情を持ってはいけない。
裏切られるかもしれない。
だけど抑えられない感情があるのを感じる。その感情は心の奥底に閉じ込めなきゃいけない。
とにかく表に出ないように押さえつけなきゃいけない。
ルースが同じだとも言えない。
だけど同じじゃないとも言えない。
怖い…。
私は机の上のリボンを折りたたんで宝箱にしている木箱にいれた。
そして隣にかけてあるお茶会でもらったリボンを手に取った。
ルースの色だ。
青いサテンの生地に立派な刺繍が施されている。
どこに行こうともこのリボンも必ず持っていこう。私はきっとこれだけで生きていけるわ。私はリボンを同じ場所に戻した。あら?この刺繍…片方の端だけ柄が違う?ワンポイントかしら。
結局学校を四日休んだ。
寝不足が辛い。やはり寝れない。
今まで私はどうやって寝ていたんだろう。思い出せなくなりそうだ。
休日が入るから今日、明日はルースに会えない。
会いたい。私は両親に頼み込んでルースに会いに行くことにした。
多分ルースに会えば怖い夢は見なくなると、訳のわからない持論を展開させていた。
まあ結果そうだったのだが…。とにかく彼に会いたい。
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