上 下
12 / 120

その5 自室にて

しおりを挟む
今日は久しぶりにエルシーお姉様に会えて嬉しかった。
少しの間いらっしゃるようだから来週も遊びにいこうかな?
明後日学校に行ったらルースにお姉様の予定を聞いておいてもらおう!っと。

ザイン家から自宅に戻りのんびりベッドにダイビングしてあおむけで寝転がっていた。

しかし王太子殿下がいらっしゃたのには驚いたわ。
私と接点を持っても仕方ないじゃないの。ヒロインが出会わないと意味ないじゃない!
さて、どうやって王太子殿下とヒロインの出会いイベントを起こすかよね。
今の状態じゃ難しいわね。
攻略対象と思われる騎士団長のご子息も残念ながら殿下と同じ年なので学校での出会いはほぼない。
私も会ったことはないみたいだしね。

悪役令嬢になるためにはヒロインがどの攻略対象に行くのかわからないとどう動けばいいかわからない。
楽そうなルースかディラン様のルートに絞り込んでもらえればいいんのだけれども。

やっぱりルース推しにもっていくように誘導しようか。
ルースなら幼馴染の私が邪魔をしても変には思われないわよね。
ルースか・・・。
この世界にきて初めに友達になった子。
彼は私の話を横でいつも聞いてくれる。横やりを入れてくるけど・・。
今思えば突然会った女の子に攻略対象だとか悪役令嬢、国外追放なんていわれてよく話を聞いてくれたわ。頭おかしんじゃない?なんと思うのが普通よね。まあそう思っていたかもしれないけど聞き上手なタイプなのかな?今でもはかけがえのない友達だわ。できればこのままルースと・・・。

ん??またまた私ってば何考えてるの!!違う!違うから!!昨日から私、変!!
私は国外追放されて気ままに森で暮らすの!
もうあんな人生は嫌だ。
無我夢中で過ごしてきた私の前世の人生は振り返ってもないもなかった。
楽しかったことなんて何一つ思い出せない。
うまくいかないことばかりだった。
せっかくもう一度人生ができるんだから今度は一人で気ままに生きていくの!
その為にはざまぁされて国外追放されるんだから!!

トントン、とドアをたたく音がした。

「姉さま?僕だけど。」
どうもジョーカスのようだ。
「開いてるわよ」
扉をあけてジョーカスが入ってきた。
「怖い夢を見たんだ。一緒に寝てもいい?」
たまにジョーカスはこうやって夜にやってくる。
「あら、また見たの?大丈夫。もう14歳なんだからそろそろダメなんだけど今日だけね。」
この間もこんなこといってなかった?まあ可愛い弟が私を頼っているんだからいいわよね?
ジョーカスが私のベッドにもぐりこんできた。
「ありがとう。姉さま!大好き」
ジョーカスが私に胸に頭を当てて体を丸くさせた。
まあまだペタンコの胸だ何も気にされていないんだろう。それもちょっと悲しい。
私は考えるのをやめて寝ることにした。


※※
「シャーリー様が政経の教科委員をなさるなら私もご一緒しますわ。」
「あら!デェリス様!嬉しい。ぜひよろしくお願いします。デェリエ様が一緒なら心強いわ。」
次の日、学校で係り決めがあった。
これだ!これで政経の教科委員になればボガルノ先生とヒロインを監視できるわ。
すぐさま政経の教科委員に立候補した。デェリス様も一緒にやってくれるようで嬉しい。

授業後、みんなが提出したプリントを持ってボガルノ先生の部屋に向かった。
プリントを持ってきたことを告げて部屋に入る。
「あら?」
「こんにちは。」
いたわよ!ヒロインのルピアさんが部屋にいた。
「こんにちは。」
少しトーンを上げて答えてみた。
「先日は申し訳ありませんでした。ザイン様からたいしたことないと聞いておりますが、その後大丈夫でしたか?」
「ええ、すぐに腫れも引きましたので気にしないで下さい。ルピスさんも教科委員なんですか?」
「はい。ヴィクセレーネ様もですか?」
「そうです。これからこちらでお会いするかもしれませんがよろしくお願いしますね。」

ルピスさんも教科委員なら先生との間が近くなるわ。
これは攻略対象としと一歩先生がリードね。

機嫌よく教室に帰る為デェリス様と並んで歩いていた。

「シャーリー様は先ほどの方をご存知だったのですか?」
「ええ、入学式にお会いしました。」
「平民の方ですよね?」
「ええ、でもとても良い方ですよ。」
「そうですかね?」

デェリス様は振り返りもう一度先生の部屋を見た。
もうそこにはルピアさんはいなかった。







しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~

黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※ すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!

転生ガチャで悪役令嬢になりました

みおな
恋愛
 前世で死んだと思ったら、乙女ゲームの中に転生してました。 なんていうのが、一般的だと思うのだけど。  気がついたら、神様の前に立っていました。 神様が言うには、転生先はガチャで決めるらしいです。  初めて聞きました、そんなこと。 で、なんで何度回しても、悪役令嬢としかでないんですか?

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。

玖保ひかる
恋愛
[完結] 北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。 ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。 アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。 森に捨てられてしまったのだ。 南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。 苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。 ※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。 ※完結しました。

転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜

みおな
恋愛
 転生したら、乙女ゲームのモブ令嬢でした。って、どれだけラノベの世界なの?  だけど、ありがたいことに悪役令嬢でもヒロインでもなく、完全なモブ!!  これは離れたところから、乙女ゲームの展開を楽しもうと思っていたのに、どうして私が巻き込まれるの?  私ってモブですよね? さて、選択です。悪役令嬢ルート?ヒロインルート?

【完結】やり直しですか? 王子はいらないんで爆走します。忙しすぎて辛い(泣)

との
恋愛
目覚めたら7歳に戻ってる。 今度こそ幸せになるぞ! と、生活改善してて気付きました。 ヤバいです。肝心な事を忘れて、  「林檎一切れゲットー」 なんて喜んでたなんて。 本気で頑張ります。ぐっ、負けないもん ぶっ飛んだ行動力で突っ走る主人公。 「わしはメイドじゃねえですが」 「そうね、メイドには見えないわね」  ふふっと笑ったロクサーナは上機嫌で、庭師の心配などどこ吹く風。 ーーーーーー タイトル改変しました。 ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。 32話、完結迄予約投稿済みです。 R15は念の為・・

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

処理中です...